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第一章 『秘められた異次元(シークレットディメンション)』への扉!
第14話 剣王アルシャード
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オレは、シルビアさんとアビナの試合を見て唖然とする。
「シルビアさん、こんなに強かったのか?」
そう言い驚いていると、対戦相手が決戦前の握手を求めて来た。
オレに近付き、手を差し出して来た。
対戦相手は、礼儀のある奴のようだ。
「何を驚いている。あの娘もその親族も、エルフ以上の魔法の使い手だ。
なんたって、この国の王の娘だからね。あのぐらいできて当然のはず……」
オレはそれを聞き、疑問に思う。
「それなら、自分で戦闘することも出来るんじゃないのか?
敢えて、他の国から来た人物に頼る必要もないだろうに……」
「確かに、普通のモンスターならば倒せるだろうが、黄金のドラゴンは特別だ!
黄金のドラゴンに魔法攻撃は、一切効かないそうだ。
高い天空を飛行しているらしくて、攻撃が届かないらしい。
私も戦う機会は無いので、良くは知らないけどね。
それで、戦闘に優れた人物を求めているのだろう。
理由はそればかりではないのだろうが……」
「あんたは戦わないのか? 戦いのスキルはあるのだろう?」
「ふん、若い者に負ける気はないと言いたいところだが、私も剣の技術は上達し、剣王と呼ばれた事はあるが、数日間も休憩無しに戦闘を続けられるほどの精神力は無い。
それでは、死闘を生き抜くのは不可能だろう。
私は、村を襲うモンスターを倒すので精一杯なのだよ。
悲しいが、君達を教えるくらいが私に残された使命なのだ!」
「戦闘力はあっても、モンスター数匹を倒すのが精一杯?
この世界の剣王も大したことないのか?」
「ほーう、そう言うのなら、私を倒してみなさい。
今は、気力も体力も万全だ!
黄金のドラゴンを倒すというのなら、君が負けるはずはなかろう?」
オレ達が話し合っていると、シルビアさんとアビナは席に戻って行った。
アビナは、シルビアさんを認めたらしく、オーガ達と同じように姉さんと呼び始めた。
オレ達は準備運動も終わり、闘技場の中心に移動する。
ついに、オレと剣王の決戦が始まるのだ。
オレと剣王は、お互いにある程度の距離を取って構える。
すると、さっきまでいなかった審判のドワーフが、戦闘の開始を告げる。
「では、試合始め!」
さっきまで話も聞いていなかったのに、全く、美味しい所だけ持って行きやがって……、とオレは思うが今は戦いに集中する事が先決だ。
戦闘が開始され、アルシャードは剣を抜いた。
オレは、いつも通りナイフを使って戦う。
「ほーう、ナイフ使いか……。
対戦相手からアドバイスをするようで悪いが、ナイフでは大したダメージを与えるのは難しいと、モンハンで習わなかったのかね?
熟練の剣士は、太刀を使う。ほれ、私も太刀だ!
双剣は一見強そうに見えるが、モンスターとの距離が近いため、反撃を喰らうこともあるのだ。
それが分かっているのか?」
アルシャードは、そうオレにアドバイスする。
良く分かっているじゃないか! 貴様、モンハンから武器を選んだのか?
そう言いたいオレだったが、敢えて何も言わない。
実際の剣は、重くて扱うのも困難だったからだ。
刀といえども、バットくらいの重さはある。
確かに与えられるダメージは大きいだろうが、訓練もしていない者が扱うには不向きだ。
オレは、扱いやすいナイフで戦うと決めた。
力自慢の敵や、剣士とも互角に戦えるように、訓練したのだ。
結果、熟練の剣士が太刀や大剣で攻撃してこようとも、ナイフでうまく攻撃をかわす技を編み出していた。
攻撃と防御、二つを同時にこなすのは難しいが、防御だけに徹すれば、ナイフの質と技術で十分に互角に渡り合える。
もちろん、防御だけなら少ししか持たないだろうが、ナイフの利点は他にもある。
携帯のし易さと、投げて攻撃できるという点だ。
そこを最大限に利用すれば、熟練の剣士をも凌駕することが可能だ!
