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第三章 七人の赤い悪魔
第64話 最強のレッドキャップ出現!
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オレはインプの言葉を聞き、この城のどこかに隠れている事を悟る。
他の魔物に戦わせて、自分は高みの見物とはずるい奴だ。
オレもそうしようかという考えが頭をよぎったが、さすがにそれはできない。
万が一、オレ以外の全員が負けていれば、オレ一人で二対一の不利な戦いをしなければならないのだ。
それならば、早めに仲間と合流し、レッドキャップ(太刀)とインプをフルボッコにした方が良い。
いくら太刀が強いとはいえ、嵐山の前には苦戦するはずだ。
そこをオレがさっそうと駆け付け、一気に倒してしまうのも悪くない。
シルビアさんがいないのは残念だが、姿形の似ているキーリアで我慢するとしようか。
もしかしたら、キーリアの口からシルビアさんに伝わるかもしれない。
そうなれば、さらにシルビアさんから尊敬の目を向けられるだろう。
生まれて来る子供にも自慢する事ができる。
良い父親となって、子供の手本になろうと考えていた。
やはり子供の目から見ても、普段はどうにも頼りない父親でも、いざという時はどんな大人よりも行動し、さっさと解決してしまうような父親に憧れるものだ。
このギャップこそが良いのだ。
普段から忙しく働いて、いざという時もそれなりに頼れる程度では、父親として二流なのだ。
一流の父親は、普段はどうしようもない奴だとしても、周りがピンチの時にはみんなから信頼を寄せられるような人物でなければならないのだ。
たとえ、それが他人の功績を奪い取るような形だとしても……。
オレは嵐山と共同で戦って、レッドキャップを倒すため、城内部で戦闘している場所に行く事にした。
城の内部ではかなりの音が響いているため、戦闘が起こっている場所はすぐに分かった。そして、戦場に来なければ良かったということもすぐに分かった。
今までのレッドキャップ全員が壊した以上の瓦礫が山のようになっていた。
城の四分の一を破壊したほどの瓦礫の量。それが城の広い空間の中に無造作に山積みになっていた。
レッドキャップ(太刀)と戦っていた嵐山の姿が見えない。
かろうじて、瓦礫の山のふもとにキーリアがいる事を確認したが、彼女はなぜか泣いていた。
理由は訊かなくても分かる。
嵐山がこの下敷きになっているのだろう。
オレはそれを悟り、怒りがこみ上げて来た。レッドキャップに対してではない。
甘い考えをしていた自分に対してだ!
瓦礫の山の頂上にいるレッドキャップは、ゆっくりとオレというターゲットを確認する。魔物は太刀を振り上げ、真空の刃でオレを攻撃する。
オレはそれを見切り、最小限の動きでそれを避けた。
まるでスローモーションのように感じられるが、一瞬の出来事なのだ。
真空の刃が当たった城の壁は、轟音を立てて崩れ落ち、新たな瓦礫を積み重ねる。
この連続攻撃により、嵐山は瓦礫の山を処理できなくなり、押しつぶされたのだ。
オレはナイフを取り出し、構えた。
そう、嵐山には遠距離系の攻撃が無かったが、オレにはナイフを火薬の爆発によって高速で飛ばすという遠距離系の攻撃があるのだ。
それによって、レッドキャップ(太刀)とも互角の勝負ができる。
お互いが攻撃をして来た一瞬の隙を付き、カウンターで攻撃しようというのだ。
レッドキャップ(太刀)もそれが分かっているようで、むやみやたらに攻撃して来なくなった。
静かな心理戦が繰り広げられていた。
しかし、オレが飛ばせるナイフの数はもう数本になっていた。
持久戦に持ち込まれると負ける。
オレは普通のナイフを囮に使い、レッドキャップの攻撃を誘う。
案の定、レッドキャップは刀を振り、真空の刃でオレを攻撃して来た。
投げたナイフは真っ二つに切り裂かれるが、相手の攻撃して来た隙を突く事ができた。
腕を思い切り振り下げねば、真空の刃を作り出す事は出来ない。
簡単な技のようだが、達人並みの技量があって出来る大技なのだ。
遠距離でも攻撃できるのは脅威だが、防御する術はいくつかある。
一つは、今のオレのように相手の動きに合わせて攻撃する事だ。
そうすれば、動きが大きい分、隙も出来やすい。
オレはナイフを高速で飛ばし、相手がナイフを振り下げた所を狙う。
普通ならこれで致命傷を負うはずだが、さすがにそううまくはいかない。
レッドキャップは剣の柄を咄嗟に盾とし、オレのナイフ攻撃を防いだ。
こうやって相手の隙を付いても、一回だけの攻撃では防がれる事もある。
そのため、二発、三発の連続攻撃が有効となるのだ。
オレは残った最後の火薬を仕込んだナイフを使い攻撃しようとすると、レッドキャップの視線はキーリアに向けられていた。
オレを倒せなくとも、せめて敵の数を減らそうという作戦か?
