【オススメネット小説】秘められた異次元（ シークレットディメンション） ムッツリスケベは異世界を救う！？

第二章 クラン街の悪夢

第二章のプロローグ

　オレは日本科学庁長官に呼び出され、話をする事になった。
ここ数カ月くらい、何の連絡もなかったために仕事もそっちのけで、眠ったり、趣味に没頭したりしていた。

特に仕事の依頼も無く給料ももらっているため気が付かなかったが、オレがさぼっているように見られたのだろうか？
生活の保障や異世界の大使としての地位もある。

長官に呼び出されなければ、お金や保証はあっても、仕事など無いも同然の生活なのだ。
まあ、異世界に行くだけでも、それなりのリスクを伴う。
確立していない交通設備を使うのだ。

ある意味では、宇宙に行くのと同じ感覚だ。
それにアルスター王国の運営は、シルビアさんの妹のキーリアに任せているし、年配ながらも有用な嵐山火焔もいる。

更に、会計などはプロ顔負けのアビナというエルフもいるし、オーガもなんだかんだ頼れる兵士に成長した。

オレとシルビアさんが行かなくても、国としてちゃんと機能しているのだ。
しかし、長官も黙ってはくれない。

「確かに、アルスター王国は平和だし、問題の報告もないけど、せめて月に一回くらいは様子を見て来て下さいよ。
異次元ゲートの交通がうまくいっているかも確認したいし、あなたの役目もかなり重要なんですから……」

「はあ、インターネットの連絡はしていたので、そこまでは気が回りませんでした。
確かに、何かの影響で異世界のアルスター王国に行けなくなっては困りますよね。

分かりました。明日にでも、シルビアさんと行って来ます。
もしもの時は、彼女の力が必要ですからね」

「まあ、新婚とはいえ、子供も出来てはいないようだし、そのくらいはしてもらわないとね。
危険の伴う任務だということと、重要な任務である事を肝に銘じておきなさいね」

「はい。じゃあ、今日は帰りますね。
帰りにアニメイトに寄って行きますので……」

オレが出ていくと、長官がつぶやいた。

「ある意味、嵐山より厄介かもしれんな……」

長官は暗殺の危険もあるため、滅多に出歩かない。
オレ達が手足となって、異世界に関わるしか方法が無いのだ。

オレは実際、とても良いポジションを手に入れた。
何事も無ければだが……。

オレが長官のいる部屋を出ていくと、ある女性と目が合った。
美人で、スタイルも良いのだろうが、シルビアさんという美人の妻がいるオレは、その美女に会釈だけして別れて行った。

美女はオレが過ぎ去った後に、怪しい笑みを浮かべていた。
ストーカーがいるなら、そんな笑顔だろう。

この時は気にも留めなかったこういう美女が、後々に大事件を巻き起こすのだ。
みんなも不倫やハニートラップに注意して欲しい。