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第十一章 金(ゴールド)と星(ランジェリー)
第七十五話 光宮マモルVS金熊童子
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オレは、傷付いた真槍ちゃんを少し離れたソファーに寝かせる。
銀行だからすぐに休ませる事の出来る場所があって良かった。
銀行員も数人しかおらず、今日は本来休業の様だ。
金熊童子が銀行強盗に来た為、警察が全力で犯行を阻止しようとしたらしい。
警察は、無残にも床に転がり眠っていた。ここでオレが金熊童子を倒さなければ、銀行強盗が成功し、冷菓と奏子の行方も知る事が出来ない。
絶対に負ける事の出来ない戦いが始まろうとしていた。
オレは、今までの金熊童子の攻撃から、奴の能力を細かく分析していた。
オレなら奴を捕らえる事が出来る。
金熊童子は、オレが真槍ちゃんを安全な場所にまで運ぶのを大人しく待ってくれていた。中々礼儀の分かる奴だ。巨体と口調からおっさんの様な印象を受けるが、基本的には紳士だった。
「お嬢ちゃんは、大丈夫だったかい?
一応、怪我が少ない様に手加減したんだが、最後の一撃だけは本気で攻撃しちまった。
顔や胸なんかが傷付いてなければ良いがな。
お嫁に行きそびれたら、責任を感じてしまうぜ」
金熊童子は、オレにそう尋ねる。
心配してくれる事には礼を言うが、オレは本気で奴を捕らえる。
下手な配慮では、オレの心を動かす事はできない。
「怪我は少ない、大丈夫だ。だが、オレに手加減は必要ないぞ。
全力でお前を捕らえ、犯罪者では本当の紳士になれない事を、貴様の身に叩きこんでやる。牢獄の中で貴様を真の紳士にしてやるぜ!」
金熊童子も不敵に笑う。
今までは、本気を出したら一瞬で消える様な奴らばかりだった為、全力の勝負をした事はかなり少ない。
オレの力量を測り、全力で倒さなければならない相手と判断したのだろう。
大剣を握る手に力を込める。
「どうやら本気で手加減は必要ないみたいだな。
オレが初対面で全力を出すのは、最初の犯行以来だぜ。
互角以上の相手がいるというのは、不思議と気分が良い者だな」
オレ達は、お互いに睨み合う。
オレは、金熊童子の能力を知っているが、奴は全く知らないだけに行動が慎重のようだ。
「お嬢ちゃんを守ろうとした時は、刀が鞭の様に変化した。
武器の形を変える能力の様だな。カウンター技が一番の得意技というわけだ。
徐々に腕力で攻めるのが得策のようだな」
オレの能力を警戒し、金熊童子は一定の距離を置いて戦う。
石飛礫をメインの攻撃にし、徐々にオレにダメージを与える作戦の様だ。
そんな消極的な作戦では、オレにダメージを与える事など出来ない。
オレは、ワープ能力を駆使し、金熊童子の背後に回る。
オレの姿が見えなくなった事で、焦りを感じたのだろう。
金熊童子は次元能力を駆使し、オレの子狐丸を重くする。
地面に吸い付くかのように、子狐丸が重くなる。
さすがのオレも、子狐丸を持つのがやっとであり、金熊童子を攻撃する事はできない。
金熊童子は、オレが背後にいる事に気付き、体勢を整える。
大剣を構えながら、ゆっくりとオレに近付いて来た。
「まさか、一瞬で背後に回られるとは思わなかった。
だが、残念だな。俺の次元能力は、攻防一体のバランスの取れた能力だ。
奇襲や不意打ちは出来ないぜ!」
金熊童子は、片手で大剣を振り上げ、オレを攻撃する。
おそらく一撃必殺の技だろう。
直撃を避けても、かなりの石飛礫がオレを攻撃する技だ。