オレは、レッドキャップがキーリア目掛けて真空の刃を放とうとした所を攻撃する。
真空の刃を止める二つ目の方法は、相手が刀を振り切る前に、腕や刀の軌道を直接止める事だ。
少しの妨害でも振り切る腕の力を弱める事ができれば、真空の刃を出す事は出来ない。
オレは咄嗟に、相手を倒そうとしたナイフの狙いを変え、キーリアを守るために使った。
オレの放った高速のナイフは、レッドキャップの腕に当たり、真空の刃を出す事ができなかった。
魔物は傷付いた腕を押さえ、止血をする。
その隙に、オレはキーリアを抱きかかえ、他の部屋と逃げる。
本当は魔物が傷を負った直後に倒してしまいたかったが、もうすでにオレの飛び道具は無くなっていた。
そのため、仕方なく逃走する道を選んだのだ。
レッドキャップが止血をするまでだいたい五分くらいはかかる。
その間にキーリアと話し合い、魔物を倒す方法を考え出さなければならなかった。
果たして、飛び道具も無く、あの魔物に勝てるのだろうか?
他の魔物に戦わせて、自分は高みの見物とはずるい奴だ。
オレもそうしようかという考えが頭をよぎったが、さすがにそれはできない。
万が一、オレ以外の全員が負けていれば、オレ一人で二対一の不利な戦いをしなければならないのだ。
それならば、早めに仲間と合流し、レッドキャップ(太刀)とインプをフルボッコにした方が良い。
いくら太刀が強いとはいえ、嵐山の前には苦戦するはずだ。
そこをオレがさっそうと駆け付け、一気に倒してしまうのも悪くない。
シルビアさんがいないのは残念だが、姿形の似ているキーリアで我慢するとしようか。
もしかしたら、キーリアの口からシルビアさんに伝わるかもしれない。
そうなれば、さらにシルビアさんから尊敬の目を向けられるだろう。
生まれて来る子供にも自慢する事ができる。
良い父親となって、子供の手本になろうと考えていた。
やはり子供の目から見ても、普段はどうにも頼りない父親でも、いざという時はどんな大人よりも行動し、さっさと解決してしまうような父親に憧れるものだ。
このギャップこそが良いのだ。
普段から忙しく働いて、いざという時もそれなりに頼れる程度では、父親として二流なのだ。
一流の父親は、普段はどうしようもない奴だとしても、周りがピンチの時にはみんなから信頼を寄せられるような人物でなければならないのだ。
たとえ、それが他人の功績を奪い取るような形だとしても……。
オレは嵐山と共同で戦って、レッドキャップを倒すため、城内部で戦闘している場所に行く事にした。
城の内部ではかなりの音が響いているため、戦闘が起こっている場所はすぐに分かった。そして、戦場に来なければ良かったということもすぐに分かった。
今までのレッドキャップ全員が壊した以上の瓦礫が山のようになっていた。
城の四分の一を破壊したほどの瓦礫の量。それが城の広い空間の中に無造作に山積みになっていた。
レッドキャップ(太刀)と戦っていた嵐山の姿が見えない。
かろうじて、瓦礫の山のふもとにキーリアがいる事を確認したが、彼女はなぜか泣いていた。
理由は訊かなくても分かる。
嵐山がこの下敷きになっているのだろう。
オレはそれを悟り、怒りがこみ上げて来た。レッドキャップに対してではない。
甘い考えをしていた自分に対してだ!
