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第三章 七人の赤い悪魔
第50話 迷いの森の戦い
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迷いの森。二十本しか木がないのに、入り込んだ者は出て来ないという恐るべき場所だ。
みんな注意して近付かない。すると、迷い込む者はいなくなる。
だから誰もこんな森で迷う事は無いと、何の準備も無しに油断して足を踏み入れてしまうんだ。
今度から、こういう場所に入る時はひもやロープでも良いから目印を持って入ろうと心に決めた。
もうすでに、オレ達は五人全員が闇雲に森に入っていってしまったから遅いけどな。
案の定、五人共迷ってしまった。その上、バラバラに分散してしまう。
オレは一人、嵐山とキーリア、オーガとアビナの三グループになってしまった。
オレ一人で心細いから、どちらのグループでも良いから探し始める。
かれこれ一時間になるが、誰にも出会わなくなっていた。
やばい、本格的に迷ったようだ。
こういう時こそ、心を落ち着かせる必要がある。
闇雲に走ったり、叫んだりしてはいけない。
体力を無駄に消費するし、更に迷ってしまう危険がある。
何もせずじっとして、仲間と合流するのを待つのが得策だ。
夜になると獣が出て来るかも知れない。
焚火するのを決意し、まきを拾いながら、誰かとおるのを待つ事にした。
オレがじっとしている間に、オーガとアビナが謎の魔物に襲われていた。
赤い帽子をかぶった子供のような魔物だ。魔物は、自分ほどの大きさの斧を持っていた。そしてオーガに向かい攻撃して来る。
オーガは警戒していた事もあり、一度目の攻撃は棍棒を盾にして防いだ。
魔物は子供姿の割に、オーガが押されるほどの力がある。
まともに組めば対処できるが、片手で隙を突かれた場合はオーガの力をもってしても弾かれる危険があった。
それほどの強敵に、オーガは力で対抗する。
魔物が速いのだろうが、オーガの渾身の力を受け切るには、さすがの魔物も出来なかった。
どんなに速さがあろうと、行動範囲や攻撃が読まれていれば力で対抗できる。
オーガは魔物を上に飛ばしたり、木に当てるなどして連続攻撃態勢に持ち込んでいく。このままならオーガが勝っていただろう。
魔物はオーガの様な力自慢の奴にも対応して行動する。かなり戦い慣れた奴だった。
オーガの棍棒による一撃を、魔物はオノの裏側をタイミング良く当てる事により、オーガのパワーを推進力にして攻撃して来る。
自分の体重とオノの重さが同じだからこそできる芸当だった。
ブーメランのように加速した攻撃がオーガに襲いかかる。
高速の回転により、オーガも敵の軌道を読むのがやっとだった。
なんとか敵の攻撃を読んで対処するが、敵の度重なる連続攻撃により、オーガの集中力は高まっていく。
しばらくすると、敵の攻撃を予測できるまでになった。
その予測を元にして、オーガは魔物を叩き潰そうと待ち構える。
オーガが魔物を捕らえたと思った瞬間、魔物はオノのバランスをうまく調節し、変化球のようにして軌道を変更した。
突然の軌道変更に、オーガは防御できなかった。
何とか、後ろに身を引いて攻撃を避けようとするものの、オノを回避しきれず攻撃を受けてしまう。
昔のように痛みを堪えるために子供のようなふるまいをする事は無かったが、静かに自分の敗北を悟った。
しかし、近くにはアビナがいる。
せめて彼女だけでも守らなければと思い、彼女の近くに駆け寄ると、太小腹に痛みが走る。アビナの撃った矢がオーガに命中したのだ。
敵の攻撃と味方の攻撃を受けたオーガはショックで気を失った。
オーガが倒れたことで満足したのか、赤い服を着た悪魔は次のターゲットを求めどこかへ消えていった。
攻撃の危険は無くなったが、オーガの怪我は酷い。
特に、味方からの予想外の攻撃により、出血死の危機が迫っていた。
赤い服を着た魔物は、次のターゲットを嵐山とキーリアのグループに決める。
まず、弱そうなキーリアを攻撃して来る。
魔物の気配をいち早く察知したキーリアだったが、槍による攻撃に集中していたために行動がワンテンポ遅れる。
当然のようにキーリアの攻撃をかわし、魔物はオノでキーリアを攻撃する。
オノでやられそうになるキーリアを、嵐山の剣が救った。
慣れていない武器とはいえ、さすがに元軍人らしくオノの攻撃を捌き切る。
嵐山は剣で魔物を追い詰めていく。魔物は一気に防戦一方になる。
嵐山には自分のオノ攻撃が通用しない事を悟ると、対象をキーリアにして攻撃して来る。
オーガの時のように自分の身体とオノをブーメランのように回転して攻撃して来る。
突然のターゲット変更により、キーリアは全く防御が取れないままだった。
普段ならバリアなどで身を守れるが、今回は彼女自身も攻撃を予測できなかったため、バリアを張る時間もなかった。
キーリアは魔物にやられると思った瞬間、嵐山が身を盾にして彼女を守っていた。
ある程度ダメージを覚悟して飛び込んだ嵐山だったため、直撃は受けなかったもののダメージは大きい。
嵐山がダメージを受けた事に動揺したキーリアは大きな声で叫び声を上げる。
キーリアの叫び声を頼りに、オレはその場所に辿り着く事ができた。
負傷した嵐山とキーリアを背にして、オレは魔物へと戦いを挑む。
果たして勝てるのだろうか?
