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第一章 『秘められた異次元(シークレットディメンション)』への扉!
第5話 オーク、生死をかけた戦い!
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オーガを倒し調子に乗ったオレは、オークとオーガを連れて城に帰る事にした。
危険人物を連れて城に入るなど、いろいろ問題が起こる気がするが、牢屋があるので何とかなるだろう。
シルビアさんは当然のように訊いて来る。
「その者達をどうするんですか?
また、街の人に危害を加えるかもしれませんよ。
牢屋にでも繋いでおくよりも処刑した方が確実です!」
「ひえええ!」
オーク達は当然に相当ビビっている。
オレの意見次第によっては、今日が彼らの最後になるのだ。
オーガだけは、自分お置かれた状況を理解しているらしく、静かにしていた。
さすがは、オーク達のリーダーだと感心する。
シルビアさんも不安に感じているのか、容赦ない処置を提案して来た。
たとえ縄で縛っているとはいえ、危険な事に変わりはない。
逃げ出したら一大事だと考えているのだろう。
シルビアさんもオーク達の命より、村の人々の安全を優先するようだった。
領主の娘としては当然の判断だろう。
親族もいなさそうだし、全滅させても怨む者はいまい。
オレが直接手を下すわけじゃないし、安全を思えば処刑した方が良いのだろう。
それでも、オレはオーク達を放っておけなかった。
さすがに、亜人種を処刑するのは道徳的にも葛藤がある。
オレは、オーク達を味方に引き入れることにした。
顔は悪いが、心は純粋であることが見て取れる。
優しく接してやれば、少なからず心を開いてくれるはずだ。
根気がいるかもしれないが、すぐに処刑するよりはずっと良い。
「うーん、こいつらは普通の人間よりも力が強い。
偏見なく接してやれば、きっとこの国に役立つはずだ!
しばらくオレに時間をくれ!」
シルビアさんはオレの指示に従う。
ワザと少し過激な発言をして、オレが止めるのを待っていたようだ。
おそらくオレが夫になるかを彼女なりに試していたのだろう。
中々抜け目のない女の子だ。
「私の考えを見抜いていましたか、さすがはマモルさん。
私もさすがに処刑はやり過ぎだと思っていました。
目をくり抜いて、奴隷が相当ですよね♡」
シルビアさんは、笑顔でそう言った。
「ひえええええ!」
オーク達は、再び恐怖で身を震えていた。
この国では、それが妥当なのかもしれないけど、日本人では刑が厳し過ぎると判断する。
目が見えなくては、介護者レベルになり役にも立たなそうだ。
農業くらいならなんとか手伝わせれるだろうけど、自分で生活できるレベルくらいにはしてあげたい。
村人と喜びを分かち合ってこそ、真の和解が成立するのだ。
「いや、それもどうだろう?
処罰する為の時間が欲しい。
オレも裁判するのは素人だから……」
「そうですか。
私にもよく分かりませんが、あなたが助けを必要としている時は、言ってください。
何か、力になるかもしれませんので……」
「ありがとう。一応、牢屋に入れて頑丈な鎖で繋いでおくよ。
それと、この作業は君の方が良いかもな。一つ頼んでも良いかい?
こいつらの似合いそうな服を買って来てくれよ。
オーガの服以外は街の人とサイズが変わらないから、大した問題もないだろう。
なるべく、君の好みで、カッコよくなれそうな感じで頼むよ!」
「なるほど、死に装束というわけですね。
最後くらい、着飾ってあげようというお心は立派です!」
「ひえええええええ!」
「いや、違うよ!
こいつらが普通の生活を送れるように改善をしようと考えているんだ」
「ふふ、冗談ですよ♡
脅える彼らが可愛く見えたので、いろいろ脅していただけです。
次に、刃向かったら命が無いという事を知らせるためにね♡」
オレはちょっと不安を感じたが、杞憂だった。
シルビアさんは最初からオーク達を処刑する気などなかったのだ。
ただ、彼らの反応を見て楽しんでいるドS少女だったのだ。
オーク達は本気で怖がって、逆らう意欲もなくしていた。
まあ、これが彼らの刑という事になるだろう。
その証拠に、シルビアさんは一通り遊び終えると、オレに協力的になる。
シルビアさんも、オーク達に愛着が沸いたのだろう。
ドS心を満足させながらも、オーク達の必要を気遣っていた。
オーク達は従順に命令に従ってくれるようになった。
「まあ、マモルさんの狙いは大体察しがつきますよ。
オーク達を人並みに生活させてやる為、調教するといったところでしょうか?