瓦礫の山の頂上にいるレッドキャップは、ゆっくりとオレというターゲットを確認する。魔物は太刀を振り上げ、真空の刃でオレを攻撃する。
オレはそれを見切り、最小限の動きでそれを避けた。
まるでスローモーションのように感じられるが、一瞬の出来事なのだ。
真空の刃が当たった城の壁は、轟音を立てて崩れ落ち、新たな瓦礫を積み重ねる。
この連続攻撃により、嵐山は瓦礫の山を処理できなくなり、押しつぶされたのだ。
オレはナイフを取り出し、構えた。
そう、嵐山には遠距離系の攻撃が無かったが、オレにはナイフを火薬の爆発によって高速で飛ばすという遠距離系の攻撃があるのだ。
それによって、レッドキャップ(太刀)とも互角の勝負ができる。
お互いが攻撃をして来た一瞬の隙を付き、カウンターで攻撃しようというのだ。
レッドキャップ(太刀)もそれが分かっているようで、むやみやたらに攻撃して来なくなった。
静かな心理戦が繰り広げられていた。
しかし、オレが飛ばせるナイフの数はもう数本になっていた。
持久戦に持ち込まれると負ける。
オレは普通のナイフを囮に使い、レッドキャップの攻撃を誘う。
案の定、レッドキャップは刀を振り、真空の刃でオレを攻撃して来た。
投げたナイフは真っ二つに切り裂かれるが、相手の攻撃して来た隙を突く事ができた。
腕を思い切り振り下げねば、真空の刃を作り出す事は出来ない。
簡単な技のようだが、達人並みの技量があって出来る大技なのだ。
遠距離でも攻撃できるのは脅威だが、防御する術はいくつかある。
一つは、今のオレのように相手の動きに合わせて攻撃する事だ。
そうすれば、動きが大きい分、隙も出来やすい。
オレはナイフを高速で飛ばし、相手がナイフを振り下げた所を狙う。
普通ならこれで致命傷を負うはずだが、さすがにそううまくはいかない。
レッドキャップは剣の柄を咄嗟に盾とし、オレのナイフ攻撃を防いだ。
こうやって相手の隙を付いても、一回だけの攻撃では防がれる事もある。
そのため、二発、三発の連続攻撃が有効となるのだ。
オレは残った最後の火薬を仕込んだナイフを使い攻撃しようとすると、レッドキャップの視線はキーリアに向けられていた。
オレを倒せなくとも、せめて敵の数を減らそうという作戦か?
オレは、レッドキャップがキーリア目掛けて真空の刃を放とうとした所を攻撃する。
真空の刃を止める二つ目の方法は、相手が刀を振り切る前に、腕や刀の軌道を直接止める事だ。
少しの妨害でも振り切る腕の力を弱める事ができれば、真空の刃を出す事は出来ない。
オレは咄嗟に、相手を倒そうとしたナイフの狙いを変え、キーリアを守るために使った。
オレの放った高速のナイフは、レッドキャップの腕に当たり、真空の刃を出す事ができなかった。
魔物は傷付いた腕を押さえ、止血をする。
その隙に、オレはキーリアを抱きかかえ、他の部屋と逃げる。
本当は魔物が傷を負った直後に倒してしまいたかったが、もうすでにオレの飛び道具は無くなっていた。
そのため、仕方なく逃走する道を選んだのだ。
レッドキャップが止血をするまでだいたい五分くらいはかかる。
その間にキーリアと話し合い、魔物を倒す方法を考え出さなければならなかった。
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