【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

文字の大きさ
134 / 302
第八章 極限のサバイバル 食材争奪戦!

第三十四話 現役アイドルの実力!

しおりを挟む
 真槍ちゃんは、赤頭巾先生を追い詰めていた。
全力で止めようとする赤頭巾先生だったが、力で対抗されては勝ち目がない。

「ふふん、なかなかやるけど、こっちはジェットエンジン付きの槍なのよ。
突進力、スピード、どれをとっても完璧なアタシの攻撃を、まともに受ける気かしら? 
そろそろ本気で行かせてもらうわよ!」

そう脅す真槍ちゃんに、赤頭巾先生も対抗する。
先生がすごいのは反射的攻撃だった為、力を行使する真槍ちゃんとは相性が悪い。
懸命に喰らい付くが、次第に身体が付いて来なくなる。

「アタシの武器を操るスキルは、あんたの反射神経も凌駕するのよ! 
武器無しで良く頑張ったけど、ここまでよ!」

赤頭巾先生は吹き飛ばされ、小さい身体が木に激突する。
受け身を取って起き上がるが、既に立っているのがやっとというありさまだ。

「アタシの勝ちね! では、この野菜は頂いて行くわよ!」

真槍ちゃんは、野生の勘を使い、的確に必要な野菜を捜し当てる。
豚は、トリフの匂いを嗅いで捜し当てるというが、真槍ちゃんの勘もそれに匹敵する。
赤頭巾先生は、恨めしそうな顔をして見つめていた。

「はいよ! ピザに必要なピーマンとトマトとコーンよ。さあ、追い上げるわよ」

「待って! さすがに、課題をクリアしないのは可哀想だよ。
僕が歌うから、姉さんは先に行って!」

「良いけど、その歌はカットするからね。
三曲も歌を考え出して、これ以上似たようなの歌っても苦痛なだけだし、作者も厭きて来たわ!」

「うん、それで良いよ、もう……」

本来ならば、剣冴君がカタナちゃん(女の子モード)になって歌う予定だったが、真槍ちゃんによってカットされた。
歌を歌い終わって、第三のチェックポイントに向かう。

 第三のチェックポイントに真槍ちゃん達が到着すると、すでに激しい戦闘が行われていた。

「これはどういう課題なの?」

真槍ちゃんは、どっしりと腰を下ろして監視している試験管に尋ねる。
試験官は年配の男性であり、すでに六十は超えているであろう。

「ふむ。ここは、肉や魚が手に入る場所だ。
ただし、お前達の腕が試される。

モンスターと化している食材を倒し、自力で食材を手に入れるが良い。
食材の中には外れもあり、比較的取り難くなっている物もあるから注意したまえ!」

「ふーん、じゃあ、何が倒し易いか見てから決めましょうか。
ある意味、最後に来たのは正解だったかも!」

真槍ちゃんは、辺りを見回し、他のグループの戦闘を観察する。
最初は、戦い慣れていると思い一目置いている冷菓の戦闘を観察する。

 冷菓は苦戦していた。
戦闘しているのは、昔倒したあの怪物ミノタウロスだ。

動きは素早く、攻撃力もハンパない。強靭な筋力により、冷菓の氷も全く効いていない。逆に力技で攻められ、息を切らしていた。

「はあ、はあ、はあ、通常ならば冷気で筋肉が動かなくなるはずなのに、こいつは強い。
一瞬にして溶かされて、こっちがミンチにされてしまいかねないわ!」

冷菓は、氷の剣で対抗するも、ことごとく剣を折られ、攻撃を受けないようにするのが精一杯だった。

 逆に、近くで豚と戦っているアビナ先生は、一方的に攻めている。

「ブヒッ、こんな可愛い子ブタさんを虐待するというの? 
あなたはそこまでの人で無しなの?」

「ふふ、この豚こそがここの当たりなのさ!
泣事を言って、同情を引こうとする以外に攻撃の手が無いからね。
逆に、ミノタウロスは大外れ! 

