【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第三章 七人の赤い悪魔

第52話 服の捜索

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 オレは古城の壁を目印にして、自分の身長を確認する。
だいたい百七十センチあったオレの身体は、亜空間に連れて来られて百三十センチほどになっていた。
オレの年齢が三十一歳くらいだとすると、二十一歳は若くなっている。

オレの脳内でキーリアとアビナが思い出された。
もしも二十歳ほど若返る亜空間ならば、キーリアは戦うことすらできずに消滅してしまっているだろう。
アビナも二十歳というと危ない所だ。
赤ん坊の状態で見付かるかもしれない。

嵐山とオーガは無事だろう。
嵐山は年齢的に肉体の絶頂期になっているかもしれない。
オーガはオレと同じくらいだから十歳くらいの姿だろう。
とにかく早めに味方を見付け出した方が良い。

お腹も空いて来たし、子供の姿ではまともに戦えるかも不安だ。
オレはひっそりと移動し、仲間を捜し始める。

オレは移動し始めて重大な問題に気付いた。服のサイズが合わないのである。
近くの部屋を捜索し、サイズのある服は無いかと物色し始めた。

 オレの予想に反して、キーリアはさほど変わっていなかった。
十三歳の彼女が、十歳の姿になってもさほど違和感を覚える事は無い。

しかし、嵐山火焔はかなり変わっていた。
五十代半ばだった男性が、十歳の子供に変化していたのだ。
当然服のサイズも合わない。

来ていたズボンとパンツも脱げ落ち、下半身が裸のままキーリアに近づく。
本来、上着が股間を隠しているはずだったが、切られた服の間から股間が見える。

キーリアが騒ぐので仕方なく服を捜すことにした。
このままの状態でいると、照れたキーリアに顔をボコボコにされる危険があったからである。
腹の傷は若返りと共に治ったが、十歳の少女の記憶に新たなショックが加えられていた。

 とりあえず戦闘ができる格好にするため、身近な部屋に忍び込む嵐山とキーリア。
そこには恐るべき敵が待ち構えていた。キーリアの槍を持った赤い魔物が姿を顕わす。
子供姿である上に、嵐山はまだ服を捜していない。

突然のピンチになり、キーリアが光魔法を使い対抗する。
キーリアの指先からビーム光線が出て、魔物に直撃する。

魔物がひるんだすきにキーリアと嵐山は退散する。
しかし、キーリアは自分の身体の変化に初めて気が付いた。

「光魔法が弱くなった? なんか、初期魔法しか使えないんだけど……」

そう、キーリアの魔法も数年前の状態に戻されたのだ。
二年間で光魔法を極めたキーリアだったが、その二年間を丸々持って行かれたのだ。

十歳の頃では、初期魔法がようやく使える程度だ。
このままでは魔物にやられてしまう。

嵐山の服を捜す事に全てがかかっているのだ。
剣は奪われたが、もしものために仕込んでおいたナイフはある。
それを使えば、あの魔物とも戦えるだろう。

しかし、服が無ければ戦うには困難だ。
キーリアと嵐山が協力してこそ、あの赤い魔物を倒す事ができるのである。

オノを持っていた魔物と比べて、機動力は低い。
魔物が追って来ない間に、何としてでも服を得なければならない。

祈るような気持ちで近くの部屋の扉を開けると、子供服がたくさん置いてあった。
どうやら魔物の服らしいが、そんな事を気にしている場合ではない。

嵐山は赤い服を身につけると、槍を持った魔物と対峙する。
キーリアには、どっちが魔物か区別が付きにくかった。
どっちも赤い服を着ていたからである。これでは迂闊にサポートできない。

嵐山が素早く動けば動くほど、動体視力の無いキーリアは魔法攻撃を誤射する危険があるからだ。
この戦闘は、嵐山の実力にかかっていた。
果たして、十歳の子供の身体で、あの赤い魔物に対抗できるのだろうか?
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