【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

文字の大きさ
119 / 302
第六章 水の底から襲い来る死神

第二十一話 黄泉津大神(よもつおおかみ)の願い!

しおりを挟む
 オレは、キョンシ―、グ―ルを倒し、残りの死霊達は、グ―ラと黄泉醜女だけになった。
グ―ラも尻や太ももの完成度が高く、動きも高性能だったが、ゆたかの無理な要求により壊れかけていた。

バリ島の喜びの踊りやランパダ、パラパラやアニメの踊りにより、多大な無理をしたらしい。
精神的なダメージもあったのだろうか? 

最後の方は、恐いはずのグ―ラが可愛く見えていた。
いや、可哀想に見えていた。

「黄泉醜女(よみしこめ)ちゃん、君一人だよ。
さあ、ボスの黄泉津大神(よもつおおかみ)ちゃんの所へ案内するんだ! 
それとも、伊邪那美命(いざなみのみこと)の方がいいかな?」

カタナちゃんがそう言うと、黄泉醜女は周りを見回して、死霊四人衆が負けた事を悟った。
ゆたかの策略? により、オッパイをどうすれば巨乳にできるのか、どう踊れば人気が出て男を虜にできるのかなどを模索していた為、キョンシ―とグ―ルが負けた事も気が付かなかったのだ。

更に、肝心のグ―ラも動きがぎこちない。
人に言われてようやく現状を把握できた。

「分かりました。では、男性だけ黄泉津大神の元へお連れいたします。どうぞ!」

カタナちゃんは一人で行く事をしぶって、ゆたかの方を見る。
ゆたかは、グ―ラの胸を弄りながら答える。

「私はこの子のオッパイを大きくしておくから行かない」

光子先生は、返事をする事も出来ず、眠り込んでいた。
おそらくかなり疲労しているのだろう、休ませておくしかない。

オレもはっきり言って、度重なる戦闘で疲れている。
ゆたかと共に、グ―ラのオッパイの感触を確かめておくことにするか。

「じゃあ、オレも……」

そう思ってグ―ラに近付くと、黄泉醜女に襟首を掴まれた。
どうやら強制的に、黄泉津大神とやらに会わされるらしい。

(止めてくれ、オレは疲れているんだ! )

オレの想いも虚しく、黄泉醜女には伝わらなかった。
おのれ、疲れているオレに強制的に働かせるとは、名前だけでなく心まで醜い奴だ!

 黄泉醜女に連れられ、オレとカタナちゃんは、ダンジョンの奥深くの洞窟へと辿り着いた。
どうやらここにボスの黄泉津大神がいるらしい。

人一人分しか通れない洞窟だが、果たして大丈夫なのだろうか? 
罠がありそうな予感しかしない。
洞窟の入口に辿り着くと、黄泉醜女はオレに言う。

「では、まずはこいつから先に通ってください。
一方通行ですが、絶世の美女がお待ちしています。
その方を連れてくれば、ダンジョン攻略終了です」

絶世の美女と聞き、やる気になるが、黄泉津大神という名が少し気になる。
そいつから美女を奪い返してくればいいのだろうか? 
オレは少し気になって渋っている。

「黄泉津大神って確か……」

「良いからさっさと入りなさい!」

黄泉醜女に後ろから突き飛ばされ、洞窟の中に入る。
洞窟の入り口を過ぎると暗くなっているが、奥の方は明かりが付いているらしい。

おそらくその明りの所にボスがいる。
オレはそう思って、ゆっくりと明りの方に近付いて行った。

(ボスに奇襲をかけ、一気に勝負を決めてしまおう!)

オレはボスの位置を確認し、一気にボスらしき人物に襲いかかった。

「黄泉津大神(よもつおおかみ)、覚悟!」

オレが刀を振り下ろそうとすると、そこには言われた通りの絶世の美女がいた。

(え? 可愛い……。オレと同じくらいの年だよな。正直、好きになりそう……)

オレは少し照れて、美女から顔を隠した。
かぐや姫とか、そういうおとぎ話の姫が頭に浮かぶ。
今、目の前にいるのは、そういう伝説のお姫様なのだ。

「あの、どうしましたか?」

オレは美女にそう尋ねられ、後ろを振り向いた。

(もう一度、美女の顔が見たい!)

