転生者はめぐりあう(チートスキルで危機に陥ることなく活躍 ストレスを感じさせない王道ストーリー)

佐藤醤油

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第3章 竜の襲撃

3.14.4 家に竜王バハムートがいる生活

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 ふと気が付いたら、なぜかコハクは侍女服に似た服を着ていた。
頭は耳がピンと立っているが、髪飾りが邪魔にならないようについている。

 コハクは20代前半に見えていたが、そういった服を着れば女子高生ぐらいにも見える。つまり、なんと言うかとても可愛らしい格好をしていた。

「じゃーん、どうですかジルベール様」
「え、ああとても可愛らしいね」
「そうでしょ」
 満足そうにうなずく侍女隊。彼女たちは何がしたんだろう。
「コハク様はジルベール様の面倒を見るのが希望だと言うことでしたので、とりあえず侍女服を着せてみました。ですが残念ながら食事の配膳も掃除もできないのです。とりあえず見た目だけを希望通りにしてみました」
 あ、そうか侍女達は彼女が何者かよくは知らないんだったな。
 それに、アロノニア様に僕の近くにいるように言われたからいるだけだ。
そもそも幻獣は人の生活を体験していないだろう。
侍女の仕事ができると思えない。

「ああ、彼女とは今後どうしたいのかはもう少し話し合ってみるよ。
とりあえず不便があったら僕に言って、コハクも皆も」
「はい」
 そういって侍女たちは下がっていった。
 コハクはレティーシアと一緒に僕の後ろをついて部屋に戻った。
「コハク、君はアロノニア様に言われたし、コテツが復活するまで僕のそばにいるつもりだよね」
「はい、そのつもりです」
「僕としては、特に仕事をしてもらう必要もないと思っているのだけど、君はどうしたい」
「コテツ様の復活も、わたくし自身の事も含めてジルベール様に恩義がありますのでお役に立ちたいと思っております」
 うむ、難しいな。
 人間とは違うのだから食事も同じような感じではない。昨夜の感じだと、眠るときは体が小さくなり狐の様な姿に変身して寝ていた。
 防御系の魔法は得意だし、僕の部屋で寝泊まりできる護衛になれると言えばなれるのだろう。
「昨夜も寝ながら結界をはっていたけど、あれは普通にできるの?」
「はい、無意識化でも結界を作っておくことが可能です」
「じゃあ、夜はこの部屋で寝泊まりして護衛って事でよいかな、狐の姿で小さくなれるならベッドの上でも休めるだろう」
「はい。それがご要望であればそうします」
 レティーシアが顔を赤らめて見ているが、なにか誤解をしているようだ。
「レティーシア、一応君は聞いていると思うけどコハクは銀狐の幻獣だから。
夜寝るときは狐の姿だからね。
一緒に寝ると言っても、そっちだから」
「え、幻獣とは聞いていますが、狐の姿になれるのですか」
「幻獣の姿だと部屋の中に納まりきれないけど、狐の姿になればこのくらいのはず」
「はい、このようになれます」
 その場でくるりと回転すると、人の姿だったコハクが銀色の体長1mほどの銀狐に変身した。
「あら、本当に。コハクちゃんはその状態でも魔法が使えたりお話ができたりするのかしら」
「魔法は使えるし、話もできます」
「じゃあ、ここは任せることができるのね」
 そのあとでくるりと回転すると元の姿に戻った。
 服も元のままだ。
銀狐になった時に服はどこに行っていたのだろうか。変身と言うにもしても服は魔力で作られたものではない。空間魔法に入れてあったにしても脱いだり着替えたりする場所も時間も必要ないとはコハクの能力はとても便利そうだ。
こうして、当面の間、コハクが僕の専属として夜の番をするようになった。
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