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蔓巍ゆんた

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俺が最初に好きだったんだ

10

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 鬱蒼うっそうとした森の中。木々が揺れて影をつくる。
 明るい陽射しに照らされてどれだけ歩いただろうか。
 叶は最低限整えた登山道具を背負い親友を求めて山中を彷徨っていた。
 下調べをして書き込んだ地図に赤くバツを書く。急き立てられるように探し始めたが、広い地図につけた赤い印は極僅かであった。

 現実が、押し寄せてくる。
 1人ではいったい幾日いくにち掛かるだろうか。
 絶望感が胸の中をじっくりと締め付けた。
 それでも諦められない。諦めたく、ない。

(絶対、生きてる。俺が、助けなくっちゃ。俺が、俺が……)

 チラチラ揺れる光。暑さの中心地よい風が吹く。鳥の声に虫の音が生命を主張している。
 ちっぽけな叶の存在など感知せず山は平穏な時を刻んでいた。

 叶は動かし続けた足を止めて少しだけ休もうと木に寄りかかった。
 登山による失ったカロリーを補給する為カラフルなコーティングがされたチョコレートをジャラジャラと取り出して口に放り込む。
 砂糖のコーティングが弾ける感触が懐かしく感じた。幼少期を思い出させる甘ったるい味を経口補水液で流し込んだ。
 ガリガリ無心で齧っているとぽろりと一粒落としてしまった。
 その口から溢れた丸い小さなチョコレートは斜面をコロコロと転がった。


I•̫͡•
『……ちょ』
「………!?!?」


 何気なくそれを目で追っていた叶はひょっこりと現れたその物体に驚愕して目を見開いた。暑さのせいで頭がおかしくなったのかもしれない。見たことも無い不気味な生物の幻覚が見えた。
 それはちょこちょこと木の陰から出てくると丸いチョコレートを拾い上げて嬉しそうに齧り出した。

ʕ•̫͡•ʔ
『ちょこ!ウマ!』

「…はっ…なんだ…これは…!…生きてる…?…こんな、見たこと無いぞ……」

 そして叶は思い出す。輝が消える前に言っていた事を。

「本当に居たのかっ…!?……ああ、なんで俺は信じてやらなかったんだ……いや、信じられるかこんな事っ…!」

"ʕ•̫͡•ʔ"
『ちょこ!チョコ!』

 小さなそれを生物は直ぐに食べ終わり、満足出来なかったのか更にねだるように叶を見上げて小さな手を振っている。
 叶が非現実的な出来事に固まっていると草むらがカサカサ揺れて白い塊がもう一つ転がり出てきた。
 2匹はうにうに上下しながら手を振り、精一杯アピールをしている。
 甘味をほっして自分達が知っている鳴き声を模倣した。

"ʕ•̫͡•ʔ ʕ•̫͡•ʔ"
『わにゃわにゃ』
『あまあま』
『ちょこちょこ』
『うまうま』

「……2匹目か…きみが悪い。繁殖してるのか…。…言葉が喋れる…?知能が、ある?…こんなに懐いて来るなんて、誰が餌付けをしたんだ…」

 野生の生き物に無闇矢鱈に食物を与える事はとても危険な事だ。

 生き物にとっても、人間にとっても。
 

"ʕ•̫͡•ʔ ʕ•̫͡•ʔ"
『わにゃわにゃ』
『かな、え、かな』
『かなえかなえ』


『『たすけて』』
 


 その言葉を聞いた瞬間、叶の思考が止まった。
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