【オススメネット小説】秘められた異次元（ シークレットディメンション） ムッツリスケベは異世界を救う！？

番外編の最終章 最悪なるアンドロイドの誕生！

第七十一話 ゆたかの将来

氷の足枷と手錠により、真槍ちゃんは拘束される。
さすがに、自力では解けそうもない。
ゆたかとジライヤが近付いてくる事もあり、真槍ちゃんは必死で抵抗し始めた。
あらかじめ持っていたサバイバルナイフを取り出し、氷の拘束を解こうとする。

「この、中々頑丈な氷ね！」

「ああ、自分の手を傷付けるかもしれないのに、ナイフで氷を砕き始めた。
そんなに、私に触られるのが嫌いなの？
ちょっとぐらいサービスしてあげるとかいう精神はないの？
仕方ないわねとか言って、オッパイや足を出すとか……」

「無いわよ、そんなサービス精神。
ふう、ようやく手錠が解けたわ。
ハッキリ言って、ゆたかとIPETシリーズには、絶対に触られたくないわね。
たとえ傷だらけになったとしてもね。

別に、相手がゆたか達だからというわけじゃない。
他の男とかでも、絶対に触らせないわ。
冷菓のいるマモル君も対象に入るわね。
アタシの好きになった男以外には、絶対に触らせないわ。

ゆたかにはないの？
好きな男性を失望させたくないとか、大切にしてあげたいとかいう欲求は？
昨日も、神童宗谷とかと嬉しそうにラインをしてたじゃない。
結婚して、愛し合いたいとかはないのかな？」

「うーん、宗谷はセフレかな？
結婚する気は起きないね」

「ゆたか、ダメだよ、それは……。
神童宗谷は、本気であんたを愛そうとしていると思う。
セフレとか、世間では都合のいい友達だと言われているけど、そうじゃないのよ。
老化とか、金銭面での影響が出てくれば切り捨てられる存在なの。

あんたが本気じゃないなら、いずれは誰からも相手にされなくなるわよ！
人間が本当に必要としているのは、夫婦の様な生涯を共にする相手だからね。
ゆたかは欲しくないの？
アタシがどんな失敗しても、世間がアタシに失望しても、ずっと一緒にいてくれるそんなパートナーが。

アタシは、そういうパートナーが欲しいの。
だから、ゆたかを愛する事はできないわね。
同性愛とか、女性を愛する気持ちは分かるわよ。
男性よりも綺麗好きだし、触りたくもなっちゃうかもしれない。

でも、所詮は一時的な関係に過ぎないわ。
五年経ったら、結局別れる様な関係なのよね。
大恋愛して、結婚した同性カップルも長くは続かないのよ。
だから、ゆたかを愛する事も、体を許す事もできないわ！」

「私も欲しいよ、そんな生涯のパートナーが……。
でも、今は真槍の体が触りたい！
オッパイくらいは、揉み揉みしたい！
この勝負、諦めるわけにはいかないね！」

「ふん、そう言っている間に、氷の拘束は解けたわ。
喰らえ、アイスハンマー！
自分の作った氷でやられなさい、ユッキー！」

「ボフ、まだ溶けてないと油断しましたわ。
ゆたか、後は任せましたよ。
真槍の聖三角形を外して下さい。
私には、それができなかった！」

ユッキーは、真槍ちゃんのパンチによって倒された。
氷で強化されており、攻撃力は少し上がった様だ。
拳で殴るよりも威力があった様で、殴った反動で氷が割れていた。
拳に傷はできたが、真槍ちゃんはかまわず走り続ける。

「よし、氷が全部溶けてたわ！
ゆたか、やっぱり強いし、根性はあるわね。
さっきはかなりヤバかったわ。
離されず、付いて来なさいよ！」

「ひえええ、まだ走るの？
奴の体力は無尽蔵か？」

「このくらいで疲れてなんていられないわよ！
ほら、しっかり走らないと日が暮れるわよ！」

「素敵！ 真槍お姉様！
一生付いて行きます！」

「おお、さすがは、アタシのIPET。
根性も体力もあるわね！
これなら、ゆたかがいなくても大丈夫だわ！」

「ガーン、ヤリザルに裏切られた。
もう戦力にならない……」

ヤリザルは、真槍ちゃんの味方になった。
ゆたかは、フラフラになりながらもなんとか付いて行く。
だが、まだ勝機は残されているのだ。
ゆたかとジライヤが必死で追い縋っていた。