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第一章 『秘められた異次元(シークレットディメンション)』への扉!
第8話 惑わすエルフの森の脅威がオレ達のラブラブぷりっによって発揮されない?
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【注意】この辺は、バカップルのラブラブシーンが多めです。
覚悟して読んで下さいね。
まあ、新婚にはありがちなラブラブシーンですよ。
オレ達はエルフの森へと出発する。
オレとシルビアさん、オーガとオークの四人だ。
他のオーク達は、噂で聞いたエルフ達の美しい姿に魅了されていたモノの、現実的な見方をし出し、普通の女の子でさえ無理なのに、エルフと恋人の中になるのは不可能と判断し断念した。
普通の娘達と交友を持つ事で、徐々に自分達の良さを知ってもらえるようにする方法を取った。
気長に努力する事で、彼女ゲットを測る戦術だ。
村人と一緒に居れば、ある程度は成功する事だろう。
オレ達と残ったオークは、まだ夢から覚めていないようだった。
美しい妻を得たいと、理想を追い求めている。
まあ、奇跡が起きる可能性もあるし、ここで人生が終わる可能性もある。
お前が納得する道をいけと言って励まし、オレ達と付いて来ることに決めた。
実際、エルフがブチ切れして死ぬ危険が九割だが、奇跡を信じるしかない。
オーガは、他の選択肢が無い為、九割死ぬ道を選ぶ。
オーガとオーク本人には、その事は知らせていないので、二人は希望を胸に付いて来る。
オレとしても、美人女将が手に入れば、収入が増えるので危険を冒すしかない。
まあ、危険になるのは奴らだけなんだが……。
この四人で馬車に乗って、エルフ村のある森へと向かって行く。
エルフの村までは、片道二時間ほど時間がかかり、長旅が予想された。
すると、馬車の中でシルビアさんは、手作りのケーキとコーヒーを用意してくれる。
「ハーイ、温かいコーヒーが入っていますよ。後、ケーキとお味噌汁も……。
日本で買った保温ポットがとても便利です。
どうぞ、お腹がすいたら言ってくださいね♡」
オレはシルビアさんの言葉を聞き、出来る嫁は違うなあと、感心する。
全く、良い彼女をゲットしたものだ。しかし、味噌汁の味が気になる。
はたして、オレ好みになっているだろうか? オレは早速、シルビアさんにお願いする。
「じゃあ、味噌汁を一杯くれないか? その後で、ケーキとコーヒーを貰おう!」
それを聞き、オーガとオークはビックリとして叫ぶ。
「馬車に乗って、いきなりかよ!」
「まだ、出発から五分も経ってねえよ!
そんなペースじゃあ、オイラ達の分がなくなっちまうだ!」
そのうるさい奴らを、オレは一言で黙らせる。
「うるさい! 愛する妻の手作りを、一滴でも無駄にするわけにはいかないのだ!
それが分からん貴様らは、泥水でも飲んでいればいい! というか飲むな、食べるな。
この料理は、全部オレの物なのさ!」
「ふふ、あなたが望むのなら、邪魔者のこいつらは一気に処理しますよ♡
苦しまない様に、逝かせてあげる♡」
「じゃあ、頼む!
活かさず、殺さず、オレ達のラブラブ感を容赦なく見せ付けてやるんだ!
あいつらが出来る妻を切望する方が、結婚できる成功率が段違いいで上がるからな。
あいつらがシルビアの近くにいる事で幸福を噛み締めたら、奴らの成長はそこで止まる!」
「じゃあ、仕方ないですね♡
奴らの成長率と希望がないと判断したら、その日の内に冷たくしておきますよ。
そうならない為にも、もっともっと熱くならないとね♡
はい、あ・な・た・あーん♡」
「口移しで頼むよ!」
「もう、我儘なダーリンですね♡」
オレとシルビアさんは、オーガ達に見せ付ける様にラブラブする。
これまで彼女のかの字も出来た事のない奴らの前で、こんなラブラブぶりを見せ付けるなんて、非常に残酷な事なのだが、これも奴らの為なんだ。
奴らが劣等感を感じ、自らの限界を破ってこそ、彼女や妻が手に入るのだ。
考えても見て欲しい。
一回ナンパを失敗して諦めた奴と、三百回ナンパを失敗しても諦めない奴、どちらが立派になるだろうか?
