【オススメネット小説】秘められた異次元（ シークレットディメンション） ムッツリスケベは異世界を救う！？

番外編の最終章 最悪なるアンドロイドの誕生！

第六十六話 キメラカンパニー壊滅して、オレ達は普通の生活に戻る。

オレは、捕まっている学校の先生達や生徒達を解放して行く。
ほとんどの生徒は戦力外と見なされ、捕まっているのは先生達だけだったようだ。
まあ、大勢を捕らえておいても集中力が分散されるし、戦力となる先生達や一部の生徒達を捕らえておく方が賢いと言えるだろう。

「これで、学園の人々は解放されるはずですぅ。
後は、勝手に好きな相手を探してください。
ただ、誰かが光宮冷菓と光宮奏子を連れて行った様なので、二人の姿はない様ですね。
恐らくは、七天童子の奴らが絡んでいると思いますが……」

「お前は、とりあえずみんなを学園に送って行ってくれ。
その後は、自由にして良いぞ。
もう、キメラカンパニーの実験施設も占領してしまったからな。
もう、動物達を使って、酷い事はしないだろう」

「そうですねぇ。
最後に、これをあなたにお渡ししておきますよぉ。
気分が良いものではないかもしれませんが、光宮冷菓とその他のクローンを作るのに使っていた細胞ですぅ。

これを培養して、様々な実験に使わさせてもらいましたぁ。
簡単に言えば、オーガやエルフなども全ては冷菓の親族という事になりますぅ。
降参の証として、これをお受け取りください。
後は、燃やすなり、処分するなり自由ですぅ」

バンデッドの示す先には、冷菓と瓜二つの女性が培養されていた。
感情も、記憶も、意識もないが、無理矢理生かされているという感じだ。
オリジナルに近い細胞らしく、本来ならば冷菓の母親に当たるという。
脳だけ別の用途に用いられた為、もはや人間ではないらしい。
オレは、延命装置を切る事にした。

様々な実験に使われた体だ。
もう静かに休ませてあげたかった。
オレがスイッチを切ると、体は跡形も無く崩れ去った。
どうやら本当に限界に達していた様だった。

「これで、酷い実験に使われる事はないでしょうねぇ。
私は、また一から出直してきます。
そして、あなたに戦いを挑む事にしましょう」

「そうなったら、また叩き潰してやるだけだ。
次は、世の中の為になる実験をするんだな！」

「うーん、私としては、社会貢献をしていたつもりですが、さすがにやり過ぎましたかねぇ。
次は、科学者を育てる事業に専念しますよぉ。
その子達がどうなるかを見て見たいですぅ！」

こうして、バンデッドは先生達と生徒を乗せて、学園に飛び立って行った。
その後の彼の行方は、誰も知らない。
眼鏡童子は、臨時のアルバイトとして学園の教師に抜擢された。
どうやら化学と力学の教師になるらしい。

その後、オレとゆたか、真槍ちゃんは、七天童子達とボス兼社長の黒澤勝昭を倒す事に成功した。
しかし、異次元空間自体を持続させるエネルギー供給源が消滅した事により、オレ達の学校は現代に移り、そのまま学園として存続して行く事になった。

異次元の他の場所でも、自然な形で同じ様な建物や場所が出現しているという。
恐らく同一人物達が存在し、建物や場所を占領している事だろう。
ただし、オレと冷菓が出会った異次元空間は、未だにそのエネルギー供給源が確保されている為、ずっと存続して行く様だ。

アンドロイドの姫浄瑠璃（酒呑童子）やオレの息子の悟（茨木童子）、オーガやエルフ達は異次元空間に住んで、仕事の時だけ出現する事になった。
しばらくは生徒や教師として一緒に生活して行ったが、オレ達の卒業後は元の世界に戻って生活するという。

冷菓の妹の光子先生は、旦那と一緒に世界各地を旅して回る予定の様だ。
本来は姉の冷菓よりも年齢が上になってしまった事により、少なからずショックを受けているのは間違いない。
しばらくは、傷心旅行に出ると言う。

オレの母親役だった黒澤エレンと父親役だった黒澤弘毅も、しばらくはオレ達と生活を共にするが、オレ達が二十歳になる頃には、別の事業を開始すると言う。
どうやらオレを育てる事で、慈愛の心が芽生え、多くの恵まれない子供達を引き取るという話だ。

その前に、二人と真槍ちゃんは、簡単なドラマの撮影があるという。
黒澤弘毅が主役となり、エレンがヒロインとして抜擢された様だ。
そして、敵のボスとして姫野真槍ちゃんが活躍する。
バンデッドの妨害がなくなってから、何とか仕事が軌道に乗る様になってきたそうだ。