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第三章 七人の赤い悪魔
第58話 キーリアに衝撃の事実!
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嵐山とキーリアは匂いにつられ、オレを捜しあてた。
正確にはオレの作ったカレーを捜しあてただが……。
丸二日も何も食べてないので仕方ない事だが、オレを見ることもなく飢えた獣のようにカレーを食べ始めた。
オレが声をかけようとしても聞き耳を持たない。
邪魔するなら殺されかねない勢いだ。オレは彼らが正気に戻るのを待った。
待つこと十分、ようやく二人は正気に戻り、オレと会話する事ができる状態になった。
「ふー、食った、食った。野菜カレーだったけど、味はまあまあだったな。
今度は肉も入れて欲しい物だ。まあ、腹の足しにはなったが……」
「肉、肉、肉、お肉が食べたいよ!」
二人の態度にオレはこう思う。お前らをミンチにしてやろうかと……。
しかし、せっかく出会った仲間を大切にしてやらなければと思い直し、穏やかな口調で語りかける。
「よお、無事だったか。何事も無くて良かったよ!」
「どこが無事なのよ。見てよ、十歳の身体になっちゃったじゃない。
魔力が無くなって大変よ!」
そういうキーリアを見て、大した違いがない事を知る。
オレ達の中では一番変わっておらず、違和感もないだろう。
服も変わっておらず、あまり違いを感じられない。
成長してないんだと思って、思わず胸を見てしまった。
嵐山は見るからに変わっていた。
赤い魔物の服を着ているし、戦闘で負傷したのかボロボロだった。
おそらくパンツは穿いていないだろう。
赤い服だけでよくここまで無事だったと感心する。
逆に、嵐山はオレを見て、真剣な表情をしてきた。
おもむろにメイド服のスカートをめくる。
オレはパンツのサイズは合っていたので、そのまま穿いていた。
嵐山は悲しい表情と声で言う。
「なんだ。パンツは、そのままか。てっきり女性物を穿いていると思ったのに……」
キーリアはその言葉を聞き、オレに不審なまなざしをして言う。
「いや、二日も同じパンツを穿いているなんて……。考えられないわ!」
そう言ってオレから遠ざかる。黙れ、お前も同じような状況だろ。
後、もう一人はノーパンだしな。
オレ達三人は風呂場を捜すことにした。
キーリアはオレの姿を見て語りかける。
どうやら亜空間の能力を理解しての発言らしい。
「シルビアお姉様が来なくて正解だったわね。
もしも魔物の亜空間に気付かずに来ていたら、お腹の子が消えていたわよ。
流産とか堕胎じゃないけど、子供が消えたらショックを感じるでしょうからね。
何年か経っても、あの子がいたらどうなっていただろうって、一生考え続ける事になるでしょうから……」
「そうだな。十歳になってしまえば、傷も無くなるけど、妊娠も無くなるのかもしれないな。危ない所だった。
できるだけ早く帰らないと、シルビアさんもここへ来ようとするかもしれない。
そうなったら危険だ!」
「お姉様ならあり得るかもしれないわ。
この亜空間の能力は全く知らないでしょうからね。
他の人が止めてくれればいいけど、一人で行動する時もあるからね。
一人で何でも解決しようとして無茶して、こっちの方が心配になって来るわ」
オレはキーリアと話をしているうちに、シルビアさんが恋しくなった。
年齢は違っても、双子のように似ている二人だ。
オレは思わずキーリアにキスをしてしまった。
声も格好も似ているから、幼くなったシルビアさんと認識し、考えるよりも先に動いてしまった。
キスをしている最中に冷静さを取り戻し、別人であることを思い出した。
「あ、間違えた。シルビアさんじゃなくて、キーリアだった。
声が似ていたから思わず動いてしまった。ごめん、ごめん」
キーリアは動揺しているのか、怒っているのか、怒鳴って言う。
「ちょっと! 乙女のファーストキスを奪っておいて間違いだった、で済むと思っているの。酷いわ……」
泣き出すキーリアを嵐山が慰める。
「大丈夫だ! 俺がいつも寝ているお前にキスしているから、ファーストキスじゃない! 安心するが良い!」
「おええ、気持ちわるい……」
嵐山の止めの発言により、オレの間違いはうやむやになった。
