17 / 302
第一章 『秘められた異次元(シークレットディメンション)』への扉!
第16話 シルビアさんの過去を知る人物?
しおりを挟む
シルビアさんは結婚前日になって語る。
形式だけの結婚式だが、それでオレ達は夫婦になるのだ。
「あの、私が日本に住む事に問題はありませんが、この国を信頼して任せられる人に統治してもらう必要があります。
この国を統治できる人物は、両親を除いてもう一人しかいません」
オレはそれを聞き、シルビアさんに質問する。
「え、オーガとエルフのアビナじゃダメなのか?
あの二人ならうまくやっていけそうだけど……」
彼らは、オレの計画通りに酒場やホテル経営などで働き、数日後にはオレに富をもたらしてくれていた。
このまま、事業を拡大して行く事もできるだろう。
オレとシルビアさんは、彼らをかなり信頼していた。
もはや王様でいなくても、かなりの収入がある。
日本に帰ったとしても、その収入だけでやっていけるだろう。
仮に、奴らが恩を忘れて裏切ったとしても、オレ達には能力と権力がある。
制裁や粛正するのは容易な事だった。
しかし、彼らは賢く、その事を理解しているようだ。
オレとシルビアさんに忠実を態度で示していた。
こうなって来ると、巨体のオーガも傲慢な巨乳エルフも可愛く感じてしまう。
必要に応じ、彼らにアドバイス(アビナにオッパイが崩れるのを防ぐ為、ブラを着用する様に勧める事など)をする。
「確かに、実力としてはあるでしょう。しかし、問題なのは血統です。
私達が国を統治してきたからこそ、今のように平和なのです。
しかし、種族の違うこの世界では、ある種族が優位に立つと、別の種族が脅威を感じることもしばしばです。
人間という全てにおいて中間的な存在の統治だからこそ、どの種族も余り争う事無くやってこられたのです。
オーガやアビナさんの統治になると、一気にそのバランスを崩すことにもなりかねません。
つまり、国王は人間でないといけないんです。
オーガやオークでは、エルフ達や女性が黙っていないでしょうし、アビナの統治も他の種族から攻撃されることも予想されるんです。
そして、王族以外の人間は、どう統治すれば良いかを学んだこともありませんし、めんどくさいのでやりたがりません。
私達が他の人々と長年に話し合った結果、私達の親族が統治の権限をいただいております。今は、父上がいるので何とかうまく統治してこられたのですが、この契約により、私か妹が統治しなければなりません。
妹は、女王になる気があるので、そこは問題ないのですが、今の所は実力不足です。
私を女王にする予定でいるのが現状です。
正式に妹を後継者にするという名目が無いと、国民に暴動が起こります。
もちろん、妹が失敗しないように、私が選んだ人物を補佐とすることはできますけど……」
「つまり、結婚後、シルビアさんが日本に行くには、妹さんと連絡を取らないといけないということか?」
「はい! この国の統治権を妹に渡す事を、国民が納得しないといけません」
「分かったよ。で、妹さんはどこに?」
「あなたの前に来た日本科学庁長官代理人のところにいると思います。
最初は、私も一緒に付いて行く予定だったのですが、長官代理人の方が妹だけを気にいり、妹のキーリアが付いて行く事になりました。
当時、あの子は十二歳になり、黄金のドラゴンと戦っているかもしれませんね」
「そうか。とりあえず、結婚してから考えよう。もう式は明日だから……」
オレはそう言いながら、不安を感じていた。
(やばいな。妹さんは、今頃大変な事になっているかもしれない。
代理人とやらがドラゴンを退治していれば良いが、もしも別の事が目的なら今頃は……)
不安になるオレだったが、考えても仕方ないと思い、オーガ達に捜索のお願いをしておくに留めた。
できれば、本当に黄金のドラゴンを倒し、この城に帰って来て欲しいモノだ。
しかし、そんな事を考えていても仕方ない。
オレは、オレでやるべき事をして、シルビアさんを幸せにすべきだ。
そして、結婚式当日、シルビアさんは純白のドレスに身を装い、とても美しかった。
結婚式は、簡単な物だったけど、結構な人が出席してくれた。
日本から持って来たというデジタルカメラを使い記念写真をする。
そして、次はみんなで食事と盛り上がっていると、オレの知らない人物がシルビアさんの所に尋ねて来た。
その人物は言う。
「どうやら、今日結婚するようだな。その前に、新郎と戦わせて欲しい!」
突然に、現れた男はそう言い、オレとの決闘を申し込んで来た。
