次期聖女はシークレットベイビー

紅位碧子 kurenaiaoko

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4.計画

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「おはようございます」

扉がノックされると、昨日のナナが朝食が載せられたトレーと共に現れた。

「スカーレット様、朝食をお持ちしました」

焼き立てのパン、オムレツにサラダとスープが食欲を誘う。

「ありがとう!嬉しい!お腹空いてたの」

寝巻きのままでまずはベッドで朝食を頂くことにする。

「このフレッシュジュースも美味しいっ!」

ナナが小さく笑った。

「とても美味しそうに召し上がられるので、こちらが嬉しくなりました」

「そう?ありがとう。何せ昨日もあのポンコツのおかげで昼から食べてなくて……」

(……昨晩、お届け完了しております。まだ連絡ありませんが、また連絡あり次第取次ぎますね)

ナナが小声で伝えてくれた。

「……ありがとう。助かるわ。それにしても……いつからしてるの?」

……公爵家のメッセンジャーを?

(だいぶ以前に、公爵領で台風があった際に家族が被災し、家も被害にあいました。生き残った私は公爵家の支援がされている孤児院でお世話になりました。その後は、公爵家が王宮侍女を募集していたので、志願して配属されました)

なるほど……そんな事情が。

朝食を食べ終えると、ナナに身支度だけ手伝ってもらう。

「こちらにある衣装はその……どれもシンプルですね」

シンプル……と、いうよりは地味な普段着くらいしか用意されておらず、適当にナナに選んでもらう。

「どのみち室内にいるから何でも大丈夫だから」

かえってドレスだと脱出の際に面倒になってしまう。

2日以内に私が立てた計画を実行するのは無理があるのは承知の上だった。

「せっかくですから、髪も少しアレンジなさいませんか?気分転換になりますから」

ナナは私のストレートの黒髪に手をかけると手際良く編込みスタイルに仕上げてくれた。

「見事な艶のある髪ですね!スカーレット様の黒の瞳と合わせると本当に神秘的ですっ!」

「ありがとう、ナナ。そう言ってもらえて嬉しい。だって、あのポンコツからはいつも地味だとか、冷たいだとか散々な言われようで……」 

「スカーレット様は、クールビューティーです!おまけに、気さくでとても優しい方ですから」

「ナナは煽てるのが上手ね」

「ありがとうございます」

ナナとしばらく他愛もない話しをした後、あまりにやることがなくて筋トレをした後に脱出計画を綿密に立てたのはいうまでもない。
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