【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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第十章 引き離されたオレと冷菓!

第六十三話 二人だけのデート?

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 オレと真槍ちゃんは、ゆたかと別れて行動する。
本来なら、冷菓と奏子が捕われた状況で、真槍ちゃんとラブラブするのは抵抗があるかもしれない。

しかし、制作者としては、雑魚専噛ませの真槍ちゃんを作ったが、意外と良いキャラに仕上がる事はあるのだ。キャラが徐々に出来上がるにつれて、気に入ってしまう事もある。オレと結ばれる事は無くても、幸せに生きて欲しいと願う物なのだ。

真槍ちゃんは、制作者の想像を超えた準ヒロインと化していた。
その為、主人公のオレとラブラブ展開になる。
こればかりは、制作者が厭きるまで続くのだ。

果たして、オレはこのまま冷菓と結婚関係を回復するのか? 
それとも真槍ちゃんの恋人になってしまうのだろうか? 
戸籍上はどちらも赤の他人になっていた。

どちらの展開でも許される恐るべき舞台が整ったのだ。
幻のFカップがオレを魅惑的に誘っていた。
男性にこの攻撃は回避が難しいだろう。

オレがしばらく真槍ちゃんを見続けていると、ステルスはある方向へと向かう。
オレ達の眼の前には、巨大な遊園地が現れていた。
真槍ちゃんが見据える先には、この遊園地を指している。

ツンデレ要素のある真槍ちゃんだけに、直接オレをデートに誘う事は難しい。
そこで、子狐丸を修復するという理由をこじつけ、オレとこの遊園地でデートしようという考えなのだ。

冷菓と奏子が捕われている非常時だが、敵の捜索が難しいので、戦力となるオレと真槍ちゃんの連携を高めようとしているのだろう。
正直に言い出せない所が、余計にいじらしく感じる。

「ここに二人で遊ぶのかな? 
非常時だけど、ちょっとした息抜き、いや、オレを思っての気遣いは嬉しいよ。
他の客もいないようだし、三時間ほど二人で遊ぼう!」

オレは、真槍ちゃんの手を握り、遊園地へと向かう。
遊園地のフリーパスを買い、アトラクションへと向かおうとする。
最初は、気持ちを落ち着かせる為、絶叫系は避けた乗り物を選ぶ。

川を下りながら、ボートで冒険するというアトラクションか……。
多少の恐怖はあるが、最初のアトラクションとしては最適だろう。
他に客もいないので、オレ達はすぐにアトラクションに乗れるようだ。

果たして、面白いのだろうか? 
オレがアトラクションの入り口まで真槍ちゃんを連れて来ると、尻に衝撃が走る。

可愛い彼女を連れているから、不良共が嫉妬したのだろうか? 
そう思って振り返ると、後ろには真槍ちゃんしか見当たらなかった。
異様な雰囲気を醸し出す真槍ちゃんが、オレの尻を蹴ったのだ。

尻の穴を正確に突く一撃の蹴り。
突きという一点攻撃において、真槍ちゃんの右に出る者はいない。
オレは、その強烈な一撃を尻に受け、のた打ち回っていた。

このアトラクションは気に入らなかったのだろうか? 
先に食事をするべきだったかもしれない。

「ごめん、ごめん。一人で勝手に決めちゃって。えーっと、この場合は……。
先に食事にする? それとも他のアトラクションに乗るかな? それとも水着に着替えてプールで泳ぐ?」

「どれも却下よ!」

真槍ちゃんは、冷たく言い放った。
それは、心の準備も無くプールに突き落とされたような衝撃だった。
折角遊園地に来たのに……。

真槍ちゃんは、地図を指差してこう言う。

「アタシの目的は、ここに行く事よ!」

真槍ちゃんの指差した先は、遊園地のお土産ショップだった。
確かに、遊園地で存分に遊んだ後、帰り間際になる頃には、気に入るお土産などはすべて売り切れている可能性が高い。

その危険を避ける為、最初にお土産を買い揃えると言う人もいるだろう。
その後、お土産はロッカーに保管しておき、アトラクションなどを存分に楽しめるのだ。

素人には、中々難しい選択どころだが、客がいない時期には、お土産を買う事の方が重要なのだろう。
オレは、真槍ちゃんの意見を聴く事にした。

「分かったよ。先に、冷菓と奏子、ゆたかへのお土産を買い揃えるとしよう。
ゆたかも、一人で頑張っているんだもんな!」

オレの言葉を聞いても、真槍ちゃんの機嫌が良くなる事は無い。
常連との遊園地デートは、意外と落とし穴という事なのか? 
お互いが緊張し合い、折角のデートが台無しになってしまう!

「いつまで冗談を言っているつもりなのかしら? 
アタシは、子狐丸を直しに来たと言っているでしょう? 