オレは不思議に思い、シルビアさんに尋ねる。
「すいません。彼は何者ですか? シルビアさんとなにかかんけいがあるんでしょうか?」
シルビアさんも良く分かっていないのか、しどろもどろに答える。
「えーと、私のお父様が知っていると思うんですが……。
以前に、幼い私に結婚を申し込んだそうなのですが、何らかの理由で取り消しになって、それ以来姿を消していた方です。
詳しくは、私のお父様にお聞きください」
結婚に参加していたシルビアさんの父親は、その者を見て語り出した。
「ああ、たしか十年ほど前に、城でいろいろな仕事をしていた者だな。
王妃が力を与えていたおかげで消えずに生き残って来れた者だ。
当分は魔力を使わないからと言って、数年分のエネルギーを渡して解雇した奴だ。
最初は、仕事を熱心にしていたが、次第にサボるようになっていたからな。
大方、私の娘に狙いを付けていたのだろう。
王妃を人質に取り、謎々を用いてシルビアと結婚しようとしたならず者だ。
この国王になろうとしていたようだが、私との試合に負け、その後いなくなった者だったな」
「そうだ。確かに、私は謎々で負けた。
そのため、シルビアに手を出すことはできないが、新郎とあれば別だ。
俺は小悪魔のインプ。新郎のあんた、俺とシルビアを賭けて戦ってくれ!」
オレは即座に応える。
「嫌だ! なぜ悪魔と知って戦う? 戦う必要が無いなら、戦う気もせんわ!」
「ほーう、良いのか?
お前に子供が生まれた時に、その子を奪って行くかもしれないぞ。
産まれたのが男の子なら良いが、女の子なら腕力で襲うぞ!
俺を警戒して、ずっと緊張している状態になるかもしれないぞ。
良いのか、野放しにして?」
インプの申し出を正式に受けるまでもない。
オレが少し実力を見せつければ、一瞬で大人しくなるだろう。
オレは、火薬を仕込んだ加速するナイフで攻撃する。
オレの放ったナイフが、インプの鼻先をかすめる。
インプはビビっていた。
意気がるインプだったが、オレの実力を目の当たりにし、勝負に勝つことが不可能と悟ったようだ。
「これから先は、慎重に言う事だ。
さもないと、勝負以前に貴様は死ぬ事になる!」
インプは内心逃げ出したくなったようだ。
交渉する相手を間違ったと悟ったのだろう。
打って変わって、オレを褒め始めた。
「あー、すごい腕ですね。
これなら、今危険と名高い狼男のギンロウを退治することも出来ますね。
本当は、そのギンロウに迷惑して、助けてもらおうとしただけです。
本心は、安心して暮らせる国になって欲しい、その一心で……」
「また出まかせか? 嘘は命取りになるぞ」
オレはナイフを見せて、インプを威嚇する。
オレの威嚇に、インプはビックリして逃げ出そうとしていた。
その進路を、オレのナイフが飛んで来て塞ぐ。
ナイフが床に刺さり、インプは立ち尽くして震えていた。
自分の命がここで尽きると怖れたのだろう。
「まあまあ、そう急いで帰らずに、食事くらいしていきなよ。
王様の知り合いという事で……」
「へ、へえ、ありがたく頂戴いたします!」
インプは、シルビアさんの過去を少しは知っているようだ。
短いエピソードでも良いから、愛する妻の情報を知っておきたいと思うのは、夫として当然の好奇心だ。
いろいろインプに尋ねてみるが、ほとんど何も知らないようだった。
インプは食事を済ませると、逃げるように帰って行った。
残念ながら、オレの訊きたかった事はあまり教えてくれなかった。
オレが強過ぎて、脅えさせたのが原因だろうか。
なら、インプの言う危険人物のギンロウを捕らえておいた方が良いと考える。
信頼できない情報だが、オレが剣王を倒して以来、勝負になる奴も現れないから仕方ない。
オレは、狼男のギンロウに興味があり、シルビアさんにそれとなく訊いてみた。
すると、シルビアさんは以外にも真剣な表情で言う。
「すいません、忘れていました。
ギンロウは、狼男ですが、頭が良くて、異世界の研究者です。
この異世界で日本人の科学者以外では、唯一異次元の事を理解している人物です。
そのギンロウが異次元世界から脱出する唯一の手掛かりなのに、トラブルに巻き込まれていては大変です!
明日にでも調査をしに行かないといけません!」
シルビアさんは、ギンロウと小さい時からの知り合いらしく慌て出した。
事情はよく分からないが、ギンロウが暴れまわっている場合は、命の危険を伴うようだ。
オレは、シルビアさんを落ち着かせるため、こう尋ねる。
「ギンロウが異次元の研究者なら、日本人と一緒に行動しているんだろ?
