転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.5.3 王都の土産話

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「めずらしいね。
 アメリ姉様が男性をそこまで褒めるなんて、そのレイブリング・クリュシュナーダ伯爵はいくつぐらいなの」

「確か、アナベル様と同級生のはずなので37歳です」
 侍女長のコリンナが答えてくれた。

 おじさんか。
 将軍の地位にあるのだからそのぐらいの年なんだろう。
 まあ自分の父親と同じ年なのでなんとも言いようのない感じだ。

 もしかしてアメリは年配の男性なら大丈夫ではなく、年配の男性が好きなのではないだろうか。

「あら、おとうさまと同級生でしたのね」

「そのはずです。
その年はお2人でゼムを争いましたが残念ながら該当なしとなった年です。
ですが、学園卒業後の騎士学校でレイブリング様が光魔法を使った剣技を習得され一気に才能が開花したとアナベル様が話されているのをお聞きしたことがあります」

「そういえば、おとうさまがそのようなお話をしていたわ。
 レイブリング様のことだったのね、話が繋がったわ。
 そういえばおとうさまがもう一人の継承権を持つ人と言っていたわ。
 成人していなかったからおじい様のカイン様が継いだけど、数年ずれていたら継承権が別の家にまわっていた可能性があったと。
 レイブリング様は先々代オルトディーナ公爵とカインおじい様の妹の間にできたご子息様だったのね」

 なるほど、おじいさまの妹の子供か。
 継承権はカインおじいさま、アナベルの次に高い。
 数年ずれて継承の話がでていたら才能が開花した優秀な候補者としてレイブリングさんが筆頭になっていてもおかしくないのか。
 年齢的にも身分的にもレイブリングさんが継承した可能性があったということか。

 確か直系継承者がいない場合は、継承権の順位を考慮し貴族院が領地の発展を考慮して次代を決めるんだよな。

 今は僕が第1継承権の保有者らしいけど、僕が成人するのはだいぶ先だし、すでに成人しているクリュシュナーダ伯爵が一時的に領主になった方が良い気がするけどな。
 僕が受け継ぐにしても、途中10年から20年は領主になれるだろうし。
 今現在、将軍として軍隊を率いている役職があるから無理なんだろうな。

 できれば僕自身は領主なんてならず、お気楽な研究者になりたいんだけど。
 みんなが領主として期待しているみたいだからそんなことは言えないな。

 今回王都に行って、ワインを飲むようになったらしい。
 大人になったでしょうと言っていた。

 すでに一児の母なので十分大人だと思っていたが、実は今回の王都訪問までお酒をほとんど飲んだことがなかったらしい。
 お酒を覚えたみたいだが、ほどほどにした方が良いと思った。
 なにか失敗しそうなアメリ姉様に不安を感じた。

 そして、翌日昼過ぎまでアメリ姉様は起きてこなかった。

 その日の夜
「禁酒します」
 アメリ姉様がそう宣言していた。

 うん、その方が良いと思うよ。
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