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最終章(仮) 秘められた願い! 絶対に明かしてはいけない真実!
第百九話 黒沢勝昭と夕景ゆたか
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黒沢勝昭の研究により、オレの妻・冷菓は肉体を改造されていた。
二つある卵巣のうち、一つがキメラとなった異形の子供を生み出すらしい。
人間の子宮を通す事により、本来不安定なキメラ化を上手く安定させる。
生まれる子供は、冷菓の子宮による保護により、今までと全く違うキメラになるという。
キメラと人間、どちらが産まれるかは産んで見なければ分からないが、ちゃんと冷菓と人間の男性の遺伝子を受け継ぐそうだ。
黒沢勝昭の目的は、オレの目の前で冷菓と交わり子供を宿す事なので、まだ子供自身は産まれることはない。
将来、オレと冷菓が交わっても、キメラ化した子供を産み可能性があるのだ。
勝昭は、その事実を告げる事で、オレに動揺を与えようとした。
確かに、生まれてくる子供がキメラ化するのは、親として心配な要素はある。
しかし、ここで突き放しては、もっと大切なものを失ってしまうかもしれない。
「勝昭、お前は心の底は優しいのかもな。
もしも本当にオレを潰す気なら、すでに冷菓と交わり、子供を設けたと言えば、オレは再起不能に陥ったかもしれない。
かつては、お前の経験した苦しみだ。
だが、お前はそれをしなかった。
心の底は、子供を大切にしたいと願っているのだろう?
これでオレと冷菓が結ばれたら、生まれてくる子は間違いなくお前の子孫だ。
人生の先輩として、オレの子供を一緒に育てて欲しい。
一度切られた幸せだが、ここからまた繋げて見てはいけないか?
今は、苦しいかもしれないが、必ず幸せを感じる時は来る。
人生ってそういうものだろう?
失敗して、何度も失敗を繰り返し続ける時期もあるが、それでも頑張って続けていく事で、
その絶望的な期間を乗り越えて行くことが出来る。
それには時間、忍耐、そして人との繋がりが必要だ。
オレ達と繋がりを持ち、憎しみという絶望感を乗り越えてくれ!
お前ならそれができる!」
『死の回廊(デススパイラル)』
仕事や日常生活などで失敗をして、精神的に追い込まれた危険な状態。
この状態になると、失敗に失敗が続き、成功した事がないように思い込む。
本来は、成功した場合もあるはずなのに、それを小さな事と見なして、失敗ばかりを気に病む。
軽い鬱病から徐々に重くなっていき、最終的には自殺か殺人までになって行く。
自分が悪い悪いと思い込めば、自殺に至るし、他人が理解してくれないと活かれば、殺人に至ってしまう。
治すには、長い時間と忍耐強さ、理解ある家族が必要となる。
「ふう、さすがに修羅場をくぐってきただけはあるな。
確かに、人生が順調に成功している奴は知らないだろうが、一度この絶望感に陥ったら、容易に抜け出すことはできない。
失敗を繰り返さないように努力しても、絶望感のせいで投げやりになってしまうのだ。
必ずと言って良いほど失敗する。
それでも諦めずに改善して生き、人々の励ましによって徐々に自信とやる気を回復して行くしかない。
光宮マモル、俺を遥かに超えた実力者のようだな!
だが、それでも、俺はまだ黒沢エレンを、俺の妻を奪った男の遺伝子をゆるせずにいる!
エレンは、確かに被害者だ。
それは頭では分かっているのだが、心は付いていかない。
せめて、妻の愛ある一言でも聞ければ許せるのかもしれぬが、それは永久に叶わない!」
オレの言葉に対応している為、勝昭は後僅かで野望を諦めるだろう。
だが、オレにはその後僅かが及ばない。
後僅かを満たす事ができるのは、やはり勝昭の最愛の妻か親族なのだろう。
オレは、もどかしい気持ちを抱いていた。
「ちっ、分かったよ!
