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第三章 七人の赤い悪魔
第59話 お風呂場での決戦!
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オレ達は風呂場に移動して、身体を洗う事にした。
二日もろくに睡眠をとっておらず、疲れもたまっている。
せめて風呂場があればいいと思い、捜索すると見付ける事ができた。
この古城はアルスター王国の城と繋がっているらしく、食堂や風呂場の位置はなんとか分かった。
城の中には罠があったので一人だとうまく移動できなかったが、三人になるとあっさりと通過する事ができる。
風呂場まで来るのに、一時間ほど時間を要した。
風呂場は男女別れているので、キーリアだけが一人で行動しようとする。
「じゃあ、私は女湯に入るから……」
嵐山がキーリアの腕を掴んで言う。
「待て、一人で入るのは危険だ! 俺も一緒に入ろう!」
それを聞き、キーリアは叫んで言う。まだキスの事で混乱しているようだ。
「うっせー! お前らと一緒の方が危険なんじゃ!」
キーリアはオレと嵐山を突き飛ばし、一人で女湯に向かった。
「十歳ならば、男女大して変わらんのに……。まあいい。
男湯と女湯は中で繋がっているから、いざとなったら助けに行く事ができる!」
「え、何で知っているんですか?」
「そりゃあ、毎日彼女を守っているんだから知っているに決まっているだろう。
いつ、何時も彼女が危険に遭わない様に注意している!」
こんな危険なおっさんに見張られているなんて絶対嫌だ、とオレは思った。
キーリアには極力知らせないでおいてやりたい。まじで怖いからな!
オレ達はそれぞれ風呂に入る事にした。
城の配置が分かっているのなら、服のありかもある程度分かるというモノだ。
ただ、城の中にはもともと子供服が少ない。
オレと嵐山はさっきまでの服を洗って着る事にし、キーリアだけが着替えを手にする事ができた。
十歳になるというのも不便な状況である。それでもその身体だからこそ、女湯と男湯を行き来できるらしい。
やはり風呂の内部は男性が通る事のないように工夫されていた。
女性が危険を感じた時に来る事はできても、男性が女湯に入るには外を通らなければならない。
しばらく風呂に入っていると、魔物は一人きりになったキーリアを標的にして来た。
オレと嵐山はその事を想定していたため、素早く行動する。
キーリアの悲鳴を聞き、オレは外を移動して女湯に入る。
嵐山は風呂の中を移動して、キーリアを守る事にした。
これにより魔物を挟み撃ちにできるというわけだ。
嵐山は女湯に侵入し、不敵な笑みを浮かべて赤い魔物を威嚇する。
「ふっふっふ、女性を狙って襲ってくるとは、卑怯でどうしようもない奴!
それとも、男性を襲えない理由でもあるのかな?」
嵐山はタオルを持っておらず、そのままで戦うしかない。
キーリアと魔物はその姿を見て脅え出した。
「きゃあああ、どっから出て来るのよ! しかも服もタオルもないし……」
「風呂場ではタオルを湯船に付けてはいけないからな!
最低限のルールは守らないと。さあ、キーリアもタオルはお湯に付けてはいかんのだぞ!」
「誰が守るか、そんなルール。女湯に普通に侵入して来るんじゃないわよ!」
「全て赤い魔物が悪い!」
赤い魔物は剣を持っていたが、嵐山の介入に驚いて外へ出ようとする。
そして、外から中へ入ろうとするオレと鉢合わせになった。
オレはタオルを腰に巻いて風呂場に潜入する。
股間は見えていないものの、激しく動くのは危険だ。
赤い魔物はオレの出現に驚いたようだったが、攻撃の手は緩めなかった。
剣をものすごい力で振り、ナイフのガードしているオレごと吹き飛ばした。
一瞬の出来事だったが、嵐山は敵が背後を見せた隙を見逃さなかった。
赤い魔物の無防備な背中を、嵐山の鋭いナイフが襲う。
赤い魔物は切り裂かれ、またしても叫び声を上げて煙のように消え去った。
その後には光る牙を残して……。
嵐山は剣を拾い上げ、自分の剣であることを確認する。
これで槍と弓と剣とナイフを倒したのだ。
残る武器は、オーガの棍棒と赤い魔物の元々の武器オノだけである。
その二匹が、オーガとアビナに迫りつつあった。
棍棒はともかく、オノは迷いの森でオーガと戦い勝っている。
子供のままで戦って勝てるほど甘い相手ではないはずだ。
オレ達は風呂から出ると、オーガとアビナを捜すことにした。
しばらく三人で捜索を続けると、赤い魔物が姿を顕わした。
しかし、今回の赤い魔物は様子が違う。
アルシャードの太刀を持っており、遠くからオレ達を眺めていた。
今までの赤い魔物は好戦的だったのに対し、太刀を持った魔物は戦うそぶりが見えない。
数メートル離れた場所からオレ達を見て、太刀を振り上げた。
何かの合図かと思って見ていると、太刀が振り下ろされた。
太刀を高速で振りおろした時にできる真空の刃により、オレ達のいる場所は崩れ落ちる。
真空の刃が飛んで来る所は見ていたので直撃はしなかった。
しかし、城壁が崩され、オレと嵐山・キーリアを分断した。
合流するにはかなりの距離を移動しなければならない。
移動している間に、どちらかがあの赤い魔物と遭遇する危険があった。
それでもオレ達は同じ場所にいる事の方が危険と考え、バラバラに移動する事にした。
オレはオーガとアビナを捜索し、嵐山とキーリアはさっきの魔物を追う事にする。
太刀を持った魔物は危険過ぎる。体力がある内に倒しておかなければならない。
二日もろくに睡眠をとっておらず、疲れもたまっている。
せめて風呂場があればいいと思い、捜索すると見付ける事ができた。
この古城はアルスター王国の城と繋がっているらしく、食堂や風呂場の位置はなんとか分かった。
城の中には罠があったので一人だとうまく移動できなかったが、三人になるとあっさりと通過する事ができる。
風呂場まで来るのに、一時間ほど時間を要した。
風呂場は男女別れているので、キーリアだけが一人で行動しようとする。
「じゃあ、私は女湯に入るから……」
嵐山がキーリアの腕を掴んで言う。
「待て、一人で入るのは危険だ! 俺も一緒に入ろう!」
それを聞き、キーリアは叫んで言う。まだキスの事で混乱しているようだ。
「うっせー! お前らと一緒の方が危険なんじゃ!」
キーリアはオレと嵐山を突き飛ばし、一人で女湯に向かった。
「十歳ならば、男女大して変わらんのに……。まあいい。
男湯と女湯は中で繋がっているから、いざとなったら助けに行く事ができる!」
「え、何で知っているんですか?」
「そりゃあ、毎日彼女を守っているんだから知っているに決まっているだろう。
いつ、何時も彼女が危険に遭わない様に注意している!」
こんな危険なおっさんに見張られているなんて絶対嫌だ、とオレは思った。
キーリアには極力知らせないでおいてやりたい。まじで怖いからな!