要は、あなたに服を選ぶような感じで良いでしょうね。
大量買いなら、値段も安くて済みますから明日すぐに買って来ます。
オーク達、オーガさん、首を洗って待っていてくださいね♡」
シルビアさんは、怪しい笑顔でそう言った。
オーク達が怯える表情を楽しんでいるようだ。
オレは、オーク達の怯える仕草から、芸人の才能がある事を見抜いた。
オレも悪ノリする。
「そんな感じでお願いします」
「ひええええええ!」
怯えるオーク達を尻目に、シルビアさんが急に真剣な顔付きで訊いてきた。
「分かりました。そんなことよりも、明日は約束通りに、あなたの部屋に参りますね?」
シルビアさんは急にオレを見て、言葉を言い難そうにする。
顔を背け、頬を紅く染める。
耳まで真っ赤になって、オレの回答を待っていた。
オレはいろいろ考えたが、思い当たらない。
「約束?」
オレはシルビアさんに逆に訊く。
このタイミングでの話し合いは、思い浮かばない。
すると、シルビアさんは思いついたように、いろいろ決め始めた。
オレの質問をはぐらかそうとしているようだ。
なんか、照れるような約束だろうか?
「あ、その前にあなたの部屋を変える方が先ですかね?
もっと良い部屋にしないと失礼でしょうからね……」
オレはまだよく分からない。
「えーと、何の話?」
オレがしつこく訊くと、シルビアさんは覚悟を決めたようにこう言った。
ワザと質問に答えなかったわけではないが、シルビアさんの表情から約束を思い出していた。
その姿も、オレは見て、可愛いと思ってしまう。
ゲームの宣伝で怯えていたシルビアさんが可愛いと感じたところから、約束を思い出した。
シルビアさんは怒ったように、ちょっと強めに言う。
「ですから、あなたがオーク達とオーガを倒したら、私と結婚という約束ですよ!
本当はあなたの力を見くびっていました。モンスターなんて相手にできないって……。
でも、あなたがオーク達を倒したことで、街の人も納得してくださいました。
もう、私も結婚してもいい歳になっていますし、そろそろ……。
あ、私では嫌でしたか?」
シルビアさんはちょっと涙目でオレを見る。
オレはやっぱり、この姿のシルビアさんに弱いんだよな。
可愛いと見つめてしまう。
「いや、急だったので、つい……」
三ヶ月前の約束が有効になったようだ。
いくら結婚を考えていたとはいえ、いきなり決まると恥ずかしい。
オレ達は緊張して黙ってしまった。すると、オーク達が悪態を吐いてきた。
「へっ、オイラ達の前でラブラブしてんじゃねーよ!」
「どうせ、オイラ達なんて、幼女をさらって嫁にするしか方法がないんだ。
普通の女はキモいとか言って、急所を蹴り上げて来るし、恐くておっかねえだ。
幼女をさらって、徐々に可愛く育てるしかねえだ」
「でも、オイラ達の環境だと、生活しているうちに嫁も徐々にオイラ達みたいになっていくだ! 化粧道具とか全然分からねえから」
「ああ、オイラも可愛い嫁さんが欲しいよ!」
オレはそう言うオーク達に告げる。オレの優しさがオーク達に伝わればいいのだが……。
「ふっ、オレがなんとかお前達を女の子にモテるように指導してやる。
だから、大人しく待っていろ!
服装とお金さえあれば、ある程度は醜くても相手ができるはずだから」
まあ、オレも彼女とかいなかったから自信は無いが、知識はある。
そう言うと、奥の方からオーガの声が聞こえて来た。
いままでと違い、素直な感じだった。
「本当ですか? 俺にも可愛い嫁さんができるのでしょうか?