オレは、咄嗟に子狐丸の形状を盾に変化させる。
オレは、金熊童子の大剣をまともに食らうが、盾で受け止める事が出来た。
威力はあるが、大剣だけの重みだった。
「ぬう、俺の攻撃を受け切るとは、さすがだな。次は、もっと威力を込めるぜ!」
金熊童子は強がっているが、オレが攻撃を耐えた事で動揺している事が分かった。
金熊童子の次元能力は、オレの予想通りの物だった。
「強がるのはよせ! 今のがお前の最後の勝機だったはずだ。
オレがお前の攻撃を理解出来たから、お前の攻撃を受け止める事が出来たんだ!」
「何の事かな?」
金熊童子は、あくまでも白を切るつもりだ。
オレは、金熊童子の能力を説明する。
「お前の能力は、相手の武器と自分の武器の重力を操る能力だ。
真槍ちゃんとの戦闘で粗方理解出来た。
真槍ちゃんの槍が重くなったのは、お前の武器の重量が、真槍ちゃんの槍に移ったからだ。
いくら真槍ちゃんが槍を扱い慣れていると言っても、突然に槍の重さが二倍以上になれば、上手く扱う事はできなくなる。
そして、お前が攻撃して剣を振り下ろす時には、槍の重力を奪ったんだ。
オレの誤算だったのは、槍の推進力もお前の攻撃力に変換された事だ。
あれが無ければ、真槍ちゃんは気絶する事無く救出できた。
そして、オレの子狐丸も重力が一気に強くなった。
それは、お前が能力の発動範囲を自分に攻撃する全ての武器にしているからだろう。
オレが真槍ちゃんを救出する為に、子狐丸を変化させたら武器の重さは元の重さに戻ったからな。
お前は、随分と慎重な奴だ。
しかし、攻撃して来る武器だけの重力を操るなら、対策はいろいろあるぜ!」
金熊童子は笑う。
「気に食わん奴だが、全て正解だ! だが、俺の能力をそう簡単に破れるわけが無い!」
金熊童子は、力任せに大剣を振るう。子狐丸の重さが一気に重くなる。
オレは、また子狐丸を盾に変化させ、重力による強化攻撃を防ぐ。
大剣だけの重みなら、防ぐのは簡単だ。
「まず、お前を攻撃しなければ、能力が発動する事は無い!」
「ぐう……」
金熊童子の動きが止まったのを見計らい、オレは子狐丸を元の刀に戻す。
「そして、お前が剣を振り下ろし、重さが軽くなった子狐丸でカウンター攻撃を仕掛ける。それだけで、お前はオレの攻撃を防ぐ事が出来ない!」
オレの宣言通り、金熊童子は子狐丸で切り傷を負った。
傷は小さいが、数を重ねて行けばダメージは蓄積して行く事だろう。
金熊童子は、オレの攻撃を数回受け、徐々に傷だらけになって行った。
「はあ、はあ、さすがに大軍を倒す能力条件では、お前を倒す事はできないようだな。
なら、一対一の戦闘法に切り換えるだけだ。
攻撃されるのを自動で重くするのではなく、俺の任意で重力変化を起こさせるのだ。
今まで、これで勝てなかった相手はいないぜ!」
金熊童子は、次元能力を切り換える。子狐丸に、急激な重さが加わる感覚を感じた。
子狐丸が地面に引き寄せられた瞬間、オレは遠心力を使い、身体全体で子狐丸を振り回す。
下手に重力に逆らわず、遠心力を駆使する事によって、重たい刀も一太刀する事が出来るのだ。
たった一撃だけだが、油断した金熊童子を攻撃する事が出来る。
大剣と子狐丸の重さの加わった恐るべき一撃は、金熊童子に向かう。
思わぬオレの攻撃に、金熊童子は大剣で防御するが、威力があり過ぎて防御し切る事が出来ない。
大剣は真っ二つに折れ、金熊童子はオレの前に膝を突いた。
金熊童子は武器も無く、次元能力を発動する事はできない。
「ふふ、本来は、重たい金庫も武器として扱う事により、重力を操っていたんだろうが相手が悪かったな。武器が無くなったお前は、オレの前に無力だ!
