【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編エピソード 蟻と象の戦い!

Aー7 豪雨の中の決闘!

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 私は村長のジジイとノレンをかけて決闘を挑む。
日常から嫌がらせを受けて来た私は、護身用に木刀を忍ばせていた。
この木刀があれば、大の大人三人位は倒す事が出来る。

しかし、村長のジジイは私と同じくらい頭が冴えている。
性格はどす黒いが、頭脳は本物だった。
私は敢えてこう尋ねる。

「村長のジジイ、なぜここまで私達を執拗に狙うの? 
普通の村長なら、村人も私達も共に助けるはずよ。
昔の風習かもしれないけど、少しずつ変えて全員が幸せになろうとするはず……。
なのに、家族である私達を苦しめるの?」

「ふん、知れた事。男というのはな、本来女から尊敬と信頼を渇望する者だ。
しかし、貴様らは賢過ぎる。そして、見下していただろう私達を……。
だから、屈辱と苦しみを与え続けねばならんのだ。従える為にな! 
美貌と才能を与えられた女は、必ず不幸にならねばならんのだ!」

村長のジジイは、私に近付き捕らえようとする。
私は木刀で攻撃するが、容易く見切られてしまう。

「ちっ、私達を誰かと置き換えているのね。
そして、その八つ当たりを弱い私達に返す。
どこが尊敬できるというのよ!」

「尊敬などもはや必要ない! 
貴様らが苦しみ、嘆く姿を見れば十分だ!
特に、金髪の髪を持つお前をな!」

ジジイは腕力を使い、私の木刀を奪い取ろうとした。
木刀が無くなれば、私に勝ち目はない。
私は咄嗟に攻撃を引き、木刀を確保する。

「いやよ! 私は他人が苦しむのも、自分が苦しむのを見るのも嫌なのよ!」

ジジイはその辺の木の枝を拾い、木刀代わりにする。

「ふん、偽善ぶっていられるのは最初だけ!
人を助けると尽力する寄付団体も、徐々に私服を肥やす様になり、最後はただ金を集めるだけの組織に成り下がるのだ! 

貴様も同じ事だ! 他の者が困っていても徐々に助ける気を無くすだろう。
私は逆になろうと言うのだよ。
貴様を利用して私服を肥やし、最後には村人を助けらればそれで良い! 

下手な偽善者よりかはマシだろう。
更に、貴様の若い肉体も味わってみたいしな!
私と次期村長だけがお前を好きなように弄ぶようにしてやろう。
いくら貴様が憎くても、他人にやる気にはならん!」

ジジイは木刀ごと押し返し、私の喉に樹の枝を押し当てた。
私は苦しくなるが、木刀でジジイの腹を突き逃れる。

「ゴッホ、恐ろしいほどの欲望ね。
おそらく昔の先祖もこんな奴だったのか。
ならば、貴様ごとこの村の風習を作った先祖も倒す! 
もはや話す事もないわ!」

先祖と村長のジジイが重なり、私の戦闘意識は高まった。
村一つを滅ぼす気満々だったが、こいつを無傷にしておく気はない。
ボコボコにして、身体が使い物にならない様にしなければ気が済まない!
最後に警告のつもりでこう言う。

「ふん! 子娘一人とあなどったわね。
たとえ一人でも村を壊滅くらいは出来るのよ。
今度からは、村人全員が幸せになれる政策をしておきなさい!」

「ふん、黒沢弘毅がいなければ、死んだ眼をした小娘が! 
貴様ではなく、奴が本当の強敵じゃよ! 
奴も貴様も必ず始末する!」

「させるか! お前なんかに、手出しはさせない!」

私達がほぼ互角の勝負をしていると、次第に水が溢れて来ていた。
最後は、鉄砲水で村を破壊する。
台風の降水量により、ようやくそれが可能となったのだ。
もうしばらくしたら、この戦っている場所にも水が一気に流れ込み、村ごと飲み尽してしまうのだ。
私は近くにいるノレンを心配する。

「ノレン、ここは危険よ。早く弘毅の家に行きなさい!」

ジジイはそれを邪魔し、ノレンを誘惑する。

「いやいや、公民館に行きなさい! そこならお前の愛する未来の夫が待っているぞ!」

「こいつ、まだノレンを『色欲』にするつもりか? どこまで私達を苦しめれば済む気だ」

「ふん! 優秀な血統を絶やしたくないだけじゃよ! 
私の息子にノレンを与えてやろうと思ってな! さあ、行け!」

ノレンは村長の言葉を聞いて、公民館の方へ走り出した。

「くっそ! なら約束しろ! ノレンを幸せにするとな!」

「その約束は聞けんな! 
息子はノレンをかなり虐めていたし、結婚しても幸せになるかどうか……。
まあ、ノレン次第かのう?」

「この!」

「それに、貴様もここまでだ!」

ジジイは私を殴り飛ばすが、丁度その時鉄砲水が二人の間を塞いだ。
私とジジイは、お互いに反対方向へ逃げる。
それにより、どちらも水が邪魔をして、行き来することができなくなっていた。

「やれやれ、エレンは逃してしまったか……。
まあ、ノレンが無事だっただけでも良しとするか。
ノレンをそのまま『色欲』にすれば、村の復興は問題ない。
貴様のあがきも無駄だったという事だ!」

「それはどうかしら? ダム建設の話が来ているのよ。
村が滅べば、当然そこをダム予定地にするでしょうね。
私の狙いはそこよ!」

「なるほどな。
だが、村を滅ぼした奴の親族がどうなるか、想像できんわけではあるまい。
貴様が再度犠牲になれば、ノレンは助かるのだぞ! どうする? 
お前が自首すれば、ノレンは助かるかもしれないんだぞ!」

