【オススメネット小説】秘められた異次元( シークレットディメンション) ムッツリスケベは異世界を救う!?

猫パンチ

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番外編の最終章 最悪なるアンドロイドの誕生!

第六十五話 蘇る冷菓との愛の記憶

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エリスの攻撃により、オレはレイピアで何度も貫かれていた。
しかし、急所を外されている為に、ダメージは思ったよりも少ない。
だが、何度も貫かれる痛みを経験していた為に、オレの精神力は限界に達していた。
体が震え、絶望を感じながら倒れていた。

(オレは、ここで死ぬのだろうか?
しばらく会っていないが、冷菓の顔が懐かしく感じる。
初めて会った時は、シルビアと名乗っていたっけ。
そうだ、オレの担任の光子先生に瓜二つだったな。
年齢も丁度同じくらいだった。

オレの手に平に、彼女のオッパイの感触がある。
形が良く、色や大きさも魅力的だったのに、彼女はコンプレックスを感じていたな。
大きさなんて関係ない、オレには彼女が理想的だと言ったのを覚えている。
凄く嬉しそうな顔で笑って、可愛かったな。

これが死ぬ前に見るという走馬灯なのか?
なぜ、彼女ばかり思い出されるのだろうか?
オレは、今の冷菓も好きじゃないのだろうか?
きっと昔のオレの方が冷菓を愛していたんだ。
今のオレは、昔のオレには遠く及ばない。

ならば、オレが今の冷菓を愛している事を証明するんだ。
悔しいが、オレには彼女との思い出は少ない。
これから一緒になって、愛を育んでいくんだ。
だから、これ以上は邪魔をするな!)

オレは、わずかに残ったシルビアさんの記憶から、かつてのオレがどれほど彼女を愛していたかを悟った。
同じオレだが、愛の差に大きな差が出ていたようだ。
かつての自分に負ける、これほどの屈辱的な事はない。

それが男として悔しく感じ始めており、オレを無意識の内に立ち上がらせていた。
痛みや恐怖を克服し、冷菓を愛する事に気持ちが向いている状態だった。
エリスは、そんなオレの変化にも気付かずに、オレを誘惑する。
それが、逆鱗に触れる事になるとも知らずに……。

「ふふ、どうですか?
冷菓の体を、妾に渡す気になりましたか?
夫が苦しんでいるなら、妻はそれを助けようとする者です。
光宮冷菓も、あなたのために自分を犠牲にするでしょうね。
これ以上傷付く必要などないのですよ♡」

「ふざけるな!
オレが愛している妻は、光宮冷菓ただ一人だけだ。
お前のような奴に渡すわけにはいかない!
怪我をしないうちに諦めろ!」

オレは、エリスのレイピアを叩き落とした。
金属が落ちる音が、荘厳な部屋の中で響き渡った後、嘘のように静かな沈黙が訪れていた。
エリスも、オレがレイピアを叩き落とした事が信じられないという表情だった。
エリスは冷静になり、レイピアを拾い上げる。
オレも、その動作を見て冷静さを取り戻していた。

「どうやら、まだ諦めてはいないようですね。
後何回死の恐怖を体感すれば、冷菓を諦められるのかしら?」

「正直に言おう、オレはお前を魅力的に感じる。
Fカップのオッパイに魅了され、何度も死の淵を彷徨った。
最初はオッパイを揉んで動揺を誘おうとしたが、お前の身体能力によって防がれてしまった。
今までのオレでは、お前に勝つ事は不可能だったようだ。

だが、冷菓との愛を少しばかり思い出し、どうしても会いたくなった。
お前の魅力的な体が、偽物であると感じるほどにな。
お前だけじゃない、他の女の子でもオレの心の隙間は埋められない。
光宮冷菓、ただ一人だけがその隙間を埋められるのだ。
だから、邪魔をしないでくれ!」

「ふん、一度も勝負に勝っていない分際で良くも吠えたな!
妾がトドメを刺していないだけで、お前は本来死んでいたんだよ。
気が変わったわ、光宮マモル。
お前を殺して、新たな夫を探す事にしよう!
妾の前から消えろ!」

エリスの激しい攻撃を、オレは全て受け止める。
かつては乳揺れに目を奪われていたが、冷菓の愛を悟った今となっては、ただの肉の塊が揺れているだけだった。
確かに魅力的だが、防げないほどではない。

