【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第八章 極限のサバイバル 食材争奪戦!

第三十話 子猫(コニャン)店長のせいで、コンビニの売り上げがヤバイ!

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 ご飯を食べ終わり、風呂に入って寝ることにする。
オレが寝室の扉を開けると、すでにトリプルサイズのベッドが置かれていた。

(良くあったな、こんなでかいベッド)

オレが感心していると、服を着替えた冷菓とゆたかが待ち構えていた。
オレは、恐る恐る冷菓の手を握る。
その手は温かく、ゆたかの冷え性とは違っていた。

オレはホッとする。
さすがに、両サイドから身体を冷やされたら、オレも風邪になってしまうかもしれない。

「いやん、ダーリンったら大胆なんだから」

嬉しそうにする冷菓を見て、オレは急に不安になる。
部屋の反対方向を見ると、姫野真槍ちゃんと剣冴が眠っていた。
剣冴は明らかに男だけど、容姿が女の子らしいからオレの脳はパニックを起こしていた。

やはり、異世界と言っても高校生同士だ。
知り合ったばかりで男女一緒に寝るのは、なんか良くない気がする。

オレは、冷菓とゆたかを説得し始める。
自分でも何言っているか分からないが、思春期の男子にこの状況は辛い! 

「やっぱり、いきなり添い寝は無理がある。
ちょっとずつ知り合って行こう。
別に、嫌いなわけじゃないからね」

「あーん、ダーリン行っちゃ嫌!」

二人が引き止めるのを無視して、リビングのソファーに寝ることにした。
小一時間ほどして、オレが寝静まったのを確認すると、冷菓とゆたかがオレの寝姿を確認しに来る。

二人して、いろいろ議論し始めていた。

「うーん、このシュチュエーションで添い寝さえしないのは、男の子としておかしいですね? 
本来の高校生男子なら、添い寝はするけど眠れなくて一夜を過ごすはず……」

「まさか、マモル君はホモ? 
良く剣冴君の方をちらちら見ているし、可能性は零じゃないよ!」

「そんな、私がいない間に男好きになっていたなんて……。
私は一体どうすればいいの?」

「女の子が好きになる様に、いろいろ女の子の良さをアピールして行くしかないよ。
マモル君がちゃんと女の子好きになるまでは、一時休戦としよう!」

「分かったわ。二人で、マモル君を正しい道に戻してあげましょう!」

冷菓とゆたかは、なぜか意気投合していた。
二人共通のライバルは、今や姫野剣冴(カタナちゃん)になりつつあった。

「絶対に助けてあげるからね、ダーリン♡」

「あ、ずるい! 私もする!」

オレの寝顔を確認し、二人はオレの頬にキスをした。
その日は、二人だけで寝室に戻り眠ることにする。

「うーん、冷菓も暖かい……」

「つめた! もしかして、これが一人になりたかった理由? 
早く電気毛布を用意しておかないと、私の身体が持たないかも……」

冷菓は、嫌々ながらもゆたかを温めてあげた。
最初は冷たかったが、一時間もするとだいぶマシになる。
そうして、何時間かして朝になった。

「ふー、久々に極寒の地で修業する夢を見ましたよ。
身体も心も凍り付く所でした」

冷菓は、ちょっと寝不足気味の様に起きる。
本来なら極寒の地などホームグラウンドである冷菓も、布団の中では温かくして眠りたい。

その眠りを妨げていたゆたかは、子供の様に眠り込んでいた。
すやすやと眠り、寝言さえも聞こえない。

「うーん、相当冷え性で困っていたんでしょうね。
怒る気も無くなるくらいの寝顔ですよ。
血行が良くなるように、ちょっとマッサージしてあげますよ!」

冷菓は、ゆたかの身体を揉み始める。
当然、オッパイも揉む。
しばらく揉んでいたが、次第に自分の胸を揉み始めた。

「うーん、私の方が小さいですね。
もう少し大きくなればいいんですけど……。
若返ったから、少しは希望があるんでしょうか?」

冷菓は、五分ほど揉み続けていた。

「うー、もう朝?」

ゆたかの寝ぼけ声を聞き、冷菓は我に帰る。

「はっ、朝ご飯の用意をしますね。
コンビニで買い物して来ます!」

「私も行く!」

ゆたかがそう言うので、冷菓はしばらく待って家を出る事にした。
二人仲良く買い物に行くと、コンビニの食糧はすべて売り切れていた。
原因は、不明。

おそらく、子猫(コニャン)店長の作戦が上手く行き、商品がすべて売り切れてしまったのだろう。
二人は仕方なく、日常雑貨を買って帰って来た。

家に着く頃には、二人仲良くお腹を鳴らしている。
女性なら恥ずかしがる状況だが、オレもお腹が空いて鳴っているので、おあいこだ。
オレ達は仕方なく、腹を空かせたままで学校に登校する事にした。

「お菓子食べたいよう……」

「うう、お腹が鳴るのが止まらないわ」

「私もイカが無くて限界になりつつあります」

「ここまでコンビニが繁盛するなんて、子猫(コニャン)店長は、すごい猫だったんだ」

「だああああ、もう限界よ! 
あの猫、次に会ったらただじゃあおかないんだから!」

限界が来た真槍ちゃんにより、教室が殺伐とした雰囲気になった。
近くにいるだけで喰われそうな勢いだった。

学校に来ている他のみんなも、朝ご飯が食べられなかったらしく、今日は一段とうるさい。
このままの状態がいつまで続くのだろうか? 
お昼近くになった頃、光子先生が昼ご飯の話をし始めた。

「実は、子猫(コニャン)店長が研修費として、あのコンビニの食糧を奪って行ったので、朝から昼までずっと食糧がありませんでした。
しかし、この学校の倉庫には、蓄えられている食糧があります。

