【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編の最終章 最悪なるアンドロイドの誕生!

第五十八話 ブラックホールの壁を突き破れ!

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バンデッドの周りに四つのブラックホールが発生したが、オレを攻撃する物ではないらしい。
どうやら防御用のブラックホールらしい。
奴本人の口からもそう言ってきた。
相手に情報を与えるとは、相当の自信があるらしい。

「ふふ、安心して良いですよぉ、これは攻撃には一切使えない技ですからねぇ。
巨大な重力を安定させながら回転させることはできても、さすがに攻撃に転化してしまうほどのスピードには対応できないんですよぉ。
私自身もブラックホールに飲み込まれる危険が出てきますからねぇ。

しかし、私自身はそれほど戦闘タイプではない事が判明しました。
以前にあなたと戦った時も、繰り返しの攻撃方法によって、ようやく技として使えるレベルになっていたに過ぎません。
やはり、科学者である以上はドッシリと防御に徹し、相手を頭脳で倒してこその戦闘が得意という事です。

まあ、見た目も可愛い美少女になった事ですし、野蛮な戦闘でこの体を傷付けたくはありません。
光宮冷菓が持っていた銃と同等の能力を持つ武器を用意しました。
これは、あなたの持つ刀と同じ様に、次元能力を増強する力があります。

つまり、私の場合には、超小型のブラックホールを打ち出す事が可能です。
威力は多少劣りますが、相手の体の肉を抉り出し、そこの部分が無くなるでしょう。
かすっただけでも皮膚や肉が持って行かれ、大変な激痛を伴うはずです。
ふふ、ブラックホールによる絶対防御と超小型のブラックホール砲に死角はありませんよ!
さあ、細切れになるか、宇宙の藻屑となるか選びなさい!」

バンデッドは、小型に見える銃を使い、野球ボールほどのブラックホールを飛ばして来た。
時空が歪む感覚が、オレの目の前を通り過ぎる。
紙一重の差で避けたが、弾に引き寄せられる様な重力を感じた。
オレが避けた弾は、地面に激突し、音も無く周囲の土を消滅させていた。

直径十メートルほどのクレーターができ、その威力をまざまざと見せつけていた。
当たれば、確実に相手を消滅させるほどの威力を誇っている。
オレがバンデッドの銃を確認すると、銃のリボルバーが回転して薬莢を排出していた。
どうやら特殊な銃弾を使っている様で、オートマティック銃では無かった。

(リボルバー式の銃か。
そう言えば、冷菓が愛用している銃もリボルバー式だったな。
次元能力と併用させるには、リボルバー式の方が都合が良いのだろうか?
だが、そこに攻略の弱点がありそうだな。

冷菓は、銃を使わなくても氷の散弾を飛ばして攻撃できたが、バンデッドはそれが不可能らしい。
つまり弾数が尽きたらリロードする必要があるという事だ。
威力は強いが、そこまで避け切れれば勝機がある。
避けきれるかどうかが勝負の分かれ目だな!)

オレは、バンデッドの弾をジャンプして避けようとしたが、空中に逃げた瞬間、超小型のブラックホールと化した弾に吸い寄せられた。
子狐丸を極細に長く変化させて、鞭の様に岩場に巻き付け、ブラックホールの弾を必死で避ける。

どうやら空中に避けようとすると、ブラックホールに吸い込まれてしまうらしい。
なんとかブラックホールの重力に引き寄せられない様に避けつつ、バンデッドに攻撃できる範囲まで近付かなければならない。
周りのブラックホールさえもどう攻略して良いかわからないのに、自分を守る事さえも危険な状況だった。

「くう、なんて攻撃力だ!
もしも、子狐丸を失ったら、オレは攻撃を避ける事さえ出来ずに終わる」

「ふははは、中々の判断力ですね。
大半の連中が、上に逃げようとしてジャンプし、ブラックホール砲の餌食になってしまうというのに……。
空中で方向転換と踏ん張りができるとは驚きましたよぉ。
しかし、いつまで持ちますかねぇ?」

次は、バンデッドがオレの避ける方向を遮るかの様に、二連射で攻撃して来た。
二つの弾が、ほぼ同時にオレを攻撃して来る。
ジャンプすればブラックホールに飲み込まれて終わり、避ける方向も妨げられていた。
後ろに逃げてもいずれは追い付かれて、ブラックホールに飲み込まれるだろう。
オレを引き寄せる様な強い重力を、オレの体が感じ始めていた。

(二方向から重力を受けるのなら、これならどうだ!)

オレは、二つの攻撃の丁度真ん中に陣取り、地面に子狐丸を刺して耐えていた。
重力は、上手い具合に弱まっており、ブラックホールに吸い込まれる事はなかった。
どうやらバンデッドの位置からは、ブラックホールが邪魔をして死角になっていたらしい。
光さえも取り込む重力によって、オレを見失っていたらしい。

「ふん、死んだか?
一撃必殺だが、相手の死ぬ所が見られないのは残念だな。
どうせなら、無駄な抵抗でもして、八つ裂きになった姿でいてくれれば良いのだが……。
まあ、あの至近距離での攻撃ではその可能性も低いか……。
もう少し無残に殺してやる必要があるな。
一瞬で消えてしまっては、面白みも味気も無さすぎる!」

バンデッドは、オレが無事なのを確認すると一瞬驚いた様な表情をしたが、すぐに冷静に分析し始めた。
奴もこの次元能力を使い始めたばかりで、予測の付かない事があるらしい。
それを研究と分析するという意味でも、オレとの戦いは重要な実験の様だ。

「ほーう、なるほどなるほど。
二つのブラックホールの間にいた事で、相殺効果が働き、無事だった様ですね。
騒音を鎮めるために、二つの全く同じ音と音量を流すと、音が聞こえ無くなるという現象はありますからね。

当然、重力にもその相殺効果が働く事もあるでしょう。
しかし、この土壇場で成功するとは驚きです。
やはりあなたの様な強者との戦闘が、次元能力を開発するのに役立ちますよね。
大変嬉しい発見ですよぉ、ありがとうございますぅ。

しかし、二度目は私には通用しません。
これで避けるのが精一杯だという事は、残りの三発を使えば倒せるという事です。
逃げ道を塞ぐ為の二発、そしてトドメ専用の一発、これであなたとの戦いも終わりです。
楽しかったですよぉ、光宮マモル君♡」

バンデッドは、さっきと同じ様にして攻撃して来た。
オレの逃げ道を二つのブラックホールで塞ぎ、最後に真ん中を少しタイミングをズラして攻撃して来た。
これでは、重力の相殺を利用して留まろうとも、最後の一撃で直撃してしまう。

(くっ、やはりそう来た様だな。
だが、これもオレの狙い通りだ。
お前は銃弾を六発撃ち尽くした。
これなら、お前の死角を狙って攻撃する事ができる!)
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