冷菓と奏子の元に案内してもらおうか? それとも、先に警察に捕まりたいか?」
オレは、金熊童子に二択を迫る。すると、オレの背後から鞭が襲いかかって来た。
オレは、咄嗟に避けて、背後の人物を確認する。
そこには、年齢が少し上だが、真槍ちゃん並の巨乳を持つ美女が立っていた。
その瞳は、全てを悟った様な目をしており、正体を隠すオシャレなメガネを掛けていた。相当のキレ者の様に感じられる。金熊童子は、美女を見て語りかける。
「星熊童子か、助かったよ!」
「ふふ、珍しい事もある物ですね。金ちゃんが、戦闘で敗北するとは……。
しかも、こんな坊やに……」
「油断し過ぎて、星ちゃんに連絡してなかったら、今頃はヤバイ状況だったよ」
「ふふ、私に感謝してくださいよね。では、金庫を奪って行きましょうか?」
金熊童子が金庫を触ると、子狐丸が地面に落ち、陥没して行く。
数十トンもある金庫が軽々と持ち上げられた。
その分、子狐丸に荷重がかかっているのだろう。
オレは、咄嗟に素手で美女に戦いを挑む。おそらくこいつが星熊童子だろう。
美女は、鞭を使い、オレの首を絞める。オレの首に鞭が巻き付くと、突然動きが止まる。
鞭が首に巻き付いたまま鉄の様に硬くなった。
気道は確保されているが、星熊童子に近付く事が出来ない。
「ごめんなさい。この金庫が、この街で最後の財産なの。
ここを奪えば、この街は潰れるわ。だから邪魔しないでね」
「くっそ、冷菓と奏子を返せ!」
星熊童子は、優しく微笑む。
「ふふ、そうか、あの子達を助けたいわけね。
なら、特別サービスに、次に狙う街を教えてあげる。
そこでなら、あなた達と本気で勝負してあげるわ。
今回は、金熊童子の負けだけど、この金庫の財産を渡すわけにはいかないの。ごめんね」
星熊童子は、金庫が飛行船に乗るのを確認すると、鞭を使いオレを攻撃する。
鉄の様に硬かった鞭は、ただの鞭になり、オレを壁に叩き付けた。
それと同時に、次に行く街の情報を書いた紙をオレに渡した。
オレが倒れた所に、♡マークの付いた手紙が落ちる。
「じゃあ、次に会うのを楽しみにしているわ。光宮マモル君♡」
金熊童子と星熊童子は、飛行船に乗り飛び発って行った。
銀行だからすぐに休ませる事の出来る場所があって良かった。
銀行員も数人しかおらず、今日は本来休業の様だ。
金熊童子が銀行強盗に来た為、警察が全力で犯行を阻止しようとしたらしい。
警察は、無残にも床に転がり眠っていた。ここでオレが金熊童子を倒さなければ、銀行強盗が成功し、冷菓と奏子の行方も知る事が出来ない。
絶対に負ける事の出来ない戦いが始まろうとしていた。
オレは、今までの金熊童子の攻撃から、奴の能力を細かく分析していた。
オレなら奴を捕らえる事が出来る。
金熊童子は、オレが真槍ちゃんを安全な場所にまで運ぶのを大人しく待ってくれていた。中々礼儀の分かる奴だ。巨体と口調からおっさんの様な印象を受けるが、基本的には紳士だった。
「お嬢ちゃんは、大丈夫だったかい?
