【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第五章 ミノタウロスの地下迷宮

第一話 無口な少女がマスコットを使って自己紹介する

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オレは電車に乗り慣れていないので、駅で迷ってしまい、指定の電車に乗り遅れた。
これって、また入学に失敗したという事になるのだろうか? 
オレは汗をかき、とりあえず手紙に書いてあった番号に電話をかける。
すると、若い女性の声が聞こえて来た。

「はーい、こちらパラレル学園です。どうしましたか?」

「マジでそういう名前なのか? 真面目な学校なんだろうな?」

「はい? なんか言いました? どうしましたか?」

「ああ、実は、指定の電車に乗り遅れてしまって……。
入学試験失敗になるのでしょうか? 
追試とかはありますか?」

若い女性は溜息を吐く。
オレに分かり易いように、声を大きくしていた。

「はいはい、じゃあ、学生ナンバーと名前を教えてください」

「学生ナンバーは、丁度一番。名前は、光宮守です」

「はい、分かりました。やはりマモルか……。
実力だけなら最有力候補なんだけどね。
ここで落とすわけにはいかないか。
新しい切符を用意しましょう。
では、次の電車に乗ってください」

オレは次に乗る電車を聞き、新しい切符を買う。
また特急の指定の切符だった。

「料金はあなたが出してくださいね。
では、今度は間違わないように乗ってください!」

せこい学校だ。
まあ、電車を乗り遅れたオレが悪いのだが……。
オレは、駅員に電車を聞き、確実に乗れるようにした。

ドキドキしながら指定された電車に乗っていると、電車が目的地に向けて出発した。
かなり長い距離があり、オレは眠り込んでしまう。
すると、突然、草地に眠り込んでいた。

確かに、ぽかぽかする天気だったが、電車に乗っていた記憶はある。
いきなり草地に寝転んでいるはずもない。
そう思って辺りを見回していると、電話で話したと思われる女性が近付いて来た。

「ようこそ、パラレル学園へ! 
驚いているようですので、状況を説明しておきます。
ここは、日本機密事項で特別に設立された異次元空間の学校です。
つまり、異世界に存在する学校なのです」

「い、異世界?」

「そうです。そして、この学校を卒業する目的はただ一つ、この異世界を維持している魔物を倒し、この異世界を破壊してもらう事です。
もしも、すぐに魔物を倒す事ができたら、一年だろうと一日だろうと、望む大学に行かせて差し上げます。
他の高校へ行きたいなら、編入も可能でしょう。

では、詳しい内容と制服はあなたの部屋に置いてありますので、後で確認してくださいね。
入学式はもう終わっています。遅刻して来たので仕方ありません。
みなさん、四人のパーティーを組んで、各自の部屋で休まれています。

残っているメンバーと共同で部屋を使ってもらいますが、仲良くしてくださいね♡ 
明日は、朝の八時からミーティングを開始します。
遅れないようにしてくださいね♡」

先生と思われる若い女性はそう言って、学校の職員室へ帰って行った。
髪の色は金髪で、黒いドレスを着ており、ただ者ではないことが窺える。
終始笑っているのが気になるが、オレも自分の部屋を探して学校へ向かった。
オレが今いた場所は、城下町の中央広場らしく良く手入れされていた。

 ここは異世界らしいが、校舎が大きくて外までは分からなかった。
学校は、城下町の様になっており、恐ろしく広い。
中央に学校らしき城が見える。

しかし、この異世界を破壊するとはどういう事なのだろうか? 
この異世界を維持している奴がいるのだろうか? 
そして、その魔物とは何なのだろうか? 

オレはとりあえず自分の部屋を目指して歩き出した。
かなり広いが、地図を頼りにすれば何とか分かる。
レンガ造りの西洋風な街並みを見ながらオレは歩き続けた。

オレは出会う人に道を尋ねながら、約一時間かけてようやく自分の部屋に辿り着く。
さすがに、日本語も分かる世界でホッとした。
おそらく学校の敷地内は誰とでも話し合いができるのだろう。

オレの宿舎は、かなりの大きい一軒家であり、二階建ての豪勢な作りだった。
ちゃんとオレの名前が表札に書かれていた。
オレの名前の隣にも名前が書いてあり、一緒に生活するメンバーがいる事が分かった。
どうやら二人暮らしらしい。

「夕景豊? 名前しか分からないな。ゆたかという名前からすると男かな?」

男だったら気が合うと良いが……。オレはそう思い、家の扉を開けた。
家の明かりは付いておらず、暗いままだった。
もう夕暮れ時だから、誰か人がいるとは思えない。

「そうか、自分の部屋に籠っているのかも……。
えっと、寝室は……。一つしかないな。
シングルベットが二つ置いてあるみたいだな」

オレは部屋の場所を確認し、そこへ向かう。
階段を上がり、廊下を通ると寝室があった。

「あれ? 電気が付いてない。まさかもう寝ている? 
それとも、オレみたいに遅刻したのかな?」

オレはドアノブを廻し、寝室へ入る。
部屋の中は静かであり、人がいる気配は感じられない。
オレはとりあえず明りを付け、部屋の中を確認する事にした。

明りが付くと、部屋の様子が分かり、ベッドが二つある事が分かった。
オレはとりあえず近くのベッドに座り、荷物を片づけるよりも眠ることにした。
夕食の時間まで一時間ほどあるので、少し休憩したい。

