【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第五章 ミノタウロスの地下迷宮

第二話 ゆたかとのファーストコンタクト

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 オレとゆたか、エロベアは台所に行き、コマイヌの調理状況を確認する。

「コマイヌ、食事は出来ているのか?」

コマイヌと呼ばれるマスコットは寝ていた。
しかし、エロベアに蹴られ、寝ぼけながら起きる。

「うーん、先にご飯にする? それともお風呂? それとも・あ・た・し・♡・?」

「もちろん君だよ!」

「キャー、いやん♡」

コマイヌとエロベアは、オレとゆたかの前でラブラブし始めた。
こいつらを制作したのが、オレの隣でじーっと二匹の様子を見ている少女だと思うと、オレは複雑に思う。
本人はどれだけエロいのだろうか?

一通りエロ行為を終えた後、二匹は食事を用意し始める。
コマイヌが作ってくれた料理はクリームシチューだという。
オレの好物だし、味も美味しそうだった。

エロを除けば、ゆたかの作ったマスコットロボは高性能だ。
現代科学は、ここまで来たのかと感心する。
エロベアはこう説明する。

「ゆたかは何にも出来ないんだ。
ただマスコットロボットを開発する事にかけては、右に出る者はいない。
自分に出来ない事を実現するために開発した能力だ。
だから、オイラの恋人のコマイヌは最高の良妻賢母となる! 
まあ、ガキの君達には全く関係のない話だがな! がはははは……」

友達を作る事も、恋人を作る事も出来ないゆたかが、喉から手が出るほど欲しているスキルなのだろう。
オレは、ゆたかを助けたいと思っていた。
妹に似ているし、一緒に住む仲として出来る限りの事はしようと思う。

「食べようか、シチュー……」

オレがそう言うと、ゆたかはこくりと頷いた。

「オイラは大盛りな! そして、シチューを食べ終わった後は、コマイヌと……」

「いやーん♡ 高校生達が一緒なのよ。少しは気を使ってあげなきゃ駄目よ! 
お風呂場で背中を洗いっこしましょう。その後は……、キャ♡」

全然遠慮などしていない。
できる事ならずっと一階で生活して欲しいと感じていた。
いや、それもやばいか……。
オレとゆたか、二匹との生活が始まった。

「シチューはなかなかの物だな。
でも、オレはゆたかちゃんの作った手料理も食べたいよ。
下手でも良いから一緒に作ろうよ!」

オレの言葉に反応して、ゆたかはまたこくりと頷いた。
せめて、ゆたかが単語でも良いから言葉を発してくれればいいのだが……。
傷害があるのか知らないが、何とかしたいと考えていた。
オレは、こっそりとエロベアに尋ねる。

「なあ、ゆたかはどうして声を出さないんだ? 声帯に傷害があるのか? 
それとも何か他に原因が……」

ゆたかは黙ったまま俯いてしまった。
やはり、何か言いたくないわけがあるのかもしれない。

「あ、ごめんね。オレ、君の事何にも知らないから。つい……」

オレはゆたかを傷付けないように努力しながら、食事を続けていく。
すると、コミニュケーションロボットのエロベアが答え出した。
ゆたか本人じゃないが、会話してくれるだけマシか……。

「ヘイヘイ、兄ちゃん。
こいつは小さい時に無神経な教師の言葉で傷付いて以来、家族ともまともに会話できなくなったんだぜ! 
元々コミュニケーション力は低かったが、その事件があって以来、ほぼ全く他人と会話をしていない。

独り言は一人なら言うが、他の奴がいると喋る事はしないぜ! 
まあ、肝っ玉の小さい女だぜ! 
オイラの金玉を見習って大きくなれってんだ!」

こいつの下ネタはウザいが、それでもゆたかの状況は理解できた。
どうやら他人との接触を避けて言葉を出さない様にしているらしい。
しかし、その状況は彼女にとっては逆効果だ。

確かに、会話は避けられるかもしれないが、何も知らない他人は彼女を避けていくだろう。
そうなれば、彼女は一人孤独になってしまう。
オレは何とか助けたいと感じていた。

こういう場合は少しお節介でも、がんがん彼女と関係を築いていく方が良い。
彼女がオレを信頼してくれるのなら、自然と言葉を話してくれるようになるだろう。
人が多過ぎれば、彼女を傷付けてしまうかもしれないが、オレだけなら彼女を励ましていけると思った。

「ゆたかちゃんと二人っきりなのは、かえって好都合かもしれないな……」

オレがそうつぶやくと、エロベアが悪乗りして来た。

「おっ、今夜こいつを襲っちゃいますかい?
二人っきりなら、泣こうが喚こうが誰も助けは来ませんからね! 
アニキ、オイラも協力しますぜ!」

「お前らは一階で寝ていろよ! 
二階はオレとゆたかちゃんだけにしてくれ!」

「ふひひひひ、了解しました。今夜が楽しみですな!
あんまり夜更かししすぎちゃいけませんぜ!
なんせ学校があるんですからね」

オレとエロベアの会話を聞いて、ゆたかが少し興奮して震えていた。
ちょっと期待した顔でオレを見る。
何にもしないっての! 