正解は、明らかに後者だ。
折れない精神的な強さと、諦めない粘り強さを身に付けている。
「ちきしょう! 俺も必ず彼女を見付けてやるだ」
「へっ、出発前に士気を上げてくれてありがとうよ!」
こう悪態を吐くオーガとオークを尻目に、オレはシルビアさんとイチャラブする。
なんか知らないが、物すごい優越感だ。
もう、このままオーガとオークが一生一人で居ようがどうでも良いという気になって来る。
適当に一緒に旅行して、後はポイで良いだろうか?
「はい、あなた、味噌汁ですよ」
「ありがとう、シルビア」
オレとシルビアさんは見つめ合い、しばらく時間が経過した。
愛する者同士という者は、時間が過ぎるのも早く感じるものだ。
「おい! もう三分は過ぎたぞ。早く飲まねえと、冷めてしまうぞ!」
オーガ達に言われ、オレ達はハッとする。
「おっと、いけない!」
オレは美味しいみそ汁を飲み干す。
「ふー、さすがに美味しいな!」
「あなたが昨日、味見してくれましたもの」
「君の愛情で、更に美味しくなっているよ。
オレが教えた様に、丁度良い味だ」
「ええ、私の愛情も強まりましたわ!
あなたに手取り足取り教えられ、私も食べ頃になっていますよ♡」
オレとシルビアさんは抱き合う。
「ああ、オーガとオークの処理が終わったら、結婚しよう♡」
「まあ、嬉しい!」
オレ達は、三十分ほど抱き合ったままでいた。
シルビアさんの吐息が荒くなり、緊張しているのが分かる。
シルビアさんの香りが心地良く、ずっと感じていたいと思っていた。
「俺達、こんな奴らと旅をしなきゃならないのかよ……」
「拷問か、生き地獄だぜ……」
こうして、ようやく馬車に乗り出発して三十分ほどが経過した。
目的地まで、残りだいたい一時間半くらいの道程だ。
オレ達はトランプをしたりして、時間を潰す。
こうして、エルフの森の入口に辿り着いた。
オレ達は森に着くと、いきなり不気味な雰囲気を感じ出す。
森の中は薄暗く、とても昼間とは思えない。
森が茂っているため、薄暗く見えるのだが、それを抜きにしても不安を感じてしまう。
シルビアさんは、馬車の運転手の言っていた事を思い出す。
オレと抱き合っていたのに、覚えている余裕があったとは……。
「馬車のおじさんが言っていましたね。
この森は危険で、地元の人は誰も近づかないと……。
エルフ達は、森の奥に潜み、人間が近付くのを警戒していると……」
「まあ、シルビアさんの知り合いのエルフが住んでいるんだし、俺達は大丈夫だべ!」
オーガは笑ってそう言うと、シルビアさんはえっ、とした表情をする。
「この周辺に私の知り合いは、いないんですけど……。
あくまでも噂で聞いただけなので、そんなに信頼されても困りますよ」
「えええええええ、知り合いがいるから紹介したんでしょ?
いなきゃ、俺ら、死んじゃうかもよ。こんな危険な森の中じゃ……」
シルビアさんはパンフレットを見せて言う。
「ほら、ここに恐怖のスポットって書いてあるじゃないですか!
一人は怖いですけど、みんなで行けば大丈夫かなと……」
オーガ達はその冊子を見て、戦慄を覚える。
「おいおい、オカルトスポットじゃないかよ。
可愛い女の子の代わりに、恨みを持った美女が出没するじゃないか!
何人もが行方不明になる呪われた禁断のスポット、明らかにヤバイ場所じゃん!
お持ち帰りするのは、うつ状態で料理も性処理もしてくれない暗殺美女じゃん!
そんなのに付きまとわれたらどうするんだよ?
俺、オカルト系とか大の苦手なんだよ……」
どうやらシルビアさんは怖いのが大好きらしい。
実は、オレもそういういわくつきの場所が大好きだった。
異次元に行こうとするくらいだ、嫌いなわけがない!
逆に、オーガやオークには、苦手なスポットのようだ。
弱い者をいじめていただけに、チキンな奴らだった。
強い者や怖い物は、近付く事さえしない。
どんな美女だって、彼女は彼女だ。
一応の来た目的は果たせそうだった。
「じゃあ、行こうか!」
オレとシルビアさんは手を握って、森へ入って行く。
「ちょっと、待てや! マジでやばいって!」
「そうだ、そうだ。この世界じゃ、死亡ブラフだぞ、それ!」
騒ぎ出すオーガとオークを前に、オレは彼らを諭す。
「この森の先に、絶世の美女がいるかもしれないんだぞ!