この腹を見ただけで、女の子は走って逃げて行きます。
どんなに、どんなに傷付いた事か……」
シルビアさんは同情して言う。さすがは、オレの嫁さんだ。人間としての器が違う!
「可哀想に、こんな醜い腹を隠せないなんて……。
それじゃあ、気持ちが荒むのも当然ですね」
「ええ! どちらかというと、女の子の反応に傷付いたんですけど。
まあ、腹も悩みの種ですけど……」
「冗談ですよ、意外と良い音が鳴りそうじゃないですか?
じゃあ、私がカッコいい服を買って来るので、サイズを測らせて下さい」
シルビアさんは、オーガの腹を叩き、良い音を出した。
オーガは涙ながらに腹を押さえる。
感動したのか、痛かったのか分からないが…・・。
「はい!」
オーガのさわやかな返事が牢屋内に響き渡った。
オーク達も美女に弱い部分は、人間の男と同じだった。
実際、美人過ぎると、恥ずかしがって半径五メートル以内にも近付けない。
こうして、オレはオークとオーガを指導することになった。
鎖とか、ロープとか必要なくなったが、臭いので牢屋に住まわせる。
匂いが取れるまでは、隔離する必要がある。
だいたい一週間という所だ。
風呂に入らせ、普通の体臭になるのを待った。
ようやく村人と同じくらいの体臭になり、彼女を探す事が出来る。
服も用意できたし、住む場所を提供すれば問題解決するだろう。
上手く行くと思っていると、オーク達がもめ出した。
どうやら、オーク達にも価値基準があるようだ。
「お前は可愛い幼女を嫁にしたじゃないか!」
「オイラは確かにさらっただ。でも、途中で逃げ出されて、もう家にはいないだよ」
「お前、幼女の人生を狂わせておいて、そのままほったらかしだと?
そんな非人道的な事が許されると思っているのか?
さらったなら、ちゃんと仕事に付いて養って、将来は幸せにしますって結婚しねえといけねえんだぞ!
今からでも遅くない。親御さんのとこさ行って、嫁をもらって来い!」
「そんな、今さら遅いよ。
今行ったら、それこそ怖いおやじに真っ二つだべ!」
「死んでこいよ! お前、そりゃあ、殺されても仕方ねえよ!
もしかしたら、誠意を込めて謝れば、結婚を認めてくれるかもしれねえ。
ちゃんとした服さ着て、行って来いよ!」
「うう、オイラ、死にに行って来るだ!」
「オイラもいくぞ! オイラもお嫁さらった口だから、他人事とは思えねえ。
親御さんと仲良くできるように掛け合ってみるだ!」
こうしてオーク達は、親御さんに謝りに行くグループとナンパしにいくグループで別れた。
三分の二が、非人道的な行いをした奴らで、死んでも仕方ない。
オレは最悪の事態を避けるため、親御さんに謝りにいくグループに言う。
「この金をいくらか持って行けよ!
それだけで、親御さんの反応は違ってくるからな!」
オーク達はその金と言葉に感謝をする。
今まで、人間として見られていなかった可哀想な奴らだ。
オレも彼らの仕事を探しつつ、奪った財宝などを換金していた。
その一部を彼らに資金として分け与えたのだ。
仕事が見付かった場合は、給料の一部を前借して資金に変えた。
オレは資金を得て、いろいろな事に使う。
「うう、マモル、ありがとう!」
「オイラ達、出来るだけ生きて帰ってくるべ!」
こうして、オーク達の半分は旅立って行った。
また、会える日を楽しみにしているぞと、彼らの背中に向かって君は言う。
それほどに命を失いかねない危険な旅なのだ。
しばらくしてオレは、得た資金で酒屋を経営する事にした。
娯楽が少ないから、オレ自身が店を経営してみようと考える。
資金はたっぷり手に入ったし、人手も十分にある。
残念ながら、旅に出たオーク達の半分ほどは戻って来なかったが……。
礼儀のない奴らだったと諦める事にした。
幼女をさらって妻にしようとした奴らだ。
死んだとしても仕方はない。
漫画的アオリ
幼女を捉えても何もしない。
それがオーククオリティ!