まずオレは、ゆたかの信頼を得ようと思っていた。
そのため、ゆたかには手を出してはいけない。
エロベアとコマイヌがウザいから、ああ言って追い出したけど……。

 オレとゆたかは寝室に入る。
どうやらベッドはご丁寧にもねじで止めてあり移動できない。
二段ベッドで、本来は四人部屋らしい。

どうやらオレとゆたかは、同じ部屋で寝るしか方法がない様だ。
男女別々が望ましかったが、この際は仕方ない。オレは風呂に行く事にした。
あせをかいており、シャワーで身体を洗う事にする。

「じゃあ、風呂に先に入るからな」

オレがそう言うと、ゆたかはこくりと頷いた。
オレが先に風呂に入り、ゆたかが後から入る事になった。
オレが風呂に入った後、ゆたかにこう言う。

「悪いな。じゃあ、お前が風呂に入る番だぜ」

ゆたかはまたこくりと頷いた。
オレは二十分くらいで出て来るだろうと考えていたが、ゆたかは湯船に浸かる派だった為、一時間ほど風呂に入っていた。

そのため、ゆたかが風呂から出た時には、オレはうつらうつらしていた。
本当は、ゆたかとじっくり話し合いたかったが、ちょっと眠っていた。
オレが寝ていたためか、ゆたかは独り言を喋り出した。

「えっと……。守君、寝ちゃったかな?
守君が優しそうな人で良かった。
ちょっと新婚さんみたい。
添い寝くらいは許されるよね。
ちょっと一緒のベッドに入っちゃおう」

ゆたかはオレのベッドに潜り込んで来る。
オレはとりあえず寝た振りをしていた。

「守君、ふふふ私がこんなことしてるともお知らずに眠っているよ。
可愛いな……。ちょっとキスがしたいな……」

ゆたかはオレの顔を覗き込んで来た。

「守君、寝ているよね……。息を吹きかけちゃえ」

ゆたかはオレの顔に息を吹きかけて来る。
歯磨き後の香りが漂って来た。
次に、頰を軽く触る。
痒い感じとゆたかの柔らかさを感じていた。

「うん、グッスリ眠っているみたい……。
まあ、起きていたらこんなこと出来ないんだけど……」

ゆたかはオレの顔を五分ほど見つめていた。
そして、オレの唇を触り始めた。
くすぐったいけど、オレは寝た振りをする。

「うー、寝チュウはやばいよね。
ほっぺにキスくらいなら大丈夫かな? 
ちょっとだし大丈夫だよね?」

ゆたかはオレの頬っぺたにキスして来た。
軽く触れた程度だけど、髪を洗った後のシャンプーの香りがする。

「ふふふ、お休み・あ・な・た・♡」

ゆたかはどうやら一人でおままごとをしているような感じだ。
性的な事はしたいけど、怖くてまだできない感じだ。

これ以上の事をして来た場合は、オレも起きて止めようとしたが、ゆたかがして来たのは子供らしい行為だった。
そのため、オレは寝たままでいる。さすがに声はかけ辛い。

すると、オレ達の部屋の扉がゆっくりと開き、何者かが侵入して来た。
エロベアだった。
背が低いのにどうやって入って来たか気になるが、音を立てないように足を忍ばせている。

「ふひひひひ、今頃は絡みあっているかな? と思ったら、静かだな。
まさか、事後か?」

エロベアは、ゆたかにそう問いかける。
一緒のベッドで寝ているからそう思われても仕方ない。
ゆたかは慌ててエロベアに駆け寄る。

「ちょっと煩い。マモル君が起きちゃうじゃいの!」

ゆたかはエロベアのスイッチを押し、強制的に眠らせた。
ふーっと息を吐き、部屋の中がまた静かになる。
ゆたかは、オレが居るベッドの方を振り向いた。

オレはこのタイミングかなと思い、ゆたかに声をかける。
さすがに、ずっと黙ったままの関係では困る。
一言でも良いから喋って欲しかった。

「なんだ、ゆたかちゃんは喋れるんだな」

オレの声を聞き、ゆたかはゆっくりとオレの方を振り向いた。
ちょっと冷や汗をかいているようだ。
オレと眼が合い、ゆたかは一瞬にして状況を理解した。

すると、ゆたかは一目散に部屋から出て行こうとする。
オレはゆたかの手を掴み、逃げられないようにする。
さすがに、ここで逃げられては、また元の関係に戻ってしまう危険があった。
話せる関係になるのを確認するまでは、ゆたかを逃がすわけにはいかない! 
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