男なら、行かなくてどうする? いや、危険でも行くべきだ!」
その言葉を聞き、オークとオーガは恐る恐る森の中へと入って行く。
ここで取り残されるよりかは、中の方が隠れる事が出来ると判断したのだろう。
すると、オレの予想とは別に、シルビアさんの声と表情が怖くなった。
「え? マモルさん、あなたの目当ても絶世の美女ですか?」
シルビアさんの怖い顔がキミの前にアップで映し出された。
はっきり言って、エルフの森よりもっと怖い。
下手な返事をしたら、ドSな攻撃が待っている事だろう。
今は、オーガとオークを嫉妬させて、可能性を引き出している段階だ。
過激なSM行為は、奴らに恐怖心を植え付ける危険がある。
なんとか誤魔化すしかない。
「ふっ、エルフ達に、君の美しさを教えてあげようと思ってね。
表面だけでなく、内面も美しい君の素晴らしさを!
君の美しさには、エルフ達も敵わないさ!」
それを聞き、シルビアさんは嬉しそうに照れる。
そして、照れ隠しにオレを軽く叩く。
実際には、ドSの攻撃もして欲しいけど。
「まあ、誉めるのがうまい人ね!
私も、あなたの為にもっと美しくなる様に努力しますよ。
クソエルフだろうが、村の芋娘だろうが、負けませんよ!」
こうして、オレ達は森の中へ進んでいく。
すると、突然に霧が出始めた。
何やら怪しい雰囲気がますます強くなって来る。
オレでさえ、背筋がぞくぞくっとする感覚を覚えた。
オーガとオークでは、失禁している可能性もある。
その緊張感をシルビアさんが打ち破った。
「あーん、ダーリン、恐い♡
ねえ、強くハグして♡」
「大丈夫だよ、シルビア♡
こういう時は動かず、騒がず、君の作ったケーキを食べるのが正解の選択だ。
さあ、みんなで一緒に食べよう!」
実は、オレも恐怖を感じ始めていた。
得体の知れない恐怖がオレ達に付きまとっている。
オレとシルビアさんは、コーヒーとケーキを準備し始めた。
辺りを、コーヒーの良い香りが漂う。
オレ達がコーヒーを飲もうとすると、オークが自分で持って来た砂糖を差し出す。
「これ、オイラの買った砂糖だ。よかったら使ってくれ!」
「あら、ありがとう!」
オレはブラックコーヒーを男らしく飲むが、シルビアさんはオークからもらった砂糖を使い、味の調節をしてから飲む。
オレはコーヒーを一口、口に含む。
「うーん、素晴らしい一時だ! こうしていると本気で思うよ、シルビア」
「何を?」
「君に出会えてよかったってことをさ♡」
オレはシルビアさんに軽くキスをする。
「あん、私も……」
オレとシルビアさんは、オーガ達を尻目にイチャラブし始める。
「くっそ! これが吊り橋効果ってやつか?
こんな状況でラブラブしやがって!」
「違うと思うだ……。これは吊り橋効果でなく、ただ単にラブラブしたいだけなんだ……」
「俺、もうこのパーティー嫌だよ……。気分がすさむ」
「耐えるんだ! きっと何かの作戦なんだ!
そう信じたいオイラがいる!」
オーガとオークがそう語っている間も、オレとシルビアさんはラブラブし続ける。
すると、森の木の方から、若い女達の声が聞こえて来た。
どうやら、噂のエルフ達がオレ達の作戦にまんまと引っ掛かったようだ。
「ちょっと! 何、私達の森でラブラブしてんのよ!
ここは恐怖スポットよ! 少しは怖がりなさいよ!
こんなに恐怖を演出しているのに……」
そう言って、エルフと呼ばれる美女達が飛び出してきた。
「え? なんか変わった事あっただか?」
「こいつらに気を取られて、分かんなかった」
オーガとオークは、辺りを観察すると、火の玉やお化けらしきものが姿を現していた。
これがこの怪しい霧の効果らしい。オーガとオークがそれを見てビビる。
「これは怖いだ……。女の声がしなければ、恐怖で縮こまってただ」
「もうネタばれしたからあんまり怖くないけどな……」
オレの作戦は成功したようだ。
オーガとオークを怖がらせず、エルフ達を引き寄せることに成功した。
「くっそ! 怖がらせて、追っ払うつもりだったのに……。
私達の方が先に姿を見せちゃったじゃない! こうなったら作戦変更よ!
あんたらの金品をもらうわ!