オイラが昔に預かった言葉を教えてやろう!
条件は、黒沢エレンには絶対に伝えない事だ。
この条件を飲めるのなら、オイラが真実を教えてやるぜ!」
オレと勝昭の戦いに口を挟んできたのは、夕景ゆたかの作ったアンドロイド・I PET『エロベア』だった。
こいつが何を知っているかは知らないが、この重苦しい空気を壊してくれるならオレには大助かりだった。
勝昭は、エロベアの言葉を真面目に受け取っている。
何らかの事情を知っている可能性があるのだろうか?
幾ら何でも、勝昭が真面に受け取るとは思わなかったが……。
しかし、勝昭は真剣に聞いている。
オレ達は、警戒をしつつも聞くことにした。
「エロベア、何か知っているのか?
不真面目な回答だと、ぶっ壊される可能性があるぞ!」
「ふん、オイラはいつも真面目だ!
ふざけた事など一度も無い!」
オレはその言葉を聞き、(じゃあ、ぶっ壊すな! いつものお前なら、回答を聴く必要もない!)と答えたかったが、勝昭が大人しく聞いているので止める。
せめて今回だけは真面目に答えてくれよと願いつつ、エロベアの続ける言葉を待った。
「お前達は、ゆたかが何の資料も無しにI PETシリーズを作り出したと思うか?
実は、元になったアンドロイドがあるんだ。
黒沢ノレンが作ったサル型監視ロボット『アイアイ』。
そして、オイラの元となった音声記録ロボット『キクベア』。
黒沢勝昭ならば、そのロボットを確認していることだろう?」
勝昭は、記憶を辿りながら答える。
なぜか苦々しい表情をしていた。
「ああ、俺が生まれ持った才能の差を感じて絶望感を持ったのは、生涯で三人だけだ。
黒沢弘毅とエレン、そしてノレンだ。
特に、黒沢ノレンは天才だった。
テレビが普及し始めた頃にもかかわらず、俺がエレンを監視しろと言ったら、サル型監視ロボット『アイアイ』を開発していたのだ。
黒沢エレンにも感じたことのない絶望と恐れを俺は感じた。
こいつは生まれながらの天才だと考えたら、嫉妬を感じ始めていた。
その為、学校にも行かさずに、奴隷として扱っていたのだ。
ノレンはドMになり、その苦しみを克服していたがな!」
「ああ、そうだ。
そして、ノレンが母親の為にプレゼントとして送ったのが、音声記録ロボット『キクベア』だった。
ゆたかは、そのロボットを基礎にしてオイラを作った為に、オイラにはお前の最愛の妻の声が記録されている。
音声を再生する条件は、黒沢エレンが近くにいない事。
そして、黒沢エレンにその内容を伝えない事だ。
この条件を承認するなら、黒沢勝昭に対する最後の言葉を伝えてやる事ができる!
もしかしたら、こんな子を産むんじゃなかったという後悔かもな。
どうする?」
「頼む、教えてくれ!」
勝昭は即答するが、オレは他のみんなに配慮する。
黒沢エレンの娘である奏子もいるのだ。
彼女もかなりの覚悟を持って聞かなければならないはずだ。
「うん、分かったわ。
お母様には絶対に告げない。
お父様にだって喋る必要は無い。
私は、ここを離れます。
多少時間はかかりますが、身体を風にして、縛っている鎖を壊せば……」
次元能力を使い、鎖を壊そうと尽力している奏子に、勝昭は鍵を開ける。
どうやら優しいおじいさんに戻っているようだ。
自分の事ばかり気にして、奏子の気持ちを考えていない事を申し訳なさそうに謝る。
「すまないな。
確かに、お前は聞かないほうが良さそうだ。
絶対に母親に伝えないというのは、不可能に近いだろうからな」
「ふん、自分の孫だと思って、ゆたかちゃんを大切にしなさいよ。
多分、あなたがゆたかちゃんの唯一の家族なんだからね。
その証拠に、黒沢ノレンさんにそっくりでしょう。
きっと、あなたの最愛の人とも姿形は似ているはずよ!」
「ああ、性格は全く違うけどな。
見た目だけなら、面影があるわい!
分かった、ゆたかもお前も大切にしてやろう。
これで良いな?」
「いや、私は別にあなたなんて……。
時間があったら、お茶くらいしてあげるわ!」
黒沢勝昭は、すでにかつての自分を取り戻しつつあった。
おそらく夕景ゆたかと黒沢奏子は、憎しみの対象外だったのだろう。
彼女達自身もそれぞれに問題を抱えており、黒沢勝昭から同類と見なされていたようだ。
黒沢勝昭の復讐対象は、幸せに生活している夫婦に変わりつつあった。
オレと冷菓、黒沢弘毅とエレンが復讐の対象なのだ。
エロベアの返答次第では、再びオレ達に牙を向くことだろう。
黒沢奏子がこの場所から退場し、しばしの静寂が流れていた。
雲の音や風の音が良く聞こえる。
「そろそろ覚悟は良いか?
お前達には望まなような回答かもしれないぞ?
好きな人と結ばれず、不幸だったという内容かもしれない。
ぶっちゃけ、オイラも初めて聞く内容なんだ。
ジジイの奥さんがどんな思いで人生を生きてきたか、その遺言みたいな物だ。
幸せを抱いて死んで行ったかもしれないし、逆に絶望的を抱いて死んで行ったのかもしれない。
どんなけっかでもオイラを恨むなよ!」
「良いからそろそろ話してくれ!
すでに覚悟はできている!
仮に、妻が絶望を抱いて死んで行ったのなら、俺は自分善がりの愛だったというだけの話だ。
勝手に妻を愛し、勝手に彼女を苦しめただけの存在だったのだ」
黒沢勝昭には悲しい結末が待っているかも知れないが、これを避けては通れないのだ。
運命の言葉が告げられようとしていた。
聞くのは、オレと勝昭、冷菓、ゆたか、真槍ちゃんだった。
風が激しく吹き荒れ、重い空気が漂っていた。
二つある卵巣のうち、一つがキメラとなった異形の子供を生み出すらしい。
人間の子宮を通す事により、本来不安定なキメラ化を上手く安定させる。
生まれる子供は、冷菓の子宮による保護により、今までと全く違うキメラになるという。
キメラと人間、どちらが産まれるかは産んで見なければ分からないが、ちゃんと冷菓と人間の男性の遺伝子を受け継ぐそうだ。
黒沢勝昭の目的は、オレの目の前で冷菓と交わり子供を宿す事なので、まだ子供自身は産まれることはない。
将来、オレと冷菓が交わっても、キメラ化した子供を産み可能性があるのだ。
勝昭は、その事実を告げる事で、オレに動揺を与えようとした。
確かに、生まれてくる子供がキメラ化するのは、親として心配な要素はある。
しかし、ここで突き放しては、もっと大切なものを失ってしまうかもしれない。
「勝昭、お前は心の底は優しいのかもな。
もしも本当にオレを潰す気なら、すでに冷菓と交わり、子供を設けたと言えば、オレは再起不能に陥ったかもしれない。
かつては、お前の経験した苦しみだ。
だが、お前はそれをしなかった。
心の底は、子供を大切にしたいと願っているのだろう?
これでオレと冷菓が結ばれたら、生まれてくる子は間違いなくお前の子孫だ。
人生の先輩として、オレの子供を一緒に育てて欲しい。
一度切られた幸せだが、ここからまた繋げて見てはいけないか?
今は、苦しいかもしれないが、必ず幸せを感じる時は来る。
人生ってそういうものだろう?
失敗して、何度も失敗を繰り返し続ける時期もあるが、それでも頑張って続けていく事で、
その絶望的な期間を乗り越えて行くことが出来る。
それには時間、忍耐、そして人との繋がりが必要だ。
オレ達と繋がりを持ち、憎しみという絶望感を乗り越えてくれ!
お前ならそれができる!」
『死の回廊(デススパイラル)』
仕事や日常生活などで失敗をして、精神的に追い込まれた危険な状態。
この状態になると、失敗に失敗が続き、成功した事がないように思い込む。
本来は、成功した場合もあるはずなのに、それを小さな事と見なして、失敗ばかりを気に病む。
軽い鬱病から徐々に重くなっていき、最終的には自殺か殺人までになって行く。
自分が悪い悪いと思い込めば、自殺に至るし、他人が理解してくれないと活かれば、殺人に至ってしまう。
治すには、長い時間と忍耐強さ、理解ある家族が必要となる。
「ふう、さすがに修羅場をくぐってきただけはあるな。
確かに、人生が順調に成功している奴は知らないだろうが、一度この絶望感に陥ったら、容易に抜け出すことはできない。
失敗を繰り返さないように努力しても、絶望感のせいで投げやりになってしまうのだ。
必ずと言って良いほど失敗する。
それでも諦めずに改善して生き、人々の励ましによって徐々に自信とやる気を回復して行くしかない。
光宮マモル、俺を遥かに超えた実力者のようだな!
だが、それでも、俺はまだ黒沢エレンを、俺の妻を奪った男の遺伝子をゆるせずにいる!
エレンは、確かに被害者だ。
それは頭では分かっているのだが、心は付いていかない。
せめて、妻の愛ある一言でも聞ければ許せるのかもしれぬが、それは永久に叶わない!」
オレの言葉に対応している為、勝昭は後僅かで野望を諦めるだろう。
だが、オレにはその後僅かが及ばない。
後僅かを満たす事ができるのは、やはり勝昭の最愛の妻か親族なのだろう。
オレは、もどかしい気持ちを抱いていた。
「ちっ、分かったよ!
オイラが昔に預かった言葉を教えてやろう!
条件は、黒沢エレンには絶対に伝えない事だ。
この条件を飲めるのなら、オイラが真実を教えてやるぜ!」
オレと勝昭の戦いに口を挟んできたのは、夕景ゆたかの作ったアンドロイド・I PET『エロベア』だった。
こいつが何を知っているかは知らないが、この重苦しい空気を壊してくれるならオレには大助かりだった。
勝昭は、エロベアの言葉を真面目に受け取っている。
何らかの事情を知っている可能性があるのだろうか?
幾ら何でも、勝昭が真面に受け取るとは思わなかったが……。
しかし、勝昭は真剣に聞いている。
オレ達は、警戒をしつつも聞くことにした。
「エロベア、何か知っているのか?
不真面目な回答だと、ぶっ壊される可能性があるぞ!」
「ふん、オイラはいつも真面目だ!
ふざけた事など一度も無い!」
オレはその言葉を聞き、(じゃあ、ぶっ壊すな! いつものお前なら、回答を聴く必要もない!)と答えたかったが、勝昭が大人しく聞いているので止める。
せめて今回だけは真面目に答えてくれよと願いつつ、エロベアの続ける言葉を待った。
「お前達は、ゆたかが何の資料も無しにI PETシリーズを作り出したと思うか?
実は、元になったアンドロイドがあるんだ。
黒沢ノレンが作ったサル型監視ロボット『アイアイ』。
そして、オイラの元となった音声記録ロボット『キクベア』。
黒沢勝昭ならば、そのロボットを確認していることだろう?」
勝昭は、記憶を辿りながら答える。
なぜか苦々しい表情をしていた。
「ああ、俺が生まれ持った才能の差を感じて絶望感を持ったのは、生涯で三人だけだ。
黒沢弘毅とエレン、そしてノレンだ。
特に、黒沢ノレンは天才だった。
テレビが普及し始めた頃にもかかわらず、俺がエレンを監視しろと言ったら、サル型監視ロボット『アイアイ』を開発していたのだ。
黒沢エレンにも感じたことのない絶望と恐れを俺は感じた。
こいつは生まれながらの天才だと考えたら、嫉妬を感じ始めていた。
その為、学校にも行かさずに、奴隷として扱っていたのだ。
ノレンはドMになり、その苦しみを克服していたがな!」
「ああ、そうだ。
そして、ノレンが母親の為にプレゼントとして送ったのが、音声記録ロボット『キクベア』だった。
ゆたかは、そのロボットを基礎にしてオイラを作った為に、オイラにはお前の最愛の妻の声が記録されている。
音声を再生する条件は、黒沢エレンが近くにいない事。
そして、黒沢エレンにその内容を伝えない事だ。
この条件を承認するなら、黒沢勝昭に対する最後の言葉を伝えてやる事ができる!
