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第2章 幼少期

2.7.1 5歳 誕生月

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 あっと言う間に5歳の誕生月になった。

 ファールじいちゃんは4歳の誕生日にも来てくれていたが、もちろん今日も来ている。
 だが今年は家庭教師とその家族も一緒に連れてきてくれた。

 ヘイゼル・サイレーン子爵   30歳 銀髪 少し青 両目赤 
 クイン・サイレーン 子爵夫人 27歳 銀髪 少し緑 両目黒
 エレノア・サイレーン       4歳 銀髪 少し緑 両目黒
 ニナシスティ・サイレーン     2歳 銀髪 少し青 両目黒

 ヘイゼルさんは、ここに来る前は大学で植物学を研究していた。
 勤めた1年目にたまたま新種の薬草を発見する幸運に見舞われ、さらにその後、数種類の毒に反応する試験紙を発明した功績を持つ。

 その功績を考慮され学者つまり名誉子爵、つまり1代限りの子爵位を賜ったのだ。

 だがそれ以降は大学の派閥闘争に巻き込まれ、支持した派閥が負け徐々に大学での居場所がなくなり、ついに大学を出る決心をしたそうだ。

 クインさんはファールじいちゃんの家に勤める魔道士だ。
 2人が結婚後も仕事を続けていた。

 その後、クインさんは子供が生まれ子育てに集中するため仕事を辞めたかったが、ヘイゼルさんの収入が減り仕事を辞めるに辞められない状況だった。
 出産後にすぐに復職して勤めていたらしい。

 魔道士の仕事は、体を使う内容よりも魔力を使う内容が多い。家の魔術具に魔力を込めたり、防衛の結界維持などで、子供が生まれてもすぐに復職可能らしい。
 貴族の家なので侍女や下働きの人は雇っている。下級貴族は貴族ではなく主に平民を雇う。クインさんも乳母を雇って子育てを手伝ってもらっていたので仕事を続けられる。
 魔道士の仕事は魔力が切れたら終わりなので、それほど長時間の労働にならないそうだ。

 そんな生活をしていたが、ファールじいちゃんが僕の家庭教師を探している話を聞きつけ夫婦で申請しこの地に来たそうだ。

「ジルベール、彼らは一緒に暮らすのだからイヤリングを外して挨拶をしなさい」

 ファールじいちゃんがそう言うので、ちらりとリリアーナ母様のほうを見て確認。

「大丈夫よ。
彼らはここでのことを口外しない契約をしています。
エレノアとニナシスティもあなたの妹のようなものよ」

 許可も出たのでイヤリングをはずして4人に挨拶をした。

 契約をした時にヘイゼルさんと、クインさんは両金眼とは知らされず秘密があると聞いてはいたのだろう。
 実際に僕の両金眼を直接に眼にし、かなり驚いた顔をしていた。
 エレノアとニナシスティはまだ小さいので、両金眼の意味も解らず気にする様子が無かったのは良かった。

 そしてヘイゼルさん、クインさんと順番に挨拶をした後で、エレノアが挨拶をした。

「ジルベール様、エレノアと言います。
4歳になりました。
これからよろしくおねがいします。
この子はニナシスティ。
まだ2歳です。
ほらニナシスティ、あいさつして」

エレノアは4歳の割にしっかりとしたお姉ちゃんらしい挨拶だった。

「ニーです。よろちくねがいちまちゅ」

 ニナシスティは普通に2歳子の挨拶だった。
 とてもかわいらしく頭を下げて挨拶してくれた。

「エレノアちゃん、ニナちゃん、これからよろしくね」
 僕はふたりに笑顔で答える。
 ふたりも笑顔で僕の返事にかわいらしく微笑んだ。

 名前は思い出せないが確か前世でも妹がいたような気がする。
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