ここはよそ者禁止のエルフの土地よ!
通行料として、金銭を全て置いていきなさい!」
エルフ達は金品を要求して来た。
これは戦うほかない。
オレ達は戦闘を開始しようとする。
覚悟して読んで下さいね。
まあ、新婚にはありがちなラブラブシーンですよ。
オレ達はエルフの森へと出発する。
オレとシルビアさん、オーガとオークの四人だ。
他のオーク達は、噂で聞いたエルフ達の美しい姿に魅了されていたモノの、現実的な見方をし出し、普通の女の子でさえ無理なのに、エルフと恋人の中になるのは不可能と判断し断念した。
普通の娘達と交友を持つ事で、徐々に自分達の良さを知ってもらえるようにする方法を取った。
気長に努力する事で、彼女ゲットを測る戦術だ。
村人と一緒に居れば、ある程度は成功する事だろう。
オレ達と残ったオークは、まだ夢から覚めていないようだった。
美しい妻を得たいと、理想を追い求めている。
まあ、奇跡が起きる可能性もあるし、ここで人生が終わる可能性もある。
お前が納得する道をいけと言って励まし、オレ達と付いて来ることに決めた。
実際、エルフがブチ切れして死ぬ危険が九割だが、奇跡を信じるしかない。
オーガは、他の選択肢が無い為、九割死ぬ道を選ぶ。
オーガとオーク本人には、その事は知らせていないので、二人は希望を胸に付いて来る。
オレとしても、美人女将が手に入れば、収入が増えるので危険を冒すしかない。
まあ、危険になるのは奴らだけなんだが……。
この四人で馬車に乗って、エルフ村のある森へと向かって行く。
エルフの村までは、片道二時間ほど時間がかかり、長旅が予想された。
すると、馬車の中でシルビアさんは、手作りのケーキとコーヒーを用意してくれる。
「ハーイ、温かいコーヒーが入っていますよ。後、ケーキとお味噌汁も……。
日本で買った保温ポットがとても便利です。
どうぞ、お腹がすいたら言ってくださいね♡」
オレはシルビアさんの言葉を聞き、出来る嫁は違うなあと、感心する。
全く、良い彼女をゲットしたものだ。しかし、味噌汁の味が気になる。
はたして、オレ好みになっているだろうか? オレは早速、シルビアさんにお願いする。
「じゃあ、味噌汁を一杯くれないか? その後で、ケーキとコーヒーを貰おう!」
それを聞き、オーガとオークはビックリとして叫ぶ。
「馬車に乗って、いきなりかよ!」
「まだ、出発から五分も経ってねえよ!
そんなペースじゃあ、オイラ達の分がなくなっちまうだ!」
そのうるさい奴らを、オレは一言で黙らせる。
「うるさい! 愛する妻の手作りを、一滴でも無駄にするわけにはいかないのだ!
それが分からん貴様らは、泥水でも飲んでいればいい! というか飲むな、食べるな。
この料理は、全部オレの物なのさ!」
「ふふ、あなたが望むのなら、邪魔者のこいつらは一気に処理しますよ♡
苦しまない様に、逝かせてあげる♡」
「じゃあ、頼む!
活かさず、殺さず、オレ達のラブラブ感を容赦なく見せ付けてやるんだ!
あいつらが出来る妻を切望する方が、結婚できる成功率が段違いいで上がるからな。
あいつらがシルビアの近くにいる事で幸福を噛み締めたら、奴らの成長はそこで止まる!」
「じゃあ、仕方ないですね♡
奴らの成長率と希望がないと判断したら、その日の内に冷たくしておきますよ。
そうならない為にも、もっともっと熱くならないとね♡
はい、あ・な・た・あーん♡」
「口移しで頼むよ!」
「もう、我儘なダーリンですね♡」
オレとシルビアさんは、オーガ達に見せ付ける様にラブラブする。
これまで彼女のかの字も出来た事のない奴らの前で、こんなラブラブぶりを見せ付けるなんて、非常に残酷な事なのだが、これも奴らの為なんだ。
奴らが劣等感を感じ、自らの限界を破ってこそ、彼女や妻が手に入るのだ。
考えても見て欲しい。
一回ナンパを失敗して諦めた奴と、三百回ナンパを失敗しても諦めない奴、どちらが立派になるだろうか?
