【オススメネット小説】秘められた異次元（ シークレットディメンション） ムッツリスケベは異世界を救う！？

番外編の最終章 最悪なるアンドロイドの誕生！

第六十四話 オレの勝利条件！

オレの攻撃はエリスに避けられ、エリスの攻撃はオレを貫き通す。
八回ほど、オレは死ぬと思わされていた。
様々な攻撃の技も、エリスの頭脳により予測され、勝てないという思いが強くなっていく。
もう諦めた方が良いのか、そう思う様にさえなっていた。

「ふふ、地球を救うまで、あと二回ですね。
それまでは諦めないで耐えてくださいね。
それ以降は、あなたが降参すれば、妾との夢の様な一夜を共に過ごす事ができますよ。
満足するまで、妾の体を味合わせて・あ・げ・る♡」

そう言いながらもエリスは、勝利を確信し始めていた。
オレの表情に、もはや抵抗する気さえも無くなりつつある事を悟っていた。

（ふふ、どうやら精神の限界に近付いている様ですね。
後は、地球を守るという大役を果たせば、自ずと妾の手中に落ちる事でしょう。
傷の手当てをして優しさをアピールし、妥協し易くしていますからね。
努力して何かを成し遂げたとすれば、敗北を受け入れる事でしょう）

オレは、精神的にダメージを受けていたものの、未だに勝つ方法を模索していた。
そして、エリスが言う十回目が過ぎた時が、オレの勝機である事を薄々気付き始めていた。
それでも、勝てるという確信は全くない。
もしかしたら勝てるかもしれない、その程度の確信だった。
それでも勝てる可能性がある以上、勝負を止めるわけにはいかない。

「これで、九回目の敗北ですね。
でも、大丈夫です。
立ち上がる事に意味があるんですものね。
後一回、立ち上がって勝負を続行する意思を妾に見せれば、ブラックホールを地球に落とす事はしません。

文字通り、あなたが地球を救った事になるのです。
もちろん、それ以降も妾が地球を壊す事も、壊させる事もしません。
子供を育てて、幸せな家庭を作りましょうね。
さあ、最後の正念場ですよ！」

エリスは、オレの体を貫き、十勝目をあげる。
この時こそが、オレの勝機だった。
オレの体を貫いた時、わずかにエリスの動きが止まる。
その時を狙って剣を掴めば、破壊する事は容易かった。

自分の体を囮にして、奴の剣を壊せば勝てる。
しかし、それさえもエリスには見抜かれていた。
オレを貫いた後、素早く剣を引き抜き、オレが壊すのを回避された。
唯一の勝機を失い、オレは敗北を覚悟した。

「ふふ、そう来ると思いました。
かなり惜しかったですね。
でも、これで十勝目を耐えることができました。
十分良く戦いましたよ。

見なさい、ブラックホールが消滅して行きますよ。
地球はあなたの手で守られましたね♡
さあ、妾の胸に体を預け、妾と契りを交わしなさい。
あなたには、その資格がありますわ！」

絶望的な強さを持つエリスの前に、オレは膝を付き呆然としていた。
全てがエリスの思惑通りの展開になっているのだ。
オレが勝つわずかな勝機でさえ、エリスの罠だったと思うほどに。
技術も腕力もエロさえも通用しない敵を前に、オレは諦めかけていた。

（ふふ、終わったわね。
いくらマモルでも、この状況で立ち上がる気力はないはずよ。
わずかな勝機も打ち砕き、勝利の可能性を完全に摘み取ったからね。
人間もやはり記憶をする者、勝率が零なら無用な戦いは続けないわ）

致命傷にはならない傷を負いながら、オレの精神は折れかけていた。