危険人物を連れて城に入るなど、いろいろ問題が起こる気がするが、牢屋があるので何とかなるだろう。
シルビアさんは当然のように訊いて来る。
「その者達をどうするんですか?
また、街の人に危害を加えるかもしれませんよ。
牢屋にでも繋いでおくよりも処刑した方が確実です!」
「ひえええ!」
オーク達は当然に相当ビビっている。
オレの意見次第によっては、今日が彼らの最後になるのだ。
オーガだけは、自分お置かれた状況を理解しているらしく、静かにしていた。
さすがは、オーク達のリーダーだと感心する。
シルビアさんも不安に感じているのか、容赦ない処置を提案して来た。
たとえ縄で縛っているとはいえ、危険な事に変わりはない。
逃げ出したら一大事だと考えているのだろう。
シルビアさんもオーク達の命より、村の人々の安全を優先するようだった。
領主の娘としては当然の判断だろう。
親族もいなさそうだし、全滅させても怨む者はいまい。
オレが直接手を下すわけじゃないし、安全を思えば処刑した方が良いのだろう。
それでも、オレはオーク達を放っておけなかった。
さすがに、亜人種を処刑するのは道徳的にも葛藤がある。
オレは、オーク達を味方に引き入れることにした。
顔は悪いが、心は純粋であることが見て取れる。
優しく接してやれば、少なからず心を開いてくれるはずだ。
根気がいるかもしれないが、すぐに処刑するよりはずっと良い。
「うーん、こいつらは普通の人間よりも力が強い。
偏見なく接してやれば、きっとこの国に役立つはずだ!
しばらくオレに時間をくれ!」
シルビアさんはオレの指示に従う。
ワザと少し過激な発言をして、オレが止めるのを待っていたようだ。
おそらくオレが夫になるかを彼女なりに試していたのだろう。
中々抜け目のない女の子だ。
「私の考えを見抜いていましたか、さすがはマモルさん。
私もさすがに処刑はやり過ぎだと思っていました。
目をくり抜いて、奴隷が相当ですよね♡」
シルビアさんは、笑顔でそう言った。
「ひえええええ!」
オーク達は、再び恐怖で身を震えていた。
この国では、それが妥当なのかもしれないけど、日本人では刑が厳し過ぎると判断する。
目が見えなくては、介護者レベルになり役にも立たなそうだ。
農業くらいならなんとか手伝わせれるだろうけど、自分で生活できるレベルくらいにはしてあげたい。
村人と喜びを分かち合ってこそ、真の和解が成立するのだ。
「いや、それもどうだろう?
処罰する為の時間が欲しい。
オレも裁判するのは素人だから……」
「そうですか。
私にもよく分かりませんが、あなたが助けを必要としている時は、言ってください。
何か、力になるかもしれませんので……」
「ありがとう。一応、牢屋に入れて頑丈な鎖で繋いでおくよ。
それと、この作業は君の方が良いかもな。一つ頼んでも良いかい?
こいつらの似合いそうな服を買って来てくれよ。
オーガの服以外は街の人とサイズが変わらないから、大した問題もないだろう。
なるべく、君の好みで、カッコよくなれそうな感じで頼むよ!」
「なるほど、死に装束というわけですね。
最後くらい、着飾ってあげようというお心は立派です!」
「ひえええええええ!」
「いや、違うよ!
こいつらが普通の生活を送れるように改善をしようと考えているんだ」
「ふふ、冗談ですよ♡
脅える彼らが可愛く見えたので、いろいろ脅していただけです。
次に、刃向かったら命が無いという事を知らせるためにね♡」
オレはちょっと不安を感じたが、杞憂だった。
シルビアさんは最初からオーク達を処刑する気などなかったのだ。
ただ、彼らの反応を見て楽しんでいるドS少女だったのだ。
オーク達は本気で怖がって、逆らう意欲もなくしていた。
まあ、これが彼らの刑という事になるだろう。
その証拠に、シルビアさんは一通り遊び終えると、オレに協力的になる。
シルビアさんも、オーク達に愛着が沸いたのだろう。
ドS心を満足させながらも、オーク達の必要を気遣っていた。
オーク達は従順に命令に従ってくれるようになった。
「まあ、マモルさんの狙いは大体察しがつきますよ。
オーク達を人並みに生活させてやる為、調教するといったところでしょうか?
