転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第3章 竜の襲撃

3.1.3 竜の襲撃準備

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「荷物出したらすることなくて暇なんでしょ。
僕と撃ち合おうか。
レイさんからも言われてるしね」
「え、僕が?」

「そうそう、ジルちゃんに剣を教えろってね」
「そうですか。じゃあお願いします」

 マイストレージから木剣を取り出して握る。

「じゃあ、基本の型から行って見ようか、一緒に振るよ」

 いやー、音から違うわ。
 女性だからとなめたらいけない。
 さすが剣王でした。
「ふふふ、型はとてもきれいだね。9歳にしてはできてると思うよ」
 エイミーは僕の素振りを見て、軽く褒めてくれた。

 そのあとでトシアキとの打ち合いを見せてくれた。
 普段のトシアキとは違って、いつもよりも動きが早い。

 魔力の可視化で、見る。
 そして、鑑定も使うと二人が身体強化をしている事が解った。

 なるほど、全身に魔力を回して筋力の補助に出来るらしい。
 僕も試してみるとちょっとだけ剣速が早くなった。

 魔力を多く流せばもっと速く動かせそうだ。

「ジルちゃん、身体強化できるの?」
「二人が戦っているのを見て、今何となく」
「そう、ジルちゃんはまだ体が出来上がってないから、あまり身体強化はしない方が良いのだけど。
身体強化に頼ると純粋な筋力が育たなくなるんだ。
体を鍛える時と、使い分けができれば良いのだけど、使えるようになると切り替えが難しいんだよね。
レイさんみたいに筋肉だるまになるまで筋肉を付ける必要は無いと思うけど、もう少し筋力が付くまでは強化しても倍率を落とすようにね」
「そうなんですね」
「でも、見ただけでそこまで出来るなんて信じられないや。
その才能、ちょっとうらやましいな。
僕が身体強化を覚えるのに1年もかかったのに」

「私は3年もかかりましたよ。それに倍率も低いままです。
エイミー様も十分にうらやましい才能ですよ」

「トシアキで3年。
そうなんだ。
でも、これ身体強化なの。
自信が無いのだけど」

「今やってるのは部分強化だね」

「ですね。
そこから全身を強化できるようにするのが次の段階になります。
慣れないと、訓練中に多用すると筋肉を傷めることもあります。
なにより、筋肉の成長を阻害したりするので禁止です。
魔力を減らして薄く全身に伸ばしゆっくりと歩くことから始めるなら練習しても良いですよ」

「魔力を薄く延ばす訓練なら、しても良いってこと?」
「そうですね」
 そんなの、魔力操作のレベルが高いのだから割と簡単に出来そうだ。

 立ち上がって魔力を薄く全身の筋力に伸ばす。
 この状態で動けば普段よりも力強く動ける気がする。

 だが、1歩動いただけで、全身の魔力が部分的に消費されて散ってしまった。

 なるほど、練習だけならしても良いと言われる理由がわかった。
 難しいや。
 これを戦闘中にやると、必要な個所に魔力が無くて痛めるのは当たり前だな。

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