【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編エピソード 蟻と象の戦い!

Aー6 キャンプと花火

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 食事も終わり、私達三人は川に移動する。
私が事前に決めた場所の岩場に、花火をセットする。

「これは、ダイナマイトという花火ですよ。
岩場に穴を開け、そこにこの花火を投げ込んで遊ぶという花火です。
私も使うのは初めてなので、ノレンや弘毅は注意してくださいね」

「はーい」

私達は順調に作業を進めていき、ノレンも手伝ってくれた。

「これを運べばいいの? 一本ずつ丁寧に運ぶのね?」

「ええ、水に濡れたりしても駄目だし、火が付いても駄目ですよ。
こういう作業はゆっくりと丁寧にしないといけません。
一本ずつ確実に運ぶのが良いのです」

三人で作業する事により、かなりスムーズに進んだ。
夕方くらいにはスイッチを押すだけになっていた。
さすがに、夜に作業するのは危険なので助かる。

「じゃあ、スイッチを押しますよ! 
仮に、不発だったとしても、不用意に近付いては行きません。
分かりましたね?」

「はーい」

スイッチを押すと、けたたましい爆発音がとどろいた。
消音効果を狙って仕掛けたが、私達のいる場所は音が激しかった。
温泉が噴き出すのではないかと思うほどの煙が辺りに充満する。

岩はある程度崩れたが、川を堰き止めるほどではない。
川の周りに壁の様な城壁ができていた。
上の方に樹の大木を置き、川はそのまま流れる様に仕掛けをして作業は完了した。

「ふう、川はそのまま流れ続けているし、堰き止めてもいない。
これを後数か所続けて作業するわよ。
と言っても、材料をまた運ばないといけないから今日と明日はパスね。
キャンプを楽しみましょう。ちょっとの雨なら全然問題ないから……」

「この花火はあんまり綺麗じゃないね。
打ち上げだと思って期待していたのに……」

ノレンはがっかりした顔でそう言う。
私は励ますつもりでカレーを作る事にした。

「じゃあ、ノレンが好きなカレーを作るね。
花火は失敗しちゃったようだけど、お姉ちゃんのカレーはいつも成功しているからね!」

「わーい、カレー大好き! 
カレーはみんな好きだからいつもは私の分なんてあんまり残ってないの」

「今日はお腹いっぱい食べて良いんだよ。
ノレンが手伝ってくれたおかげで作業が進んだんだし……」

「やった!」

ノレンは作業している私に近付いて来てこう言う。
まるで、母親を見るような目で私を見つめていた。

「お姉様、大好き! 
いつも近くで見ていたけど、見付からない様に厳しく言われていたから声はかけられなかったの。
でも、今日一緒にいれて嬉しいです!」

ノレンは少女の無垢な笑顔でそう言った。
やはり、この村の風習はここで終わりにすべきなのだと悟った瞬間だった。
たとえ村人が幸せに暮らしていようと、この少女が辛い生活を強いられる制度に何の得があると言うのだろうか? 

全ての人が幸せに暮らせる生活、それこそが本当に追い求めるべき幸福なのだ。
エロい事や変態行為をしても良いが、女の子を傷付ける事の無いように気を付けなければならない。
この少女の無垢な笑顔を決して無くしてはならないのだ。
私はそう思っていると、自然と同じような笑顔を返す。

弘毅といて、ノレンと一緒にいる。
私は、親子になったような不思議な幸福感に包まれていた。
早くこの村を破壊し、お母さんとノレンを助け出さなくては……。
ノレンはカレーを食べ終わると、疲れが出たのか眠ってしまった。

普段は、村長の家の家事など夜遅くまでやっているのだろう。
中学生とは思えないほど、手の皮膚が痛んでいた。
所々殴られた痕や蹴られた痕もある。
一応、『色欲』候補だから顔や身体を綺麗にしているが、扱いは酷い事が見てとれた。
私と弘毅は話し始める。

「可哀想に……。手の皮がお祖母ちゃんの様にひび割れているわ。
痛いでしょうに……。ここにも痣がある。
『嫉妬』は基本的に学校へなんて通えないもの。
みんなからバカにされたり、蔑まれたりしているのよ。
この制服だって、私を監視する為のカモフラージュだろうし……」

「そうか。何とかして幸せになってもらわないとな、彼女も……。
でも、村人の好きな人と結婚は無理かもな。
そういう情報が蔓延っているだけで告白も出来ないだろうし、向こうもし難いだろう」

「まあね。一応、方法は考えているわ。うわさ話には、面白い法則があるのよ。
村みたいに小さい場所でのうわさなら、ラムネ菓子に一滴の水を垂らしたように吸収して、水が無くなってしまう。

