転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第2章 幼少期

2.6.1 4歳ごろ

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 春になり、ケネス・ヒューゲルさんとの領地見回りも再開された。
 ようやく冬籠りが終了だ。

 今年は去年よりも遠出をすることになった。

 相変わらず道のでこぼこが多く、馬車が揺れる。

 今日はバーニィが自警団の訓練に行く日で別行動。
 そんな時に限ってと言うべきなのか、運悪く道の穴にはまり無理やり脱出した時に車輪が壊れてしまった。

 バーニィがいれば土魔法で上手く脱出できたはずだったのに。

 応急修理を施して、領地の工房に修理に出すことになった。

「この馬車は、隣の領地で作ったものです。
 クロスロードには木の工房が幾つかありますが鉄を加工する工房は無いのです。
 一番大きい木工房が鉄の部材でも修理程度は引き受けてくれるので、馬車の修理はその工房に頼んでいるのです。
 修理の時間退屈になるかもしれませんが、後学のために工房に行ってみますか?」

「うん。行く行く、ジャック遅くなるかも知れないけどいいかな」

「家の方には私から連絡を入れておきましょう。では、このまま工房に向かいましょう」

 ケネスさんは揺れる馬車の中で魔術具の手紙を書き、それを飛ばした。
 短い距離なら決められた場所に向けて手紙を飛ばすことができるらしい。

 そしてやってきた木工房。
 ジャックリーンと一緒に降りて工房の中へ入る。

 ここは、無骨なおっさんばかり20名ほどが働く工房だ。
 主な製作物は棚や机、椅子などだ。

 ケネスが工房長と話をして、修理をする人が集まってきた。
 僕とジャックリーンは見学を許可されたが十分離れて見るように言われた。

 工房で働く人の世話をするおばちゃんが出てきて僕が飛び出さないように前に陣取られた。
 けっこう太めの体格で迫力のあるおばちゃんは貴族であるリリアーナ母様とは違うおかみさん風の人だった。
 やさしそうではあるがやんちゃ坊主の扱いには慣れている風貌だ。

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