一応、怪我が少ない様に手加減したんだが、最後の一撃だけは本気で攻撃しちまった。
顔や胸なんかが傷付いてなければ良いがな。
お嫁に行きそびれたら、責任を感じてしまうぜ」
金熊童子は、オレにそう尋ねる。
心配してくれる事には礼を言うが、オレは本気で奴を捕らえる。
下手な配慮では、オレの心を動かす事はできない。
「怪我は少ない、大丈夫だ。だが、オレに手加減は必要ないぞ。
全力でお前を捕らえ、犯罪者では本当の紳士になれない事を、貴様の身に叩きこんでやる。牢獄の中で貴様を真の紳士にしてやるぜ!」
金熊童子も不敵に笑う。
今までは、本気を出したら一瞬で消える様な奴らばかりだった為、全力の勝負をした事はかなり少ない。
オレの力量を測り、全力で倒さなければならない相手と判断したのだろう。
大剣を握る手に力を込める。
「どうやら本気で手加減は必要ないみたいだな。
オレが初対面で全力を出すのは、最初の犯行以来だぜ。
互角以上の相手がいるというのは、不思議と気分が良い者だな」
オレ達は、お互いに睨み合う。
オレは、金熊童子の能力を知っているが、奴は全く知らないだけに行動が慎重のようだ。
「お嬢ちゃんを守ろうとした時は、刀が鞭の様に変化した。
武器の形を変える能力の様だな。カウンター技が一番の得意技というわけだ。
徐々に腕力で攻めるのが得策のようだな」
オレの能力を警戒し、金熊童子は一定の距離を置いて戦う。
石飛礫をメインの攻撃にし、徐々にオレにダメージを与える作戦の様だ。
そんな消極的な作戦では、オレにダメージを与える事など出来ない。
オレは、ワープ能力を駆使し、金熊童子の背後に回る。
オレの姿が見えなくなった事で、焦りを感じたのだろう。
金熊童子は次元能力を駆使し、オレの子狐丸を重くする。
地面に吸い付くかのように、子狐丸が重くなる。
さすがのオレも、子狐丸を持つのがやっとであり、金熊童子を攻撃する事はできない。
金熊童子は、オレが背後にいる事に気付き、体勢を整える。
大剣を構えながら、ゆっくりとオレに近付いて来た。
「まさか、一瞬で背後に回られるとは思わなかった。
だが、残念だな。俺の次元能力は、攻防一体のバランスの取れた能力だ。
奇襲や不意打ちは出来ないぜ!」
金熊童子は、片手で大剣を振り上げ、オレを攻撃する。
おそらく一撃必殺の技だろう。
直撃を避けても、かなりの石飛礫がオレを攻撃する技だ。
オレは、咄嗟に子狐丸の形状を盾に変化させる。
オレは、金熊童子の大剣をまともに食らうが、盾で受け止める事が出来た。
威力はあるが、大剣だけの重みだった。
「ぬう、俺の攻撃を受け切るとは、さすがだな。次は、もっと威力を込めるぜ!」
金熊童子は強がっているが、オレが攻撃を耐えた事で動揺している事が分かった。
金熊童子の次元能力は、オレの予想通りの物だった。
「強がるのはよせ! 今のがお前の最後の勝機だったはずだ。
オレがお前の攻撃を理解出来たから、お前の攻撃を受け止める事が出来たんだ!」
「何の事かな?」
金熊童子は、あくまでも白を切るつもりだ。
オレは、金熊童子の能力を説明する。
「お前の能力は、相手の武器と自分の武器の重力を操る能力だ。
真槍ちゃんとの戦闘で粗方理解出来た。
真槍ちゃんの槍が重くなったのは、お前の武器の重量が、真槍ちゃんの槍に移ったからだ。
いくら真槍ちゃんが槍を扱い慣れていると言っても、突然に槍の重さが二倍以上になれば、上手く扱う事はできなくなる。
そして、お前が攻撃して剣を振り下ろす時には、槍の重力を奪ったんだ。
オレの誤算だったのは、槍の推進力もお前の攻撃力に変換された事だ。
あれが無ければ、真槍ちゃんは気絶する事無く救出できた。
そして、オレの子狐丸も重力が一気に強くなった。
それは、お前が能力の発動範囲を自分に攻撃する全ての武器にしているからだろう。
オレが真槍ちゃんを救出する為に、子狐丸を変化させたら武器の重さは元の重さに戻ったからな。
お前は、随分と慎重な奴だ。
しかし、攻撃して来る武器だけの重力を操るなら、対策はいろいろあるぜ!」
金熊童子は笑う。
「気に食わん奴だが、全て正解だ! だが、俺の能力をそう簡単に破れるわけが無い!」