どうして、一人だけ残っているんだ?」
「確かに、日本の兵士達が来るまでは、異次元の事柄について、日本人の研究者と一緒に私の城で研究していましたが、もしものために一人残っていたのです。
ほら、万が一でも、日本の兵士達が全滅すると、誰も異次元からの救助隊を呼ぶ事ができないじゃないですか。
それで、日本人の科学省の人達がそう言ってお願いしたんです。
数日前の事なので報告が遅れました。
折角、マモルさんが異次元世界から帰れるかもしれない情報なのに……。
残ったギンロウは、何か問題が起こった時に、助けを呼べるように待機しているはずです。
そのギンロウが危険な状態にあると言うことは、異次元世界全体のピンチに直結します。
明日にでも会いに行かなくてはなりません。
きっと、黄金のドラゴンの生態や日本人達の行方も知っていますよ!」
オレはそれを聞き、納得する。
「そうか、オレも会いに行かないといけないな。
日本に戻るにしても、援軍を送るにしても、情報を仕入れるのは大切だからな!」
シルビアさんは不安そうに語る。
「そうなんですけど……。
ギンロウは、以前に村人とちょっとした騒動を起こして、基本的に人間嫌いなんです。
素直に協力してくれるかどうか……」
「日本人に協力してくれているなら、大丈夫だろ!
事情が事情だし、その辺は分かってくれるって!」
シルビアさんは、不安そうにしつつも、納得する。
「そうですよね。
ただ、満月の夜だけは、ギンロウも野生の力に負けて、オオカミの本性が出てしまうそうなので、満月の夜はダメです。明日は、満月じゃないので大丈夫そうですけど……」
「よし! オーガとアビナを連れて、ギンロウの所まで行こうか!」
「はい!」
こうして、オレとシルビアさん、オーガとアビナで、ギンロウの住む山に行く事になった。
狼男のギンロウは、いったいどんな奴なのだろうか?
シルビアさんの恥ずかしい過去や可愛いエピソードなどを知っていれば良いのだが……。
オレとシルビアさんは、無事に結婚式を挙げた。
しかし、これには策略が仕組まれていたのだ。
この時は、オレ達はまだ気が付いていない!
形式だけの結婚式だが、それでオレ達は夫婦になるのだ。
「あの、私が日本に住む事に問題はありませんが、この国を信頼して任せられる人に統治してもらう必要があります。
この国を統治できる人物は、両親を除いてもう一人しかいません」
オレはそれを聞き、シルビアさんに質問する。
「え、オーガとエルフのアビナじゃダメなのか?
あの二人ならうまくやっていけそうだけど……」
彼らは、オレの計画通りに酒場やホテル経営などで働き、数日後にはオレに富をもたらしてくれていた。
このまま、事業を拡大して行く事もできるだろう。
オレとシルビアさんは、彼らをかなり信頼していた。
もはや王様でいなくても、かなりの収入がある。
日本に帰ったとしても、その収入だけでやっていけるだろう。
仮に、奴らが恩を忘れて裏切ったとしても、オレ達には能力と権力がある。
制裁や粛正するのは容易な事だった。
しかし、彼らは賢く、その事を理解しているようだ。
オレとシルビアさんに忠実を態度で示していた。
こうなって来ると、巨体のオーガも傲慢な巨乳エルフも可愛く感じてしまう。
必要に応じ、彼らにアドバイス(アビナにオッパイが崩れるのを防ぐ為、ブラを着用する様に勧める事など)をする。
「確かに、実力としてはあるでしょう。しかし、問題なのは血統です。
私達が国を統治してきたからこそ、今のように平和なのです。
しかし、種族の違うこの世界では、ある種族が優位に立つと、別の種族が脅威を感じることもしばしばです。
人間という全てにおいて中間的な存在の統治だからこそ、どの種族も余り争う事無くやってこられたのです。
オーガやアビナさんの統治になると、一気にそのバランスを崩すことにもなりかねません。
つまり、国王は人間でないといけないんです。
オーガやオークでは、エルフ達や女性が黙っていないでしょうし、アビナの統治も他の種族から攻撃されることも予想されるんです。
