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ダメって言わないと※
しおりを挟む「んっ……ふふ、ナカ、前より熱くて、とろけてる……」
甘い笑みを浮かべながら、裸になった蒼汰は詩音を見下ろした。
ずっぷりと根本まで――彼のモノが入ってしまっている。
「っあ、まっ……あぁぁっ」
容赦なく中を突かれる感触。腰が動くごとに、鈍い快感にわなないてしまう。
「ふふ、入れたら声が変わったね……舌もまわらなくなっちゃった」
こんなの、いけないのに。
正しいことじゃない――。
ちゃんと起き上がって、抗わないと。頭の片隅で警報が鳴っているが、蒼汰から与えられる圧力と快感に、抗えない。
「ふふ、今逃げようとしたでしょ? だめだからね」
蒼汰は詩音の内心を察したのか、詩音の腰をぎゅっとつかんで自らの腰を押しあてた。
「だ、め、また、いっちゃっ……」
一番奥を、熱い楔でえぐられて――詩音はまたも、体の中ではじける快感を、上半身を反らせてしてやりすごした。
「~~~~ッ!」
「ふふ、またイッちゃったね……がくがくしちゃって……気持ちい?」
そして、詩音に密着するように、つながったまま上半身を伏せた。
「んっ……中も締まる……ッ、ふふ、僕も気持ちいいよ」
イッた直後でも容赦なく、蒼汰は抜き差しを続けた。
何度も同じ場所をこすられて、苦しいくらいに性感が高まっていく。
「も、やめ、て……」
詩音は切れる息で蒼汰にたのんだ。が。
「あは、僕これ、好きだなぁ……」
蒼汰は蒼汰はぺろ、と舌なめずりするようにして微笑んだ。
「イッたあとのしーちゃんのナカ、こうやってずーっと、ねちねち叩き続けるの……」
「そう、ちゃんっ……ほんと、にぃっ……」
蒼汰は詩音の耳たぶに顔を近づけ、軽くキスをした。
「こうやってぎゅってしたまま、何度もしてあげる……っ」
「そ、んな……ッ」
「でもそろそろ……僕も1回目、しーちゃんのナカに出しちゃうね……ッ」
ぐ~~っ、と腰を強く押し付けられて、びくっ、びくっ、と詩音の体が意志に反して跳ねる。
「あ、ぁ……ッ」
奥を押しつぶされて、目の裏に白い火花が散る。
そんな詩音の体の震えを抑えるように、蒼汰はぎゅっと詩音を抱きしめた。
「ふふ……しーちゃんイくの何度目……? もう数えられなくなっちゃったね?」
ナカがはくはく痙攣している。何度も何度も快感を迎えすぎて、蜜口は潤み切って、赤く充血していた。
体の全部が熱い。高まりすぎた性感で、窒息しそうだ。
「そうちゃ、もう、」
こんなの、初めてだ。
手足に力が入らない。
頭も口も、まともに回らない。
小刻みに震える体を、そっと蒼汰は撫でてささやいた。
「ふふ、しーちゃん、休憩終わりね」
「っ!」
そしてまた、蒼汰が動き始める。
「や、やだ、やめっ……!」
「ふふ、僕も1回じゃ終わらないよ。前回もそうだったでしょ」
濡れた音を立てて、まだ固い蒼汰のものが、詩音の奥へと突きたてられる。
「何度も出してあげる。ふふ、ゴムって何回もつのかなぁ」
――イくごとに、どんどん快感が深みが増していく。
また次があるのか?
