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肉便器になった女(5)

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姉の結婚。それは名誉なことなのだと、思っていた。嫁ぎ先から送られてくる、父や母への豪華な贈り物は、ため息が出るほど美しい品々ばかりだったから。結婚式で見た姉の夫は、絵画で描かれるような、見目麗しい人物だった。きっと幸せな生活をしているのだろうと、私も大人になったら姉のような結婚がしたいと、期待に胸を膨らませていた。

しかし、幸せになったはずの姉の訃報は、私を失意のどん底へと突き落とすには十分だった。

母と共に、その亡骸を見に行ったが、そこで待っていたのは知りたくもなかった現実だった。
「元気だけが取り柄なのよ」と笑い、溌剌としていた姉が、頬は削げ落ち、変わり果てた姿となっていた。姉の遺体を前に、母は泣いて私を抱きしめた。
長女クロエの死から、数年が経った。次女のカトリーヌは、3人連続で女児を産んだために、夫から言葉の暴力を受けて精神を病み、自害した。母の自慢の3人姉妹は末っ子の私1人になってしまった。

先生は私が求める条件に、かなり近い人物だった。まず私を魔力の高い女としてではなく、私自身を見て、愛してくれる。
そして上級貴族ではあるが、末席、しかも長男ではなく三男だ。魔力が低かったために正妻の子であったが、家を継げなかったらしい。学園を卒業後、冒険者として血の滲むような努力をしてから、仲間の推薦もあり、学園の先生として採用されたそうだ。

その異色の経歴から、尊敬できる人だと思った。

魔力があればあるほど、良縁を組める可能性は広がる。
だがら下級貴族の女生徒は、学園に在籍している間、その魔力を高めるために勉学に励み、魔物を倒してレベルを上げる。
私は魔力の低い友人たちが、羨ましかった。魔力さえ低ければ、私もその輪の中に入れたかもしれない。私は、これ以上魔力を上げる必要がなかったので、魔物を倒すわけにはいかなかった。魔物を倒せば、ただでさえ高い魔力が、さらに高くなってしまう。

卒業するために最低限の魔物だけ倒して、私はサボり魔となった。余った時間は将来の結婚相手となる先生のために使った。

追試を受けるほどに成績を悪くしたのは「私、わからなぁい……♡」と近づき、手とり足取り、先生といちゃつきながら教えてもらうためであり、下心しかなかった。

でもすべては男たちのせいで、すべて水の泡だ。

「……ッ、これは……」

きっとばれてる。エドモンが逃れようとする私を抑え込み、サミュエルが薄笑いを浮かべながらズボンを下ろして、腰を掴んで中に挿入した時、顔色を変えた。

私の魔力がありえないほど高いことに勘づいたのだろう。
性行為は高純度の魔力を注ぎ込むようなもの。魔力が互いに高ければ、男女共に快感を得やすいと聞いている。そうでなければ、こうも全員が下級貴族の私に態度を変えるわけがないだろう。冷淡なサミュエルでさえ、性行為の際は頬を上気させながら抱くぐらいだ。

「ああぁぁああ♡ もっと、もっとぉぉお♡」
「この淫乱女がッ……! お望み通り、中出ししてやるよ……!」

まぁそのせいで、中出しされる度に、彼らの馬鹿みたいに高い魔力が精液と共に注ぎ込まれるのを感じるわけで、前後不覚の状態に陥るのだけれども。散々、肉便器だの娼婦だのと罵られ、尻を叩かれ、肉棒を突っ込まれるが、怖くなるぐらい感じてしまうのは生理的現象だし、声を抑えようとしても、身を貫くような快感に悶え苦しみ、嬌声は止まらなかった。
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