転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

文字の大きさ
53 / 532
第2章 幼少期

2.2.1 初めてのお出かけ

しおりを挟む
 お出かけの許可が出たので、そのための調整がされていた。
 護衛の他に案内人が必要で、人を探していたからだ。

 2週間ほどして、ようやく初めてのお出かけの日となった。

 おばあさまが、新しい人を紹介してくれた。

「この方が案内役になるケネス・ヒューゲルよ。
ケネスの剣術は師範級だったのよ」

「ケネスです。ジルベール様よろしくお願いします。
魔術師のバーニィ殿もいるそうなので、補佐程度なら十分できます。若い者にも簡単には負けません。護衛中はケネスと呼び捨てにするようにしてください。バーニィも一緒です」

 ケネスは55歳ぐらいで武闘派のおじさんだ。
 55歳には見えない立派な体躯をしている。

 アメリの男性恐怖症は若い男性が対象で40歳代の後半からは対象外だ。

 ケネスは去年まで役所に勤め、近隣の税収確認をする担当者だったので領内に詳しい。
 さらに、なにかあれば自警団と協力して魔物を討伐に行くアグレッシブな人だ。

 もともと引退を考えていたそうだが、領内に詳しく、護衛も出来る万能な人なので、完全引退されるとこまるらしく、僕の面倒を見る仕事をしながら仕事を引き継ぐことになったそうだ。

「誕生祝の時に紹介したけどあなたの護衛になるバーニィよ。
バーニィは王宮魔導師なのよ。オルトディーナ公爵の命令でジルベールを守る任務を受けているの。
バーニィは移動中、御者の隣で警護してね。
徒歩の時はアメリの後ろを歩くのよ。
貴方は魔法で護衛するのだから少し離れていても大丈夫でしょ」

「はい。ジルベール様の初の護衛任務。きっちりと務めさせていただきます」

「お願いだから護衛中に女の子に見惚みほれないでね。ケネス、きれいな子がいる時には気をつけてね」

「はい、本日は涼めるような場所へ行くだけですが、そうですね、休憩する近くに洗濯中の若い子がいる場所は避けるようにします」

「今日は念のため侍女のコリンナが一緒に行きます。コリンナよろしくね」
 さて、おばあさまからの注意が終わり、ようやく支度が終わり出発のようだ。

 ケネスがエスコートしてアメリ姉様とコリンナを馬車に乗せた。
 僕は抱っこされて馬車へ。
 それから最後に世話係のジャックリーンも一緒に乗り込んだ。

 今日は、馬車で近くの湖に行く。
 馬車で1時間ほどだがその途中も案内をしてくれるので2時間ほどかけてゆっくりと移動するそうだ。

 まず家を出て役場に向かう。
 隣は伯爵家だ。
 敷地は僕の住んでいる領主館よりの半分ぐらいだ。

 そして少し空いて役場になった。

 当然だが役場は領主館よりも大きい。
 役場の隣には舞踏会が開ける講堂がある。

 そこから子爵家、男爵家が続く。
 道沿いだと100軒ぐらいあった。わき道もあるのでもう少し多いのだろう。


 そして貴族街が終わると訓練場に、自警団の人達が住んでいる建物が見えた。

そして、少し空いてお店が並ぶ街並みに変わる。

 沢山の店があった。

 おかあさまがちからを入れている商業ギルドは別のところにあるらしく、今日は立ち寄れない。
 商業ギルドは低地側にあるので、今から行く方向とは逆になる。


 店がなくなり山側の道へと進む。

 回りの木で囲まれだすと少し涼しくなってきた気がする。
 そして暫く走ったら目的の湖に到着した。

 湖はとてもきれいだった。

 少し高い台が造ってあったので、アメリ達と登った。
 そこから湖の全貌を眺められる。湖は2kmほどの大きさだった。
 そして色はとても青い。きれいな青だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!

石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。 応援本当に有難うございました。 イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。 書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」 から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。 書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。 WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。 この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。 本当にありがとうございました。 【以下あらすじ】 パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった... ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから... 第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。 何と!『現在3巻まで書籍化されています』 そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。 応援、本当にありがとうございました!

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...