オーガの本気モードを忠実に再現しているからね。
むしろ、戦闘マシーンとしては本人より強いかもね。
おらおら、つべこべ言ってないでさっさとトンカツになりやがれ!」

アビナ先生は、容赦なく無抵抗な子ブタをまる焼けにする。
豚は、ただの豚肉になった。

「ふん、お先に行くよ!」

アビナ先生は、豚肉を持って最終チェックポイントに向かった。

「ふむ。豚肉を取るのが確実の様ね。剣冴、子ブタを八つ裂きにするわよ!」

「確かに、チェックポイントとしては正解かもしれないけど、人としてはアウトでしょ?」

「ブッヒ―!(お助け!)」

剣冴の意見も虚しく、子ブタは槍で一突きにされた。
豚肉を持って、真槍ちゃんと剣冴も最終チェックポイントへ向かう。
ここに来て順位が完全に入れ替わってしまった。

 オレは、モニター越しにゆたかと霊子を確認する。
二人は他のグループと違い、魚介類を手に入れようとしていた。

「やっぱりおにぎりと言えば、具は鮭だよね。
霊子はイカ狙いだから、二人で協力してモンスターを倒そう」

「そうですね。私も改良したキョンシ―とグ―ル、グ―ラを持って来たのです。
だから、戦闘になってもバッチリです!」

霊子は、イカマシーンを遠隔操作し、自宅からキョンシ―、グ―ル、グ―ラを運んで来た。
イカマシーンが着陸し、三体が登場する。

しかし、キョンシ―とグ―ルの様子がおかしい。
全く動かず、命令を聴きもしない。

「あれ? おかしいですね。グ―ラは正常に動くのに……」

「ここに何か書いてあるよ」

「本当だ。キョンシ―は、私が破壊しました。
雑魚とはいえ、油断できませんからね。アビナより」

「なるほど、アビナ先生が先手を打っていたのか。キョンシ―から焦げたにおいがする」

キョンシ―は、アビナ先生の火炎攻撃により、お札が燃やされ動かなくなっていた。

「あああ、私のキョンシ―が……」

「やっぱり弱点が明確過ぎるよ。もっと分かり難くしないと……」

ゆたかは、グ―ルの身体を確認する。炎で攻撃された痕跡はない。

「うーん、グ―ルは炎の攻撃じゃないね。どうやって壊されたんだろ?」

「いえ、一目で分かりますよ。胸に巨大な穴が空いているじゃないですか。
これが動かない原因です。更に、関節を的確に攻撃している。真槍お姉様の仕業ですよ」

「おお、まだ剣冴君と結婚してもいないのに、あんなクソ女を姉と呼ぶとは……。
今の内から慣れておいた方が、将来的に楽だもんね」

「とにかくグ―ラは無事の様です。グ―ラと私達で、イカと鮭を倒さないといけません」

「セクシーな踊りを踊るグ―ラでどこまで対抗できるか分からないけどね。
私も封印していた包丁を使う時が来たね。
子供達に悪い影響を与えるから今まで封印していたけど、調理目的ならセーフ!」

「コンビニで包丁を見せたりとか、包丁や鉈で人を攻撃するのはアウトだからね。
みんなも社会のルールは守ってね!」

ゆたかと霊子もイカと鮭に戦闘を挑む。

 イカと鮭が合体した恐るべきモンスターが登場した。
見ていた試験官は不敵に笑う。

「ふっ、二つの食材を得ようとするとはなかなかの強食家だ。
しかし、それも外れだな。

二つの怪物が合成し、驚異のモンスターと化す。
倒すのは容易ではないぞ!」

試験管のおっさんが言う通り、ミノタウロスに匹敵するほどの怪物が誕生していた。
鮭をミサイルとして発射し、イクラを破裂させて攻撃する。

更に、イカの十本足の様な触手を持ち、かなりのパワーを誇る怪物となっている。
二人は、当たりとか、外れとか構わず攻撃し出した。

「まあ、人としては当たりですよ! 
弱い物を倒してもつまらないし、剣冴君に嫌われちゃう。
それなら、苦労して食材をゲットするのが彼女として当然の事です!」

「だね。それにこいつは、間違いなく男! グ―ラの色気が通用するはずだよ。
グ―ラに見とれてエロエロモードになっている隙に、肉をこそげ取る!」

ゆたか達は、グ―ラを嗾け、色気で攻撃する作戦に出た。
グ―ラは、魅惑的なダンスを踊り、オッパイを挑発的に持ち上げる。

ゆたかの改造により、幻のFカップへと昇華していた。
ただの人間の男ならば、この恐るべき攻撃を防げるはずはない。

「うっふーん、力の強そうな殿方ね。
思いっ切り揉みし抱いても良いのよ? 
どう、顔をこの胸に埋めても良いのよ?」

「何? 本当に良いのか?」

試験管のおっさんが激しく反応した。
グ―ラの誘惑に勝てず、オッパイに顔をうずめる。

「ほーら、幸福な攻撃をしてあげるわ。オッパイで顔をうずめて、息を止めちゃうわよ♡」

「おおう、頭では危険と分かっているのに、抵抗したくない。恐るべき攻撃だ! 
だが、俺の握力も半端ではないぞ! 逆に、この攻撃には耐えられるかな?」

「痛い! ああん、なんて力♡」

イカと鮭の合体したモンスターは、ラブラブし始めたグ―ラと試験管のおっさんを纏めて弾き飛ばした。
ウザかったし、怒りが込み上げて来ても仕方ない!

「エロって、自分がしていると気付かないけど、他の人から見ると超ムカつくね!」

「うん、モンスターが纏めて吹っ飛ばしてくれてスッキリしました。
でも、これで私達は、この怪物を包丁一本で相手にしないといけなくなりましたね」

「ちっ、試験管のおっさんさえ出て来なければ勝っていたのに……」

ゆたかと霊子は、ピンチに陥っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

最後の女

蒲公英
恋愛
若すぎる妻を娶ったおっさんと、おっさんに嫁いだ若すぎる妻。夫婦らしくなるまでを、あれこれと。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...