【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編の最終章 最悪なるアンドロイドの誕生!

第五十九話 原始の武器

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バンデッドは、オレの逃げ道を二つの銃弾から作られたブラックホールを使い塞いだ。
そして、最後の銃弾で、確実にオレを消滅させようとしている。
オレは、さっきと同じ様に、二つのブラックホールの間に入ってなんとか重力に引き込まれるのを耐えていた。

バンデッドの撃った最後のブラックホールが、オレに迫って来ていた。
確かに、このブラックホールをジャンプで避けようとしても、ブラックホールから発せられる重力に引き寄せられて、オレは消滅してしまうだろう。
しかし、それはブラックホールに引き寄せられる距離にいた場合だけだ。

ブラックホールは、バンデッドも防御に利用している為に、一定以上の距離を離れる事ができれば、引き寄せる効果は発生しない様に調節されていた。
オレは、その特性を利用し、子狐丸を最大限に長くして、棒高跳びの要領でブラックホールの真上を飛び越える。

「やったか?
ふむ、この技は、ブラックホールの特性上、完全に死角ができてしまう弱点がありますかぁ。
光さえも消してしまう超重力が、戦いでは不利になる事もあり得ますからねぇ。
何らかの改良の余地がありそうですが、この戦いは制しましたよぉ!」

バンデッドは、オレが上空にいる事に気が付いていなかったが、オレが一定の距離まで近づいている事を何かで感知したようだ。
どうやら電波を発して、その変化で相手の位置を知らせる技を持っているらしい。
上空からの落下を使って、奴の真上から攻撃する気だったが、それは効かなそうだ。

「ふう、上空に逃れて、ブラックホールをかわしていましたかぁ。
さすがは、光宮マモル君ですねぇ。
しかし、私はアンドロイドの特性も持っているのですぅ、お前がどこに移動しようと、常に発している電波の動きを感知すれば、居場所など分かります。

そして、ブラックホールを使った戦い方に新たなヒントが出ましたよ。
電波の変化を感知する能力の範囲を広げれば、あなたがブラックホールに飲み込まれたかどうかも分かるはずですぅ。
電波は、上手い具合に反射させる特性も持っていますからねぇ。

ブラックホールの向こう側も感知させる事ができれば、死角なしの完全な技として昇華しそうですよぉ。
最後の最後までありがとうございました!
最後は、私の防御用のブラックホールに飲み込まれて死んでくださいねぇ!」

バンデッドの周りを守っていたブラックホールが頭上に移動し、オレごと飲み込もうとする気のようだ。
死角でオレが死ぬところは確認できないが、絶妙のタイミングで攻撃して来ただけに避けようがないと思っているようだ。

しかし、オレはそれも予想していた。
やはり長年の経験の差という奴が出たようだ。
バンデッドの行動は、手に取るように分かる。
オレは、子狐丸を鞭のように長くし、ブラックホールに飲み込まれるのを避ける。

バンデッドは、オレが確実に消えたのを確認するまでは安心する事ができずに、自分の銃をリロードしていた。
わずか数秒だが、弾切れが勝敗を分ける事もあり得るのだ。
オレが回避する時間を計算して、銃の弾を補充していたようだ。

バンデッドの周りを守っていたブラックホールが真上に移動し、バンデッドの防御にわずかな隙間ができていた。
オレは、素早く移動し、その隙間からバンデッドに攻撃を仕掛ける。
バンデッドが侵入して来たオレに気付かなければ、オレの勝ちだ!

「ふふ、甘いですよぉ、マモル君!
弾切れを狙って攻撃して来たようですが、すでにリロードは終えましたぁ。
カウンターのブラックホールを喰らって消えろ!
ファイナルバースト!」

バンデッドは、オレが侵入してくる事を予想して、ブラックホールを開けていたようだ。
オレも予想していなかったわけではないが、この隙間から入って攻撃するのが唯一の勝機だったのだ。
何とか玉砕覚悟でバンデッドの銃と戦う事にした。

(くう、何か飛び道具でもあれば……。
これは、避ける時に子狐丸が支えに使った石か?
剣先にくっ付いて来るとは……。
これを使って、バンデッドを先に倒すしかない!)

オレは、十五センチほどの大きさの石を、バンデッドの銃に向けて投げ付けた。
石は、銃口に当たり、ピッタリと塞ぐような形になる。
石が飛んで来た事で、バンデッドも反射的に引き金を引いてしまったようだ。
銃口が石に塞がれた事で銃が暴発し、バンデッドのわずか手前でブラックホールが発生していた。

「馬鹿な、銃を暴発させるだと……」

バンデッドの銃は粉砕され、ブラックホールに飲み込まれて消えていった。
周りを守っていたブラックホールも消滅し、明らかにオレが勝った。
しかし、得体の知れない不気味さを、オレはまだ感じていた。
そう、恐るべき敵が目の前に出現していたのだ。
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