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第五章 ミノタウロスの地下迷宮
第七話 ダンジョン攻略に疲れたら?
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オレ達と同じ地下迷宮の攻略を目指していたと思われる生徒が助けを求めて来た。
どうやらミノタウロスと戦い、仲間達はバラバラになったらしい。
生徒を強くするためのモンスターだから追撃はしてこなかったらしいが、怪我と体力により恐怖を感じていた。このダンジョンにはそうさせる恐怖演出がある。
ゆたかは彼を見てこう言う。
「敵ですね。殺しましょう」
ゆたかは包丁を出して、突き刺す事を目的とし握る。
主に、心臓を狙っていた。
「ひえええ」
彼はゆたかに脅え出し、オレの背後に隠れた。
オレもゆたかを見たら恐怖を示すかもしれない。
血に滲んだ鉈を持っているし、眼が冗談で言っているんじゃない事がはっきり分かる。
「おいおい、どうして同じ生徒を殺そうとするんだよ? 冗談にも程があるぞ」
ゆたかの眼は冗談でない事を物語っているが、さすがに本気にするのはまずい。
まず、雰囲気を和ませて、理由を聞き出さなければならない。
ゆたかがサイコパス野郎だった場合、納得できる理由かどうかは分からないが……。
「どうして味方の彼を攻撃しようとするんだ。とりあえず鉈を納めよう!」
ゆたかはオレに言われた通りに行動する。
まだ話が通じる様で安心した。
ゆたかは彼を攻撃しようとする理由をこう話す。
「私の経験から、彼は敵!」
オレはゆっくり話を聞いて行き、こう結論する事ができた。
どうやらゆたかは、こういうダンジョンで瀕死のキャラクターが現れた場合、経験からそいつが敵だと思い込んでいるらしい。
確かに、スキュラの様に溺れている振りをして攻撃して来るモンスターも少なからずいる。しかし、だからといって無差別に攻撃するのは人としてまずい!
「確かに、味方の振りして攻撃されるのは精神的にきついけど、だからといって瀕死の人を攻撃したり、見捨てたりするのは人としておかしいよ。
オレが守ってやるから、ゆたかは傷付いた人を介抱して欲しい。
オレが絶対に守るからね?」
「分かった」
ゆたかは何とか分かってくれた。
とりあえず瀕死の彼の手当てをし始める。
しかし、ここはダンジョン内、あまり設備も良くないし、一度地下迷宮から出た方が良いと判断する。
ここで深追いすれば、パーティーも全滅する危険があるし、彼の命も危ない。
「一旦、ここから脱出しよう。糸を辿って行けば辿り着くだろうからさ」
「うん」
オレとゆたかが入口に引き返そうとすると、瀕死の彼がこう言い始めた。
「駄目だよ! 僕達も糸玉をもらって、迷わない方法で帰ろうとしたんだ。
所が、糸玉は誰かに切られていた。
帰る事ができなくなり、ダンジョン内をさ迷っている内に、ボスのミノタウロスに遭遇したんだよ。だから、糸玉を入口の柱に結んで置いても無駄だよ!」
オレはそれを聞き、糸を確認する。
糸は一見丈夫そうに見えたが、糸を引くと簡単に切れた。
そう、これは罠だったのだ。
最初は糸がしっかり張られているように見えるが、距離が長くなればなるほど簡単に千切れ易くなる。
ある程度までダンジョンを進み、帰ろうと思うと帰れなくなるという恐るべき罠だったのだ。
当然、オレ達も帰る事が出来ない。
「ごめん、ゆたかちゃん。オレがもっと早くに気付いていれば……」
オレ達は最初の広い空間を抜け、細い迷路の様な道を複雑に進んでいた。
自分の感覚では、どっちから来たのかさえも分からない。
壁に右手を当てて、確実に進んで行く以外に脱出の方法は無い。
しかも、運が悪ければ、ボスのミノタウロスと遭遇するかもしれない。
いくらオレでも疲れた状態でミノタウロスを倒す事は厳しい。
せめて、ある程度の情報を知っていれば有利なのだろうが、何も知らない状態で初戦を突破するのは不可能に近かった。
「今夜は野宿するしかないかも。彼の手当ても満足に出来そうもないし……」
オレがそう言って落ち込んでいると、ゆたかは、「大丈夫だよ」と言う。