オレが振り返ると、美女は化け物に変身していた。
腐敗した死体に、ウジがたかっているような姿。

「ぎゃああああ!」

オレは、あまりのショックに気絶してしまった。
おそらくダンジョンの先生達も同じ物を見たのだろう。
洞窟の奥の方で、二人仲良く眠っていた。

オレもその仲間に追加された。
これで、カタナちゃんまで倒されれば、オレ達を救出してくれる者はいない。
オレの叫び声を聞くと、カタナちゃんはオレが失敗した事を悟る。

「ふふふ、やはりあのお方も失敗したようですね。
では、姫野剣冴(カタナちゃんの本名)様、中へお入りください」

黄泉醜女は、カタナちゃんに洞窟へ向かわせる。
何らかの対策がないなら、オレと同じ結末を迎えてしまう事になる。
黄泉津大神は、今までの雑魚敵と違い、最初が可愛いだけにショックも大きいのだ。

まあ、光子先生も美人だが、アンデットモンスターの質が悪いので、今となっては恐怖もさほど感じない。

「君も一緒に入るかい? 
君の求めている物が分からなければ、僕も結局は同じ末路だからね」

カタナちゃんは、黄泉醜女をそうさそう。
黄泉醜女も、黄泉津大神である彼女が操っているのだろう。
声や姿はそれで確認していたらしい。

「ご遠慮いたします。黄泉津大神である私は、洞窟の中におります。
そこでなら、あなたとの会話も可能でしょうから……」

「分かったよ。じゃあ、洞窟へ入るよ!」

カタナちゃんは、黄泉醜女を残して、洞窟の奥へと向かう。
カタナちゃんは、黄泉津大神の正体を知っており、その話を語りながら奥へと進んで行く。

「僕は、君の正体を知っているよ。小学校が一緒だったからね」

「そうですか、あなたがここまで来られるのは、あらかじめ予想していました。
大半の男性は、ここまで来る前に気絶してしまいますからね。
で、私が誰か分かったんですか?」

「ああ、イカとオバケをこよなく愛する子は、僕の記憶の中では一人しかいない。
磯辺霊子(いそべりょうこ)ちゃんでしょ? 
君は、小学校の頃から学校を占拠して、みんなを怖がらせていたからね。

オバケの質は上がったけど、内容はそれほど変わっていない。
だから始めから気付いていたんだ。

小学校の時は、姉さんの影に隠れていた僕だけど、今はそれなりに成長したよ。
でも、君はなぜこんな事をするんだい?」

「賢いあなたなら分かるはず……。
黄泉津大神、通称伊邪那美命(いざなみのみこと)に起こった悲劇を!」

「ああ、知っているよ、有名な話だからね。
子供を産んだ時に死んで、夫である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が黄泉の国へ迎えに行くけど、禁忌を犯して伊邪那美命(いざなみのみこと)が腐敗してしまった所を見るんだろ?」

「はい。そして、夫である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)は、恐怖のあまり伊邪那美命を離婚して逃げるのです。
しかし、私は思うのです。

もしも、夫である伊邪那岐命が逃げずに愛を貫き通していたのなら、そうしていたのなら女にとってどれほど幸せな結末であったかと……。

私は見たいのです、醜い外見などにとらわれず、本当に私を愛してくれる男性はいないかと……。

そして、見付けた。
姫野剣冴様こそ、私を恐れずに愛して下さる方だと!」

オレは気絶が浅く、数分ほどで意識を取り戻していた。

(なんだ、変態少女じゃないのかよ。てっきり姫野真槍ちゃんが好きかと思っていたのに)

しかし、黄泉津大神の狙いが気になっていたので眠ったふりをしていた。
黄泉津大神は、その事を勘で悟ったのか、オレが起きているのを悟ると、腹に一撃を加えて来た。

(ふっ、恋する乙女は、時に怖い物だな)

オレは大人しくカタナちゃんに全てを任せる事にした。
実際、自分に惚れていないなら、こんな変な女を追い駆ける事も無い。

(オレには、絶世の金髪美少女のフィアンセがいる。
この黒髪美少女は、カタナちゃんに処理してもらおう)

オレはそう思って、また寝た振りをする。
果たして、カタナちゃんはどう処理するのだろうか?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

最後の女

蒲公英
恋愛
若すぎる妻を娶ったおっさんと、おっさんに嫁いだ若すぎる妻。夫婦らしくなるまでを、あれこれと。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...