オレはアルシャードの攻撃を避けつつ、反撃の機会を待つ。
さすがにアルシャードも熟練者の様で、二、三回攻撃を防がれる事を悟ると、間合いを取ってどう攻めるかを考え出した。
そこを見計らい、オレのナイフ攻撃を繰り出して行く。
間合いを取るという事は、攻撃のされる危険も減る上に、敵の攻撃も読みやすい。
後ろに下がる瞬間を狙って、ナイフを投げる。
「ほう、さすがにナイフ使い、投げるタイミングが良いな!
しかし、私には効かない」
アルシャードは剣を使い、ナイフを止めようとするが、ナイフはまるで剣をすり抜けるかのようにして、アルシャードを攻撃した。
「何! バカな! 私の剣さばきで止められないだと……」
普通の剣士なら、この状況で慌てふためき、隙を作ったり、無作為に攻撃したりして来る所だが、さすがにアルシャードは違った。
ナイフの攻撃に当たりつつも、オレの攻撃を分析していたのだ。
「なるほどな……。
ナイフを一種類と思わせておき、隙を見て、大きさの違うナイフを複数同時に投げているというわけか……。
遠近法により、あたかも同じナイフが投げられたように見えるが、私が止められたのは、君が持っている大きさのナイフだと思わせた数本だけ。
それよりも小さいナイフは、私の防御をかわし、あたかも通り抜けたかのようにして、私を攻撃したというわけか……」
「さすがに剣王だな。
ほとんどの剣士は、理解できずに、やみくもに攻撃して来るだけだったというのに……」
「冷静さこそが、幾度の死闘を勝ち残って来た証だ!
確かに、これは防御が難しそうだ。しかし、所詮はナイフ!
致命傷さえ負わなければ、必然的に私が勝つ!
君は、私の動きを止められるようになるまで攻撃し続けなければいけないが、私は剣の一撃でも君に与えれば勝ちだからな!」
アルシャードは突進して、一気に間合いを詰めていく。
「うまい! 突撃ならば、オレの攻撃をある程度予想できる。
しかも、オレの攻撃は単調になり、予測も付きやすくなるからな……」
「そう言う事だ! 君に致命傷を与える武器が無いなら、突撃も脅威ではない!」
アルシャードは、剣士として訓練した驚異的なスピードで、オレに迫りつつあった。
オレに対抗策はあるのだろうか?
「シルビアさん、こんなに強かったのか?」
そう言い驚いていると、対戦相手が決戦前の握手を求めて来た。
オレに近付き、手を差し出して来た。
対戦相手は、礼儀のある奴のようだ。
「何を驚いている。あの娘もその親族も、エルフ以上の魔法の使い手だ。
なんたって、この国の王の娘だからね。あのぐらいできて当然のはず……」
オレはそれを聞き、疑問に思う。
「それなら、自分で戦闘することも出来るんじゃないのか?
敢えて、他の国から来た人物に頼る必要もないだろうに……」
「確かに、普通のモンスターならば倒せるだろうが、黄金のドラゴンは特別だ!
黄金のドラゴンに魔法攻撃は、一切効かないそうだ。
高い天空を飛行しているらしくて、攻撃が届かないらしい。
私も戦う機会は無いので、良くは知らないけどね。
それで、戦闘に優れた人物を求めているのだろう。
理由はそればかりではないのだろうが……」
「あんたは戦わないのか? 戦いのスキルはあるのだろう?」
「ふん、若い者に負ける気はないと言いたいところだが、私も剣の技術は上達し、剣王と呼ばれた事はあるが、数日間も休憩無しに戦闘を続けられるほどの精神力は無い。
それでは、死闘を生き抜くのは不可能だろう。
私は、村を襲うモンスターを倒すので精一杯なのだよ。
悲しいが、君達を教えるくらいが私に残された使命なのだ!」
「戦闘力はあっても、モンスター数匹を倒すのが精一杯?
この世界の剣王も大したことないのか?」
「ほーう、そう言うのなら、私を倒してみなさい。
今は、気力も体力も万全だ!