そして、なぜかIPETシリーズを出して来た。
「これ、IPET・ELEPHANT(あいぺっと・えれふぁんと)。
通称キョゾウ、住居になる」
そう言ってキョゾウをいじり出すと、しばらくして大きな家が出現した。
オレと瀕死の生徒は驚く事しかできない。
「入って! 2LDKしかないけど……」
ゆたかはそう言うが、ダンジョンに入って2LDKの家に住めるとは夢にも思わなかった。都会で豪邸に住んでいる以上の衝撃を受ける。
ゆたかは驚くオレに、どんどん部屋を紹介していく。
最初は、バスルームとトイレだ。
「こっちはトイレとバスルーム。洗濯機も完備している。
水には限りがあるけど、二三日くらいなら平気!」
「水はどこから出て来た。四次元空間でも使っているのか?」
「秘密」
ゆたかは笑いながらそう言う。
オレが驚いているので、上機嫌の様だ。
次に、キッチンを紹介する。
「ここがキッチン。コマイヌを持って来たから、料理を作ってくれる。
食材が無いけど……」
「今日は弁当で我慢するしかないな。水が飲めるだけでもありがたいけど……」
「おやつならいっぱいある!」
ゆたかはそう言って、おやつを並べ始めた。
最後に、寝室と茶室を紹介してくれる。
「ここがベッドルーム。ダブルベッドしかないけど、私と守なら大丈夫だよね♡」
「へえ、二人はそんな関係だったんだ」
瀕死のはずの男子生徒がそう言って茶化す。
いつの間に回復したんだ、この野郎。
「お前、怪我は?」
「痛たたた、お二人のラブラブぶりに忘れていたよ」
「仕方ない。ダブルベッドは、こいつに使わせてあげよう!」
オレはそう言い、瀕死の男子生徒を寝かせる。
ゆたかは何かショックを受けていた。
「ガーン、そんな……」
「オレ達は寝袋で寝るしかないな」
オレがそう言うと、ゆたかの機嫌が直った。
もじもじとしながら、顔を赤くする。
「二人で一つの寝袋を使おうね♡」
「いや、一人用の奴だから! さすがに無理」
「私、ちょっと大きめの寝袋を買ったから大丈夫だよ。二人なら余裕!」
こいつ、何でこんなに肉食なんだよ。会ってまだ二日目だぞ!
オレの反応に気が付いたのか、ゆたかは言い訳を始めた。
「一人じゃ不安で……。一応、ダンジョンの中だし……」
(2LDKの家の中だけどな)
「モンスターに襲われたら困るし……」
(オレはお前に襲われそうで怖いよ!)
まあ、得体の知れない男子がいる。こいつが敵で無いという証拠もない。
オレはゆたかを守ると約束した。これらの点から一緒にいなければならないと判断する。
「分かったよ。ダンジョンにいる間だけだぞ。変な事はするなよ」
「変な事って?」
「寝チュウとか、匂いを嗅ぐとか……」
「うん、頑張る!」
何か不安だが、とりあえずモンスターの危険はなくなった。
オレは男子生徒を介抱し、ベッドに寝かせた。
オレはダイニングに行き、食事をする。
すでに、ゆたかは弁当を食べ終わり、お菓子を食べ始めていた。
オレは気になった事をゆたかに告げる。
「なあ、ダンジョンに入って最初の戦闘って何か変だったよな?
血が実際に出ていたし、血の匂いもした。
でも、その後戦ったハウンドドックはダメージを与えると、動きは鈍くなったけど血は発生しなかった。
あれって、本物の……」
ゆたかにそう言おうとしたが、やはり止めることにした。
ダンジョンの作りは恐怖心をあおる効果があった。
ゆたかが最初に傷付けた相手がモンスターではなく、学校の生徒だったとしてもゆたかに責任は無い。
逆に、ゆたかを精神的に追い詰めてしまうかもしれない。
まあ、死んでないから不問にする方が良い。
オレは弁当を食べ終わり、風呂に入る事にした。
さすがに、戦闘が続いたために、かなりの汗をかいていた。
そう思い風呂場に行くと、ゆたかも付いて来てこう言う。
「背中」
どうやら背中を洗ってくれるらしい。まあ、手が届かない所もあるから助かる。
オレは先に風呂に入り、ゆたかの準備ができるのを待った。
すると、ゆたかは全裸で風呂場に入って来た。
こういう奴だって分かっていたのに、油断した。
オレはそう思って風呂場を出ようとすると、エロベアに止められる。
「おい、ゆたかの胸、小さいと思わないか?