正解は、明らかに後者だ。
折れない精神的な強さと、諦めない粘り強さを身に付けている。
「ちきしょう! 俺も必ず彼女を見付けてやるだ」
「へっ、出発前に士気を上げてくれてありがとうよ!」
こう悪態を吐くオーガとオークを尻目に、オレはシルビアさんとイチャラブする。
なんか知らないが、物すごい優越感だ。
もう、このままオーガとオークが一生一人で居ようがどうでも良いという気になって来る。
適当に一緒に旅行して、後はポイで良いだろうか?
「はい、あなた、味噌汁ですよ」
「ありがとう、シルビア」
オレとシルビアさんは見つめ合い、しばらく時間が経過した。
愛する者同士という者は、時間が過ぎるのも早く感じるものだ。
「おい! もう三分は過ぎたぞ。早く飲まねえと、冷めてしまうぞ!」
オーガ達に言われ、オレ達はハッとする。
「おっと、いけない!」
オレは美味しいみそ汁を飲み干す。
「ふー、さすがに美味しいな!」
「あなたが昨日、味見してくれましたもの」
「君の愛情で、更に美味しくなっているよ。
オレが教えた様に、丁度良い味だ」
「ええ、私の愛情も強まりましたわ!
あなたに手取り足取り教えられ、私も食べ頃になっていますよ♡」
オレとシルビアさんは抱き合う。
「ああ、オーガとオークの処理が終わったら、結婚しよう♡」
「まあ、嬉しい!」
オレ達は、三十分ほど抱き合ったままでいた。
シルビアさんの吐息が荒くなり、緊張しているのが分かる。
シルビアさんの香りが心地良く、ずっと感じていたいと思っていた。
「俺達、こんな奴らと旅をしなきゃならないのかよ……」
「拷問か、生き地獄だぜ……」
こうして、ようやく馬車に乗り出発して三十分ほどが経過した。
目的地まで、残りだいたい一時間半くらいの道程だ。
オレ達はトランプをしたりして、時間を潰す。
こうして、エルフの森の入口に辿り着いた。
オレ達は森に着くと、いきなり不気味な雰囲気を感じ出す。
森の中は薄暗く、とても昼間とは思えない。
森が茂っているため、薄暗く見えるのだが、それを抜きにしても不安を感じてしまう。
シルビアさんは、馬車の運転手の言っていた事を思い出す。
オレと抱き合っていたのに、覚えている余裕があったとは……。
「馬車のおじさんが言っていましたね。
この森は危険で、地元の人は誰も近づかないと……。
エルフ達は、森の奥に潜み、人間が近付くのを警戒していると……」
「まあ、シルビアさんの知り合いのエルフが住んでいるんだし、俺達は大丈夫だべ!」
オーガは笑ってそう言うと、シルビアさんはえっ、とした表情をする。
「この周辺に私の知り合いは、いないんですけど……。
あくまでも噂で聞いただけなので、そんなに信頼されても困りますよ」
「えええええええ、知り合いがいるから紹介したんでしょ?
いなきゃ、俺ら、死んじゃうかもよ。こんな危険な森の中じゃ……」
シルビアさんはパンフレットを見せて言う。
「ほら、ここに恐怖のスポットって書いてあるじゃないですか!
一人は怖いですけど、みんなで行けば大丈夫かなと……」
オーガ達はその冊子を見て、戦慄を覚える。
「おいおい、オカルトスポットじゃないかよ。
可愛い女の子の代わりに、恨みを持った美女が出没するじゃないか!
何人もが行方不明になる呪われた禁断のスポット、明らかにヤバイ場所じゃん!
お持ち帰りするのは、うつ状態で料理も性処理もしてくれない暗殺美女じゃん!
そんなのに付きまとわれたらどうするんだよ?
俺、オカルト系とか大の苦手なんだよ……」
どうやらシルビアさんは怖いのが大好きらしい。
実は、オレもそういういわくつきの場所が大好きだった。
異次元に行こうとするくらいだ、嫌いなわけがない!
逆に、オーガやオークには、苦手なスポットのようだ。
弱い者をいじめていただけに、チキンな奴らだった。
強い者や怖い物は、近付く事さえしない。
どんな美女だって、彼女は彼女だ。
一応の来た目的は果たせそうだった。
「じゃあ、行こうか!」
オレとシルビアさんは手を握って、森へ入って行く。
「ちょっと、待てや! マジでやばいって!」
「そうだ、そうだ。この世界じゃ、死亡ブラフだぞ、それ!」
騒ぎ出すオーガとオークを前に、オレは彼らを諭す。
「この森の先に、絶世の美女がいるかもしれないんだぞ!