金熊童子は、力任せに大剣を振るう。子狐丸の重さが一気に重くなる。
オレは、また子狐丸を盾に変化させ、重力による強化攻撃を防ぐ。
大剣だけの重みなら、防ぐのは簡単だ。
「まず、お前を攻撃しなければ、能力が発動する事は無い!」
「ぐう……」
金熊童子の動きが止まったのを見計らい、オレは子狐丸を元の刀に戻す。
「そして、お前が剣を振り下ろし、重さが軽くなった子狐丸でカウンター攻撃を仕掛ける。それだけで、お前はオレの攻撃を防ぐ事が出来ない!」
オレの宣言通り、金熊童子は子狐丸で切り傷を負った。
傷は小さいが、数を重ねて行けばダメージは蓄積して行く事だろう。
金熊童子は、オレの攻撃を数回受け、徐々に傷だらけになって行った。
「はあ、はあ、さすがに大軍を倒す能力条件では、お前を倒す事はできないようだな。
なら、一対一の戦闘法に切り換えるだけだ。
攻撃されるのを自動で重くするのではなく、俺の任意で重力変化を起こさせるのだ。
今まで、これで勝てなかった相手はいないぜ!」
金熊童子は、次元能力を切り換える。子狐丸に、急激な重さが加わる感覚を感じた。
子狐丸が地面に引き寄せられた瞬間、オレは遠心力を使い、身体全体で子狐丸を振り回す。
下手に重力に逆らわず、遠心力を駆使する事によって、重たい刀も一太刀する事が出来るのだ。
たった一撃だけだが、油断した金熊童子を攻撃する事が出来る。
大剣と子狐丸の重さの加わった恐るべき一撃は、金熊童子に向かう。
思わぬオレの攻撃に、金熊童子は大剣で防御するが、威力があり過ぎて防御し切る事が出来ない。
大剣は真っ二つに折れ、金熊童子はオレの前に膝を突いた。
金熊童子は武器も無く、次元能力を発動する事はできない。
「ふふ、本来は、重たい金庫も武器として扱う事により、重力を操っていたんだろうが相手が悪かったな。武器が無くなったお前は、オレの前に無力だ!
冷菓と奏子の元に案内してもらおうか? それとも、先に警察に捕まりたいか?」
オレは、金熊童子に二択を迫る。すると、オレの背後から鞭が襲いかかって来た。
オレは、咄嗟に避けて、背後の人物を確認する。
そこには、年齢が少し上だが、真槍ちゃん並の巨乳を持つ美女が立っていた。
その瞳は、全てを悟った様な目をしており、正体を隠すオシャレなメガネを掛けていた。相当のキレ者の様に感じられる。金熊童子は、美女を見て語りかける。
「星熊童子か、助かったよ!」
「ふふ、珍しい事もある物ですね。金ちゃんが、戦闘で敗北するとは……。
しかも、こんな坊やに……」
「油断し過ぎて、星ちゃんに連絡してなかったら、今頃はヤバイ状況だったよ」
「ふふ、私に感謝してくださいよね。では、金庫を奪って行きましょうか?」
金熊童子が金庫を触ると、子狐丸が地面に落ち、陥没して行く。
数十トンもある金庫が軽々と持ち上げられた。
その分、子狐丸に荷重がかかっているのだろう。
オレは、咄嗟に素手で美女に戦いを挑む。おそらくこいつが星熊童子だろう。
美女は、鞭を使い、オレの首を絞める。オレの首に鞭が巻き付くと、突然動きが止まる。
鞭が首に巻き付いたまま鉄の様に硬くなった。
気道は確保されているが、星熊童子に近付く事が出来ない。
「ごめんなさい。この金庫が、この街で最後の財産なの。
ここを奪えば、この街は潰れるわ。だから邪魔しないでね」
「くっそ、冷菓と奏子を返せ!」
星熊童子は、優しく微笑む。
「ふふ、そうか、あの子達を助けたいわけね。
なら、特別サービスに、次に狙う街を教えてあげる。
そこでなら、あなた達と本気で勝負してあげるわ。
今回は、金熊童子の負けだけど、この金庫の財産を渡すわけにはいかないの。ごめんね」
星熊童子は、金庫が飛行船に乗るのを確認すると、鞭を使いオレを攻撃する。
鉄の様に硬かった鞭は、ただの鞭になり、オレを壁に叩き付けた。
それと同時に、次に行く街の情報を書いた紙をオレに渡した。
オレが倒れた所に、♡マークの付いた手紙が落ちる。
「じゃあ、次に会うのを楽しみにしているわ。光宮マモル君♡」
金熊童子と星熊童子は、飛行船に乗り飛び発って行った。
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