転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第3章 竜の襲撃

3.13.4 竜王バハムート

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 玉が崩れ去った後からは立派な青年男性と綺麗な若い女性が出てきた。女性は、先日降臨したアロノニア様に似ている気がした。
 あれ、中にいる聖獣は虎で伴侶は精獣の銀狐って言ってたような。
 どう見ても二人とも人間の姿をしている。

「アロノニア様から頼まれて、白虎王の救出に来ました。
私はジルベール・クロスロードと申します」

「人間、それも子供に助けられるとは。
屈辱であるが、アロノニア様からの依頼ならば致し方ない。
礼を言う。ありがとう」

「白虎王、我じゃ。
竜王バハムートだ。良くぞ無事であった。
お主がその玉に封印されてから500年も経っている。
良く無事であった」

「おお、バハムート。
いやいや姿のときはカイであったか。
そうか、500年も経ったのか。
眠っておったので時が過ぎた感覚はないが、500年か。
コハクは大丈夫か」
「はい。あなた様。
少しお腹がすいた感じはしますが、大丈夫です」

『ジルベール、妖精体で良いから出して頂戴』
『ワシも頼む』
ええ、残った魔力が少なかったが妖精体ならそれほど魔力は必要ない。
イシスとガルダと出してあげた。
「白虎王、久しぶりね」
「久しぶりじゃ、久しぶりじゃなあ。心配したぞ」

イシスとガルダが白虎王の周りをフワフワと飛ぶ。

『白虎王、助かったのね。良かったわ』
目の前にアロノニア様が登場した。
『まずジルベール。
白虎王を助けてくれてありがとう。
ああ、500年も。ようやく我が子が解放されたわ。
にくきあやつらは、イシスに起こさせた津波で全滅させたとは言え、いまだに思い出すと許せぬ』

怒っている。
アロノニア様の怒った姿はちょっと怖い。いやかなり怖い。

「アロノニア様、お久しぶりでございます。
このたび、封印を解いて頂きありがとうございます。
しかし、なぜか聖獣の姿にも戻れぬようで、力も出せません。
私はどの様な状況なのでしょうか。
教えていただけませんか」

『500年も封印されたことで、そなたの神力がつきかけているのだ。
あと少しそのまま封印されていたらあなたは消えてしまっていただろう。
銀狐のコハクを生かすために力をわけていたことも原因の一つ。
500年をすぎた状態で無事な理由はそのためである。
コハクはそのまま現世に戻れる。
だがそなたは一度精霊界に戻り、眠る必要がある。
しかし、その地から精霊界に戻るには、それなりの力が必要だ。
助かる方法は一つだ。
そこにいるジルベールと契約を結び、召喚の儀を交わすのだ。
召喚獣となった後に、召喚終了で一瞬にして精霊界に戻れる。
さあ時間が無い。
急ぎなさい』
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