【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

文字の大きさ
205 / 302
第十三章 空中都市『エムロード』 酒呑童子との死闘!

第九十六話 迫りくる酒呑童子の脅威!

しおりを挟む
 オレは、彼らに起こった事情が良く分からず、茨木童子(光宮悟)に詳しく事情を話す様に促す。

オレの実力を知り、オレに助けを求めて来たのは良いが、茨木童子は慌てていて、冷静さを失っていた。それでは、何をどう助ければ良いかも分からない。
彼ほどの奴がここまで慌てるなど、かなりの脅威が迫っている事は予想される。

「分かったから、少し落ち着いて話せ。じゃないと、どう助ければ良いかも分からないよ」

縋り付く様に近付く茨木童子に、オレが優しくそう話していると、茨木童子の身体がビックンと跳ね上がった。そして、そのまま意識を失い、オレに抱き付く様に靠れかかる。

オレ達全員は、何が起こったか分からなかったが、茨木童子の背後から出現した奴のせいである事は認識できた。茨木童子の背後に、突然現れたのは、酒呑童子(芸名:姫状瑠璃)だった。

アンドロイドの身体を使い、指先をスタンガンの様に変化させて、茨木童子を気絶させたのだ。顔は笑っているが、登場の仕方と行動によって、オレ達全員を動揺させる。
その酒呑童子が、独り言のように呟いた。

「やれやれ、お使い一つも出来ないとは……。四天王にも、茨木童子にも困ったものね。
ましてや、敵である光宮マモルに助けを求めるとは、ちょっときついお仕置きが必要かしらね?」

「くっ、酒呑童子、いや姫状瑠璃の方が良いのか? どう呼んだら良い?」

緊急事態だけど、オレは彼女にそう語りかける。
名前を統一していないと、語りかけるのも面倒くさいからな。

「ふふ、酒呑童子で良いわよ。私は、あなたを殺す気満々だからね。
私の茨木童子を誑かし、惑わした罪は重いわ。死を持って償いなさい、光宮マモル!」

酒呑童子がそう宣言すると、ブラックホールの様な空間が現れ、オレと真槍ちゃん、ゆたかを呑み込んで行く。同時に、酒呑童子もその空間に入り込んでいた。

気が付くと、オレ達は空中都市『エムロード』の上空に移動していた。
都市の中にいたはずなのに、高圧ガラスや海水を通らずに、上空へ移動させられたのだ。

酒呑童子も上空へ移動しており、ジェット推進によって空中に浮いていた。
オレ達三人にこう語りかける。

「ふふ、ブラックホールに入り込んだと思ったか? 
その方が、楽に死ねたかもしれませんね。
残念ながら、私の次元能力は、敵を一瞬で殺せるようなタイプの物ではないのです。

光宮マモルの使うワープ能力と原理は同じですよ。
ただ違うのは、私の体内には、膨大なエネルギー源が存在するという事です。
アンドロイドなのでね、電気系のエネルギーは無尽蔵にあるのです。

だから、人間数人を移動させるなど、簡単な事なのです。
では、そろそろ処刑タイムにしましょうか? 
私の可愛いペット達と遊んでください。

万が一、あなた達が勝てたら、私の城に再び訪れる事を許可しましょう。
では、頑張ってね♡」

酒呑童子がそう言うと、上空の何もない空間に、巨大なブラックホールが出現した。
ブラックホールは七つあり、一つの大きさが巨大な空母を呑み込めるほども大きかった。

オレ達が見ていると、それぞれのブラックホールから巨大な怪物が出現する。
色の違う巨大なドラゴン達が、酒呑童子の次元能力によって上空に出現した。

かつて、オレと光宮冷菓で一緒に倒した黄金のドラゴンが思い出される。
その圧倒的な戦闘力を持つ怪物が、今度は七体もいるのだ。
オレに恐怖を通り越し、畏怖の念さえも感じさせる。

「ふふ、ドラゴンの語源には、監視する事、見る事を意味するドラゴーンです。
私のペットとしてとてもふさわしいでしょう♡
万が一にも勝てたら、ですけどね♡」

酒呑童子は、自分の圧倒的勝利を感じて、二度同じ事を繰り返した。
オレは、すでにこの時点で悟っていた。
オレでは、この巨大なドラゴンと戦う事さえできないと……。

なぜなら、上空に足場は全く無く、オレに飛行能力は無かったからだ。
自由落下によって、地面に落ち始めていた。酒呑童子もそれが分かっているのだろう。
勝負条件を付け加える。

