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第四章 白と黒の遭遇
第73話 黒沢エレンの招待状
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バルベロが食事の準備をしてくれて、オレとシルビアさん、黒沢エレンと山口美香、バルベロと子供の悟の六人で食事をする。
さすがにバルベロは味覚が正確に分かる為、彼女の作る料理は美味い。
それでも山口美香の精神的に負った傷が癒されなかった。
「うう、もうお嫁にいけねえだ……。
さっき叩かれて、ちょっと気持ち良いと思ってしまっただ。
ドMになってしまっただべ……」
山口美香は食事中に泣き出した。
十代後半の女性がその喋り方は、すごく気になる。
女版のオークといった感じだが、見た目は美女だった。
シルビアさんは、山口美香になぜか平手打ちをする。
「駄目よ、このくらいで泣いちゃあ!」
「あん、もっと……」
山口美香の口から甘い声が漏れていた。
どうやら痛みに快感を感じるドMに進化した様だ。
バルベロは冷静に分析して言う。
「重症ね。さすがにこれでは、結婚相手の男性が不安に思うわ。可哀想に……」
すると、ドSの黒沢エレンが抗議を開始した。
それなりに山口美香の事を考えている風貌を装っている。
「何を言っているのです。
以前流行った熟年離婚の原因は、旦那さんのきつい対応が原因でしょう。
奥さんを家政婦呼ばわりしたり、無能呼ばわりしたり……。
でも、この山口美香ちゃんなら、どんなに打たれても罵倒されても全て愛情と受け取ってくれる素晴らしい子ですよ。
むしろ離婚原因が一つ減って、私達は感謝されるべきです!」
「それは、あなた達が快感を与える様に傷めつけているからでしょう。
攻撃している箇所は、全て彼女が快感を感じる場所であり、そこを正確に攻めている。
普通の人は出来ませんよ、そんなこと……」
「な、夫とのプレイが裏目に……。
鞭を打つ場所、言葉、タイミング、全て身体に刻み込まれてしまっているのね。
素晴らしいわ♡」
「まあ、新開発した技を今夜マモルさんに使いたいわ♡」
黒沢エレンは震えていた。
そして、シルビアさんもなぜか興奮していた。
「こっちも重症の様ね、ドSが……」
食事を終えると、山口美香が決心したようにみんなに向かって言う。
どうやら何か吹っ切れた様だ。
「私、もう一度田舎に戻って生活します。
こんなドMの身体じゃあ、結婚できないかもしれませんけど、時間をおいてゆっくり療養します。
今でも、刺激が欲しくて身体が疼くんです。
短い時間でこんな風に成るなんて……。
都会は怖い所ですね……」
山口美香は涙を数滴流して泣いていた。
「そうね、それが良いわ!」
シルビアさんはそう言いながら、山口美香に平手打ちを加える。
「あん、もっと……」
「頑張って、良い彼氏を見付けなさい!」
黒沢エレンも背中を強く叩いて、山口美香を励ました。
「ハン! 痛い♡」
山口美香はよろけつつも悶えていた。
怖いのは都会じゃなくて、この二人だけどな。
打つ所が全て快感に変わるという能力を得てしまっていた。
オレにも少なからず非があるだろう。
バルベロも、山口美香からこの二人を離す事を急がせた。
「あなたは田舎で生活しなさい。いずれは良い出会いが待っていると思うわ!」
「はーい♡ 放置プレイか……」
山口美香は夜遅いが、電車に乗り、田舎へ帰って行った。
しかし、この時の快感が忘れられず、一年ほどで都会の荒波に戻って来た様だ。
その後、カッコいいケーキ職人に出会い、彼女も不思議なケーキ職人を目指しているという。
数年後に元の身体に戻り、幸せな家庭を築いているそうだ。
オレ達も食事を終え、バルベロは黒沢エレンに帰るように勧める。
「ほら、どうせ戦う気はないんでしょう?
村を一つ滅ぼしたと言っても、あなたが望んだ事じゃないもの。
本当は、戦う気なんて少しも無いくせに……」
「そうでもないわ!
