転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第3章 竜の襲撃

3.9.1 10歳の春

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 冬の間、ティアマトからいろいろと教わった。竜族は魔法が使えるので魔道具はあまり使わず興味がないが、武器に関してはかなりのノウハウがあるらしい。
 例えば僕にくれた古竜の剣やエイミーの剣だ。こういった武器や防具へ魔法を付与して性能を向上する技術はとても優秀らしい。
 ティアマトは技術を隠すことなく武器と防具へ性能向上と、魔法付与について教えてくれた。
 最初は木の剣で性能向上の練習をする。植物は魔力が通りやすく加工がしやすい。その代わり強度はあまり強くならない。ただ、練習用には良いらしい。

 木剣を固くし、魔法を付与する。
 ちなみに火の魔法を付与するとあっという間に燃えてしまう。多少魔法に対する耐性を付与して燃えにくいようにしたとしても、元の特性がある以上燃えないようにすることはできない。
 木に魔法を付与する場合、剣の表面を削り魔法陣同様に文字を刻んでいく。ティアマトが教えてくれる記述方法では竜語だ。
綺麗に削り取って、隙間に血を入れたインクでなぞり完成する。
この削りだが、魔力を使って削るのだ。つまり高い魔力操作レベルが要求される。

次に、金属の加工に移る。
金属を加工する場合、3枚構成で作成する。中心部は魔力の流れの良い金属を使い、そこに魔法文字を刻む。そしてその外側を固い金属で挟み込む。
これも魔力で結合させ外観から3つにわかれると解らないように作り出す。
最後に、硬化の魔法を使い完成する。
 この異なる金属を融合させるのがとても難しいらしいが、それは普通の人間にとってだ。人間に比べると圧倒的に膨大な魔力を持つ竜族にとってはそれほど難しい操作ではない。つまりそれは僕にも当てはまる。

実は、魔力の可視化と鑑定で見極めることによって、割と簡単に習得してしまった。

こうして、光魔法を付与した練習用の魔法剣を完成させた。
それから盾で防御系の魔法付与を練習し、最後にエイミー専用ホワイトドラゴンの鱗を使った防具に僕が魔法を付与して完成させた。
元の特性で魔法を無効化する効果があるので、その特性に加えて攻撃された魔力を吸収する仕組みを付与した。
回収率は1割から2割ほどだが、無いよりはましだろう。

 練習用に光魔法が使える包丁がたくさんできてしまった。
一応貴族の端くれであるゴルゴさんは問題なく使えたので大喜びだったが、平民の料理人は油断すると魔力が無くなるらしく不人気だった。
 光特性が無くても使えるように魔石に魔力を貯めて使うようにしてあるが、その分効率が悪いのだろう。
 魔石を使った場合の魔力返還効率の上昇を検討する必要がありそうだ。
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