信じられないかもしれないけど、ここでバトルナイツの衣装と共にこの槍を作ってもらったのよ。だから、子狐丸の修復もできると思うわ。
修復は、別の場所かもしれないけどね」

「そうなのか。ごめん、オレ一人で勘違いしていたよ」

オレは、落ち込んだ表情をする。
すると、真槍ちゃんは照れ笑いしながらこう言う。

「次は、遊びに来ようね♡」

オレは、思わずガッツポーズをする。

(ナイスツンデレ!)

オレは、真槍ちゃんを立派なツンデレキャラに仕立てようと考えていた。
オレの嫁になっても恥ずかしくない立派なツンデレに……。

真槍ちゃんは、お土産ショップへと入って行く。
店棚には、バトルナイツの衣装を着た真槍ちゃんと剣冴の姿が……。
どうやら、本当にここで衣装を作ってくれるらしい。

オレは、半信半疑で店の中へ入る。
本来は、定休日の様だが、店の中に人がいる様で、鍵が開いていた。
真槍ちゃんは、先に中へ入り、店の人を呼び出していた。

「どうも、姫野真槍です。店の人はいますか? 
予約も何もしてないんですけど、お願いがあって来ました!」

真槍ちゃんがそう叫ぶと、店の奥から若い女性が現れた。
半分下着姿と見間違うほどの短パンとTシャツを着ている。
こんな格好でいたら、風邪をひきますよと注意したくなる。

「おお、真槍ちゃん! と、隣にいるのは、まさか彼氏? と思ったら、光宮マモル君だったか。今日はどうしたの?」

店員は、初対面のはずなのにオレに対して扱いが軽い。
どこかで出会ったのだろうか? いまいち思い出せない。

「あの、オレと知り合いですかね? 初対面な気がするんですけど……」

「ああ、ちょっと待ってね!」

店員は、エプロンをしながら答える。
服が小さいだけに、裸エプロンの様に見えてしまう。
きっと、オレの心が汚れているから着てない様に見えるだけなんだ。

純真な心を持つ真槍ちゃんならば、裸エプロンになど見えないはずなんだ。
オレは無理をし、店員のエプロン姿を凝視する。
だんだん目が慣れて、エプロンの上からでも服が分かる様になって来た。

店員は、服を着ている。恥ずかしがる事なんてないんだ! 
オレが平常心で店員と話し合いが出来るようになると、真槍ちゃんが脇腹を突いて来る。

「ゴッフ!」

いくら槍女だからって、こんな時まで突きの修行する必要はないだろう。
そう思って真槍ちゃんを見ると、顔は笑顔でいるが、表情が笑っていなかった。
明らかに作り笑顔という感じでこう言う。

「マモル君、店員さんをガン見し過ぎ! 
裸エプロンみたいだからって、そんなに見たら警戒させるわよ!」

真槍ちゃんは、小声でオレにそう語り掛けているが、店員は聞こえたのかこう訊いて来た。
恐るべき地獄耳だ!

「え? 裸エプロンが着たいって? 
分かったよ、私がデザインした特注を持って来てあげるね♡」

店員は、真槍ちゃんが止めるのも聞かずに、一瞬で奥へ入って行く。
真槍ちゃんの裸エプロンか。きっと、良いお嫁さんになるだろうと思う。
オレは、期待を込めて待つ。

本来は、裸エプロンなど危険極まりない物だが、新婚には必須の衣装なのだ。
さすがに、五十代を過ぎた夫婦にはきついので、布地の多い服をお勧めする。
五十代くらいだと、OLのスーツ姿やナース服なんかが良いだろう。

日々働いている御主人には、嬉しいサービスといえる。
鉄板のメイド服とエプロン姿でのお出迎えも喜ばれる事だろう。
いきなりコスプレをすると、相手は引くので、徐々に慣れさせる方法が良いだろう。

御主人のお出迎えに、普段よりちょっとオシャレをする。
それが違和感なく上手く行けば、徐々にグレードアップして行き、最後はコスプレもできるようになるだろう。

夫婦が別れない様になる事の一つは、こういうサプライズの感謝が必要なのだ。
特別な日を祝うのではなく、特別な日にするように心掛けよう。

御主人も、偶にはケーキでも買って、妻に感謝のプレゼントでもしましょう。
それだけで、奥さんの機嫌は良くなるはずです。

店員は、ピンクの可愛らしいエプロンを持って来た。
まさに、真槍ちゃん戦用と言える。
果たして、その戦闘力はいかほどの物だろうか? 

今後の日本の未来を左右する装備が、今装着されようとしていた。
戦闘力は全く期待できないが、夫婦の絆を強めるアイテムとも言える。
少子化を回避するかもしれない兵器は、今オレの手の中にあるのだ!
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