「まあ、勝負に参加できるのは、最低限空を飛べる事が条件ですけど……」

早くもオレのリタイヤが予想されていた。
真槍ちゃんやゆたかは、空を飛べる方法を持っており、戦いに参加する条件をクリアしていた。

真槍ちゃんは、槍のジェットエンジンを使い飛行し、空中都市『エムロード』の上に着地する。
空中戦と呼び難いが、足場を確保する事はできた。

ドラゴン達が真槍ちゃんに近付いてくれば、槍で攻撃する事が出来るだろう。
接近戦になれば、真槍ちゃんにも勝機はある。

ゆたかも、ペンギン型IPET『フンボル』を使い、空中戦が出来るようになっていた。エアバイクの様に『フンボル』を乗りこなし、エロベアソードを片手に構えていた。

おそらく空中戦も考慮に入れていたのだろう。
オレだけが空を飛べず、自由落下に身を任せていた。

「ああああ! ああ、空と海が綺麗だな……」

あまりの出来事に、オレは恐怖から悟りの境地へ到達していた。
どう足掻いても死ぬと……。すると、子狐丸が光出し、子狐が出現した。
子狐は、呆れた表情でオレを見る。

「死にかけている割には、呑気な奴だな。助ける気だったけど、助けない方が良いのか?」

オレに切り札があると勘違いしたのだろう。
この状況を助けた方が良いのか訊いて来た。
オレは、それを聴き、即答した。

「助けてくれ! 実は、絶体絶命の状況だったので、悟りの境地に達していたんだ!」

「ほう、緊張感のない奴。そのおかげで多くの敵と戦って来られたのかもな。
良いだろう、僕がサポートしてやるよ。

僕の次元能力は、炎だからお前を支えるジェット噴射くらいはできる。
これなら、地上と同様に戦えるだろう!」

オレの脚からジェット噴射が出来るようになり、地面の激突を免れた。
ジェット噴射が出来ても安心はできない。オレは、子狐に尋ねる。

「子狐、ジェット噴射の制限時間はどのくらいだ? 
十五分とか短いと、ドラゴンを倒す事は不可能なんだが……」

「空を飛べるようになったら、今度は制限時間を気にするようになったか? 
さすがに戦い慣れているだけはあるな! 安心しろ、数十時間は飛び続ける事が出来る!」

「ほう、ならあのドラゴン達を倒すのに十分な時間があるな。サポートは任せたぞ!」

「ほう、面白い! まずは、どいつをマークするんだい? 
雑魚から倒して行くのがセオリーだぜ!」

子狐は、脅える事無くそう言う。おそらくオレの性格に影響されているのだろう。
それでこそ、阿吽の呼吸が出来るというものだ。
酒呑童子は、オレが飛行できる事を悟ると、こう言い残して去って行く。

「ふーん、第一条件は、全員クリアしたか。面白いわね。それでこそ倒し概があるわ。
では、私もドラゴン達を駒の様に操る為、『エムロード』に戻らせてもらう。

言っておくけど、ドラゴンの身体能力を使っても、この空中都市を落とす事はできないわよ。
私が許可した方法以外では、この『エムロード』に傷一つ与える事はできないからね!」

確かに、空中都市『エムロード』は、相当目立つ構造物だ。
戦闘機などを使えば、楽に撃墜できる様な見かけだ。
その事を危惧し、大型戦闘機でも破壊できない工夫がされているのだろう。

酒呑童子の次元能力を考えれば、事前に工夫する事など朝飯前だろう。
だからこそ、彼女の武器として巨大なドラゴンを呼び出す事が出来るのだ。
ゲームの駒としては、オレ達が三人なのに対し、ドラゴン達は七匹。

オレ達の圧倒的不利は、明らかだ。
オレ達の頭脳と次元能力を駆使しなければ、一瞬で終わってしまう。
オレは、ゆたかに指示を出し、作戦を伝える。

いくら酒呑童子が監視していると言っても、細かい動作までは分からないはずだ。
そこを狙い、ゆたかにしか出来ない秘密の作戦を教える。
ゆたかは、オレの指示を見て、ドラゴン達を挑発し出す。

コマイヌを餌に、ドラゴン達を引き付けようとしていた。
他に美味そうなIPETもいないし、コマイヌが無難な選択だった。
コマイヌは、オレの狙い通り騒ぎ出す。

「嫌―、私を餌にする気ね。ダメ、ヤ・メ・テ・♡」

コマイヌの抵抗も虚しく、ドラゴン達はゆたかの周りに集まった。
騒ぐだけで注目するし、コマイヌが餌に見えたのだろう。
ゆたかを追い駆け、数匹のドラゴンが集まる。

ゆたかは、ドラゴン達から逃れる為、更に上空へ上って行く。
ドラゴン達は、引き攣られる様にゆたかの下へ集まった。

「今だ! 喰らえ、ウラランアタック!」

ゆたかは、猫型IPET『ウララン』を出し、巨大化させる。
ウラランは、自然落下によって下へ落ちて行き、下にいた四匹のドラゴンを道連れに落下させた。

これで、残りのドラゴンは三匹。オレ達と三匹のドラゴンの死闘が開始される。
四匹のドラゴンが落下しても、酒呑童子は余裕だった。

「あらあら、ドラゴンの習性を上手く利用したわね。
なら、ドラゴンに電気信号を与え、私が完全に操るしかないですね。
各個攻撃であなた達を打ち破ってあげましょう!」

海外では、人間がマウスを完全に操る研究をしている。
その技術を使い、酒呑童子はドラゴンを制御し始めた。

完全な駒となったドラゴンに、今の技は通用しない。
オレと酒呑童子との頭脳戦は、始まったばかりなのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...