暴君は時には下僕に成り下がる

ruki

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なのに、2週間前に捕まってからずっとこの時間を得られない。たかだか2週間。でも、オレにとってはこの時間があるから平日の仕事を頑張れるのだ。それが出来なかった今週は本当に辛かった。
外回りの前日は本当に憂鬱で、会社を辞めようかと思ったほどだ。でもそんなことくらいで辞められるほど社会は甘いものでは無いのも知ってるから、気力を振り絞って頑張ったのだ。
だから今週末はオレの時間が欲しかった。
けど・・・。

まさか家まで来るとは思わなかった。

オレは和真さんの気持ちを、読み間違えてたのかもしれない。
オレが思っているよりも、和真さんはオレのこと思ってくれてるのかな?

そう思ったら、胸がドキドキした。

和真さん、本当にオレのこと・・・。

そう思いながら少しずつ目を開けたら、目の前に和真さんの顔があった。

「綾人・・・目が覚めたか?」

なんだか違和感を感じる。

「はい」

とりあえず返事をするものの、何かが違う。
何が違うんだろう?

「大丈夫か?何か欲しいものとかあるか?」

そう言われて喉が渇いてることに気づいた。

「お水ください。冷蔵庫に入っているので」

そうお願いすると、和真さんは直ぐに取りに行ってくれた。それで気がついた。威圧感がないんだ。

あの暴君ぶりがなりを潜め、なんだか小さく感じる。よく見たら、無精髭も・・・。

営業のせいか身なりにはとても気を使っていた人なのに、髪もセットされず無精髭・・・。おまけになんだか目の下にクマもあった。

いつもは行為の後もきりっとしてかっこいいのに、どうしたんだろう?
そういえば、いつもは目が覚めても同じベッドに寝てるのに、今日はもう起きて服を着ている。

いつもと違ってオレのうちだから、落ち着かなかったのかな?

よく見たら時間も17時を過ぎている。オレが起きなかったから先に起きたのだろうか?

そう思っていると和真さんが戻ってきた。

「ありがとうございます」

普通にペットボトルの水を受け取ろうと思ったら、それをサイドテーブルに置いてオレの背に腕を差し入れた。そしてやさしく抱き起こすと、和真さんは自分もベッドに座って後ろから抱えるように支えてくれた。
ちょっとびっくりして思わず和真さんを見てしまった。こういう関係になってまだ2週間だけど、こんなに優しかったことは今まで無かった。どちらかと言うと、和真さんは意地悪だ。

びっくりしているオレの口元に蓋を開けたペットボトルがあてがわれる。飲ませてくれるらしい。
オレはそのまま水を飲む。冷たい水が喉を通って行くのが気持ちいい。

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