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第六章 水の底から襲い来る死神
第ニ十話 恐怖の死霊四人衆
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オレ達は食事を終え、ダンジョンの奥へと進んで行く。
光子先生がほとんど倒してしまった為、ホログラフィーの幽霊が通過するだけだった。
恐怖演出としては怖いが、ダンジョンとしては物足りない。
元々のダンジョンモンスターは、ボス達に倒されてしまったので、現れる事は無い。
アンデットモンスター達は、数と恐怖演出はすごいが、ダンジョンのモンスターを倒れるほど強い訳ではない。
恐怖演出に戦う前からやられたのだろうか?
雑魚ならそうかもしれないが、ボスクラスはもう少し歯応えがあるだろう。
そう思って歩いていると、モンスターが現れた。
見た所死体の様だが、額にお札が貼られているし、古代中国の服装をしている。
数は一体しかいないが、紛れも無くキョンシ―(動く死体)だった。
キョンシ―と言えば、手足が硬直し、ジャンプする様にしか動かない。
そう思っていると、キョンシ―は一気に走り出し、光子先生へ攻撃する。
先生もレーザービームで反撃するが、キョンシ―の動きが速過ぎて当たらない。
先生は防除するものの、重い一撃を喰らってしまった。
「くううう、素早い動きですね。ガードが間に合いませんでしたよ……」
「ぐへへへ、キョンシ―を甘く見過ぎですよ。
死後硬直の解けたキョンシ―は、生前と同じように素早く動ける。
これは、傑作品の死霊四人衆の一つ!
素早く動き、あらゆる格闘技をマスターしている恐るべきキョンシ―!
そして、他の三体も連れて来ました。
見た目もキモいが、動きもキモい!
屍を喰らう不死の怪物『グ―ル』!
そして、対をなすのは、見た目は美しく、エロチックな動きをする『グ―ラ』!
乳、尻、太ももに至るまでグラビアアイドルなどを見て作り出した傑作品!
そして、私の命令を守る忠実なる僕『黄泉醜女(よみしこめ)』!
これら四体合わせて、死霊四人衆です!」
オレ達がキョンシ―に気を取られている間に、残りの三体も登場した。
ボスの声を代理しているのは、黄泉醜女のようだ。
こいつらは、アンデットモンスターなのに動きも速い。
これで、元々のダンジョンを攻略したようだ。
「しかし、キョンシ―に、グ―ルに、グ―ラ、黄泉醜女かよ……。
国籍も宗教感もバラバラだな。せめて統一しろよ!」
オレは死霊共に突っ込みを入れる。
すると、プライドを傷付けられたのか、返事があった。
「煩い! 出来が良かったのが、こいつらなんです!
失敗に、失敗を重ね、ようやく出来た珠玉の四体なのですよ!」
「ふーん、苦労の末にできたって事か……。
うん、できた? こいつら、死体じゃないのか?
まあ、苦労して生み出したって事か?」
オレは少し疑問を感じる。動きも見た目もアンデットそっくり。
どうやって動かしているのかは知らないが、死体を操っているのだろうと……。
すると、ゆたかがオレの疑問を解消してくれた。
「こいつら、全員ロボットですよ。
良く出来ていますが、所々で機械のギアが回っている音がします。
私のIPETシリーズとは比べ物になりませんが、同じ機械ですよ。
私のIPETの方が百倍可愛いですけど……」
ゆたかの言葉に、黄泉醜女はキレる!
「何ですって! このグ―ラのエロチックな動きを見なさい!
萌えるでしょ? 興奮するでしょ?」
グ―ラは言われた通り、南国の踊りを披露した。
おそらくインドネシアのバリ島辺りの踊りだろう。
なかなかのセクシー度だ!
「うーむ。強敵ではありますが、やはりコスプレ度が足りない。
今は、外国でも日本のアニメが人気です。
ミクとか、けいおん! をぱくらないと……」
「うっせーです! きっとバリ島ブームが来るんです!
最近はマレーシアとか、インドネシアが人気の観光スポットでしょ!
流行先取りなんですよ!」
「まあ、この太ももには感動しましたが……。
触って見ると柔らかい! これは素晴らしい技術です!
オッパイのクオリティー(質)が低いのが残念ですが……」
「そこがね……、私は貧乳だからさ。
Bカップしかなくて、巨乳の質感を出すのがちょっと……」
ゆたかと黄泉醜女が、グ―ラの出来について話し始めた。
今の内に、キョンシ―とグ―ルをやっつけておかなければならない!