黄金のドラゴンを倒すというのなら、君が負けるはずはなかろう?」
オレ達が話し合っていると、シルビアさんとアビナは席に戻って行った。
アビナは、シルビアさんを認めたらしく、オーガ達と同じように姉さんと呼び始めた。
オレ達は準備運動も終わり、闘技場の中心に移動する。
ついに、オレと剣王の決戦が始まるのだ。
オレと剣王は、お互いにある程度の距離を取って構える。
すると、さっきまでいなかった審判のドワーフが、戦闘の開始を告げる。
「では、試合始め!」
さっきまで話も聞いていなかったのに、全く、美味しい所だけ持って行きやがって……、とオレは思うが今は戦いに集中する事が先決だ。
戦闘が開始され、アルシャードは剣を抜いた。
オレは、いつも通りナイフを使って戦う。
「ほーう、ナイフ使いか……。
対戦相手からアドバイスをするようで悪いが、ナイフでは大したダメージを与えるのは難しいと、モンハンで習わなかったのかね?
熟練の剣士は、太刀を使う。ほれ、私も太刀だ!
双剣は一見強そうに見えるが、モンスターとの距離が近いため、反撃を喰らうこともあるのだ。
それが分かっているのか?」
アルシャードは、そうオレにアドバイスする。
良く分かっているじゃないか! 貴様、モンハンから武器を選んだのか?
そう言いたいオレだったが、敢えて何も言わない。
実際の剣は、重くて扱うのも困難だったからだ。
刀といえども、バットくらいの重さはある。
確かに与えられるダメージは大きいだろうが、訓練もしていない者が扱うには不向きだ。
オレは、扱いやすいナイフで戦うと決めた。
力自慢の敵や、剣士とも互角に戦えるように、訓練したのだ。
結果、熟練の剣士が太刀や大剣で攻撃してこようとも、ナイフでうまく攻撃をかわす技を編み出していた。
攻撃と防御、二つを同時にこなすのは難しいが、防御だけに徹すれば、ナイフの質と技術で十分に互角に渡り合える。
もちろん、防御だけなら少ししか持たないだろうが、ナイフの利点は他にもある。
携帯のし易さと、投げて攻撃できるという点だ。
そこを最大限に利用すれば、熟練の剣士をも凌駕することが可能だ!
オレはアルシャードの攻撃を避けつつ、反撃の機会を待つ。
さすがにアルシャードも熟練者の様で、二、三回攻撃を防がれる事を悟ると、間合いを取ってどう攻めるかを考え出した。
そこを見計らい、オレのナイフ攻撃を繰り出して行く。
間合いを取るという事は、攻撃のされる危険も減る上に、敵の攻撃も読みやすい。
後ろに下がる瞬間を狙って、ナイフを投げる。
「ほう、さすがにナイフ使い、投げるタイミングが良いな!
しかし、私には効かない」
アルシャードは剣を使い、ナイフを止めようとするが、ナイフはまるで剣をすり抜けるかのようにして、アルシャードを攻撃した。
「何! バカな! 私の剣さばきで止められないだと……」
普通の剣士なら、この状況で慌てふためき、隙を作ったり、無作為に攻撃したりして来る所だが、さすがにアルシャードは違った。
ナイフの攻撃に当たりつつも、オレの攻撃を分析していたのだ。
「なるほどな……。
ナイフを一種類と思わせておき、隙を見て、大きさの違うナイフを複数同時に投げているというわけか……。
遠近法により、あたかも同じナイフが投げられたように見えるが、私が止められたのは、君が持っている大きさのナイフだと思わせた数本だけ。
それよりも小さいナイフは、私の防御をかわし、あたかも通り抜けたかのようにして、私を攻撃したというわけか……」
「さすがに剣王だな。
ほとんどの剣士は、理解できずに、やみくもに攻撃して来るだけだったというのに……」
「冷静さこそが、幾度の死闘を勝ち残って来た証だ!
確かに、これは防御が難しそうだ。しかし、所詮はナイフ!
致命傷さえ負わなければ、必然的に私が勝つ!
君は、私の動きを止められるようになるまで攻撃し続けなければいけないが、私は剣の一撃でも君に与えれば勝ちだからな!」
アルシャードは突進して、一気に間合いを詰めていく。
「うまい! 突撃ならば、オレの攻撃をある程度予想できる。
しかも、オレの攻撃は単調になり、予測も付きやすくなるからな……」
「そう言う事だ! 君に致命傷を与える武器が無いなら、突撃も脅威ではない!」
アルシャードは、剣士として訓練した驚異的なスピードで、オレに迫りつつあった。
オレに対抗策はあるのだろうか?
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