転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第3章 竜の襲撃

3.8.6 竜との生活

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 ティアマトとの戦い後に残った黒狼の子狼。
 この子は、体が元気になってもあいかわらず家にいる。
 僕になついてしまったようだ。
 森に連れていって、僕らだけ先に帰っても、朝になると家の小屋でしっかりと寝ていた。

 結局、もう飼おうということになった。
 あまりに人慣れすぎてしまい、野生には戻せそうも無いという判断だ。
 飼うならば、名前をつけようことになり、僕に命名しろと皆が言う。
 しょうがないので、べたに“太郎”と名づけた。

 皆が一斉に、変な名前と突っ込みがあったが、トシアキの母が飼っていた犬と同じ名前だった。
母と同じセンスですねと妙に感動していた。
 トシアキ曰く母親が飼った犬は全部で3匹。
太郎、次郎、花子でした。うーん。テンプレ。
これで確定。間違いなく母親が転生者。
トシアキの母親はトシアキが15歳の時に風邪をこじらせ、そのまま亡くなったそうだ。
 太郎の方は、名づけをしてから数日後に異変があることがわかった。
太郎が急激に成長している。
ライムとピーチに続いて僕が名前をつけたことで、覚醒したのだろうということだ。
そういえば名づけしたときに、魔力が結構減った。
子供だから油断していたが、魔物に名前をつけるのはやはり危険だ。
 どうやら、太郎はライムやピーチとは違って一瞬で覚醒するのではなく、数日かけて主人の力をもらいながらゆっくりと成長するタイプらしい。子供だからかもしれない。
 いまだ、魔物の生態はよくわかっていないのだ。
 
大きく力が流れていたのは最初の1週間。
その後1ヶ月ぐらいは少しずつ魔力が流れていた。最近はそれもなくなった。

 この家に来たとき、太郎は黒狼としては明らかに子供。
体長1m以下でちょっと大型の犬ぐらいだった。だが、魔力の流れが無くなった頃には体長が4m前後まで大きく育った。
 食欲もすごくて、途中で森に食料調達に行かないといけないぐらいだった。
母親がもっと大きかったので、最終的にはもっと大きくなるそうだ。
ある程度まで大きくなったら、そこから100年ほどかけてゆっくりと育つらしい。
魔物の寿命長いな。
僕が生きている間は、ずっと成長しそうだな。

 さて、その後も太郎は僕にべったりと言うと、そうではなかった。
最近は、僕ではなくエイミーに懐いた。
 エイミーは大の犬好きだった。
毎日のご飯を自分があげると率先してご飯係をやっていた。その影響なのか、あっというまにエイミーに懐いた。
 いやもしかしたら、最近の様子を見る限りエイミーの配下に下った気がする。
 春になり、ティアマトが戻った後ぐらいだが、太郎はエイミーを背中に乗せて歩くようになった。
そう、エイミーは日々乗馬ならぬ乗狼を楽しんでいる。

 専用の馬具? 狼具と言うのか? を作り、領内を駆け回っているのだ。
馬よりも圧倒的に速い。そして楽しそうだ。
 僕も乗ろうとしたら、エイミーと一緒なら乗せてくれるが、単独では乗せてくれない。

 あれ、太郎の主人って僕だよね?

 安全のためなのか、どうなのかよくわからない。
 もしかしたら太郎がオスだから女性しか乗せないのかもしれない。
そう思って、クインさんを近づけてみたが怖がって乗ってくれなかった。
エレノアやニナシスティが近づいたら少し小さくなった。なんと便利な。
そして二人を乗せて楽しそうに遊んでいた。

 そういえば、ペットの性格は主人に似ると言う。
うーん、自覚が無いが、僕ってそんなに女好きなのだろうか?
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