そして、王族以外の人間は、どう統治すれば良いかを学んだこともありませんし、めんどくさいのでやりたがりません。
私達が他の人々と長年に話し合った結果、私達の親族が統治の権限をいただいております。今は、父上がいるので何とかうまく統治してこられたのですが、この契約により、私か妹が統治しなければなりません。
妹は、女王になる気があるので、そこは問題ないのですが、今の所は実力不足です。
私を女王にする予定でいるのが現状です。
正式に妹を後継者にするという名目が無いと、国民に暴動が起こります。
もちろん、妹が失敗しないように、私が選んだ人物を補佐とすることはできますけど……」
「つまり、結婚後、シルビアさんが日本に行くには、妹さんと連絡を取らないといけないということか?」
「はい! この国の統治権を妹に渡す事を、国民が納得しないといけません」
「分かったよ。で、妹さんはどこに?」
「あなたの前に来た日本科学庁長官代理人のところにいると思います。
最初は、私も一緒に付いて行く予定だったのですが、長官代理人の方が妹だけを気にいり、妹のキーリアが付いて行く事になりました。
当時、あの子は十二歳になり、黄金のドラゴンと戦っているかもしれませんね」
「そうか。とりあえず、結婚してから考えよう。もう式は明日だから……」
オレはそう言いながら、不安を感じていた。
(やばいな。妹さんは、今頃大変な事になっているかもしれない。
代理人とやらがドラゴンを退治していれば良いが、もしも別の事が目的なら今頃は……)
不安になるオレだったが、考えても仕方ないと思い、オーガ達に捜索のお願いをしておくに留めた。
できれば、本当に黄金のドラゴンを倒し、この城に帰って来て欲しいモノだ。
しかし、そんな事を考えていても仕方ない。
オレは、オレでやるべき事をして、シルビアさんを幸せにすべきだ。
そして、結婚式当日、シルビアさんは純白のドレスに身を装い、とても美しかった。
結婚式は、簡単な物だったけど、結構な人が出席してくれた。
日本から持って来たというデジタルカメラを使い記念写真をする。
そして、次はみんなで食事と盛り上がっていると、オレの知らない人物がシルビアさんの所に尋ねて来た。
その人物は言う。
「どうやら、今日結婚するようだな。その前に、新郎と戦わせて欲しい!」
突然に、現れた男はそう言い、オレとの決闘を申し込んで来た。
オレは不思議に思い、シルビアさんに尋ねる。
「すいません。彼は何者ですか? シルビアさんとなにかかんけいがあるんでしょうか?」
シルビアさんも良く分かっていないのか、しどろもどろに答える。
「えーと、私のお父様が知っていると思うんですが……。
以前に、幼い私に結婚を申し込んだそうなのですが、何らかの理由で取り消しになって、それ以来姿を消していた方です。
詳しくは、私のお父様にお聞きください」
結婚に参加していたシルビアさんの父親は、その者を見て語り出した。
「ああ、たしか十年ほど前に、城でいろいろな仕事をしていた者だな。
王妃が力を与えていたおかげで消えずに生き残って来れた者だ。
当分は魔力を使わないからと言って、数年分のエネルギーを渡して解雇した奴だ。
最初は、仕事を熱心にしていたが、次第にサボるようになっていたからな。
大方、私の娘に狙いを付けていたのだろう。
王妃を人質に取り、謎々を用いてシルビアと結婚しようとしたならず者だ。
この国王になろうとしていたようだが、私との試合に負け、その後いなくなった者だったな」
「そうだ。確かに、私は謎々で負けた。
そのため、シルビアに手を出すことはできないが、新郎とあれば別だ。
俺は小悪魔のインプ。新郎のあんた、俺とシルビアを賭けて戦ってくれ!」
オレは即座に応える。
「嫌だ! なぜ悪魔と知って戦う? 戦う必要が無いなら、戦う気もせんわ!」
「ほーう、良いのか?
お前に子供が生まれた時に、その子を奪って行くかもしれないぞ。
産まれたのが男の子なら良いが、女の子なら腕力で襲うぞ!