オレはキョンシ―と、カタナちゃんはグ―ルとそれぞれ戦闘する。
オレには武器がないが、それはキョンシ―も同じだった。
グ―ルは油断すると、牙や爪で襲って来るので、カタナちゃんに任せる事にする。
まあ、光子先生も見てくれているし、オレも本気が出せるだろう。
オレは一気にキョンシ―の間合いに入り、攻撃する。
オレの必殺技『加速する一瞬(ACCELERATE・MOMENT)』を繰り出した。
数秒間だけだが、オレは他の人より早く動けるようになるわけだ。
これも異次元の力を応用しているらしい。
タイムトラベルの様に、時空間を行き来する事は出来ないが、個体の時間を操る事は出来るらしい。
そこから生まれたのがこの『加速する一瞬(ACCELERATE・MOMENT)』だ。
わずか一秒の間に、三秒は動けるという代物だ。
居合いの達人や格闘家なんかは、無意識の内に使えるようになるという。
厳しい反復練習により、一秒でも相手より早くを動けるようになるのだ。
「何! オレの攻撃が当たらない! オレの動きを読まれている?」
オレは素早い攻撃を繰り出すが、キョンシ―にことごとく攻撃を避けられてしまう。
相手の攻撃も当たらないが、持久戦に引きずり込まれたようだ。
周りのみんなは、オレ達の動きに付いて来られないから止まっている様似感じられる。
解説する事さえも出来ていない。
(これならば、好きな子に悪戯し放題だぞ!
危険な能力だ!)
オレが余分な事を考えていたばっかりに、キョンシ―の攻撃がかすり、少し怪我を負った。
今は軽い怪我だが、時間が過ぎて行けばオレの敗北に繋がるかもしれない。
徐々に精神力も削られていくし、人間の方が集中力も低い。
このままでは、キョンシ―にやられてしまう。
オレが体感して覚えている能力は、二つあった。
一つは、『加速する一瞬(ACCELERATE・MOMENT)』。
もう一つが、『空間移動(SPATIAL TRANSFER)』だ。
龍脈と呼ばれる地面の力を使い、簡単な移動空間を作り出し、移動するのだ。
本来ならば、移動スピードは変わらないが、『加速する一瞬(ACCELERATE・MOMENT)』と併用する事で瞬間移動へと進化させたのだ。
これにより、スピードはキョンシ―と変わらないが、不意を付ける様になった。
このキョンシ―と長期決戦はまずい。
オレの精神力も限界に近いし、元々の身体能力ではオレの方が低いからだ。
「これで終わりだ!」
オレは、キョンシ―の額のお札を攻撃する。
少しくらいは動きが鈍る程度かと思ったが、負け無しの実力によって油断していたのか、弱点がもろバレ状態だった。
お札を剥がすと、一気に動く事ができなくなり、キョンシ―は電池を失った様に崩れ落ちた。
もう少し弱点を工夫していたら強敵だったんだがなあ……。
オレは少しそう感じたが、手間が省けて助かった。
仮に、カタナちゃんが負け、ゆたかが負けた場合、オレが残りの三体を倒さなければならない。
ボスの存在も含めると、一人で倒すのは至難の技だった。
オレがキョンシ―に勝利した頃、カタナちゃんもグ―ルと戦い始めていた。
グ―ルは、キョンシ―と違い、格闘スキルは入力されていないものの、関節が自在に曲がり、関節を外して攻撃の間合いを伸ばす事もできた。
はっきり言って強敵だ。
カタナちゃんも自分の剣を使い善戦するが、次第に追い込まれていった。
「キャア!」
頬に傷を負い、女の子の様な悲鳴を上げるカタナちゃん。
どうやら伸びる関節に苦戦しているようだ。
確かに、オレが見る限りでも、間合いが詰められないで攻撃損ねていた。
間合いに入り込めないのでは、剣で攻撃する事も出来ない。
オレが心配して見ていると、光子先生が口を出す。
そういえば、カタナちゃんのファンだとか言っていたな。
オレがそう思っていると、グ―ルとこう交渉し出した。
「カタナちゃんは顔が命なのよ! 格闘ならマモル君がいるわ!
彼ならあなたと互角に相手ができる!
選手交代よ!」
そう言って、無理矢理オレとカタナちゃんを交代させた。
ちょっと待て、オレだったらボロボロになっても良いと?