心の中でもう一度、キーリアに謝罪しておいた。
キーリアはショックだったらしく、しばらく立ち直れなかった。
正確にはオレの作ったカレーを捜しあてただが……。
丸二日も何も食べてないので仕方ない事だが、オレを見ることもなく飢えた獣のようにカレーを食べ始めた。
オレが声をかけようとしても聞き耳を持たない。
邪魔するなら殺されかねない勢いだ。オレは彼らが正気に戻るのを待った。
待つこと十分、ようやく二人は正気に戻り、オレと会話する事ができる状態になった。
「ふー、食った、食った。野菜カレーだったけど、味はまあまあだったな。
今度は肉も入れて欲しい物だ。まあ、腹の足しにはなったが……」
「肉、肉、肉、お肉が食べたいよ!」
二人の態度にオレはこう思う。お前らをミンチにしてやろうかと……。
しかし、せっかく出会った仲間を大切にしてやらなければと思い直し、穏やかな口調で語りかける。
「よお、無事だったか。何事も無くて良かったよ!」
「どこが無事なのよ。見てよ、十歳の身体になっちゃったじゃない。
魔力が無くなって大変よ!」
そういうキーリアを見て、大した違いがない事を知る。
オレ達の中では一番変わっておらず、違和感もないだろう。
服も変わっておらず、あまり違いを感じられない。
成長してないんだと思って、思わず胸を見てしまった。
嵐山は見るからに変わっていた。
赤い魔物の服を着ているし、戦闘で負傷したのかボロボロだった。
おそらくパンツは穿いていないだろう。
赤い服だけでよくここまで無事だったと感心する。
逆に、嵐山はオレを見て、真剣な表情をしてきた。
おもむろにメイド服のスカートをめくる。
オレはパンツのサイズは合っていたので、そのまま穿いていた。
嵐山は悲しい表情と声で言う。
「なんだ。パンツは、そのままか。てっきり女性物を穿いていると思ったのに……」
キーリアはその言葉を聞き、オレに不審なまなざしをして言う。
「いや、二日も同じパンツを穿いているなんて……。考えられないわ!」
そう言ってオレから遠ざかる。黙れ、お前も同じような状況だろ。
後、もう一人はノーパンだしな。
オレ達三人は風呂場を捜すことにした。
キーリアはオレの姿を見て語りかける。
どうやら亜空間の能力を理解しての発言らしい。
「シルビアお姉様が来なくて正解だったわね。
もしも魔物の亜空間に気付かずに来ていたら、お腹の子が消えていたわよ。
流産とか堕胎じゃないけど、子供が消えたらショックを感じるでしょうからね。
何年か経っても、あの子がいたらどうなっていただろうって、一生考え続ける事になるでしょうから……」
「そうだな。十歳になってしまえば、傷も無くなるけど、妊娠も無くなるのかもしれないな。危ない所だった。
できるだけ早く帰らないと、シルビアさんもここへ来ようとするかもしれない。
そうなったら危険だ!」
「お姉様ならあり得るかもしれないわ。
この亜空間の能力は全く知らないでしょうからね。
他の人が止めてくれればいいけど、一人で行動する時もあるからね。
一人で何でも解決しようとして無茶して、こっちの方が心配になって来るわ」
オレはキーリアと話をしているうちに、シルビアさんが恋しくなった。
年齢は違っても、双子のように似ている二人だ。
オレは思わずキーリアにキスをしてしまった。
声も格好も似ているから、幼くなったシルビアさんと認識し、考えるよりも先に動いてしまった。
キスをしている最中に冷静さを取り戻し、別人であることを思い出した。
「あ、間違えた。シルビアさんじゃなくて、キーリアだった。
声が似ていたから思わず動いてしまった。ごめん、ごめん」
キーリアは動揺しているのか、怒っているのか、怒鳴って言う。
「ちょっと! 乙女のファーストキスを奪っておいて間違いだった、で済むと思っているの。酷いわ……」
泣き出すキーリアを嵐山が慰める。
「大丈夫だ! 俺がいつも寝ているお前にキスしているから、ファーストキスじゃない! 安心するが良い!」
「おええ、気持ちわるい……」
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心の中でもう一度、キーリアに謝罪しておいた。
キーリアはショックだったらしく、しばらく立ち直れなかった。
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