もしかしたら男かもしれん。
この先、一緒に戦い続けるのは性別の確認が必要ではないのか?」
確かに、ゆたかの行動は少しおかしい。
もしも本当に男ならば、いろいろと対応も変わる。
それに、四六時中一緒にいるのが男だった場合、恋愛関係に突入した場合やばい!
いくら好きになったと言っても、男同士なら悲しい結末にしかならない。
初期の段階で確認しておく必要があった。
好く漫画やライトノベル小説で、主人公とヒロインが裸で起こすドッキリハプニングは、お互いの性別を知る上で大切な儀式なのだ。
これが起こる事で、主人公とヒロインが結婚しても大丈夫かどうかを確認し合うのだ。
もしもこれを行わず、物語の最後の部分で結婚できない関係となった場合は、大クレームが勃発する。
ちなみに、この結婚できないパターンの中に、実の兄妹関係だから結婚できないというパターンがあるが、この場合は話が大きく盛り上がるので、後味が悪くなければ問題ない。
オレとゆたかは同い年だから双子じゃない場合を除き、現実的にあり得ない。
オレとゆたかは全然似て無いから、この可能性は無い。
オレの妹と似ていると言ったが、それは髪型と雰囲気が何となく似ているだけで、とても双子とはいえない。オレの妹は常識人だから、ゆたかと双子はあり得ない。
おそらく遺伝子さえも全く別物だろう。なので、オレとゆたかの兄妹説は無い。
だが、ゆたかが男である可能性は否定できない。
スキンシップも多いし、胸も何か小さめだった。
これは確認しておく必要がある。
別に、オレはゆたかに恋愛感情を持っていないが、知っておくことは必要だろう。
得体の知れない男の娘(おとこのこ)がオレに付き纏っているというだけで、精神的ダメージは計り知れないからな。ついでに、女性のコスプレもしているし……。
「じゃあ、一緒に風呂に入るか!」
オレがそう言うと、ゆたかはこくりと頷いた。
これが男の娘だった場合、全裸にして外に出しておかねばならないほどの重罪だ。
オレはそんな恐ろしい事を考えていた。
どうやらミノタウロスと戦い、仲間達はバラバラになったらしい。
生徒を強くするためのモンスターだから追撃はしてこなかったらしいが、怪我と体力により恐怖を感じていた。このダンジョンにはそうさせる恐怖演出がある。
ゆたかは彼を見てこう言う。
「敵ですね。殺しましょう」
ゆたかは包丁を出して、突き刺す事を目的とし握る。
主に、心臓を狙っていた。
「ひえええ」
彼はゆたかに脅え出し、オレの背後に隠れた。
オレもゆたかを見たら恐怖を示すかもしれない。
血に滲んだ鉈を持っているし、眼が冗談で言っているんじゃない事がはっきり分かる。
「おいおい、どうして同じ生徒を殺そうとするんだよ? 冗談にも程があるぞ」
ゆたかの眼は冗談でない事を物語っているが、さすがに本気にするのはまずい。
まず、雰囲気を和ませて、理由を聞き出さなければならない。
ゆたかがサイコパス野郎だった場合、納得できる理由かどうかは分からないが……。
「どうして味方の彼を攻撃しようとするんだ。とりあえず鉈を納めよう!」
ゆたかはオレに言われた通りに行動する。
まだ話が通じる様で安心した。
ゆたかは彼を攻撃しようとする理由をこう話す。
「私の経験から、彼は敵!」
オレはゆっくり話を聞いて行き、こう結論する事ができた。
どうやらゆたかは、こういうダンジョンで瀕死のキャラクターが現れた場合、経験からそいつが敵だと思い込んでいるらしい。
確かに、スキュラの様に溺れている振りをして攻撃して来るモンスターも少なからずいる。しかし、だからといって無差別に攻撃するのは人としてまずい!