男なら、行かなくてどうする? いや、危険でも行くべきだ!」
その言葉を聞き、オークとオーガは恐る恐る森の中へと入って行く。
ここで取り残されるよりかは、中の方が隠れる事が出来ると判断したのだろう。
すると、オレの予想とは別に、シルビアさんの声と表情が怖くなった。
「え? マモルさん、あなたの目当ても絶世の美女ですか?」
シルビアさんの怖い顔がキミの前にアップで映し出された。
はっきり言って、エルフの森よりもっと怖い。
下手な返事をしたら、ドSな攻撃が待っている事だろう。
今は、オーガとオークを嫉妬させて、可能性を引き出している段階だ。
過激なSM行為は、奴らに恐怖心を植え付ける危険がある。
なんとか誤魔化すしかない。
「ふっ、エルフ達に、君の美しさを教えてあげようと思ってね。
表面だけでなく、内面も美しい君の素晴らしさを!
君の美しさには、エルフ達も敵わないさ!」
それを聞き、シルビアさんは嬉しそうに照れる。
そして、照れ隠しにオレを軽く叩く。
実際には、ドSの攻撃もして欲しいけど。
「まあ、誉めるのがうまい人ね!
私も、あなたの為にもっと美しくなる様に努力しますよ。
クソエルフだろうが、村の芋娘だろうが、負けませんよ!」
こうして、オレ達は森の中へ進んでいく。
すると、突然に霧が出始めた。
何やら怪しい雰囲気がますます強くなって来る。
オレでさえ、背筋がぞくぞくっとする感覚を覚えた。
オーガとオークでは、失禁している可能性もある。
その緊張感をシルビアさんが打ち破った。
「あーん、ダーリン、恐い♡
ねえ、強くハグして♡」
「大丈夫だよ、シルビア♡
こういう時は動かず、騒がず、君の作ったケーキを食べるのが正解の選択だ。
さあ、みんなで一緒に食べよう!」
実は、オレも恐怖を感じ始めていた。
得体の知れない恐怖がオレ達に付きまとっている。
オレとシルビアさんは、コーヒーとケーキを準備し始めた。
辺りを、コーヒーの良い香りが漂う。
オレ達がコーヒーを飲もうとすると、オークが自分で持って来た砂糖を差し出す。
「これ、オイラの買った砂糖だ。よかったら使ってくれ!」
「あら、ありがとう!」
オレはブラックコーヒーを男らしく飲むが、シルビアさんはオークからもらった砂糖を使い、味の調節をしてから飲む。
オレはコーヒーを一口、口に含む。
「うーん、素晴らしい一時だ! こうしていると本気で思うよ、シルビア」
「何を?」
「君に出会えてよかったってことをさ♡」
オレはシルビアさんに軽くキスをする。
「あん、私も……」
オレとシルビアさんは、オーガ達を尻目にイチャラブし始める。
「くっそ! これが吊り橋効果ってやつか?
こんな状況でラブラブしやがって!」
「違うと思うだ……。これは吊り橋効果でなく、ただ単にラブラブしたいだけなんだ……」
「俺、もうこのパーティー嫌だよ……。気分がすさむ」
「耐えるんだ! きっと何かの作戦なんだ!
そう信じたいオイラがいる!」
オーガとオークがそう語っている間も、オレとシルビアさんはラブラブし続ける。
すると、森の木の方から、若い女達の声が聞こえて来た。
どうやら、噂のエルフ達がオレ達の作戦にまんまと引っ掛かったようだ。
「ちょっと! 何、私達の森でラブラブしてんのよ!
ここは恐怖スポットよ! 少しは怖がりなさいよ!
こんなに恐怖を演出しているのに……」
そう言って、エルフと呼ばれる美女達が飛び出してきた。
「え? なんか変わった事あっただか?」
「こいつらに気を取られて、分かんなかった」
オーガとオークは、辺りを観察すると、火の玉やお化けらしきものが姿を現していた。
これがこの怪しい霧の効果らしい。オーガとオークがそれを見てビビる。
「これは怖いだ……。女の声がしなければ、恐怖で縮こまってただ」
「もうネタばれしたからあんまり怖くないけどな……」
オレの作戦は成功したようだ。
オーガとオークを怖がらせず、エルフ達を引き寄せることに成功した。
「くっそ! 怖がらせて、追っ払うつもりだったのに……。
私達の方が先に姿を見せちゃったじゃない! こうなったら作戦変更よ!
あんたらの金品をもらうわ!
ここはよそ者禁止のエルフの土地よ!
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今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
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