【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

文字の大きさ
185 / 302
第十一章 金(ゴールド)と星(ランジェリー)

第七十六話 宝石の街『ランジェリー』

しおりを挟む
 オレ達は、金熊童子と星熊童子に負けた。
彼らの犯行を知っていながら、みすみす金庫を奪われ、逃がしてしまったのだ。

オレは、真槍ちゃんを背負いながら銀行を後にする。
すると、ゆたかが黒い布を持って立っていた。

「これ、Eカップ警部のブラジャーとパンティ―。思わず拾ったけど、どうしよう?」

ゆたかは、黒い布を広げながら尋ねる。
幾島警部は、怪盗エロベアに狙われ、一糸まとわぬ姿で逃げ出したのだ。

女性としてこれほどの屈辱は無いだろう。
結局、オレ達は全ての犯罪を防ぐ事が出来なかったのだ。

「これは、後でオレが幾島警部に帰しておくよ」

オレは、盗品を受け取り心の中で誓った。
いずれは、七天童子も怪盗エロベアも逮捕してやると……。
だが、オレの持っている能力は低く、それら全てを捕まえるにはかなりの時間が必要だ。

今度ばかりは、自分の力の無さを痛感した。
盗品の黒い布を見つめ、確信する。
これも、持ち主の元に戻る可能性は低いだろうと……。

ちなみに、怪盗エロベアが奪っていったのは、幾島警部の下着だけではなかった。
ゆたかがいた二日間の間に、女性の下着狩りする輩が現れていたのだ。
この街のランジェリーショップから全ての下着が売り切れていた。

 オレ達はホテルに戻り、作戦を練り直す。
真槍ちゃんが気絶しているので、ホテルのベッドに寝かし、ゆたかを監視しながら食事をする。真槍ちゃんが気絶しているので、近くのレストランで簡単に済ませる事にした。

「げっ、一人三千円は必要だな。お金が少し足りない。ゆたか、いくらぐらいある?」

「お金、持ってない」

ここの街は高く、夕飯さえも買えないレベルだった。
オレ達は、仕方なく以前の夕飯の残りを食べる。真槍ちゃんは、しばらくすると目を覚ました。
オレは、悲しい知らせを告げる。真槍ちゃんは黙って聞いていた。

「そう、新たな敵が出て来たのね。星熊童子か、そいつもかなり強そうね」

「ああ、鞭を巧みに操っていたよ。
おそらく何らかの次元能力を使っているらしい。
どんな能力かまでは特定できなかった」

「そうか。でも、次の街の情報があるのは助かるわ! 
これで、次の目的地が決まったわね!」

「でも、本当の情報か分からないよ。嘘を教えているかもしれない」

「行くしかないでしょう。それに、この手のタイプは、嘘を言わないわよ。
予告状でアタシに挑戦状を叩き付けて来たわ! 良い根性しているじゃない!」

真槍ちゃんにそう言われ、予告状を改めて確認するとこう書いてあった。

「姫野真槍ちゃんへ。私は、あなたをライバル(遊び相手)と認定いたしました。
もし勇気がお有りでしたら、宝石の街『ランジュリー』で泥棒対決をしませんか? 
勝負は一週間後の午後五時に開始します。宝石『真紅のルビー』をかけて戦いましょう。

どんな方法で手に入れても良いですが、最低限予告時間前に盗むのは無しというルールで勝負しましょう。
お受けになる場合は、警察官の幾島という警部にお伝えください。

もちろんあなたが勝った場合の条件もお伝えください。
冷菓さんと奏子さんを助けるなら、この機会しかありませんよ。 
あなたの星熊童子より♡」

この予告状を見て、ゆたかは興奮する。

「これは、勝負するしかないね。
宝石(ランジェリー)をかけて、奴の正体を白日の元に晒すしかない!」

「えらいやる気満々ね。
じゃあ、こんな高いホテルはさっさとチェックアウトして、幾島警部に予告状の返事を出した後、宝石の街『ランジェリー』へ出発するわよ!」

オレ達は、警察所に行き、予告状の返信を出した。
手紙は、ゆたかが書いたという。
これで、戦いの準備が整ったのだ。

オレ達は、ステルスに乗り、新たな街へと飛び立って行った。
一時間ほどして、光り輝くネオンの街が見えて来た。

昼間はそれほど明確でもないが、夜は眩いほどの輝きを発している。
こんな街のホテルは、やはり高いんだろうと思っていると、店員がこう言い始める。
店員は、三つ編みヘアーでメガネをかけた地味めな女性だ。

「本日は、料理記念フェスタとなっております。
世界各国の料理人が集まり、料理を競い合うのです。
もしも、腕に自信のある料理人でしたら、ホテル代は無料で提供していますよ。