そう思って横になろうとする。横になった所で、ベッドに温もりを感じた。
思わず誰もいないと思い込んでいたので、衝動的に寝転んでしまったが、布団が山の様になっていた。

まさかと思い布団をめくってみる。
すると、そこには真っ直ぐにオレを見つめる少女の顔があった。
一瞬、死体か? と驚いたが、少女の体温が温かかったので、生き物と判断する。

オレはベッドから飛びおり、「ごめん。まさか人がいるとは思わなくて……」と言った。
少女は眠そうな目をこすりながら、オレの方をじっと見つめる。
メガネを取り出し、優等生のような表情でオレの存在を確認する。

「オレの名前は、光宮守。君は?」

少女はオレを見ていた眼をそらして、何も答えない。
恥ずかしそうな表情をしているが、一向に口を開く気配がない。
ショートカットに幼い感じの顔は、何となく妹にそっくりだった。

しかし、妹が怒った時でも、全く喋らないという事はない。
何か、喋らない理由があるのだろうか? 
病気で声が出せないとか、精神的な事で声が出せなくなったのかもしれない。

または、外国人として来た可能性もある。
オレは、彼女が話すまでそっとしておくことにした。

「無理には話さなくて良いよ。とりあえずオレのベッドはこっちなんだね」

オレは別のベットに荷物を持って移動した。
沈黙する空気をどうしようかと思っていると、彼女の方から声が聞こえて来た。
彼女が喋り出したというよりは、何か声が違う気がした。

「ヘイヘイ、兄ちゃん。
オイラの名前は、コミニュケーションマスコットロボ・IPET・BEAR(あいぺっとべあ)だぜ! 通称エロベア! よろしくな!」

「ああ、うん……」

予想外の熊が登場して、オレは面食らった。
エロベアは、可愛い熊のぬいぐるみの様な姿をしている。
どうやら彼女はこれでコニミュケーションを取っているらしい。

いずれにしても、彼女と二人きりの生活にならなくて良かった。
いくらなんでも、高校生の男女が一緒の部屋で寝泊まりなんて、世間的にまずいからね。

監視するような生物がいるとなれば、オレ達もそれほどやばい関係になることはない。
オレはホッと胸を撫で下ろした。

「へ―、可愛いね。えっと、彼女の名前が知りたんだけど……」

オレがそう言うと、エロベアは彼女の頭を小突きながら言う。

「こいつの名前は、夕景豊(せっけいゆたか)だぜ! 
ゆたかは本来平仮名だが、漢字に当てられちまった。
それと、声は本来出せるのに恥ずかしがって出そうとしねえ。

どうだい、オッパイでも揉んでやれば、声の一つや二つは上げるかもしれねえぜ! 
ちょっと揉んでみろ!」

「いや、止めとくよ」

前言撤回だ。エロベアがいて更にやばい空気になった。
彼女の方を見てみるが、顔を赤らめて恥ずかしそうにしている。

大人しそうに見えて、性格はエロいようだ。
オレは、彼女と二人やっていけるか不安になった。

 夕飯の時刻も迫っており、オレは夕食を食べる為に、食堂のあるレストランへ向かう事にする。
オレはエロベアに通訳してもらい、彼女と一緒に食堂へ行こうと誘う。

「一緒にレストランへ行かないか? 
オレは方向音痴だから、誰か一緒に居てくれると助かるんだけど……」

「なるほど夕食か……。実は、お前の分も用意してある。
オレとは違うお手伝いマスコットロボ・IPET・DOG(あいぺっとどっく)。

通称小間使いの犬という事でコマイヌと呼んでいる。
そいつが食事を準備しているはずだが……」

オレとエロベアが台所に向かうと、ゆたかもオレ達に付いて来た。
なるほど、ここで夕食を食べる為に、すでにパジャマ姿だったのか。
それは、みんなで食事はしたくないという意志の現れ。

誉められたことではないが、徹底して人との付き合いを避けている感じが窺える。
しかし、オレとの食事を準備していたという事は、少しはオレの事を意識してくれたのかもしれない。そう思うと、少し嬉しかった。

今日は、彼女の好意に甘えて、ここで食事をしても良いかなという気持ちになる。
初日だし、遅刻者のオレは出ていくのに少し覚悟が必要だった。
今日くらいは静かに過ごしたいと考える。

「じゃあ、今日は二人で食事と行こうか?」

ゆたかちゃんは黙って頷いた。


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