特に、あなたとは一度戦ってみたかったのよ。
機械でできている素晴らしい身体。
全体をじっくりと観察する機会は無かったから、いつかあなたを観察してみようと思っていたのよ!」
黒沢エレンは、バルベロの腕を鉄で拘束した。
バルベロの身体が、黒沢エレンの身体を通り抜けたと思ったら、鉄に変化して動きを封じていた。
バルベロは拘束から抜け出そうともがくが、鋼鉄の手錠を外す事ができない。
「なんで? 普段ならこんな鉄くらい破壊できるのに……」
「ふふふ、人間そっくりと言う事は、人間と同じ関節と言う事。
関節が曲がる方向を限定しているのが仇になったようね。
いくら力があると言っても、力が最も弱い部分を拘束してしまえば、機械の身体でも捕らえる事ができるのよ♡」
「くっ、モーター部分が弱い所をピンポイントで動けなくされたという事か。
でも、私は身体中の武器を出し入れできるのよ。
こんな手錠破壊すれば……」
黒沢エレンは、身体を電気に変え、バルベロを感電させた。
スタンガンを当てられたように、バルベロの身体はビクンと弾んだ。
「ふふふ、電気信号を一時的に遮断したわ。
頭は働いているけど、体は動かないでしょう。
自己修復プログラムがあるから、数時間もすれば回復するでしょうけどね。
しばらく私がお世話をしてあげるわ、バルベロちゃん♡」
黒沢エレンは、動けなくなったバルベロを連れて異次元空間に逃げ込もうとする。
シルビアさんがそれを黙っていなかった。
「待ちなさい! 家の家政婦に手を出すんじゃありません。
まだ、掃除とか、洗濯とかが済んでいないんですからね!」
「家政婦? しばらくお休みさせてもらうわ!
機械と言っても、休養は必要よ!」
シルビアさんの吹雪攻撃を、黒沢エレンは暴風の攻撃だけで返した。
部屋一面が氷で覆われる。
シルビアさんとオレは氷漬けにならなかったものの、悟と自分の身体を守るので精一杯だった。
バルベロを救出する余裕は全くない。
「ふふふ、ただ突風を浴びせただけですよ。
でも、自分が吹雪攻撃を受けるなんて思ってもみなかったようですね。
対策が全く取れて無くて、氷使いが聞いて呆れるわ!」
「ヘックッシュン! 私の数倍の突風を返して、吹雪ごと武器にされるなんて……」
「じゃあね。
しばらくしたら返してあげるけど、私のアジトまで来てくれるというのなら、ここまで来なさい♡
丁重にもてなして差し上げますわ♡」
黒沢エレンは、バルベロを連れて、異次元空間に逃げて行く。
その後に、一枚の手紙が落ちていた。
シルビアさんは異次元空間の事をある程度経験しており、こう分析する。
「まあ、異次元のゲートが移動する事はありません。
しばらくしたらここに戻って来ますよ。
慌てて、敵の罠に飛び込む必要もありません。気長に待ちましょう!」
そう言いながら、拾った手紙を読む。
衝撃的な内容だったのか、拾った手紙を読んだ後でショックを受けて固まっていた。
どんな内容だったのか気になり、オレはシルビアさんの手から受け取り手紙を読む。
こんな内容だ。
「はーい。私のアジトはここ(地図が貼ってある)で―す♡
あなた達の銀行口座は、私がハッキングして受け取っちゃったからお金がありませーん。
返して欲しければ、山口美香ちゃんに服用した薬の元本サンプルを渡しなさい。
脅威だから処分しておきます。
それと、私の異次元空間は、風水の龍脈を元に作成しているから、いつまで待っていても私は現れないぞ♡」
オレ達のお金が盗まれた。
今月の給料だってまだもらっていない。
明日から生活していくことさえ困難になった。
オレとシルビアさんは怒りを露わにする。
明日の昼頃には、奴らのアジトを強襲して、給料支給源のバルベロを救い出す。
子供の悟は、小学校に行っているから午後までは大丈夫だ。
黒沢エレンの目的がなんなのか知らないが、お望み通りに苦い薬を腹一杯食わせてやるぜ!