光子先生の偏見ある態度に、オレは少なからず傷付いていた。
本来ならば、異次元の能力を使う事も出来るのだろうが、ちょっと美人で気に入っている光子先生に傷付けられた事で能力が使えなくなっていた。
ゆたか(変態娘)やカタナちゃん(男の娘)が応援してくれているが、能力の発動は出来ない。
オレはピンチの状態のまま、強敵グ―ルに挑まなければならない。
関節が伸びたり、自在に曲がったりして、キモい動きをするけど勝てるのだろうか?
勝機も見いだせぬまま、戦闘に駆りだされた。
オレは、カタナちゃんとグ―ルの戦いから、グ―ルがそれほど素早い動きではない事を見抜いていた。
キョンシ―の方が圧倒的に素早く、攻撃も強力だ。
問題なのは、自在に曲がる関節と、関節を外して伸びる腕だった。
カタナちゃんがやられたのも、遠心力によって腕が伸びた事による。
威力が強ければ強いほど、攻撃範囲と威力が増すのだ。
それに比べてオレは、素手。
グ―ルを先手必勝で倒す事はおろか、攻撃を受ける事も出来ない。
せめて武器になる様な物があればいいが……。
そう思って辺りを見回すと、一本の日本刀を見付ける。
どうやら相当の業物であり、名のある刀だった。
オレがそれを手にすると、光子先生の表情が変わる。
「それは、メノウちゃんの子狐丸!
やっぱりダンジョン内で倒されていたんですね。
彼女ほどの手だれが……」
光子先生の声から察するに、元々はメノウという名の先生が持っていた物の様だ。
しかし、オレの手にしっくり来る。持ち主が現れるまで、オレが武器にしていよう。
そう思い武器を構えた。
グ―ルの攻撃は変則的だが、攻撃を受けられるだけの刀があれば、捌くのは余裕だった。相手が攻撃して来た隙を突き、反撃の一撃を入れて行く。
ちょっとずつだが、グ―ルの動きが鈍って行くのが分かる。
オレの攻撃が利くのなら、後は簡単だった。
グ―ルが攻撃し、関節を伸ばした弱い所を突く。
それだけで、グ―ルには致命的な一撃だった。
腕が切断され、もはや勝負は歴然だ。
それでも懲りずにやって来たので、二、三度同じ攻撃をすると動けなくなっていた。
攻撃の範囲と威力を高めるために、腕を伸ばすように作られている様だったが、それがグ―ルの弱点だったのだ。
光子先生がほとんど倒してしまった為、ホログラフィーの幽霊が通過するだけだった。
恐怖演出としては怖いが、ダンジョンとしては物足りない。
元々のダンジョンモンスターは、ボス達に倒されてしまったので、現れる事は無い。
アンデットモンスター達は、数と恐怖演出はすごいが、ダンジョンのモンスターを倒れるほど強い訳ではない。
恐怖演出に戦う前からやられたのだろうか?
雑魚ならそうかもしれないが、ボスクラスはもう少し歯応えがあるだろう。
そう思って歩いていると、モンスターが現れた。
見た所死体の様だが、額にお札が貼られているし、古代中国の服装をしている。
数は一体しかいないが、紛れも無くキョンシ―(動く死体)だった。
キョンシ―と言えば、手足が硬直し、ジャンプする様にしか動かない。
そう思っていると、キョンシ―は一気に走り出し、光子先生へ攻撃する。
先生もレーザービームで反撃するが、キョンシ―の動きが速過ぎて当たらない。
先生は防除するものの、重い一撃を喰らってしまった。
「くううう、素早い動きですね。ガードが間に合いませんでしたよ……」
「ぐへへへ、キョンシ―を甘く見過ぎですよ。
死後硬直の解けたキョンシ―は、生前と同じように素早く動ける。
これは、傑作品の死霊四人衆の一つ!
素早く動き、あらゆる格闘技をマスターしている恐るべきキョンシ―!
そして、他の三体も連れて来ました。
見た目もキモいが、動きもキモい!
屍を喰らう不死の怪物『グ―ル』!
そして、対をなすのは、見た目は美しく、エロチックな動きをする『グ―ラ』!
乳、尻、太ももに至るまでグラビアアイドルなどを見て作り出した傑作品!
そして、私の命令を守る忠実なる僕『黄泉醜女(よみしこめ)』!