俺を警戒して、ずっと緊張している状態になるかもしれないぞ。
良いのか、野放しにして?」
インプの申し出を正式に受けるまでもない。
オレが少し実力を見せつければ、一瞬で大人しくなるだろう。
オレは、火薬を仕込んだ加速するナイフで攻撃する。
オレの放ったナイフが、インプの鼻先をかすめる。
インプはビビっていた。
意気がるインプだったが、オレの実力を目の当たりにし、勝負に勝つことが不可能と悟ったようだ。
「これから先は、慎重に言う事だ。
さもないと、勝負以前に貴様は死ぬ事になる!」
インプは内心逃げ出したくなったようだ。
交渉する相手を間違ったと悟ったのだろう。
打って変わって、オレを褒め始めた。
「あー、すごい腕ですね。
これなら、今危険と名高い狼男のギンロウを退治することも出来ますね。
本当は、そのギンロウに迷惑して、助けてもらおうとしただけです。
本心は、安心して暮らせる国になって欲しい、その一心で……」
「また出まかせか? 嘘は命取りになるぞ」
オレはナイフを見せて、インプを威嚇する。
オレの威嚇に、インプはビックリして逃げ出そうとしていた。
その進路を、オレのナイフが飛んで来て塞ぐ。
ナイフが床に刺さり、インプは立ち尽くして震えていた。
自分の命がここで尽きると怖れたのだろう。
「まあまあ、そう急いで帰らずに、食事くらいしていきなよ。
王様の知り合いという事で……」
「へ、へえ、ありがたく頂戴いたします!」
インプは、シルビアさんの過去を少しは知っているようだ。
短いエピソードでも良いから、愛する妻の情報を知っておきたいと思うのは、夫として当然の好奇心だ。
いろいろインプに尋ねてみるが、ほとんど何も知らないようだった。
インプは食事を済ませると、逃げるように帰って行った。
残念ながら、オレの訊きたかった事はあまり教えてくれなかった。
オレが強過ぎて、脅えさせたのが原因だろうか。
なら、インプの言う危険人物のギンロウを捕らえておいた方が良いと考える。
信頼できない情報だが、オレが剣王を倒して以来、勝負になる奴も現れないから仕方ない。
オレは、狼男のギンロウに興味があり、シルビアさんにそれとなく訊いてみた。
すると、シルビアさんは以外にも真剣な表情で言う。
「すいません、忘れていました。
ギンロウは、狼男ですが、頭が良くて、異世界の研究者です。
この異世界で日本人の科学者以外では、唯一異次元の事を理解している人物です。
そのギンロウが異次元世界から脱出する唯一の手掛かりなのに、トラブルに巻き込まれていては大変です!
明日にでも調査をしに行かないといけません!」
シルビアさんは、ギンロウと小さい時からの知り合いらしく慌て出した。
事情はよく分からないが、ギンロウが暴れまわっている場合は、命の危険を伴うようだ。
オレは、シルビアさんを落ち着かせるため、こう尋ねる。
「ギンロウが異次元の研究者なら、日本人と一緒に行動しているんだろ?
どうして、一人だけ残っているんだ?」
「確かに、日本の兵士達が来るまでは、異次元の事柄について、日本人の研究者と一緒に私の城で研究していましたが、もしものために一人残っていたのです。
ほら、万が一でも、日本の兵士達が全滅すると、誰も異次元からの救助隊を呼ぶ事ができないじゃないですか。
それで、日本人の科学省の人達がそう言ってお願いしたんです。
数日前の事なので報告が遅れました。
折角、マモルさんが異次元世界から帰れるかもしれない情報なのに……。
残ったギンロウは、何か問題が起こった時に、助けを呼べるように待機しているはずです。
そのギンロウが危険な状態にあると言うことは、異次元世界全体のピンチに直結します。
明日にでも会いに行かなくてはなりません。
きっと、黄金のドラゴンの生態や日本人達の行方も知っていますよ!」
オレはそれを聞き、納得する。
「そうか、オレも会いに行かないといけないな。
日本に戻るにしても、援軍を送るにしても、情報を仕入れるのは大切だからな!」
シルビアさんは不安そうに語る。
「そうなんですけど……。
ギンロウは、以前に村人とちょっとした騒動を起こして、基本的に人間嫌いなんです。
素直に協力してくれるかどうか……」
「日本人に協力してくれているなら、大丈夫だろ!
事情が事情だし、その辺は分かってくれるって!」
シルビアさんは、不安そうにしつつも、納得する。
「そうですよね。
ただ、満月の夜だけは、ギンロウも野生の力に負けて、オオカミの本性が出てしまうそうなので、満月の夜はダメです。明日は、満月じゃないので大丈夫そうですけど……」
「よし! オーガとアビナを連れて、ギンロウの所まで行こうか!」
「はい!」
こうして、オレとシルビアさん、オーガとアビナで、ギンロウの住む山に行く事になった。
狼男のギンロウは、いったいどんな奴なのだろうか?
シルビアさんの恥ずかしい過去や可愛いエピソードなどを知っていれば良いのだが……。
オレとシルビアさんは、無事に結婚式を挙げた。
しかし、これには策略が仕組まれていたのだ。
この時は、オレ達はまだ気が付いていない!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる