【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編その二 VSキメラカンパニー

第二十話 高級ホテル殺人事件 解決編!

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オレは、テーブルの上に置かれたメイドさんの生首を確認する。
最初はかなり動揺していたが、ゆたかと真槍ちゃんが頼りないので、徐々に冷静さを取り戻した。
冷静になって考えればどうということはない。

首を切断されたのなら、もっと大量の血が流れていてもおかしくないのに、テーブルの上の出血量は極めて少ない。
血で汚れたのか、ケッチャプの汚れかも分からないほどの出血量だった。
確かに、メイドさんの首は切断されているが、どう見ても不自然だった。

「なあ、メイドさんは本当に人間だったのか?
確かに、生首が置いてあるけど、メイドさんがアンドロイドだったら問題はないだろう。
予備パーツで体だけ動かして、生首をここに置いてあるだけかもしれないぜ。
趣味は最悪だけど、その可能性もあるんじゃないか?」

オレにそう言われ、ゆたかはメイドさんの頭部を確認する。
コマイヌを虐めていた時は気が付かなかったが、頭部に体との接着部分を発見した。
どうやらコマイヌと真槍ちゃんに絡むのが忙しくて、そこまで確認しなかったようだ。
ゆたかはドヤ顔で推理を語り出した。

「真相はこうだ。
実は、メイドさんはアンドロイドであり、頭部を切り離して活動していたのだ。
頭部の重さは約八キログラム、外せばかなり重量が軽くなる。
頭部から赤外線で入力された情報を元に、いろいろ仕事をしていたという事だ。

そして、ダイニングテーブルの上に置き、体だけどこかへ行ってしまったのだ。
きっとドローンの様に、コントローラーから一定の距離までしか移動できないのだろう。
だから、待っていればそのうち戻って来る。
この趣味の悪さが、神童宗谷の神獣の特徴だ。

人をビックリさせる様な事も想定して作られているんだ。
私もアンドロイドの開発者だから奴の考えが手に取るようにわかる。
実際、薄々そうじゃないかと思っていたし……。
これが名探偵ゆたかの行き着いた真相だ」

「ここまで一人で騒いでいた挙句、自分がさも事件を解決した様に推理するあんたの根性がすごいわ。
図々しいにもほどがあるわ」

「いや、お褒めになる程の事件でもありませんよ。
当然の推理をしたまでです」

「本当にね!」

ゆたかが静かになり、オレ達がメイドさんの生首を見ると、突然笑い出した。
かなりショッキングな光景だ。
ゆたかが神童宗谷を趣味が悪いというのも納得できる。

「くっくっく、どうかな?
この神獣『デュラハン』はビックリしたかい⁉︎
戦闘用ではないけど、ゆたかちゃんがビビるかと思って追加したよ。
楽しんでくれたら嬉しいけど……」

「ふん、よくできたアンドロイドだったが、私の目は誤魔化せなかった。
初見でアンドロイドだという事がすぐに分かったよ。
生首が置いていようと、私が驚くことはなかった。
残念だったな、神童宗谷」

(完全に騙されていたはずなのによく言うよ。
まあ、アンドロイド技術者のないに等しいプライドか。
ここは、黙っておくか。
どっちが調子に乗ってもウザい!)

みんなが黙っている中、ゆたかはそう断言した。
ゆたかが調子に乗るのも許せないが、神童宗谷が得意になるのも気に食わない。
オレと真槍ちゃんは、複雑な気持ちでゆたかと生首を見つめる。
ようやくメイドさんの体が仕事を終えて戻ってきた。

首は、バッテリーの予備であり、メイドさんの首も健在だった。
体のみが動き続けるというショッキングな姿ではなくてホッとする。
声も神童宗谷の声ではなく、メイドさんの声だった。
ゆたかと神童宗谷は熱くなっているが、メイドさんの仕事には関係無い。

「ふう、洗濯物が洗い終わりました。
食事の準備もできましたので、専用の食堂においで下さい。
ここは、本来立ち入り禁止ゾーンですよ。
なんで、ここにいらっしゃったんですか?」

「ああ、大方メイドさんの体を触ろうとしたエロベアが、立ち入り禁止ゾーンだろうと問答無用で侵入してきたんだろうな。
そして、メイドさんの生首を確認し、ビビって事件と判断したんだ。
キープアウトの表示は、私が移動させて置いた。
だから、みんな気付かずにここへきたんだな!」

名探偵ゆたかさんは、冷静にそう言った。
どうやらこいつが事件の黒幕だった様だ。
メイドさんが優秀だと言う事もあり、事件はこれで幕を下ろした。
食事と着替えを済ませて、次のステージへと向かう。

次こそが、オレ達とキメラカンパニーとの本当の死闘だ。
どんな戦いが待っているのだろうか?
二時間ほどホテルで準備をし、万全の状態で移動した。
メイドさんは、優しく準備が整うのを待ってくれていた。

暗殺用にしたらそれなりに有能そうだが、神童宗谷の趣味なのかそういう事は全くなかった。
中々正々堂々とした奴だ。
オレは、敵ながらに神童宗谷に少し好感を持つ。
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