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聞き間違えるはずのない、声に驚く。
なんで。マカリは王都に死んでもいかないっていってたのに。
「……マカリ、どうして」
「どうしては、こっちの台詞」
そういって、マカリは私の手を引いて歩き出す。そっちは、私たちの育った町の方向だった。
「……ずっと、そばにいるっていったくせに」
「マカリ?」
マカリはずんずん進んでいって、身長差のある私は必然的に小走りになる。
「マカリ、あのね。私、王都で新しい、仕事──」
だから、一緒に町には帰れない。そう言おうとすると、ぴたりとマカリは歩みを止めた。
「そこで、恋人でもできた?」
「え──」
恋人? なぜ仕事の話で恋人の話まで飛躍するのかわからない。
「僕のことは、もう、どうでもよくなった?」
マカリはとても悲しそうな声で、そういった。そんなことない。私がマカリのことどうでもよくなるはずなかった。
でも、この恋心はマカリにとって、迷惑でしかないだろう。だからずっと、マカリは振り向いてくれなかったのだろうし。
でも、嘘はつけない。
だから、マカリの言葉に黙る。
「……へぇ。本当に、そうなんだ」
「マカリ?」
マカリは、暗い笑みを浮かべると、私を引き寄せた。
「!」
私はバランスを崩し、マカリの胸の中に飛び込むような形になる。
「でも、おあいにくさま。今さら、僕以外のところになんていかせないよ」
「マカリ?」
ねぇ、マカリ。どうしちゃったの。
今日のマカリはおかしいよ。
戸惑って、マカリを見上げた私の唇に、マカリは噛みつくようなキスをした。
なんで。マカリは王都に死んでもいかないっていってたのに。
「……マカリ、どうして」
「どうしては、こっちの台詞」
そういって、マカリは私の手を引いて歩き出す。そっちは、私たちの育った町の方向だった。
「……ずっと、そばにいるっていったくせに」
「マカリ?」
マカリはずんずん進んでいって、身長差のある私は必然的に小走りになる。
「マカリ、あのね。私、王都で新しい、仕事──」
だから、一緒に町には帰れない。そう言おうとすると、ぴたりとマカリは歩みを止めた。
「そこで、恋人でもできた?」
「え──」
恋人? なぜ仕事の話で恋人の話まで飛躍するのかわからない。
「僕のことは、もう、どうでもよくなった?」
マカリはとても悲しそうな声で、そういった。そんなことない。私がマカリのことどうでもよくなるはずなかった。
でも、この恋心はマカリにとって、迷惑でしかないだろう。だからずっと、マカリは振り向いてくれなかったのだろうし。
でも、嘘はつけない。
だから、マカリの言葉に黙る。
「……へぇ。本当に、そうなんだ」
「マカリ?」
マカリは、暗い笑みを浮かべると、私を引き寄せた。
「!」
私はバランスを崩し、マカリの胸の中に飛び込むような形になる。
「でも、おあいにくさま。今さら、僕以外のところになんていかせないよ」
「マカリ?」
ねぇ、マカリ。どうしちゃったの。
今日のマカリはおかしいよ。
戸惑って、マカリを見上げた私の唇に、マカリは噛みつくようなキスをした。
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