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第2章 幼少期

2.24.3 レオノーラ・クロスロード

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 医者のシーズさんから回復魔法の特性を教えてもらった。回復魔法も万能では無い。
 ただ、間違った方向に勝手に魔法が暴走する事は無いことはわかった。
 正常細胞にしか回復魔法は効果が出ないと言う事を知った。
 回復魔法がガン自体の再生能力を上げ、ガンを進行させるようなことは無いそうだ。

 つまり、回復魔法は命を短くする方向には働かない。

 そう考えるとかなり回復魔法は、効果を出すには高度な医学知識や科学知識が必要だが、診断ミスをしても弊害がない。
 つまり、誤診断による医療ミスはない。

 医療ミス0なんてすごく便利なのではないか。

 魔法は神の法則にしたがっていると言う話があった。

 この例からもまさにそうと思える。
 どうして知らなくても適切な効果が発動するのか、とても興味は沸くが、今はまだそんな事を考える余裕が無い。

 だが、近い将来、必ず研究しようと思った。

 ところで、おばあさまは領主夫人だったわけだ。
 そのため葬儀はとても大きいものになるのかと思っていた。だが葬儀は簡単なものだった。現役の領主が死んだ場合は領内全体に告知するために葬儀と新しい領主の就任をあわせて儀式が行われるが、葬儀だけなら小さなものになるらしい。

 特におばあさまは、ご友人もみな年寄りばかりで、辺境の地までやってくる人は少ない。そもそも友達も亡くなっている人が多い。

 手紙による知らせを出す。
 皆からも手紙の返信はあるが、直接葬儀に来るものでは無いらしい。

 結局、あっさりと身内だけの葬儀が行われ、おじいさまと同じ墓(区画が一緒で隣です)に入った。
 もちろんこの世界は神教。

 なので自宅に仏壇を置く習慣は無い。
 もちろん、お経もない。
 葬式で、神父様がお別れの言葉を言って終わりだった。
 こちらのお葬式は、あっさりしてるなーと感じた。
 葬式が終わると、あとは亡くなってから30日,100日でお祈りをする。その後は毎年お祈りをする。

 家では、おばあさまが大切にしたバラ園が残っただけで、高価な宝飾類以外の物は処分された。
 僕は、首飾りなど数点を貰った。なので、エレノアとニナシスティに一つずつ宝石のついた首飾り譲った。彼女達もおばあさまを大切に思い、面倒を見てくれたのだから。
それに僕にとってエレノアとニナシスティは姉妹だった。僕が5歳の時から一緒に家で過ごすエレノアとニナシスティ。
僕はもうすぐ9歳。既に4年近く一緒に過ごしている。
 だから僕は何の疑問も無く、おばあさまからのプレゼントだよと貰った宝石をわけた。
 すると、後でクインさんにすごく怒られた。

 おかあさまが、慌てて仲裁に入ってくれた。
 理由は、結婚する気も無い相手に高価な物を送ってはいけないかららしい。この首飾りをして外に出て、ジルベールから貰ったといえば、世間では婚約したと言われる可能性があるらしい。そうなったら、どうするのだ。責任をとれるのかと。
 高価な物を送らないのは、自分のためでもあるし、相手の女性のためでもある。
 怒る理由もわかり、配慮無く大変失礼なことをしたなーと反省した。
 ふたりが、幼くて良かった。意図せず婚約になってたら、大変だった。これからエレノアとニナシスティは恋をしていくはずなのに、いきなり領主様に召し上げられたと言われては、災難だっただろう。
 結局、その首飾りはお母様がおばあさまからの遺品として別けたことになり、ちゃんと渡せた。ふたりにも、僕からではなく、おばあさまから貰ったと言うように注意されていた。
 残りの遺品は、無事おばあさまの遺言どおり、リリアーナお母様と、アメリで分けたようだ。
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