これら四体合わせて、死霊四人衆です!」
オレ達がキョンシ―に気を取られている間に、残りの三体も登場した。
ボスの声を代理しているのは、黄泉醜女のようだ。
こいつらは、アンデットモンスターなのに動きも速い。
これで、元々のダンジョンを攻略したようだ。
「しかし、キョンシ―に、グ―ルに、グ―ラ、黄泉醜女かよ……。
国籍も宗教感もバラバラだな。せめて統一しろよ!」
オレは死霊共に突っ込みを入れる。
すると、プライドを傷付けられたのか、返事があった。
「煩い! 出来が良かったのが、こいつらなんです!
失敗に、失敗を重ね、ようやく出来た珠玉の四体なのですよ!」
「ふーん、苦労の末にできたって事か……。
うん、できた? こいつら、死体じゃないのか?
まあ、苦労して生み出したって事か?」
オレは少し疑問を感じる。動きも見た目もアンデットそっくり。
どうやって動かしているのかは知らないが、死体を操っているのだろうと……。
すると、ゆたかがオレの疑問を解消してくれた。
「こいつら、全員ロボットですよ。
良く出来ていますが、所々で機械のギアが回っている音がします。
私のIPETシリーズとは比べ物になりませんが、同じ機械ですよ。
私のIPETの方が百倍可愛いですけど……」
ゆたかの言葉に、黄泉醜女はキレる!
「何ですって! このグ―ラのエロチックな動きを見なさい!
萌えるでしょ? 興奮するでしょ?」
グ―ラは言われた通り、南国の踊りを披露した。
おそらくインドネシアのバリ島辺りの踊りだろう。
なかなかのセクシー度だ!
「うーむ。強敵ではありますが、やはりコスプレ度が足りない。
今は、外国でも日本のアニメが人気です。
ミクとか、けいおん! をぱくらないと……」
「うっせーです! きっとバリ島ブームが来るんです!
最近はマレーシアとか、インドネシアが人気の観光スポットでしょ!
流行先取りなんですよ!」
「まあ、この太ももには感動しましたが……。
触って見ると柔らかい! これは素晴らしい技術です!
オッパイのクオリティー(質)が低いのが残念ですが……」
「そこがね……、私は貧乳だからさ。
Bカップしかなくて、巨乳の質感を出すのがちょっと……」
ゆたかと黄泉醜女が、グ―ラの出来について話し始めた。
今の内に、キョンシ―とグ―ルをやっつけておかなければならない!
オレはキョンシ―と、カタナちゃんはグ―ルとそれぞれ戦闘する。
オレには武器がないが、それはキョンシ―も同じだった。
グ―ルは油断すると、牙や爪で襲って来るので、カタナちゃんに任せる事にする。
まあ、光子先生も見てくれているし、オレも本気が出せるだろう。
オレは一気にキョンシ―の間合いに入り、攻撃する。
オレの必殺技『加速する一瞬(ACCELERATE・MOMENT)』を繰り出した。
数秒間だけだが、オレは他の人より早く動けるようになるわけだ。
これも異次元の力を応用しているらしい。
タイムトラベルの様に、時空間を行き来する事は出来ないが、個体の時間を操る事は出来るらしい。
そこから生まれたのがこの『加速する一瞬(ACCELERATE・MOMENT)』だ。
わずか一秒の間に、三秒は動けるという代物だ。
居合いの達人や格闘家なんかは、無意識の内に使えるようになるという。
厳しい反復練習により、一秒でも相手より早くを動けるようになるのだ。
「何! オレの攻撃が当たらない! オレの動きを読まれている?」
オレは素早い攻撃を繰り出すが、キョンシ―にことごとく攻撃を避けられてしまう。
相手の攻撃も当たらないが、持久戦に引きずり込まれたようだ。
周りのみんなは、オレ達の動きに付いて来られないから止まっている様似感じられる。
解説する事さえも出来ていない。
(これならば、好きな子に悪戯し放題だぞ!
危険な能力だ!)
