とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko

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恋慕(シス目線)

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 わたくしは、システィーナ・ミズリー。

 年齢は成人したばかりの18才でございます。

 ミリオニア国筆頭公爵家の長女に生まれ、お父様は宰相、お兄様は宰相補佐、弟は騎士団で副団長をしております。

 お母様は、ミリオニア国の元第二王女であり、その関係で小さな頃から王宮には足繁く通っております。

 名門の家系に生まれ、家族全員に愛され育ったわたくしは、もちろんこのミズリー家のために嫁ぐつもりで生きて参りました。

 政略結婚が当たり前な貴族ですが、わたくしは、ある日王宮で出会ってしまったのです。
 ーそう、運命のお相手に。

 その男性は、第二王子であるアレクサンダー殿下。
 漆黒の艶のある髪。
 鋭いナイフのような切れ味の眼差し。
 頭の良さと、冷徹さを兼ね合わせたその姿に、一瞬にして心奪われたのです。

 わたくしは、お父様にお願い申し上げました。
 どうかアレクサンダー殿下の婚約者にして欲しい、と。

 わたくしに甘いお父様は、国王に掛け合って下さいました。

 当然、婚約者のいない殿下のお相手になれると思っていたわたくしは、お父様が戻られた後に自信たっぷりに声をかけたのです。

「お父様!わたくし、殿下の婚約者にいつなれますの?」

 でも、お父様の表情は何だか暗く、歯切れも悪いのです。正直、予想外でしたわ。

「……ああ、私の愛するシス……」
 
「……お父様?」
 
「……私の力不足だ……」
 
 そう、殿下の婚約者になれなかったのです。
 
「……理由は何なのですか」
 
「……詳細は分からないが、別の国との縁談がある様子だった」
 
 王子の縁談は、国同士の大変な問題なのはもちろん存じ上げております。が、殿下はもう24才。今まで婚約者すらいなかったはずなのにどうしていきなり……。
 
「……ただ、国王陛下からは、後半年待って婚約がまとまらなければ検討したい、と回答を頂いた」
 
「……でしたら、半年以内にその縁談がなくなればよろしいのですね?」
 
「……まあそうだが、シス?あまり目立つと国際問題になりかねないぞ」
 
「お父様、わたくしもミズリー家の一員ですわ。家名に泥を塗るような行為は致しません!ですから、わたくしは、実力で殿下を振り向かせて見せますわ!」
 
 わたくしは、強く決意したのでございます。
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