「確かに、味方の振りして攻撃されるのは精神的にきついけど、だからといって瀕死の人を攻撃したり、見捨てたりするのは人としておかしいよ。
オレが守ってやるから、ゆたかは傷付いた人を介抱して欲しい。
オレが絶対に守るからね?」
「分かった」
ゆたかは何とか分かってくれた。
とりあえず瀕死の彼の手当てをし始める。
しかし、ここはダンジョン内、あまり設備も良くないし、一度地下迷宮から出た方が良いと判断する。
ここで深追いすれば、パーティーも全滅する危険があるし、彼の命も危ない。
「一旦、ここから脱出しよう。糸を辿って行けば辿り着くだろうからさ」
「うん」
オレとゆたかが入口に引き返そうとすると、瀕死の彼がこう言い始めた。
「駄目だよ! 僕達も糸玉をもらって、迷わない方法で帰ろうとしたんだ。
所が、糸玉は誰かに切られていた。
帰る事ができなくなり、ダンジョン内をさ迷っている内に、ボスのミノタウロスに遭遇したんだよ。だから、糸玉を入口の柱に結んで置いても無駄だよ!」
オレはそれを聞き、糸を確認する。
糸は一見丈夫そうに見えたが、糸を引くと簡単に切れた。
そう、これは罠だったのだ。
最初は糸がしっかり張られているように見えるが、距離が長くなればなるほど簡単に千切れ易くなる。
ある程度までダンジョンを進み、帰ろうと思うと帰れなくなるという恐るべき罠だったのだ。
当然、オレ達も帰る事が出来ない。
「ごめん、ゆたかちゃん。オレがもっと早くに気付いていれば……」
オレ達は最初の広い空間を抜け、細い迷路の様な道を複雑に進んでいた。
自分の感覚では、どっちから来たのかさえも分からない。
壁に右手を当てて、確実に進んで行く以外に脱出の方法は無い。
しかも、運が悪ければ、ボスのミノタウロスと遭遇するかもしれない。
いくらオレでも疲れた状態でミノタウロスを倒す事は厳しい。
せめて、ある程度の情報を知っていれば有利なのだろうが、何も知らない状態で初戦を突破するのは不可能に近かった。
「今夜は野宿するしかないかも。彼の手当ても満足に出来そうもないし……」
オレがそう言って落ち込んでいると、ゆたかは、「大丈夫だよ」と言う。
そして、なぜかIPETシリーズを出して来た。
「これ、IPET・ELEPHANT(あいぺっと・えれふぁんと)。
通称キョゾウ、住居になる」
そう言ってキョゾウをいじり出すと、しばらくして大きな家が出現した。
オレと瀕死の生徒は驚く事しかできない。
「入って! 2LDKしかないけど……」
ゆたかはそう言うが、ダンジョンに入って2LDKの家に住めるとは夢にも思わなかった。都会で豪邸に住んでいる以上の衝撃を受ける。
ゆたかは驚くオレに、どんどん部屋を紹介していく。
最初は、バスルームとトイレだ。
「こっちはトイレとバスルーム。洗濯機も完備している。
水には限りがあるけど、二三日くらいなら平気!」
「水はどこから出て来た。四次元空間でも使っているのか?」
「秘密」
ゆたかは笑いながらそう言う。
オレが驚いているので、上機嫌の様だ。
次に、キッチンを紹介する。
「ここがキッチン。コマイヌを持って来たから、料理を作ってくれる。
食材が無いけど……」
「今日は弁当で我慢するしかないな。水が飲めるだけでもありがたいけど……」
「おやつならいっぱいある!」
ゆたかはそう言って、おやつを並べ始めた。
最後に、寝室と茶室を紹介してくれる。
「ここがベッドルーム。ダブルベッドしかないけど、私と守なら大丈夫だよね♡」
「へえ、二人はそんな関係だったんだ」
瀕死のはずの男子生徒がそう言って茶化す。
いつの間に回復したんだ、この野郎。
「お前、怪我は?」
「痛たたた、お二人のラブラブぶりに忘れていたよ」
「仕方ない。ダブルベッドは、こいつに使わせてあげよう!」
オレはそう言い、瀕死の男子生徒を寝かせる。
ゆたかは何かショックを受けていた。
「ガーン、そんな……」
「オレ達は寝袋で寝るしかないな」
オレがそう言うと、ゆたかの機嫌が直った。
もじもじとしながら、顔を赤くする。
「二人で一つの寝袋を使おうね♡」
「いや、一人用の奴だから! さすがに無理」
「私、ちょっと大きめの寝袋を買ったから大丈夫だよ。二人なら余裕!」
こいつ、何でこんなに肉食なんだよ。会ってまだ二日目だぞ!