ジ―クから薬のサンプルを受け取り、オレとシルビアさんで奇襲作戦を計画する。
今まで多くの敵と戦って来たが、ここまで本気になったのは初めてだった。
黒沢エレンと戦闘する場合、オレもシルビアさんも手加減する気が全くない。
ミサイルでもあるならば、奴らのアジトに直接ぶち込むほどの容赦のなさになっていた。
バルベロの無事とか考えている余裕もない。
メイドさんと生活費を取り戻す事。
それがオレとシルビアさんを戦闘へと駆り立てていた。
黒沢エレンがどのような罠を仕掛けていようと、確実に勝って生活費プラスアルファを手に入れなくてはならないのだ。
オレとシルビアさんVS黒沢エレンとその旦那との戦いが開始しようとしている。
さすがにバルベロは味覚が正確に分かる為、彼女の作る料理は美味い。
それでも山口美香の精神的に負った傷が癒されなかった。
「うう、もうお嫁にいけねえだ……。
さっき叩かれて、ちょっと気持ち良いと思ってしまっただ。
ドMになってしまっただべ……」
山口美香は食事中に泣き出した。
十代後半の女性がその喋り方は、すごく気になる。
女版のオークといった感じだが、見た目は美女だった。
シルビアさんは、山口美香になぜか平手打ちをする。
「駄目よ、このくらいで泣いちゃあ!」
「あん、もっと……」
山口美香の口から甘い声が漏れていた。
どうやら痛みに快感を感じるドMに進化した様だ。
バルベロは冷静に分析して言う。
「重症ね。さすがにこれでは、結婚相手の男性が不安に思うわ。可哀想に……」
すると、ドSの黒沢エレンが抗議を開始した。
それなりに山口美香の事を考えている風貌を装っている。
「何を言っているのです。
以前流行った熟年離婚の原因は、旦那さんのきつい対応が原因でしょう。
奥さんを家政婦呼ばわりしたり、無能呼ばわりしたり……。
でも、この山口美香ちゃんなら、どんなに打たれても罵倒されても全て愛情と受け取ってくれる素晴らしい子ですよ。
むしろ離婚原因が一つ減って、私達は感謝されるべきです!」
「それは、あなた達が快感を与える様に傷めつけているからでしょう。
攻撃している箇所は、全て彼女が快感を感じる場所であり、そこを正確に攻めている。
普通の人は出来ませんよ、そんなこと……」
「な、夫とのプレイが裏目に……。
鞭を打つ場所、言葉、タイミング、全て身体に刻み込まれてしまっているのね。
素晴らしいわ♡」
「まあ、新開発した技を今夜マモルさんに使いたいわ♡」
黒沢エレンは震えていた。
そして、シルビアさんもなぜか興奮していた。
「こっちも重症の様ね、ドSが……」
食事を終えると、山口美香が決心したようにみんなに向かって言う。
どうやら何か吹っ切れた様だ。
「私、もう一度田舎に戻って生活します。
こんなドMの身体じゃあ、結婚できないかもしれませんけど、時間をおいてゆっくり療養します。
今でも、刺激が欲しくて身体が疼くんです。
短い時間でこんな風に成るなんて……。
都会は怖い所ですね……」
山口美香は涙を数滴流して泣いていた。
「そうね、それが良いわ!」
シルビアさんはそう言いながら、山口美香に平手打ちを加える。
「あん、もっと……」
「頑張って、良い彼氏を見付けなさい!」
黒沢エレンも背中を強く叩いて、山口美香を励ました。
「ハン! 痛い♡」
山口美香はよろけつつも悶えていた。
怖いのは都会じゃなくて、この二人だけどな。
打つ所が全て快感に変わるという能力を得てしまっていた。
オレにも少なからず非があるだろう。
バルベロも、山口美香からこの二人を離す事を急がせた。
「あなたは田舎で生活しなさい。いずれは良い出会いが待っていると思うわ!」
「はーい♡ 放置プレイか……」
山口美香は夜遅いが、電車に乗り、田舎へ帰って行った。
しかし、この時の快感が忘れられず、一年ほどで都会の荒波に戻って来た様だ。
その後、カッコいいケーキ職人に出会い、彼女も不思議なケーキ職人を目指しているという。
数年後に元の身体に戻り、幸せな家庭を築いているそうだ。
オレ達も食事を終え、バルベロは黒沢エレンに帰るように勧める。
「ほら、どうせ戦う気はないんでしょう?
村を一つ滅ぼしたと言っても、あなたが望んだ事じゃないもの。
本当は、戦う気なんて少しも無いくせに……」
「そうでもないわ!