「そうね。待っていなさい。私が今すぐノレンを取り返しに行って……」

そう言う私の脚は震えていた。それを見てジジイは言う。

「ふ、母親の状況を思い浮かべてしまった様じゃな。
いくら見て無いとはいえ、痣や怪我を手当てしたのはお前だからな。
何をされていたかは容易に想像できるだろう。
さあ、逃げろ! 自分の身が一番大切なのを証明する為にな!」

「くっそ! 私は逃げない! 必ずノレンを助け出して見せる!」

しばらく私は動けないでいた。その場で座り込み、水が引くのを待つ。
私の帰りが遅いので、弘毅は様子を見に帰って来た。
幸い、私は鉄砲水によって守られていたが、自分から逃げる事は出来なくなっていた。
弘毅に支えられ、ようやく立つ事が出来る。村長のジジイは私を挑発する。

「逃げるのか、エレン! 所詮は貴様も口先だけの奴なのだ!」

「黙れ! 私は逃げない! ノレンは必ず救って見せる!」

私が意地になって逃げ出さないのを見ると、弘毅が私の鳩尾を攻撃する。
気絶をさせ、私を無理矢理救助しようというのだ。

「弘毅、なぜ……」

「ごめん。俺はキミを失うわけにはいかないのだ!」

「ノレンがまだ村に……」

私はそう言い残し気を失った。
弘毅に抱えられ、安全な場所まで避難される。
村長のジジイは、弘毅に向かってこう言う。

「ふん、小僧。エレンとは違い、感情に流されることのない奴よ。
貴様の様な奴が一番厄介だ、心を操ると言う事が難しいからな」

「そう言って煽てて、心を掴もうと言う気ですか? 
あなたを良い人と思い込んだら、そこを一気に利用する気でしょう。
その手には乗りませんよ。
さっさとここを離れた方が良さそうですね。
あなたに惑わされない内に……」

「ちっ、厄介じゃわい! 
さすがは、この村を滅ぼした小僧じゃ!
だが、私はいずれエレンを奪いに来る。
せいぜい大切に守ってやる事じゃ!」

村長のジジイは、弘毅の後悔の念に訴えようとしたが、弘毅は一瞥して別れた。
だらだらと話し始めると、そのうち相手のペースになってしまう。
これがジジイの一番の武器だった。私も危うくその武器にやられる所だったのだ。

無事に脱出した私達だったが、お母さんは数ヵ月後に体調の限界が来たのか、亡くなった。まだ三十八歳という若さだった。
私はお母さんの死が受け入れる事が出来ず、脳だけ生かし、科学分野にのめり込む事になる。

脳を見本に他の機械に置き換える方法を使い、世界最高の人工知能を作り出したが、お母さんとは全く別の人工知能だった。
私は絶望し、その人工知能を必要としていた人達に提供する。

私は、妹のノレンを探す事に尽力したが、全く情報が入って来なかった。
人工知能の開発を評価され、私と弘毅はアンドロイドの制作に協力する。
アンドロイドならば、もしかしたら妹の行方を知る事が出来るかもしれないと言う言葉を聞いて。
アンドロイドの完成が近付くにつれて、かつての村の連中が私を探し始めていた。

仲の良かった数人の村連中でさえ、ノレンの行方は分からないと言う。
私と弘毅は、復讐を恐れるようになり、ひっそりと隠れるように生活し、アンドロイド制作から得た新しい技術の製作に乗り出した。

不良長寿の薬と異次元の世界を作り出す全く新しい技術開発を進める。
二つは別々の様に見えて、同じ物の様な感じを抱いていた。
そして、両方の開発に成功し、私達は娘を誕生させる事が出来たのだ。

数十年間は幸せな生活が続いていたが、弘毅が変わり始めた。
テレビドラマに影響され、身体から腐敗臭が漂い始めた。
早く何とかしなくては……。

私はそう焦ってアンドロイドに連絡を送る。
久し振りだけど完成したのだろうか? 
機械製作に興味が無くなり、忘れていたけど……。

ノレンを探してもらう事も彼女のプログラムに含めておいた。
そして、私がインターネットを利用して、彼女と秘密の連絡を取れる事も仕組んでおいた。彼女が本当に完成しているのなら、私の救助を読み取って使いをよこすだろう。

一応、設計図はハッキングして保存してあるけど、設計図があるのと完成したのでは少し状況が違う。
予算が無くなって作れなかったり、パーツが足りなかったりする事は良くある。
それに、そこまで優秀かも判断できない。
まあ、出会いがてらに遊んであげましょうか? 

丁度広告で実験動物も呼んだ事だし、ちょっと楽しくなりそうね。
アンドロイドがポンコツなら、私が弘毅を何とかしないといけないから……。
私がそんな事を考えているとチャイムが鳴った。
はいはい、今出ますよっと!








黒沢ノレンは、Mだからセーフ! 
ちょっと虐められたり叩かれたりしたけど、ドMに目覚めてからはジジイに興味が無くなった。

元村長の息子に引き取られ、結婚して大切にされていたよ。
バルベロが見たのは、過激なプレイの最中だったから拷問されていたように見られた。
その後、誤解が解けないまま、アルスター王国の女王に就任したよ。

シルビアさんのライバルキャラとして登場するよ。
彼女の子孫で、名前は夕景ゆたかとして使用します。




黒沢ノレン
中学は行っていない 十二歳
身長 135センチ 体重 30キロ
血液型 B型 B68 W42 H65
誕生日 4月26日

性格 監視役や家事手伝いなどをさせられている。
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