要は、あなたに服を選ぶような感じで良いでしょうね。
大量買いなら、値段も安くて済みますから明日すぐに買って来ます。
オーク達、オーガさん、首を洗って待っていてくださいね♡」
シルビアさんは、怪しい笑顔でそう言った。
オーク達が怯える表情を楽しんでいるようだ。
オレは、オーク達の怯える仕草から、芸人の才能がある事を見抜いた。
オレも悪ノリする。
「そんな感じでお願いします」
「ひええええええ!」
怯えるオーク達を尻目に、シルビアさんが急に真剣な顔付きで訊いてきた。
「分かりました。そんなことよりも、明日は約束通りに、あなたの部屋に参りますね?」
シルビアさんは急にオレを見て、言葉を言い難そうにする。
顔を背け、頬を紅く染める。
耳まで真っ赤になって、オレの回答を待っていた。
オレはいろいろ考えたが、思い当たらない。
「約束?」
オレはシルビアさんに逆に訊く。
このタイミングでの話し合いは、思い浮かばない。
すると、シルビアさんは思いついたように、いろいろ決め始めた。
オレの質問をはぐらかそうとしているようだ。
なんか、照れるような約束だろうか?
「あ、その前にあなたの部屋を変える方が先ですかね?
もっと良い部屋にしないと失礼でしょうからね……」
オレはまだよく分からない。
「えーと、何の話?」
オレがしつこく訊くと、シルビアさんは覚悟を決めたようにこう言った。
ワザと質問に答えなかったわけではないが、シルビアさんの表情から約束を思い出していた。
その姿も、オレは見て、可愛いと思ってしまう。
ゲームの宣伝で怯えていたシルビアさんが可愛いと感じたところから、約束を思い出した。
シルビアさんは怒ったように、ちょっと強めに言う。
「ですから、あなたがオーク達とオーガを倒したら、私と結婚という約束ですよ!
本当はあなたの力を見くびっていました。モンスターなんて相手にできないって……。
でも、あなたがオーク達を倒したことで、街の人も納得してくださいました。
もう、私も結婚してもいい歳になっていますし、そろそろ……。
あ、私では嫌でしたか?」
シルビアさんはちょっと涙目でオレを見る。
オレはやっぱり、この姿のシルビアさんに弱いんだよな。
可愛いと見つめてしまう。
「いや、急だったので、つい……」
三ヶ月前の約束が有効になったようだ。
いくら結婚を考えていたとはいえ、いきなり決まると恥ずかしい。
オレ達は緊張して黙ってしまった。すると、オーク達が悪態を吐いてきた。
「へっ、オイラ達の前でラブラブしてんじゃねーよ!」
「どうせ、オイラ達なんて、幼女をさらって嫁にするしか方法がないんだ。
普通の女はキモいとか言って、急所を蹴り上げて来るし、恐くておっかねえだ。
幼女をさらって、徐々に可愛く育てるしかねえだ」
「でも、オイラ達の環境だと、生活しているうちに嫁も徐々にオイラ達みたいになっていくだ! 化粧道具とか全然分からねえから」
「ああ、オイラも可愛い嫁さんが欲しいよ!」
オレはそう言うオーク達に告げる。オレの優しさがオーク達に伝わればいいのだが……。
「ふっ、オレがなんとかお前達を女の子にモテるように指導してやる。
だから、大人しく待っていろ!
服装とお金さえあれば、ある程度は醜くても相手ができるはずだから」
まあ、オレも彼女とかいなかったから自信は無いが、知識はある。
そう言うと、奥の方からオーガの声が聞こえて来た。
いままでと違い、素直な感じだった。
「本当ですか? 俺にも可愛い嫁さんができるのでしょうか?