みんな注意して近付かない。すると、迷い込む者はいなくなる。
だから誰もこんな森で迷う事は無いと、何の準備も無しに油断して足を踏み入れてしまうんだ。
今度から、こういう場所に入る時はひもやロープでも良いから目印を持って入ろうと心に決めた。
もうすでに、オレ達は五人全員が闇雲に森に入っていってしまったから遅いけどな。
案の定、五人共迷ってしまった。その上、バラバラに分散してしまう。
オレは一人、嵐山とキーリア、オーガとアビナの三グループになってしまった。
オレ一人で心細いから、どちらのグループでも良いから探し始める。
かれこれ一時間になるが、誰にも出会わなくなっていた。
やばい、本格的に迷ったようだ。
こういう時こそ、心を落ち着かせる必要がある。
闇雲に走ったり、叫んだりしてはいけない。
体力を無駄に消費するし、更に迷ってしまう危険がある。
何もせずじっとして、仲間と合流するのを待つのが得策だ。
夜になると獣が出て来るかも知れない。
焚火するのを決意し、まきを拾いながら、誰かとおるのを待つ事にした。
オレがじっとしている間に、オーガとアビナが謎の魔物に襲われていた。
赤い帽子をかぶった子供のような魔物だ。魔物は、自分ほどの大きさの斧を持っていた。そしてオーガに向かい攻撃して来る。
オーガは警戒していた事もあり、一度目の攻撃は棍棒を盾にして防いだ。
魔物は子供姿の割に、オーガが押されるほどの力がある。
まともに組めば対処できるが、片手で隙を突かれた場合はオーガの力をもってしても弾かれる危険があった。
それほどの強敵に、オーガは力で対抗する。
魔物が速いのだろうが、オーガの渾身の力を受け切るには、さすがの魔物も出来なかった。
どんなに速さがあろうと、行動範囲や攻撃が読まれていれば力で対抗できる。
オーガは魔物を上に飛ばしたり、木に当てるなどして連続攻撃態勢に持ち込んでいく。このままならオーガが勝っていただろう。
魔物はオーガの様な力自慢の奴にも対応して行動する。かなり戦い慣れた奴だった。
オーガの棍棒による一撃を、魔物はオノの裏側をタイミング良く当てる事により、オーガのパワーを推進力にして攻撃して来る。
自分の体重とオノの重さが同じだからこそできる芸当だった。
ブーメランのように加速した攻撃がオーガに襲いかかる。
高速の回転により、オーガも敵の軌道を読むのがやっとだった。
なんとか敵の攻撃を読んで対処するが、敵の度重なる連続攻撃により、オーガの集中力は高まっていく。
しばらくすると、敵の攻撃を予測できるまでになった。
その予測を元にして、オーガは魔物を叩き潰そうと待ち構える。
オーガが魔物を捕らえたと思った瞬間、魔物はオノのバランスをうまく調節し、変化球のようにして軌道を変更した。
突然の軌道変更に、オーガは防御できなかった。
何とか、後ろに身を引いて攻撃を避けようとするものの、オノを回避しきれず攻撃を受けてしまう。
昔のように痛みを堪えるために子供のようなふるまいをする事は無かったが、静かに自分の敗北を悟った。
しかし、近くにはアビナがいる。
せめて彼女だけでも守らなければと思い、彼女の近くに駆け寄ると、太小腹に痛みが走る。アビナの撃った矢がオーガに命中したのだ。
敵の攻撃と味方の攻撃を受けたオーガはショックで気を失った。
オーガが倒れたことで満足したのか、赤い服を着た悪魔は次のターゲットを求めどこかへ消えていった。
攻撃の危険は無くなったが、オーガの怪我は酷い。
特に、味方からの予想外の攻撃により、出血死の危機が迫っていた。
赤い服を着た魔物は、次のターゲットを嵐山とキーリアのグループに決める。
まず、弱そうなキーリアを攻撃して来る。
魔物の気配をいち早く察知したキーリアだったが、槍による攻撃に集中していたために行動がワンテンポ遅れる。
当然のようにキーリアの攻撃をかわし、魔物はオノでキーリアを攻撃する。
オノでやられそうになるキーリアを、嵐山の剣が救った。
慣れていない武器とはいえ、さすがに元軍人らしくオノの攻撃を捌き切る。
嵐山は剣で魔物を追い詰めていく。魔物は一気に防戦一方になる。
嵐山には自分のオノ攻撃が通用しない事を悟ると、対象をキーリアにして攻撃して来る。
オーガの時のように自分の身体とオノをブーメランのように回転して攻撃して来る。
突然のターゲット変更により、キーリアは全く防御が取れないままだった。
普段ならバリアなどで身を守れるが、今回は彼女自身も攻撃を予測できなかったため、バリアを張る時間もなかった。
キーリアは魔物にやられると思った瞬間、嵐山が身を盾にして彼女を守っていた。
ある程度ダメージを覚悟して飛び込んだ嵐山だったため、直撃は受けなかったもののダメージは大きい。
嵐山がダメージを受けた事に動揺したキーリアは大きな声で叫び声を上げる。
キーリアの叫び声を頼りに、オレはその場所に辿り着く事ができた。
負傷した嵐山とキーリアを背にして、オレは魔物へと戦いを挑む。
果たして勝てるのだろうか?
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