オレ達はそれぞれ風呂に入る事にした。
城の配置が分かっているのなら、服のありかもある程度分かるというモノだ。
ただ、城の中にはもともと子供服が少ない。
オレと嵐山はさっきまでの服を洗って着る事にし、キーリアだけが着替えを手にする事ができた。
十歳になるというのも不便な状況である。それでもその身体だからこそ、女湯と男湯を行き来できるらしい。
やはり風呂の内部は男性が通る事のないように工夫されていた。
女性が危険を感じた時に来る事はできても、男性が女湯に入るには外を通らなければならない。
しばらく風呂に入っていると、魔物は一人きりになったキーリアを標的にして来た。
オレと嵐山はその事を想定していたため、素早く行動する。
キーリアの悲鳴を聞き、オレは外を移動して女湯に入る。
嵐山は風呂の中を移動して、キーリアを守る事にした。
これにより魔物を挟み撃ちにできるというわけだ。
嵐山は女湯に侵入し、不敵な笑みを浮かべて赤い魔物を威嚇する。
「ふっふっふ、女性を狙って襲ってくるとは、卑怯でどうしようもない奴!
それとも、男性を襲えない理由でもあるのかな?」
嵐山はタオルを持っておらず、そのままで戦うしかない。
キーリアと魔物はその姿を見て脅え出した。
「きゃあああ、どっから出て来るのよ! しかも服もタオルもないし……」
「風呂場ではタオルを湯船に付けてはいけないからな!
最低限のルールは守らないと。さあ、キーリアもタオルはお湯に付けてはいかんのだぞ!」
「誰が守るか、そんなルール。女湯に普通に侵入して来るんじゃないわよ!」
「全て赤い魔物が悪い!」
赤い魔物は剣を持っていたが、嵐山の介入に驚いて外へ出ようとする。
そして、外から中へ入ろうとするオレと鉢合わせになった。
オレはタオルを腰に巻いて風呂場に潜入する。
股間は見えていないものの、激しく動くのは危険だ。
赤い魔物はオレの出現に驚いたようだったが、攻撃の手は緩めなかった。
剣をものすごい力で振り、ナイフのガードしているオレごと吹き飛ばした。
一瞬の出来事だったが、嵐山は敵が背後を見せた隙を見逃さなかった。
赤い魔物の無防備な背中を、嵐山の鋭いナイフが襲う。
赤い魔物は切り裂かれ、またしても叫び声を上げて煙のように消え去った。
その後には光る牙を残して……。
嵐山は剣を拾い上げ、自分の剣であることを確認する。
これで槍と弓と剣とナイフを倒したのだ。
残る武器は、オーガの棍棒と赤い魔物の元々の武器オノだけである。
その二匹が、オーガとアビナに迫りつつあった。
棍棒はともかく、オノは迷いの森でオーガと戦い勝っている。
子供のままで戦って勝てるほど甘い相手ではないはずだ。
オレ達は風呂から出ると、オーガとアビナを捜すことにした。
しばらく三人で捜索を続けると、赤い魔物が姿を顕わした。
しかし、今回の赤い魔物は様子が違う。
アルシャードの太刀を持っており、遠くからオレ達を眺めていた。
今までの赤い魔物は好戦的だったのに対し、太刀を持った魔物は戦うそぶりが見えない。
数メートル離れた場所からオレ達を見て、太刀を振り上げた。
何かの合図かと思って見ていると、太刀が振り下ろされた。
太刀を高速で振りおろした時にできる真空の刃により、オレ達のいる場所は崩れ落ちる。
真空の刃が飛んで来る所は見ていたので直撃はしなかった。
しかし、城壁が崩され、オレと嵐山・キーリアを分断した。
合流するにはかなりの距離を移動しなければならない。
移動している間に、どちらかがあの赤い魔物と遭遇する危険があった。
それでもオレ達は同じ場所にいる事の方が危険と考え、バラバラに移動する事にした。
オレはオーガとアビナを捜索し、嵐山とキーリアはさっきの魔物を追う事にする。
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