この腹を見ただけで、女の子は走って逃げて行きます。
どんなに、どんなに傷付いた事か……」
シルビアさんは同情して言う。さすがは、オレの嫁さんだ。人間としての器が違う!
「可哀想に、こんな醜い腹を隠せないなんて……。
それじゃあ、気持ちが荒むのも当然ですね」
「ええ! どちらかというと、女の子の反応に傷付いたんですけど。
まあ、腹も悩みの種ですけど……」
「冗談ですよ、意外と良い音が鳴りそうじゃないですか?
じゃあ、私がカッコいい服を買って来るので、サイズを測らせて下さい」
シルビアさんは、オーガの腹を叩き、良い音を出した。
オーガは涙ながらに腹を押さえる。
感動したのか、痛かったのか分からないが…・・。
「はい!」
オーガのさわやかな返事が牢屋内に響き渡った。
オーク達も美女に弱い部分は、人間の男と同じだった。
実際、美人過ぎると、恥ずかしがって半径五メートル以内にも近付けない。
こうして、オレはオークとオーガを指導することになった。
鎖とか、ロープとか必要なくなったが、臭いので牢屋に住まわせる。
匂いが取れるまでは、隔離する必要がある。
だいたい一週間という所だ。
風呂に入らせ、普通の体臭になるのを待った。
ようやく村人と同じくらいの体臭になり、彼女を探す事が出来る。
服も用意できたし、住む場所を提供すれば問題解決するだろう。
上手く行くと思っていると、オーク達がもめ出した。
どうやら、オーク達にも価値基準があるようだ。
「お前は可愛い幼女を嫁にしたじゃないか!」
「オイラは確かにさらっただ。でも、途中で逃げ出されて、もう家にはいないだよ」
「お前、幼女の人生を狂わせておいて、そのままほったらかしだと?
そんな非人道的な事が許されると思っているのか?
さらったなら、ちゃんと仕事に付いて養って、将来は幸せにしますって結婚しねえといけねえんだぞ!
今からでも遅くない。親御さんのとこさ行って、嫁をもらって来い!」
「そんな、今さら遅いよ。
今行ったら、それこそ怖いおやじに真っ二つだべ!」
「死んでこいよ! お前、そりゃあ、殺されても仕方ねえよ!
もしかしたら、誠意を込めて謝れば、結婚を認めてくれるかもしれねえ。
ちゃんとした服さ着て、行って来いよ!」
「うう、オイラ、死にに行って来るだ!」
「オイラもいくぞ! オイラもお嫁さらった口だから、他人事とは思えねえ。
親御さんと仲良くできるように掛け合ってみるだ!」
こうしてオーク達は、親御さんに謝りに行くグループとナンパしにいくグループで別れた。
三分の二が、非人道的な行いをした奴らで、死んでも仕方ない。
オレは最悪の事態を避けるため、親御さんに謝りにいくグループに言う。
「この金をいくらか持って行けよ!
それだけで、親御さんの反応は違ってくるからな!」
オーク達はその金と言葉に感謝をする。
今まで、人間として見られていなかった可哀想な奴らだ。
オレも彼らの仕事を探しつつ、奪った財宝などを換金していた。
その一部を彼らに資金として分け与えたのだ。
仕事が見付かった場合は、給料の一部を前借して資金に変えた。
オレは資金を得て、いろいろな事に使う。
「うう、マモル、ありがとう!」
「オイラ達、出来るだけ生きて帰ってくるべ!」
こうして、オーク達の半分は旅立って行った。
また、会える日を楽しみにしているぞと、彼らの背中に向かって君は言う。
それほどに命を失いかねない危険な旅なのだ。
しばらくしてオレは、得た資金で酒屋を経営する事にした。
娯楽が少ないから、オレ自身が店を経営してみようと考える。
資金はたっぷり手に入ったし、人手も十分にある。
残念ながら、旅に出たオーク達の半分ほどは戻って来なかったが……。
礼儀のない奴らだったと諦める事にした。
幼女をさらって妻にしようとした奴らだ。
死んだとしても仕方はない。
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