だけど、ラムネ菓子をコップに落とす様に、うわさを拡大するとラムネ菓子が消えるように村なんかも消えてしまうのよね♡ 

つまり、村が消えたのと重ねるようにこのうわさを流せば、ノレンに同情を寄せると同時に村の残りを苦しめる事が出来るのよ! 
これをネタに脅せば、村人から恋人を作り出せるわ」

「他に方法があれば良いけど……」

「まあ、これは最終手段だけどね♡」

私達三人は、週末に場所を変えて同じようなデートを楽しんだ。
こうして一カ月が過ぎ、台風シーズンがやって来る。
私と弘毅の狙いもこの時期だった。
テレビのニュースを見ながら夕方頃に最も暴風と豪雨が強まるという。
私はテレビを見ながら微笑んだ。

「ふふ、なかなか良いタイミングね。
これなら、お母さんと妹達を避難させる事が出来るわ。
村の避難所は安全だろうけど、私達はそこを使わない。

私とお母さん、妹達は弘毅の実家に匿ってもらうのよ。
そこなら将来的にも安全だし、ちゃんとした保護も与えられるわ。
村から出てしまえばこっちのモノよ!」

私は隣で眠るお母さんを見る。
実際、もう少しで村の風習から解放されるのだが、その年まで持ちそうになかった。
村の連中は、自分達の為に病気の有無はチェックするが、お母さんの体調を気遣う素振りは無い。
体力や身体が限界である事を私は悟っていた。

早く、まともな医者に見せなければお母さんは助からないだろう。
このお母さんを見ると、村を滅ぼす事を決意する。

ノレンも最近ではほぼ毎日見ている。
あの子の事も助け出さなければならない。
私は使命感を感じていた。

腐った村の風習の為に村を潰すのに、何の後悔も未練も罪悪感もなかった。
人は殺さない方法だからというのも私を勇気付ける。
この呪われたS沢村と私達の戦いが始まろうとしていた。

一番の強敵はやはり村長のジジイだろうが、ノレンが味方になれば勝てる。
私はその時、甘い考えを抱いていたのだろう。

村長のジジイは、ノレンを裏切らない様に調教していたのだ。
それが私の唯一の誤算だった。
村長のジジイは、ノレンにこう尋ねる。

「ノレン、貴様は私の息子に惚れているだろう。
私がそうなるように仕向けたのだから同然だがな。
どうだ、息子と一緒に幸せな家庭を築きたくはないか? 

今、黒沢弘毅とエレンがしていた事を話せ。
最近の貴様は同じ報告ばかりしている。
エレンの計画を止めなければ、村は大変な事になるのかもしれぬのだぞ! 
どうだ、話してくれるか?」

ノレンは戸惑いながらも頷く。

「本当に、私を家族として迎えてくれるの?
家政婦や奴隷、『色欲』としてじゃなく村長の家族の一員として……」

「ああ、村が無事だった場合はそうしてやろう。
大切なのは、村の財産や村人を守る事だ」

「じゃあ、話すね。私自身は何をしていたのかよく分からないんだけど……」

こうして、ノレンは村長のジジイに私達のしていた事をみんな告げてしまった。

「何という事だ……」

村長のジジイは私の計画を知り、顔を青くする。
そして村人に公民館に集まる様に指示を出した。
村人が避難する時は、いつもそこに集まるのだ。
ノレンは村長のジジイの表情を見て、不安になる。
さっきまでの優しい態度とは一変して、厳しい顔付きになっていた。

「あの……、どうしましたか?」

ノレンがそう訊くと、村長はノレンを殴り飛ばした。

「ちっ、この屑が! 何のための監視者だ!
貴様は村人全員の命を危険に晒しておるのだぞ!」

「そんな……。どうすれば……」

「付いて来い! 貴様はエレンをおびき出す餌じゃ。
貴様を使ってエレンを捕らえれば、村に損傷が起ころうと大した被害は無い。
エレンを『色欲』にしたのは失敗じゃったわ。
『怠惰』にして、村の為に馬車馬のように働いてもらおうかのう。
使い道のない貴様は、『色欲』決定じゃがな!」

「そんな……。酷い……」

「ふん! 貴様など生きているだけで幸せじゃろう。この無能の屑が!」

村長のジジイとノレンは、私を捕まえる為に豪雨の中を出ていく。
ノレンに作業場所を聞き出し、村長のジジイの判断で私達がいる場所を捜し始めた。
さすがは村長のジジイといったところか。
十五分もしない内に、私達の脱出経路を捜し当てた。
お母さんを弘毅に任せ、私はノレンを助けるために村長のジジイと決闘する。
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