苦しい。もういやだ。
「ひぁあっ! そ、そうちゃ、やめっ……こ、こんなのっ……」
必死のお願いに、しかし蒼汰は笑みでこたえた。
「こんなの?」
口調は優しいが、その動きは全然優しくなく、がっしり腰を抑えられて、何度も突き立てられる。
詩音は泣きそうになりながら、彼に申し立てた。
「わ、わたし、にっ……怒ってる、からっ、てぇ……ッ、こんな、のっ……よくなっ…良くない、よっ……!」
すると蒼汰は笑顔のまま答えた。
「怒ってないよ? しーちゃんの事、いっぱい気持ちよくしたいだけ」
「もう、なったッ……いっぱいした、からっ……もういくのいや……ッ」
「んっ……そう言ってるけど、中、まだびくびくしてるよ?」
奥ばかりをずりずりこすりあげられ、詩音は悲鳴を上げた。
また、脳内が快感に塗りつぶされる。
「あっ、やっ……止めっ……ッ~~~~!」
蒼汰は至近距離で、詩音を見下ろした。
その目は――甘く、そして引き込まれそうに昏く、深かった。
「ふふ、またいっちゃったね? ……ほら、もっともっと気持ちよくなろ? 何もわからなくなるくらいに……」
その目の色に、詩音の背筋がぞくっと震える。
でももう、それが恐怖なのか、快感なのか、わからなかった――。
意識が朦朧とする中、運び上げられる感触がした。
――蒼汰に、抱きかかえられている。それに気が付いたが、もう反抗する気力も、お礼を言う力さえ残っていなかった。
「しーちゃん、ここ僕のベッド。こっちのが広いから、下ろすね……」
しっとりとした、低い声。
蒼汰だってさんざん動いて疲れているはずなのに、ぜんぜん平気そうだった。
涼しいシーツの上に、そっと下ろされる。
ああ、もう指一本も動かせない。詩音はそのくらい疲れていたが、となりに横たわった蒼汰を見て、一言つぶやいた。
「そうちゃん、こんなの……良くないよ……」
すると横の蒼汰は、わずかにうかがうように、詩音を見た。
「……ごめん、でも……」
蒼汰が何かを言いかけて辞めたので、詩音は目線で続きを促した。
「……しーちゃんのせいだよ」
「……私の?」
責めるでもなく詩音が聞き返すと、蒼汰はぎゅっと詩音の背中に手をまわした。
「しーちゃんが僕をこうしたんだよ」
その声は震えていた。
「ねぇ、ひとりぼっちの不安な生き物にさ、餌をやって、なつかせたら」
昔の事を言っているのか。小さい蒼汰の事を、詩音は思い出した。
「最後まで面倒をみないといけないよね? 途中で捨てるなんて、残酷だよね?」
かすれた声を、詩音はしぼりだした。
「……そんなことしないよ」
蒼汰はますますぎゅっと詩音を抱きしめた。
「……信じたい。信じたいよ? でも……だって一度しーちゃんは、消えたじゃない」
泣きそうなその声を聴いて、詩音は彼を責める気持ちを、いったん棚上げした。
――どうすれば、蒼汰は暴走しなくなるんだろう。
もちろん、すべて蒼汰の言う通りにすれば、満足はするのかもしれない。
(けど、それってきっと、間違った選択だ)
自分にとっても彼にとっても良くない。
疲れてふわふわした頭で、詩音はただ、彼を抱きしめ返した。
「……ごめん。不安にさせて」
それが限界だった。
そのまま蒼汰の腕のナカで、詩音は眠りに落ちた。
うっすら朝日の気配を感じて、詩音は慌てて飛び起き――ようとした。
「った……」
起き上がろうとしたが、体のふしぶしが痛み、そのうえ声がかすれたままだった。
「わ、わぁ……」
なんということだ。立とうとしたら、足までふるえている。
けど――今日も平日なのだ。会社。行かなくちゃ。
がんばれ、私の足。
詩音がそう思いながら、なんとか蒼汰のベッドから立ち上がろうとした、その時。
「しーちゃん、動いちゃダメだよ」
蒼汰がトレイを片手に、部屋へと入ってきた。
「そうちゃん、」
昨日の事があったから、詩音はちょっと身構えた。が。
「しーちゃんごめんね」
蒼汰は先手を打って、詩音に謝罪をしてきた。
カップ類の入ったトレイをサイドボードに置いて、床に膝をついてベッドの詩音に目線を合わせる。
「声……かすれちゃってるね。体はどう? お医者さんに連れていこうか?」
心配そうに見上げられて、詩音の体の力が、抜けた。
病院に行ったとして、なんて言えばいいのだ。
「た、大したことないよ…だたの筋肉痛」
蒼汰はカップを差し出した。
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「うん……ありがとう」
食べたらシャワーを浴びて、身支度しないと。
時計をちらりと見てそう思っていると、蒼汰が隣に座った。
「しーちゃん、今日はさすがに、会社休もう?」
「いや、それは」
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蒼汰は詩音の手に手を重ねた。
「でも、元はと言えば僕のせいだから……こうやって頼むことしかできないけど」
彼はバツが悪そうに、目を伏せて下を向いていた。
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詩音は軽く息をついて、蒼汰を覗き込んだ。
「わかった。今日は休むことにする。そうちゃんは?」
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「うん。あらかた済ませてきたから、ここ数日はフリーだよ」
蒼汰は立ち上がった。
「しーちゃん欲しいものある? 今から買い物行ってくるね」
何もいらない、なんて言ったらまた蒼汰がしょげそうなので、詩音は適当に欲しいものを答えた。
「えーっと、バニラアイスが食べたいかも」
「わかった! 行ってくるね」
いってらっしゃい、と詩音はベッドから彼を見送った。
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