【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編その五 狙われた真槍ちゃんVS覚醒した虎熊童子!

第四十五話 虎熊童子の真の次元能力発動!

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真槍ちゃんが勝負を承諾すると、バンデッドの顔付きが変わった。
今までは、性同一性障害を持っている男性のフリをしていたが、途端に邪悪な顔付きに変わる。
どうやら真槍ちゃんは、敵の罠に足を踏み入れてしまったようだ。

「くっくっく、性同一性障害と言うのは本当ですが、別に医者の診断も無い自己申告なのでねぇ。
まあ、あなた達の関係を確認し、誰を奪えばダメージが大きいかも考慮した上で、姫野真槍を私の恋人に仕立て上げようと思ったのですよぉ。

光宮マモルは、記憶がないのか知りませんが、あなたに好意を抱いている節がありましたし、夕景ゆたかには、あなたは良き理解者となりつつあるようだ。
そんな二人を前に、あなたを私の物にする。
これほど興奮する事もありませんよねぇ!」

「ふーん、なるほど。
士気を挫く役割も果たしているわけだ。
じゃあ、アタシが負けたら、今晩はあなたと一夜を共にしても良いわよ。
これで、あなたの勝利条件の方が有利になったんじゃないかしら?」

「ふふん、余裕といったところですか?
虎熊童子ならば、あなたに勝つ事は不可能だと思って油断してますねぇ。
その油断こそが、あなたの一番の失敗ですよ。
なぜなら、七天童子を名乗るほどの実力を秘めているからです。

しかも、キメラカンパニーを潰そうと思っているのとは裏腹に、真にキメラカンパニーを強くしてしまう逸材でもあったという事ですよ。
彼の真の次元能力をご披露してあげましょう。
新たな生物を生み出す素晴らしい次元能力を!」

虎熊童子は枷を外され、自由に動けるようになった。
しかし、頭の機械によって操られ、バンデッドの思惑通りに動かされてしまう。
なんらかの動物の毛を手に取ると、徐々に怪物が誕生していった。
体長二メートルはありそうなライオンだった。

「ふーん、ライオンをコピーしたという事かしら?
確かに、意志を持って動ける野獣を生み出すのは凄い能力だけど、アタシの槍には勝てないわね!
コピーと分かっている以上、手加減する気もないし、一撃で勝負は決まるわ!」

「くっくっく、これは正真正銘の新しい生物ですよぉ。
自分の意思を持ち、動き、死ぬまで戦い続ける怪物です。
毛からは生物の遺伝子を取り入れ、土から新しい生物を誕生させたのです。
つまりクローンと言ったところでしょうかぁ。
ただし、私好みにアレンジした化け物に変化していますけどねぇ!」

バンデッドの指示に応えて、野獣は真槍ちゃんに突進して行った。
真槍ちゃんは、槍で加速して突き刺すが、野獣の体に槍が刺さっていかない。
野獣の体から槍が外れ、真槍ちゃんは壁に突撃する形になった。
槍のブースターを調節し、空中でバランスを整え、壁への激突を避ける。

後ろからは、巨大な獅子の体が迫っていた。
真槍ちゃんは壁を蹴り、槍のブースターを使って再び攻撃するが、野獣にダメージを与える事は出来なかった。
まるで巨大な鉄の塊を攻撃しているかのように、槍が弾かれてしまう。

獅子の攻撃を、槍のブースターを使って逃げるしか手が無かった。
この野獣の防御力では、槍もナイフも通用しない。
二段構えの突進でさえ大したダメージを与えられない以上、野獣を倒す事は出来ない。
虎熊童子に狙いを絞り、頭の機械を外すしか方法はない。

「はあ、はあ、厄介な猫ちゃんね。
槍もナイフも効かないとは……」

「ふふ、ネメアの獅子ですよぉ。
かつて、ヘラクレスが戦った最初の野獣です。
矢も剣も効かない無敵の体を誇っていたが、結局はヘラクレスに絞め殺されて負けてしまった。

つまり内部は意外と脆いという事です。
ただし、ヘラクレス並みの剛腕があってこそ倒せる怪物ですけどねぇ。
シンプルに防御力が強い怪物というのは、極めて倒すのが困難な野獣なんですよぉ。
これで、姫野真槍ちゃんは、私の物になったという事です♡」

「まだよ、虎熊童子を正気に戻せば、アタシの勝ちのはず。
ネメアの獅子の攻撃を避けて、虎熊童子の頭の機械を外すか、壊すかすれば勝てる!」

「まあ、そう来るでしょうねぇ。
虎熊童子、ネメアの獅子に乗れ!
お前の生物と仲良くなれる特性を活かすんだ!」

虎熊童子はネメアの獅子に跨り、攻撃し難い体勢になった。
ネメアの獅子の攻撃を掻い潜り、虎熊童子の頭の機械を正確に狙わなければならない。
ただでさえ動きは獅子並みに速いのに、防御力まで最強レベルに高い。
怪我をさせて足止めさえも不可能なレベルなのだ。

「ふふ、早めに降参したほうがいいですよぉ。
じゃないと、その綺麗な体がズタボロの肉の塊になってしまいますからねぇ。
傷一つ付いただけで、アイドルとしては致命傷ですよぉ。
心が折れるのが先か、体が壊れるのが先か楽しみですねぇ。

まあ、あなたが死んだら、虎熊童子の次元能力を使ってクローンとして復活させてあげますよぉ。
様々な人体実験に使い、夜は夜で奉仕して貰います。
できれば、オリジナルの姫野真槍が欲しいものですけどねぇ♡」

バンデッドは、勝利の笑みを浮かべて笑っていた。
今のオレでは、真槍ちゃんを助ける事は出来ない。
真槍ちゃんを降参させるか、真槍ちゃんが勝つのを信じて見ているしかなかった。
真槍ちゃんが怪我をしたり、バンデッドの物になった場合、オレ達の精神的ダメージは計り知れないほどだ。
勝ってくれ、真槍ちゃん!
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