もしかしたら、こんな子を産むんじゃなかったという後悔かもな。
どうする?」
「頼む、教えてくれ!」
勝昭は即答するが、オレは他のみんなに配慮する。
黒沢エレンの娘である奏子もいるのだ。
彼女もかなりの覚悟を持って聞かなければならないはずだ。
「うん、分かったわ。
お母様には絶対に告げない。
お父様にだって喋る必要は無い。
私は、ここを離れます。
多少時間はかかりますが、身体を風にして、縛っている鎖を壊せば……」
次元能力を使い、鎖を壊そうと尽力している奏子に、勝昭は鍵を開ける。
どうやら優しいおじいさんに戻っているようだ。
自分の事ばかり気にして、奏子の気持ちを考えていない事を申し訳なさそうに謝る。
「すまないな。
確かに、お前は聞かないほうが良さそうだ。
絶対に母親に伝えないというのは、不可能に近いだろうからな」
「ふん、自分の孫だと思って、ゆたかちゃんを大切にしなさいよ。
多分、あなたがゆたかちゃんの唯一の家族なんだからね。
その証拠に、黒沢ノレンさんにそっくりでしょう。
きっと、あなたの最愛の人とも姿形は似ているはずよ!」
「ああ、性格は全く違うけどな。
見た目だけなら、面影があるわい!
分かった、ゆたかもお前も大切にしてやろう。
これで良いな?」
「いや、私は別にあなたなんて……。
時間があったら、お茶くらいしてあげるわ!」
黒沢勝昭は、すでにかつての自分を取り戻しつつあった。
おそらく夕景ゆたかと黒沢奏子は、憎しみの対象外だったのだろう。
彼女達自身もそれぞれに問題を抱えており、黒沢勝昭から同類と見なされていたようだ。
黒沢勝昭の復讐対象は、幸せに生活している夫婦に変わりつつあった。
オレと冷菓、黒沢弘毅とエレンが復讐の対象なのだ。
エロベアの返答次第では、再びオレ達に牙を向くことだろう。
黒沢奏子がこの場所から退場し、しばしの静寂が流れていた。
雲の音や風の音が良く聞こえる。
「そろそろ覚悟は良いか?
お前達には望まなような回答かもしれないぞ?
好きな人と結ばれず、不幸だったという内容かもしれない。
ぶっちゃけ、オイラも初めて聞く内容なんだ。
ジジイの奥さんがどんな思いで人生を生きてきたか、その遺言みたいな物だ。
幸せを抱いて死んで行ったかもしれないし、逆に絶望的を抱いて死んで行ったのかもしれない。
どんなけっかでもオイラを恨むなよ!」
「良いからそろそろ話してくれ!
すでに覚悟はできている!
仮に、妻が絶望を抱いて死んで行ったのなら、俺は自分善がりの愛だったというだけの話だ。
勝手に妻を愛し、勝手に彼女を苦しめただけの存在だったのだ」
黒沢勝昭には悲しい結末が待っているかも知れないが、これを避けては通れないのだ。
運命の言葉が告げられようとしていた。
聞くのは、オレと勝昭、冷菓、ゆたか、真槍ちゃんだった。
風が激しく吹き荒れ、重い空気が漂っていた。
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