「ふん、焦りを感じ始めているようだな、エリス。
所詮お前の愛は、人工知能による予測と知識による物だ。
本物の愛など感じた事がないのだろう。
だから、お前のドS攻撃では愛を感じられなかったようだ。

冷菓のドSは、オレの体を気遣うように優しく痛みを与えてくれた。
お互いの必要を感じ、気遣い合う。
それが本当の夫婦の愛だ!
お前には、それが全くない!」

「くう、このどスケベが!
死ぬ寸前で、そんな事を妄想していたのか。
汚らわしい、穢らわしい……。
何が夫婦の愛だ!」

動揺して怒り狂ったエリスが、オレを殺そうとレイピアで攻撃して来る。
しかし、オレのレイピアが、無情にもエリスの体を貫いていた。
オレの攻撃が自分の体を貫いた事を確認すると、エリスは笑って崩れ落ちた。
人造人間の体だから致命的なダメージは無いようだが、精神的なダメージは大きかったようだ。

「ふっ、まさか妾が取り乱すとはな。
実際、夫婦の愛など理解できなんだ。
その事で、動揺してしまったようだ。
本当なら、あなたと育んで行きたかったがな。

妾の最後の頼みは聞いてもらおうか。
消え行く前に、ダンスを踊ってみたかった。
一曲、お願いできるだろうか?
それが終われば、とりあえずあなたの前からは消える」

「う、いや、ダンスは踊った事がないな。
ステップも全然分からないぞ!」

「ふう、光宮冷菓からダンスを教えてもらうが良い。
今は、ただ抱き合って、曲を楽しむとするかのう。
そうだ、ただステップに合わせて歩くだけで良いぞ」

「これは、難しいな……」

オレは、エリスと一緒にダンスを踊った。
ステップも分からないダンスと呼べるか分からないものだったが、なんとか頑張って踊った。

「さらばです、マモル!」

エリスは、曲の最後にオレにキスをしてきた。
軽く唇が当たった程度のキスだったが、甘い吐息が口一杯に広がった。
やはり人造人間だといっても、エリスは女の子だったようだ。
吐息がそれを物語っていた。

「負けてしまっては仕方がないです。
光宮冷菓は諦める事にしよう。
だが、一つ良い事を教えてあげる。
あなたと冷菓の子供は、妾に瓜二つという事を。

ゲームセンターなどで良くある二人の子供を予測する玩具みたいな機械ですが、そういう予測が出ました。
だから、妾はその娘の体が欲しかったのです。
まあ、機会はいくらでもある、子供を産んで育てるが良い。
いずれは、妾がその体を奪いに行くのでよろしくね、パパ!」

エリスはそう言って、オレを元の異次元空間に移動させた。
オレが元の異次元空間に移動した時には、すでにエリスの姿はなく、バンデッドが倒れているだけだった。
どうやら生きているようで、身動きが取れないように拘束しておくと、しばらくして目を覚ました。

ゆたかと真槍ちゃんは、真剣に漫画を読み漁っており、声をかけるのも悪い気がする。
もはや二人の世界であり、邪魔するなら殴られそうな勢いになっていた。

「ゆたか、早く二十三巻を読み終わりなさいよ。
あんた、読むの遅いのよ!
こっちは、二十分も待っているのよ!」

「やだ、私はじっくり読みたい派なの。
後、十分はかかるね。
この短編集でも読んでいなよ。
それなりに面白いよ!」

「そんなのもう読んだわよ!
あーあ、ならカラオケで時間を潰すか。
お、アニソンの新曲が結構出てるじゃん。
じゃあ、ちょっと歌っちゃおうっと!」

「あー、ゆたかもそれ歌う!
アニメの画像もあって、私の声がそっくりなんだよ」

「あんたは早く漫画を読んじゃいなさいよ!
あ、このピザをお願いします!
後、ドリンクを追加で持ってきてください!」

「私も注文する!
そのスペシャルケーキセットを追加で持って来て!
後、コーヒーはミルクたっぷりのカフェオレで!」

「はいはい、頼んでおくわよ。
汚さないように注意しなさいよ!」

まさか、ここまで充実しているとはな。
オレは、戦力外になった彼女達を残し、バンデッドに牢屋の鍵を開けさせた。
ふふ、いくら冷菓を本気で愛するようになったと言っても、先生達から歓迎されるのは悪くない。
ちょっとぐらいハグとオッパイの感触を楽しむくらい許されるはずだ!
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