特に、あなたとは一度戦ってみたかったのよ。
機械でできている素晴らしい身体。
全体をじっくりと観察する機会は無かったから、いつかあなたを観察してみようと思っていたのよ!」
黒沢エレンは、バルベロの腕を鉄で拘束した。
バルベロの身体が、黒沢エレンの身体を通り抜けたと思ったら、鉄に変化して動きを封じていた。
バルベロは拘束から抜け出そうともがくが、鋼鉄の手錠を外す事ができない。
「なんで? 普段ならこんな鉄くらい破壊できるのに……」
「ふふふ、人間そっくりと言う事は、人間と同じ関節と言う事。
関節が曲がる方向を限定しているのが仇になったようね。
いくら力があると言っても、力が最も弱い部分を拘束してしまえば、機械の身体でも捕らえる事ができるのよ♡」
「くっ、モーター部分が弱い所をピンポイントで動けなくされたという事か。
でも、私は身体中の武器を出し入れできるのよ。
こんな手錠破壊すれば……」
黒沢エレンは、身体を電気に変え、バルベロを感電させた。
スタンガンを当てられたように、バルベロの身体はビクンと弾んだ。
「ふふふ、電気信号を一時的に遮断したわ。
頭は働いているけど、体は動かないでしょう。
自己修復プログラムがあるから、数時間もすれば回復するでしょうけどね。
しばらく私がお世話をしてあげるわ、バルベロちゃん♡」
黒沢エレンは、動けなくなったバルベロを連れて異次元空間に逃げ込もうとする。
シルビアさんがそれを黙っていなかった。
「待ちなさい! 家の家政婦に手を出すんじゃありません。
まだ、掃除とか、洗濯とかが済んでいないんですからね!」
「家政婦? しばらくお休みさせてもらうわ!
機械と言っても、休養は必要よ!」
シルビアさんの吹雪攻撃を、黒沢エレンは暴風の攻撃だけで返した。
部屋一面が氷で覆われる。
シルビアさんとオレは氷漬けにならなかったものの、悟と自分の身体を守るので精一杯だった。
バルベロを救出する余裕は全くない。
「ふふふ、ただ突風を浴びせただけですよ。
でも、自分が吹雪攻撃を受けるなんて思ってもみなかったようですね。
対策が全く取れて無くて、氷使いが聞いて呆れるわ!」
「ヘックッシュン! 私の数倍の突風を返して、吹雪ごと武器にされるなんて……」
「じゃあね。
しばらくしたら返してあげるけど、私のアジトまで来てくれるというのなら、ここまで来なさい♡
丁重にもてなして差し上げますわ♡」
黒沢エレンは、バルベロを連れて、異次元空間に逃げて行く。
その後に、一枚の手紙が落ちていた。
シルビアさんは異次元空間の事をある程度経験しており、こう分析する。
「まあ、異次元のゲートが移動する事はありません。
しばらくしたらここに戻って来ますよ。
慌てて、敵の罠に飛び込む必要もありません。気長に待ちましょう!」
そう言いながら、拾った手紙を読む。
衝撃的な内容だったのか、拾った手紙を読んだ後でショックを受けて固まっていた。
どんな内容だったのか気になり、オレはシルビアさんの手から受け取り手紙を読む。
こんな内容だ。
「はーい。私のアジトはここ(地図が貼ってある)で―す♡
あなた達の銀行口座は、私がハッキングして受け取っちゃったからお金がありませーん。
返して欲しければ、山口美香ちゃんに服用した薬の元本サンプルを渡しなさい。
脅威だから処分しておきます。
それと、私の異次元空間は、風水の龍脈を元に作成しているから、いつまで待っていても私は現れないぞ♡」
オレ達のお金が盗まれた。
今月の給料だってまだもらっていない。
明日から生活していくことさえ困難になった。
オレとシルビアさんは怒りを露わにする。
明日の昼頃には、奴らのアジトを強襲して、給料支給源のバルベロを救い出す。
子供の悟は、小学校に行っているから午後までは大丈夫だ。
黒沢エレンの目的がなんなのか知らないが、お望み通りに苦い薬を腹一杯食わせてやるぜ!
ジ―クから薬のサンプルを受け取り、オレとシルビアさんで奇襲作戦を計画する。
今まで多くの敵と戦って来たが、ここまで本気になったのは初めてだった。
黒沢エレンと戦闘する場合、オレもシルビアさんも手加減する気が全くない。
ミサイルでもあるならば、奴らのアジトに直接ぶち込むほどの容赦のなさになっていた。
バルベロの無事とか考えている余裕もない。
メイドさんと生活費を取り戻す事。
それがオレとシルビアさんを戦闘へと駆り立てていた。
黒沢エレンがどのような罠を仕掛けていようと、確実に勝って生活費プラスアルファを手に入れなくてはならないのだ。
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