そこで、この生徒の皆さんに食糧を確保してもらいたいと思います。
各自二人ずつに分かれて、米や小麦粉のある倉庫に行ってください。

徐々に、肉や魚、野菜が手に入ります。
そして、五人分の食事を作ってください。
一番美味しい料理を作った人には、素晴らしい賞品があります。

ただし、実力を均等にする為、光宮冷菓さんだけは一人で競争してください。
ちなみに、料理の審査員は、私とオーガ先生とマモル君です。
じゃあ、各自頑張ってくださいね!」

そう言って、オレを捕まえ、別の教室に案内される。
オレは、不思議に思い尋ねる。

「どうしてオレだけ審査員何ですか?」

「そりゃあ、前回の優勝者だからね。
トップを独占されても困るし、今回は女子向けの競技にしたいからです。
このモニターで、学校の各場所の状況は把握できるので、レースの実況をお願いします」

「はあ、まあ、頑張ります」

オレは、心の中で安堵していた。

(正直、料理はあんまりした事がないから助かる。
しかし、ゲテモノ料理を出されても困るが……)

オレが別室で待機し、教室の状況を見ていると、アビナ先生が交代する様に入って来た。
相変わらず良い乳をしている。

オレは、喰い入る様にモニターを見ていた。
アビナ先生は、ゆたかと真槍ちゃんを挑発するように言う。

「ふふん、ようやく私の出番と言うわけだ!
手加減は一切無し! 
完膚無きまでに、叩きのめしてあげるから覚悟するんだね!」

「ふん、そのオッパイの元気が無くなるまで揉んであげますよ!」

「そうよ、垂れ乳にして、アタシに刃向かった事を後悔させてあげるわ!」

三人は、火花を散らしていた。
どうやら、負けた者は、勝った者に乳を揉まれるという暗黙のルールが出来上がっているらしい。

他の生徒も、強気にそのルールを受け入れていた。
光宮冷菓や磯辺霊子といった貧乳グループも、負けたらオッパイを揉まれることに期待しているらしい。

そこまでオッパイを大きくしたい物なのだろうか? 
男のオレでは、分かりかねる。

参加者の中で唯一の男、姫野剣冴(カタナちゃん)は固まっていた。
彼だけは、絶対に負けるわけにはいかない!

 ゆたかは、自慢のIPET『コマイヌ』を取り出す。
このマスコットだけが、彼女の持ち物の中で唯一料理が出来るのだ。

彼女自身は、あまり料理をした事がないらしい。
コマイヌを弄って、起動スイッチを入れた。

「さあ、コマイヌ。
美味しい料理を作りたいけど、どんな食材を取ってくればいい? 
米か小麦どっち?」

「うーん、今日の気分は小麦かな……」

ゆたかにアドバイスを与えようとしたコマイヌだったが、突然に動かなくなった。
冷菓により、氷漬けにされたのだ。
冷菓は笑って言う。

「駄目よ! 
女の子なら、自分の力で料理しなくちゃ。
こんな機械に頼っている様では、マモル君を振り向かせる事は出来ないわよ♡」

冷え切ったコマイヌは、床の上に落ち、ずっと同じ姿勢で固まっていた。
これでは、翌日まで使い物にならないだろう。

「コマイヌ! 
お前がいなくちゃ、私はこれからどうやって料理を作って行けばいいんだ! 
お前がいなくちゃ、私は駄目なんだ!」

ゆたかは、決死の思いでコマイヌに呼び掛けるが、返事は一向に無かった。
泣きじゃくるゆたかに、霊子は慰める様に言う。

「私が料理を手伝うから、お互い頑張ろう!
私もイカしか調理した事無いけど……」

「うん、一緒に頑張ろう!」

ゆたかが泣き止むのを待ち、ゆたかと霊子のコンビが結成された。

 オレと光子先生は、モニター越しにその光景を見ていた。
驚愕の事実にツッコミを入れる。

「磯辺霊子ちゃん、入学して数週間経つけど、それまでイカしか喰っていないのか? 
彼女は、一人暮らしだし、誰も料理を手伝っている様子がなかったが……」

「まさか、きっとカップ麺とか、パンとかでお腹を満たしていたんですよ。
イカばっかりじゃあ、栄養が偏りますし……」

「それも栄養面では、問題あるでしょう!」

きっと何らかの対策を取ってあるんだ。
そう信じて、オレはこの話題を終えた。

 残った姫野姉弟でコンビを組み、勝負をするメンバーが決まった。
光宮冷菓とアビナ先生が一人で、後は各自二人ずつだ。
オレとしては、ゆたかと霊子、姫野姉弟に注目する。

いったいどのペアーが勝つのだろうか? 
みんなお腹が空き過ぎて、判断力が鈍っている感じがするが、大丈夫だろうか? 

殺気立っている生徒も多い為、オレは参加しなくて良かったと心底思う。
光子先生は、教師なのにひいき目線の発言をする。

「実は、姫野真槍ちゃんは屑過ぎるほど料理下手ですけど、弟の剣冴君は料理が上手いんですよ。
もちろん、女の子モードのカタナちゃん状態の時だけですけど……」

「それ以外は、料理した時を見た事無いんですね。
オレもカタナちゃん時しか知らないけど……」

「まあ、実力自体は優勝候補ですよ。私も期待していますからね♡」

「一応、ひいき無しで審査してくださいよ」

「はいはい、分かっていますよ。
でも、だからこそ、三人審査の制度にしたんですよ。
明らかに、不公平になると予想していましたから……」

「それも計画の内ですか」

オレは、味で審査しようと心に決める。
それが料理の審査員という者だろう。
オレがモニターを見ると、勝負が開始された。
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