オレの反応に気が付いたのか、ゆたかは言い訳を始めた。
「一人じゃ不安で……。一応、ダンジョンの中だし……」
(2LDKの家の中だけどな)
「モンスターに襲われたら困るし……」
(オレはお前に襲われそうで怖いよ!)
まあ、得体の知れない男子がいる。こいつが敵で無いという証拠もない。
オレはゆたかを守ると約束した。これらの点から一緒にいなければならないと判断する。
「分かったよ。ダンジョンにいる間だけだぞ。変な事はするなよ」
「変な事って?」
「寝チュウとか、匂いを嗅ぐとか……」
「うん、頑張る!」
何か不安だが、とりあえずモンスターの危険はなくなった。
オレは男子生徒を介抱し、ベッドに寝かせた。
オレはダイニングに行き、食事をする。
すでに、ゆたかは弁当を食べ終わり、お菓子を食べ始めていた。
オレは気になった事をゆたかに告げる。
「なあ、ダンジョンに入って最初の戦闘って何か変だったよな?
血が実際に出ていたし、血の匂いもした。
でも、その後戦ったハウンドドックはダメージを与えると、動きは鈍くなったけど血は発生しなかった。
あれって、本物の……」
ゆたかにそう言おうとしたが、やはり止めることにした。
ダンジョンの作りは恐怖心をあおる効果があった。
ゆたかが最初に傷付けた相手がモンスターではなく、学校の生徒だったとしてもゆたかに責任は無い。
逆に、ゆたかを精神的に追い詰めてしまうかもしれない。
まあ、死んでないから不問にする方が良い。
オレは弁当を食べ終わり、風呂に入る事にした。
さすがに、戦闘が続いたために、かなりの汗をかいていた。
そう思い風呂場に行くと、ゆたかも付いて来てこう言う。
「背中」
どうやら背中を洗ってくれるらしい。まあ、手が届かない所もあるから助かる。
オレは先に風呂に入り、ゆたかの準備ができるのを待った。
すると、ゆたかは全裸で風呂場に入って来た。
こういう奴だって分かっていたのに、油断した。
オレはそう思って風呂場を出ようとすると、エロベアに止められる。
「おい、ゆたかの胸、小さいと思わないか?
もしかしたら男かもしれん。
この先、一緒に戦い続けるのは性別の確認が必要ではないのか?」
確かに、ゆたかの行動は少しおかしい。
もしも本当に男ならば、いろいろと対応も変わる。
それに、四六時中一緒にいるのが男だった場合、恋愛関係に突入した場合やばい!
いくら好きになったと言っても、男同士なら悲しい結末にしかならない。
初期の段階で確認しておく必要があった。
好く漫画やライトノベル小説で、主人公とヒロインが裸で起こすドッキリハプニングは、お互いの性別を知る上で大切な儀式なのだ。
これが起こる事で、主人公とヒロインが結婚しても大丈夫かどうかを確認し合うのだ。
もしもこれを行わず、物語の最後の部分で結婚できない関係となった場合は、大クレームが勃発する。
ちなみに、この結婚できないパターンの中に、実の兄妹関係だから結婚できないというパターンがあるが、この場合は話が大きく盛り上がるので、後味が悪くなければ問題ない。
オレとゆたかは同い年だから双子じゃない場合を除き、現実的にあり得ない。
オレとゆたかは全然似て無いから、この可能性は無い。
オレの妹と似ていると言ったが、それは髪型と雰囲気が何となく似ているだけで、とても双子とはいえない。オレの妹は常識人だから、ゆたかと双子はあり得ない。
おそらく遺伝子さえも全く別物だろう。なので、オレとゆたかの兄妹説は無い。
だが、ゆたかが男である可能性は否定できない。
スキンシップも多いし、胸も何か小さめだった。
これは確認しておく必要がある。
別に、オレはゆたかに恋愛感情を持っていないが、知っておくことは必要だろう。
得体の知れない男の娘(おとこのこ)がオレに付き纏っているというだけで、精神的ダメージは計り知れないからな。ついでに、女性のコスプレもしているし……。
「じゃあ、一緒に風呂に入るか!」
オレがそう言うと、ゆたかはこくりと頷いた。
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