オレが余分な事を考えていたばっかりに、キョンシ―の攻撃がかすり、少し怪我を負った。
今は軽い怪我だが、時間が過ぎて行けばオレの敗北に繋がるかもしれない。
徐々に精神力も削られていくし、人間の方が集中力も低い。
このままでは、キョンシ―にやられてしまう。
オレが体感して覚えている能力は、二つあった。
一つは、『加速する一瞬(ACCELERATE・MOMENT)』。
もう一つが、『空間移動(SPATIAL TRANSFER)』だ。
龍脈と呼ばれる地面の力を使い、簡単な移動空間を作り出し、移動するのだ。
本来ならば、移動スピードは変わらないが、『加速する一瞬(ACCELERATE・MOMENT)』と併用する事で瞬間移動へと進化させたのだ。
これにより、スピードはキョンシ―と変わらないが、不意を付ける様になった。
このキョンシ―と長期決戦はまずい。
オレの精神力も限界に近いし、元々の身体能力ではオレの方が低いからだ。
「これで終わりだ!」
オレは、キョンシ―の額のお札を攻撃する。
少しくらいは動きが鈍る程度かと思ったが、負け無しの実力によって油断していたのか、弱点がもろバレ状態だった。
お札を剥がすと、一気に動く事ができなくなり、キョンシ―は電池を失った様に崩れ落ちた。
もう少し弱点を工夫していたら強敵だったんだがなあ……。
オレは少しそう感じたが、手間が省けて助かった。
仮に、カタナちゃんが負け、ゆたかが負けた場合、オレが残りの三体を倒さなければならない。
ボスの存在も含めると、一人で倒すのは至難の技だった。
オレがキョンシ―に勝利した頃、カタナちゃんもグ―ルと戦い始めていた。
グ―ルは、キョンシ―と違い、格闘スキルは入力されていないものの、関節が自在に曲がり、関節を外して攻撃の間合いを伸ばす事もできた。
はっきり言って強敵だ。
カタナちゃんも自分の剣を使い善戦するが、次第に追い込まれていった。
「キャア!」
頬に傷を負い、女の子の様な悲鳴を上げるカタナちゃん。
どうやら伸びる関節に苦戦しているようだ。
確かに、オレが見る限りでも、間合いが詰められないで攻撃損ねていた。
間合いに入り込めないのでは、剣で攻撃する事も出来ない。
オレが心配して見ていると、光子先生が口を出す。
そういえば、カタナちゃんのファンだとか言っていたな。
オレがそう思っていると、グ―ルとこう交渉し出した。
「カタナちゃんは顔が命なのよ! 格闘ならマモル君がいるわ!
彼ならあなたと互角に相手ができる!
選手交代よ!」
そう言って、無理矢理オレとカタナちゃんを交代させた。
ちょっと待て、オレだったらボロボロになっても良いと?
光子先生の偏見ある態度に、オレは少なからず傷付いていた。
本来ならば、異次元の能力を使う事も出来るのだろうが、ちょっと美人で気に入っている光子先生に傷付けられた事で能力が使えなくなっていた。
ゆたか(変態娘)やカタナちゃん(男の娘)が応援してくれているが、能力の発動は出来ない。
オレはピンチの状態のまま、強敵グ―ルに挑まなければならない。
関節が伸びたり、自在に曲がったりして、キモい動きをするけど勝てるのだろうか?
勝機も見いだせぬまま、戦闘に駆りだされた。
オレは、カタナちゃんとグ―ルの戦いから、グ―ルがそれほど素早い動きではない事を見抜いていた。
キョンシ―の方が圧倒的に素早く、攻撃も強力だ。
問題なのは、自在に曲がる関節と、関節を外して伸びる腕だった。
カタナちゃんがやられたのも、遠心力によって腕が伸びた事による。
威力が強ければ強いほど、攻撃範囲と威力が増すのだ。
それに比べてオレは、素手。
グ―ルを先手必勝で倒す事はおろか、攻撃を受ける事も出来ない。
せめて武器になる様な物があればいいが……。
そう思って辺りを見回すと、一本の日本刀を見付ける。
どうやら相当の業物であり、名のある刀だった。
オレがそれを手にすると、光子先生の表情が変わる。
「それは、メノウちゃんの子狐丸!
やっぱりダンジョン内で倒されていたんですね。
彼女ほどの手だれが……」
光子先生の声から察するに、元々はメノウという名の先生が持っていた物の様だ。
しかし、オレの手にしっくり来る。持ち主が現れるまで、オレが武器にしていよう。
そう思い武器を構えた。
グ―ルの攻撃は変則的だが、攻撃を受けられるだけの刀があれば、捌くのは余裕だった。相手が攻撃して来た隙を突き、反撃の一撃を入れて行く。
ちょっとずつだが、グ―ルの動きが鈍って行くのが分かる。
オレの攻撃が利くのなら、後は簡単だった。
グ―ルが攻撃し、関節を伸ばした弱い所を突く。
それだけで、グ―ルには致命的な一撃だった。
腕が切断され、もはや勝負は歴然だ。
それでも懲りずにやって来たので、二、三度同じ攻撃をすると動けなくなっていた。
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