ただし、料理大会に無条件で参加してもらいますけど……。
恥をかきたくないのなら、通常の料金でお部屋を提供させていただいています。
どうされますか?」

真槍ちゃんは、一瞬オレを見て参加したい事を目でアピールした。
どうせ大した料理は作れないが、されでも良いなら参加すれば良いだろう。
オレはそう思い、黙って頷いた。真槍ちゃんは、オレが許可した事を悟るとすぐに尋ねる。

「あの、大会の時間はいつ頃ですか? 実は、大切な勝負が一週間後にあるんです!」

店員は、カレンダーを見て日付を確認する。

「あー、丁度一週間後ですね。開始時刻は、午後七時からです。どうされますか?」

「えっと、星熊童子との勝負が午後五時だから、二時間ほどの差があるわね。
参加できるか、微妙な時間帯ね」

「星熊童子ですか? 彼女は、この大会の優勝候補です。
彼女との勝負でしたら、特別待遇をいたしますが……」

「キャー、良いんですか? じゃあ、参加します! 
まあ、本当の勝負は泥棒対決なんだけど……」

「別に構いませんよ。
彼女には、パフォーマンスとして泥棒してもらい、この街を潤してもらっているわけですからね。警察に捕まらない限りは、英雄ですよ!」

「へー、金熊童子とは真逆の扱いね。
あっちの街は、金庫を盗られて壊滅状態だと言っていたのに……」

「まあ、金熊童子の活動していた街は、大企業との繋がりのある者が職権を乱用して、犯罪者だろうとのさばっていた街ですからね。
女性なんて、目を付けられたら最後、強姦やレイプが合法的に許されていた街ですからね。

大企業の幹部や親戚達は、巨額の金を投資してでも、金熊童子を無き者にしたかったようです。しかし、我々から見たら、彼らの方が正しい様にさえ感じられる。
彼らも、大企業幹部から酷い扱いを受けていたと聞きますからね。

女性を襲い、子供は殺される。
運良く生き延びた子供だけが施設に送り込まれると聞きます。
その中で、機械の様な表情をした子供がたくさんいるそうです。

そんな子供達を救おうと、私の姉もあの街へ出稼ぎに行ったのですが、酷い目に遭い帰って来ました。

その姉の意志を汲み取って、子供達がこの街に住める制度を作ったんですよ。
私の夢は、ここで子供達が幸せに暮らせる事なんです」

女店員は、そう確信を込めて語る。

「へえ、良い夢ですね。頑張ってください!」

「応援ありがとうございます。
でも、このホテルの所有権と経営権はまだないんです。

従業員として雇われていますから……。
せめて、このホテルのオーナーに成れれば良いんですけど」

真槍ちゃんは、料理大会のパンフレットに目を通す。
やはり優勝賞品が気になったようだ。

「あれ? でもここに、優勝賞品は、このホテルの所有権と経営権って書いてありますよ」

「そうです! だから私も参加するんです!
あなたや星熊童子がいるから勝つのは難しいと思いますが、料理の訓練をして勝つつもりです!」

女性店員は、熱く自分の勝利を宣言する。
そこに、オレ達の知り合いも話に加わって来た。

幾島警部がサングラスを外しながらこう言う。
Vネックの白いセーターを着こなし、Eカップが強調されている。

「悪いけど、私も参加するわ。
ここのホテルが無料になるし、一週間は滞在する予定だからね。問題ある?」

「いえ、結構ですよ。相手にとって不足はありません」

女性店員は、脅えた表情をしながら、幾島警部の登録を済ませる。
幾島警部は、真槍ちゃんにも挨拶をする。

「ふふ、昨日はとんだ目に遭ったけど、次は負けないわよ。
宝石も死守するし、このホテルの所有も譲れないわね!」

そうカッコ良く宣言する幾島警部に対し、ゆたかのエロベアソードが反応する。
幾島警部は、一瞬にして童貞殺しのセーターを着こなしていた。
背中が大きく開き、解放的な気分になっている。

彼女は何も気付かずに、ホテルの部屋へと案内された。
五分後、ホテルの部屋から悲鳴が木霊した。

オレ達の部屋は、隣だったから余計に大きく聞こえる。
殺人事件並みの叫び声だった。
幾島警部は、部屋で脅えながらゆたかの書いた予告状を確認する。

「一週間後の午後五時、宝石『真紅のルビー』を頂戴する。
対戦相手に、星熊童子とか言う巨乳美女や、売れない雑魚専アイドル姫野真槍、エロい格好の女刑事の幾島警部などがいるが、負けた者達は私の用意した宝石下着(セクシーランジェリー)を付けて撮影会をしてもらう。

どうせ勝つのは私だ! 
身体を綺麗に洗って待っていろ! 
怪盗エロベアより」

いつの間にか、負けたら宝石下着(セクシーランジェリー)を付けて撮影会という恐ろしい勝負になっていた。
果たして、負けるのは誰だろうか?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

最後の女

蒲公英
恋愛
若すぎる妻を娶ったおっさんと、おっさんに嫁いだ若すぎる妻。夫婦らしくなるまでを、あれこれと。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...